2013/05/02 - 2013/05/11
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montsaintmichelさん
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地中海の中でもイタリア南西部とシチリア島の間は、ティレニア海と呼ばれています。そして「紺碧のティレニア海に浮かぶ宝石」と讃えられるのがカプリ島。この蒼い空と碧い海があればもう何も要りませんね!
今回は、イタリア旅行のクライマックス、世界遺産「青の洞窟」入窟です。海面がネオンを投じたように神秘的かつ幻想的なグラデーションを奏でる妙には息を呑みました。イタリア観光の王者と言われることに純粋に納得できる異次元空間だと思います。皆さんに感動が伝わるようレポしたいと思います。本文中に撮影データを開示していますので、参考にしていただければ幸甚です。
また、カプリ島を象徴する景観のひとつに、海の深淵から天空を突くように聳える巨大な柱岩、ファラリョーニ岩礁群があります。ファラリョーニ・クルーズでは、スリリングな「洞門潜り」というアトラクションも楽しめました。燦々と降り注ぐ地中海の太陽と雄大な自然に抱かれ、心地よい海風に吹かれていると、時間がゆっくり流れるように感じました。ここにいれば歳もとらないのでしょうね!?アウトドア派にはお勧めのスポットです。
<日程>
5月2日:出発(関空~ローマ経由ミラノ)アリタリア航空(AZ793便)
アタホテル クァーク宿泊
5月3日:午前 ミラノ観光
午後 ヴェローナ観光
アマデウス(ヴェネツィア本島)宿泊
5月4日:ヴェネツィア観光
午後 フィレンツェへバス移動(245km)
クローチェ・ディ・マルタ宿泊 (2連泊)
5月5日:午前 フィレンツェ観光
午後 ピサ観光
クローチェ・ディ・マルタ宿泊 (2連泊)
5月6日:午前 フリータイム
午後 イタリア版新幹線「イタロ」でナポリへ
ホリディイン・ナポリ宿泊
5月7日:アマルフィ海岸ドライブ(3時間半)
ランチ後、ポンペイ遺跡(1時間15分)
高速船でカプリ島へ移動(45分
レジーナ・クリスティーナ宿泊
5月8日:カプリ島観光
早朝フリー散策(アルコ・ナトゥラーレ、ヴィラ・マラパルテ)
青の洞窟→地中海クルーズ(1時間)→ランチ→フリータイム
(50分)→ナポリ港着後、ローマへバスで移動(230km)
ローマ郊外のクラブハウスにて夕食
シェラトン・ゴルフ・パルコ・デ・メディチ宿泊(2連泊)
5月9日:ローマ市内観光
シェラトン・ゴルフ・パルコ・デ・メディチ宿泊(2連泊)
5月10日:午前 ローマ市内観光
観光後、ローマ空港へ
アリタリア航空(AZ792便)で一路関空へ
5月11日:関空着
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
- 交通手段
- 高速・路線バス 船 徒歩
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行あり)
- 利用旅行会社
- 阪急交通社
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-
カプリ島
ホテルのロビーに集合すると、早速添乗員さんから吉報がありました。「青の洞窟」に入れるというニュースに歓声が湧き上がります。しかし、早い者順で島内外からツーリストが集ってくるので、ぐずぐずしている暇はありません。また、天候の急変によるクローズも心配されます。昨日までの2日間は、天候や波の荒さ、風向き、潮位などの関係でクローズになっていたそうです。晴れていても入れないことも多く、年平均20%の確率でしか入れない「狭き洞門」です。
足早にフニクラーレに乗り込み、マリーナ・グランデへ急ぎます。その結果、なんと我々のクルーザーがマリーナ・グランデ出航一番手です。 -
カプリ島
手漕ぎボートを従えて、クルーザーでいざ出陣!
