2013/06/01 - 2013/06/01
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りょしゅうさん
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毎月1日に、出雲「杵築(きづき)」の人々によって民間風習「潮汲み」が行なわれ、出雲大社においては町内の熱心な氏子が参加する「月始祭」という定例祭が行なわれる。
「潮汲み」は、越峠荒神社から「神迎の道」を通って稲佐の浜に向かい、そこで禊の海水(潮)を汲み、因佐神社-下の宮-上の宮-大歳神社-都の稲成-出雲大社と順番に回り、笹に含ませた潮を振りかけ浄め、最後に自宅に持ち帰り、玄関・神棚・仏壇・各部屋そして家族に振りかけて浄める禊の風習である。
「月始祭」は、毎月1度の出雲大社教の行事だが、それと共に毎年6月1日に行なわれる「涼殿祭」が遷座祭後5年振りにご本殿で行なわれ、幸運にもそのお祭りに参加することが出来た。
出雲に来られない方はこのブログを訪問することによって、せめて“聖水”稲佐の浜の「潮」を振り掛けてもらった気分になってください。
注)一部去年写した写真を掲載
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朝7時、「潮汲み」に参加をする人々は大社町杵築の「越峠(こえど)荒神社」に集合。
僕は地元ガイドの会「出雲のかたりべ」の会員とご一緒することになった。
神様は先月10日にきれいに蘇えったご本殿に遷座され、ご本殿では5年振りとなるお祭りに参加でき、しかも一般の者は入れない瑞垣内で参拝できるかもしれないというのである。
それを聞いたら行かないわけにはいかない。 -
荒神社と称するからにはご祭神はもちろん素盞鳴尊(スサノオノミコト) -
地元「神迎の道の会」の会員、一般観光客、それに「かたりべ」の会員。 -
かたりべさん、フィールドワークの案内状と潮汲みの竹筒をお持ちです。 -
“神迎えの道”を西に「稲佐の浜」に向かいます。 -
「浜の四つ角」
地元の者には懐かしい地名。
かってその繁栄振りを、“杵築二千軒”と謳われた頃の杵築の町の中心地です。 -
途中の家々には「潮汲み」の竹筒に花を活けて、道行く人々を和ませてくれます。
これも当地の人々のおもてなしの心の表れでしょうね!? -
「稲佐の浜」
古事記では国譲り神話。
風土記では国引き神話。
また旧暦10月の神迎え神事と、稲佐の浜は神話の夢舞台です。
そこら辺のことは「かたりべ」さんが専門、僕がでしゃばってもいけません(笑) -
稲佐の浜の象徴ともいえる「弁天島」
越峠荒神社より西に徒歩15分。
40年前、弁天島は海に囲まれていました。海岸線は30mほど東だったのです。
ここは夕陽の美しいところでも知られていますが、単にそれだけではなく「聖地」と言っても過言ではありません。 -
「潮汲み」は、このようにして竹筒に海水を入れます。 -
仲良く親娘づれ、微笑ましいですね。
こうして親から子へと、伝統は受け継がれていくのです。 -
かたりべの皆様方。
熱心に潮汲み体験をされています(笑)
この方達は最近蔓延っている、ガイドブックの受け売りガイドとは訳が違います。 -
出雲大社境外攝社 因佐(いなさ)神社。
ご祭神は建御雷神(タケミカヅチ)
天照大御神の命により地上に降り立った建御雷神は、建御名方神(タケミナカタノカミ)と力比べ・・・。
この近辺はその話にまつわるものがたくさんあります。 -
いわば出雲を滅ぼした神様なのに、地元では親しみを込め「速玉さん」と呼んでいます。
そこが出雲らしいところなのかもしれませんね!?
竹筒の潮を笹で神前に振りかけ浄めます。 -
こちらのご祭神は勝負事の神様。
神社の背後にはこのような磐座も・・・。
熱心にパワーをいただいている人も・・・。
将来パワースポットになるような気がします(笑) -
「下の宮」 出雲大社境外末社。
因佐神社より徒歩5分。
稲佐海岸の旧道沿い。路地の角にひっそりと祠だけ。
だけど御祭神は天照大御神。稲佐の浜が夕日の聖地と言われる所以は案外そこから来ているかもしれません。 -
「上の宮」出雲大社境外攝社。
姉神の下の宮より徒歩1分。 -
御祭神は素盞鳴尊、八百萬神。
日御碕神社と同じで、姉弟神のお宮が隣接しています。 -
神在月には、全国の神々がこの宮で「神議(かむばかり)」をなさいます。
そのような大事な神社なのに、普段はお参りする人も少なくひっそりとしています。 -
「大歳社(おおとしのやしろ)」 出雲大社境外末社。
素盞鳴尊の御子神の大歳神がご祭神。
上の宮から徒歩1分。 -
皆様、熱心に潮を振り撒いていらっしゃいます。
ここまでくると、歩みの鈍い人と早い人とがありグループ毎に差がつきます。 -
「連歌庵」 大歳社より徒歩10分。
歌舞伎の始祖として一世を風靡した出雲阿国が余生を過ごしたといわれる。
ここまで来るともうほとんどがかたりべの会員。 -
風情のある「社家」屋敷の間を通って出雲大社に向かいます。
ここらはまるで異次元の空間のようです。 -
「都稲荷社」
元々、国造家の個人的なお社だったようです。 -
こちらの建物は、出雲大社の社家を警備する警士さんが詰める建物です。 -
出雲大社は参道は通らずに西側から境内に向かいました。
僕はさっさと銅の鳥居をくぐったのに、かたりべの皆さんはここで留まっておいでです。
聞くところによると、代表の方が「月始め祭」の参列のお願いに社務所に伺われたそうです。 -
特別に許可をいただいてから境内に入ります。
まずは拝殿からのご参拝。 -
東の十九社。
瑞垣の外を正式に右周りに回り、境内摂社・末社に潮汲みの聖水を振りかけお浄めします。 -
釜の社。 -
そして、パワースポットと言われる「素鵞(そが)の社」 -
皆さん熱心に潮を撒き、お祈りされます。
このお社の床には、地元の人が“聖地”稲佐の浜の砂を置いています。
聖地の砂に素鵞の社のパワーをいただき・・・。
これはもう僕の口からは言えません! -
瑞垣外本殿西側。
出雲大社のご祭神は、実は西を向いていらっしゃるとか!?
