オーストラリア北部の野生動物をたずねて（終）　ケアンズとその近郊

2013/12/29 - 2013/12/30

いよいよクリスマス旅行も最後。アサートン高原から一路、ケアンズを目指します。

エリア ケアンズ(オーストラリア)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 4.5
• ホテル: 4.5
• グルメ: 2.5

• 同行者: カップル・夫婦
• 交通手段: レンタカー
• 航空会社: ジェットスター航空
• 旅行の手配内容: 個別手配

今日も快晴、すっきりした青空です。
まずは、昨日は見られなかったCathedral Fig Treeを見に行きましょう。

カーテン、とかカテドラル、というのは見た目の形状から来た命名です。なりたちは勿論同じ。ここも回りに遊歩道がきれいに整備されていてこの辺りでは有名な観光スポットです。

この日の最初の目的地は、野生のロックワラビーがいるという小さな町、マリーバです。そのワラビーのいるグラナイトゴージへ行く途中でこんな看板を見つけました。

どうやら航空博物館のようです。相方がこういうものには目がないので、これは立ち寄らずに通過するわけには行きません。時間はたっぷりありますし。

アメリカの誇る名機です。民間機に使われたDC-3という型番がよく知られていますが、こちらは軍用でC-47、愛称はジャングルスキッパー。

格納庫の中が展示場になっていて、入ってすぐの所の壁にはこのようなビラが。日本でも戦争中はいろんな標語ができて町中に貼られているのをドラマや映画ではよく見かけます。今やっている朝ドラでは「日本人ならぜいたくはできない筈だ」というのがありましたっけ。

豪州のはこのようにカラーでイラストが描かれている物が殆どです。「その旅行は本当に必要か？」というのは鉄道輸送力を軍需に回そう、ということでしょう。

禍々しい色で病院船らしきものが燃えているポスターはどうやら病院船が撃沈されて亡くなった看護婦達の仇を撃とうぜ！という感じですね。

これらの相手が全部日本、というのがちょっと気まずい展示ですが日本のただ標語を書いただけのものと比べると興味深いです。だいたい、戦争中にカラー印刷でばんばんビラが刷れる、その国力って。

どうやらここは個人で運営されているのでしょうか。格納庫の中は実に雑多な展示物、そしてリストア中のものや、ただの残骸としかいいようがないものなどが置かれています。

これは無線機と通信兵の人形です。

リストアが完成した機体も沢山展示されています。

もちろん、空港ですから普通に飛行機やヘリコプターもいます。空港、といっても定期旅客路線の空港ではなく、個人が趣味でもっているものや農業機、遊覧飛行会社が所有している小型機などのための空港のようです。

さて、この付近で人気があるのは「グラナイトコージ」という野生のロックワラビーと触れあえる場所です。野生といってもしっかり餌付けされているんですが。

ケアンズから60kmほどの距離ですし、道路も整備されていますからケアンズから日帰りで簡単に行けます。小さな子どもがいる家族連れにはぴったりの観光地です。

餌付けされているので、人をまったく恐れず、むしろ寄ってきます。こんな風になでられても平気。

但し、行くなら時期は選んだ方がいいでしょう。この日のような真夏の晴れた日はお勧めしません。なにしろむき出しの岩肌ですから夏の晴天時にはとても暑くなり、ワラビーたちもあまり出歩いていないのです。そもそも、こんな岩肌にいると３０分もたたずにクラクラしてきます。

時期を選べばワラビーと遊ぶ以外にも岩登りやネイチャーウォーク、水遊び、バードウォッチングに釣りと盛りだくさんのアクティビティで一日中楽しむ事もできそうです。

http://granitegorge.com.au/wordpress/

ロックワラビーを見て満足したので灼熱の岩とはおさらばして、キュランダへ。

ケアンズにいる日本人や、ケアンズに観光に来た日本人が必ずといっていいくらい寄るケアンズ近郊随一の観光スポットです。

実際、ここへ到着すると耳にやたらと日本語の会話が飛び込むようになります。

キュランダといえば何といってもキュランダ高原列車でしょう。日本語サイトが有ることでも判るように日本人にも人気が高い観光列車です。ケアンズとキュランダの間をおよそ２時間で走る列車ですが、旅番組なんかの映像を見ると、非常に美しい景観を楽しめるようです。

詳しくはhttp://www.kurandascenicrailway.jp/Pages/Default.aspx
へ。

我が家は今回はパスですが。。
オーストラリアに住んでいる間に乗ってみたいですね。

さすがに観光列車の駅だけあって、とてもきれいに整備されています。

ちょうど列車が止まっていたのでちょっと拝見。こういう時は改札口というものがない欧米豪の駅は便利ですね。

これはサロンカーでしょうか。
こういう席でワインでも飲みながら、のんびり鉄道でケアンズまで帰るというのも楽しそうです。

とかいいつつ、我が家は車で一路ケアンズへ。

ケアンズはワーホリでオーストラリアに来る若者にもとても人気が高い町だとはよく聞く話です。日本語の口コミ誌や日本人がいる不動産屋があったりして情報も豊富。

となれば、最近アデレードでなかなかまともな物が手に入らなくなった豆腐が売っていたり、アデレードよりはマシな日本料理が食べられたりするのかねぇ、と少しだけ期待していたのですが。。。。

