小坪八幡宮（逗子市小坪4）

2013/12/01 - 2013/12/01

　逗子市小坪4に鎮座する八幡宮は伊勢町の鎮守八幡である。創建年代や縁起は分からなかった。
　新編相模国風土記稿（天保12年（1841年）成立）には、「八幡宮 本地佛阿弥陀を安ず、村民六十八名の産神(うぶすながみ 生まれた土地の守り神)なり」とある。逗子町誌（昭和3年（1928年）刊）では、「今は応神天皇を祀る、小坪第一の社殿なり、石垣を以て境内を区切り参道の左右各神社並列し正面に三間四間の石の本殿あり、其の中に彫刻を以て飾られたる荘厳なる中宮あり、小高き処なるを以て眺望佳なり」と追記している。また、改訂版では、「本殿は杮葺で幕末の本格的技術が見られる。石造の覆屋は伝統と洋風手法の混在を示しており、明治、大正文化の反映を見ることができる。覆屋の造立は大正十二年(1923)四月である。」と注記している。「石造の覆屋」とあり、今見られる土蔵造の覆殿は関東大震災（大正12年（1923年）9月）直前に建てられた。土蔵造の社殿（覆殿）は珍しく、雷電稲荷神社（東京都新宿区新宿4）（http://4travel.jp/travelogue/10661360）で見たくらいだ。また、鎌倉郡では関東大震災前に建てられた建物で現存するものの数は少ない。
　参道横には2基の石鳥居が建つ「高彦霊神　竹水霊神」を祀る石碑と「御嶽山大神　八海山大神　三笠山大神」を祀る石碑がある。江戸時代に流行った山岳信仰であろう。常に拝める富士山の石碑はない。
　山岳信仰の石碑の社殿側にはコンクリート製の祠の中に双体道祖神が祀られている。諏訪神社でも祠の中に祀られている双体道祖神を見た。裏の上り坂の小路が古東海道である。
（表紙写真は八幡宮社殿（覆殿））

エリア 逗子・葉山(神奈川)

八幡宮の石鳥居。

手水鉢。

狛犬。

狛犬。

「高彦霊神　竹水霊神」の石碑前の石鳥居。

「高彦霊神　竹水霊神」の石碑。「高彦霊神」とは高彦神社 (たかひこじんじゃ)（岐阜県羽島市正木町新井）の祭神（高皇産霊神（たかみむすひのかみ）、神皇産霊神（かみむすひのかみ）、天津彦火瓊瓊杵尊（あまつひこほのににぎのみこと））か。

石碑。これも山岳信仰に関わる石碑であろう。

「御嶽山大神　八海山大神　三笠山大神」の石碑前の石鳥居。

「御嶽山大神　八海山大神　三笠山大神」の石碑。

コンクリート製の祠。

中には双体道祖神。

社殿右の稲荷社。

稲荷社の狛狐。

狛狐。

狛狐。

稲荷社の覆殿。

中には本殿。

八幡宮社殿（覆殿）の拝所。

八幡宮社殿（覆殿）の拝所。

アーチ型の入口。

アーチ型の石積の入口の上に鈴が。

八幡宮社殿（覆殿）の中に安置されている本殿。彫刻などは伺い知ることができない。

土蔵造の八幡宮社殿（覆殿）。

土蔵造の八幡宮社殿（覆殿）。