そのため、こちらからも拝礼します。
何故かと理由を聞きたい方もいらっしゃると思います。
そのような方は、やはりかたりべガイドの説明を聞いてください。
いや、今や土産屋さんのガイド(?)でも言っていることです。 -
氏社(うじのやしろ)
このお社は、出雲大社の祭祀に纏わる事や、国造の国造たる由縁を語るには一番の場所。
ここはかたりべでないと語れないところです。 -
西の十九社。
東のそれと同じで神様の宿舎とか・・・。
こうして、神迎えの神事に纏わる一連のコースを歩くと、出雲大社が“縁結び”の本家本元だと言われる由縁を深く感じることが出来ます。 -
神楽殿。
出雲大社の象徴ともいえる大注連縄はここに掲げてあります。 -
注連縄の大きさ、特に重量はガイドさんやメディアによってまちまちです。
製作時の公式発表は僕のブログを参照して下さい。
http://4travel.jp/traveler/ryosyuu/album/10686898/ -
最後にご本殿。
普段は拝殿参拝の後すぐ本殿参拝をして、それから瑞垣を右から回るのが普通ですが、今日はこれから、「月始祭」で八足門内(瑞垣内)に入りますから、一番最後です。
だけどこんな服装でいいのだろうか?
「浄掛(きよかけ)」は首に掛けたけど・・と心配も・・・。 -
瑞垣内は撮影禁止。
八足門から楼門までの石畳を挟んで、右側に神職、左側に氏子が座る。 -
月始祭と特に今月は6月1日の為涼殿祭も執り行われた。
約1時間後、国造様と神職は退下(たいげ)
すぐに「出雲の杜」に向かわれた。
僕達はお祭りが終わると巫女さんからお神酒を頂く。
その後、八足門を出て「浄掛」をしたまま参拝客に潮(聖水)を振りかけると、中には手を合わせてお礼を言う人もいた。
何だか、神様に近づいた気分(失礼)
(瑞垣の格子の間から写しました) -
そのころ、ご本殿の東方200mの「出雲の杜」では、涼殿祭(すずみどのまつり)の準備が着々と行なわれていました。
国造様をはじめ神職は、退下されてすぐ出雲の杜に向かっていらっしゃいます。
以下次号
(去年の写真です)
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この旅行記へのコメント (2)
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- 前日光さん 2013/06/17 13:47:37
- さすがに。。。
- りょしゅうさん、こんにちは。
そちらはかなり暑そうですね。
北関東は、本日まだ室内で27.4℃です。
蒸し暑くはありますが、木陰では風は涼しいですよ。
さて、この民間伝承「潮汲み」ですが、いつだったかのNHKBS「新日本風土記」で放映しておりました。
この潮汲みの時期には、地元の方はできるだけ静かに、テレビもつけないというようなことを言っていましたが、実際にもそうなのですか?
このような神事が未だ続いているということに、床しさを覚えます。
この続きがまだあるようですね。
楽しみに待っております。
前日光
- りょしゅうさん からの返信 2013/06/18 15:21:10
- RE: さすがに。。。
- 前日光さん こんにちは!
空梅雨だと思っていましたが、ようやく梅雨らしいじめじめした天気になってきました。TVの天気予報では午後からは待望のまとまった雨が降るようなことを言っていましたが、そんなことはありません、まだ“しとしと”程度です。
やはり空梅雨でしょうか?
さて、おっしゃるようなテレビもつけないような・・というのは、「神在月」の「お忌みさん」のことです。
旧暦10月10日、八百万の神々が稲佐浜に上陸されてからお立ちになるまでは、神々の神議(かむばかり)の邪魔をしないように歌舞音曲を慎むと言うのが地元民の心得です。
またこの頃は冬への季節の変わり目で、北西の強い風が吹いたり、氷雨が降ったりします。そのような天気を「お忌みさん荒れ」と言いますし、何だか一番出雲らしい天気と言えるでしょう。
りょしゅう
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