とりあえず、遅い昼食を食べようと（よせばいいのに）市内中心部にある回転寿司屋へ。席につくと目の前を寿司トレインが走っていきます。

寿司職人もウェイトレスもどうやら韓国人らしく、流れている寿司を見てもうーん。。。。とりあえず冷えたビールがあるのでよしとしましょう。嫌な予感がしたので巻物２つを注文。

案の定出てきた物は、無惨。。。

握りも一応。。と３種類ほど取ってみました。

・・・・これならうちの妻がビデオか何かを見て、２、３日練習すればできる。。単にちょっと手で固めた酢飯に刺身を載せただけですね。

やっぱりこんなもんか。と妙に納得して早々に退散。

口直し、というかなんというか、次はラーメン。

夫婦揃って無類の麺喰いなのですが、アデレードには食べに行くに値するラーメン屋は一軒もありません。日本人が多く住み、多くくるケアンズで日本人が経営するラーメン屋なら。。。と儚い希望をもって、いろんなサイトでもっとも評判のよさそうなラーメン屋へ。

まぁ、所詮はこんなものでしょう。

日本で特にラーメン食べ歩きをするほどでもなく、また長くこちらに住んでいて日本に帰る機会が殆どなく、自宅で本格的にラーメンを作らない人なら満足するかな。でも正直言って、ラーメンを自宅で作っている私達からすると、格別美味しいわけでもなく、値段も高いラーメン、としか思えませんでした。でもそもそも外食が高くつくこの国ではこれで十分なのでしょう。お店はお客で賑わっていました。格別美味しくないけど、不味いわけでもなく、とりあえず麺を全部食べられる程度ではありましたし。

働いているのも殆ど日本人です。海を見に行きたかったので、ウェイトレスさんに近場できれいな海が見えるのはどのへんか、と聞いてみました。しかし帰ってきた答えは「近くにはきれいな海なんてありませんよー」というなんだか吐き捨てるような感じのもの。。。

あてにならんので、とりあえず海沿いの４４号線を北上。この道路を７０ｋｍほど北へ行ったところにポートダグラスという町があります。ここはクイーンズランド、というより今や世界有数のポートリゾートタウンとして有名で、ハリウッドや日本のスター達や英国王室はじめ世界の要人も訪れる場所です。つまりそれは、そのあたりの海が見る価値があるからでしょう。多分そこまでいかないうちに、きれいな海が見える場所があるはず。

と出発するといくらもいかないうちに、日本の本州ではお目にかかれないような鮮やかな色の海が見え始めます。ただなかなか車を停めるところがない。。

で、４０ｋｍほど走って見えてきたのがここです。

REX LOOKOUTと名付けられたここは駐車スペースと海を眺めるスペースが整備されています。正面にサンゴ礁も見え、素晴らしい眺めが楽しめる場所です。この日も私達だけでなく、沢山の人が眺めを堪能していました。

車がなければ来られませんから、ワーホリや留学で来ていて車を持ってなければここへ海を見に来ることもないでしょうし、そもそも海に行くならもっと有名な所へ行くのでしょうね。ラーメン屋の女の子が知らないのも無理はないかも。

このまま２０ｋｍほどいくとポートダグラスのようですが今回は行く予定ではなかったのでここから海を眺めながら街に引き返します。

ケアンズの日本料理店への期待は昼間の寿司屋とラーメン屋で一気にしぼみました。その上、そこそこ旨い豆腐があるとネットで見つけた店は既に閉店、日本食が豊富というスーパーもアデレードと大差なし、となっては尚更です。駐在員や出張で来るビジネスマンが多いシドニーなどとはまったく違うことがよくわかりました。

というわけで夕食は韓国焼肉屋へ。

ちょっと変わった焼肉屋でメニューが独特です。辛い、と表示のあった豚バラはとんでもないもので焼き始めるや否や、唐辛子煙が立ち上ります。私達は勿論、隣のテーブルの客がむせかえって思わずこちらを凝視するほど。味も当然。。。

日本でなら「ステーキ」といっても誰も驚かないけどこちらでは絶対ステーキとは呼べない、そんな厚さの牛肉。食べてびっくり、なんの味もついていません。焼肉、とはいってもこれは塩胡椒しておいて焼いた方が旨いと思いますがねぇ。

不味い、ってわけでもありませんが、旨いと積極的に誰かに勧めるようなもんでもない、というのが３品食べての結論です。

旅の最後の宿はCairns Sheridan Hotel。ケアンズの街のちょっとはじっこにありますがそれほど大きな街でもなく、車での移動なので問題ありません。久しぶりにキングサイズベッドの広々とした部屋でのんびりとくつろぎます。やっぱり広い部屋と大きなベッドはいいですね。これでバスルームとトイレが独立してれば言うことなしなんですが。

早朝に起きて空港へ。今回の旅はこれで無事終了。

実はケアンズという街、例えば仕事を辞めたあとも豪州に住むのであれば、少しでも日本に近いうえに日本人も多いので住みやすいかなぁ、と思っていたのです。しかし日本人が多いといっても留学生やワーホリなどで来ている若い人中心のようで　期待していたような日本の食材や料理屋があるわけでもなく利便性はアデレードと変わらないことがわかりました。

その上、夏どれだけ暑くても湿気のすくないアデレードと比べ、ケアンズの暑さは湿気を含み日本の暑さとよく似ています。

今回の旅は、自分達が住む町が実はオーストラリアの中では非常に暮らしやすい場所である、ということを再確認させてくれました。