ディーゼル・エンジン音は軽快! 気分は爽快!! -
カプリ島
カプリ島の北西端にあるアルチェラ岬が見えてきました。「青の洞窟」があるのはアルチェラ岬手前の断崖絶壁の直下になります。 -
カプリ島
段々、切り立った断崖が目の前に迫ってきます。 -
カプリ島
アナ・カプリの海抜280mの断崖絶壁の上にチョコンと座ってティレニア海を見下ろしているのは5星ホテル「シーザー・オーガスタス」。ホテル名は、ローマ皇帝オーガスタス(アウグストゥス)が紀元前にこの島を訪れてあまりの美しさに心を奪われ、島を統治したという逸話に由来しています。白と黄色を基調としたクラシカルな趣が乙女心(?)をくすぐります。
こんなホテルでゆっくりできたら最高でしょうね。 -
カプリ島
小型モーターボートが勢いよく我々を追い越していきます。すると船長が大声を出して制します。恐らく、「手漕ぎボートを牽引してきたのは俺だから、俺の後だぞ。分かったな!」といったような会話ではなかったかと…。 -
カプリ島 青の洞窟
マリーナ・グランデから20分程、そそり立つ岸壁や奇岩の妙に目を奪われているうちに海蝕洞「青の洞窟(Grotta Azzurra)」の入口に到着。この世界一有名な海の洞窟は、地盤沈下で海面下に沈んだ洞窟です。
陸上からの先客もちらほらありますが、さほど込み合っていないようです。ここへのアプローチの方法は色々あるそうで、崖の上にバス停もあるそうです。バスはアナ・カプリのヴィットリア広場から発車します。 -
カプリ島 青の洞窟
入り江から小さな4人乗り手漕ぎボートに乗り換えて順番に洞窟へ入っていきます。岸壁が切れ込むその波打ち際に、子供の背丈程もない小さな間口が開いています。頭を岩に打ち付けないように、このような姿勢で船底に這いつくばります。 -
カプリ島 青の洞窟
狭まったトンネル状の入口を潜った瞬間にス〜ッと波音がフェードアウトされ、目の前が漆黒の闇に一変します。そして、入口方向を振り返った刹那、ミルキーブルーの海面が広がる「青の洞窟」の神秘さに息を呑みます。
神秘の青が拝めるのは、洞窟の奥から入口付近を見た時です。オールが水飛沫をあげると海面が蒼い宝石のようにキラキラと煌き、思わず溜め息が洩れます。
単純に「青」と表現しますが、その青は明るいアクアマリンからインディアンサファイアを経てカプリブルーそしてコバルトブルーへと幻想的かつ神秘的なグラデーションを呈しています。
内部は、奥行き約75m、幅約20m、高さは海面から約10m、水深22mあり、ボートで洞窟内を2周して終了(通常は1周。2周するとエクストラチップが必要)。正味5分程度です。この写真だけで説明は不要かと思いますが、あえてレポしてみます。
カメラのメタデータ:ISO6400、F/8、シャッタースピード1/500。
入口に近いのでシャッタースピードが早くなっています。ここでならもう少しISO感度を下げ、ノイズをカットできると思います。 -
カプリ島 青の洞窟
第一印象は、思ったより奥行きのある洞窟。神秘の青のスケールは、アマルフィの「エメラルドの洞窟」を遙かに凌駕します。開口部から太陽の光が差し込むため、光の反射で海水が神秘的な青色に輝き、言葉を失います。その「青」は、グラデーションがかかり神秘的な色彩を呈します。改めて自然界には人智を越えた事象が存在することを再認識させられる、そんな聖域です。入口は東向きなので、日が差し込み易い朝方が最も美しいそうです。洞窟の入口付近はネオンのようにまばゆいアクアマリン色に煌く海面ですが、奥に進むに連れてコバルトブルーに変遷していきます。波間のグラデーションやボートの陰影、オールが水を掻く度に移り変わる海面の波紋など、一瞬たりとも目が離せない光景です。
カメラのメタデータ:ISO6400、F/8、シャッタースピード1/30。
奥へ行くほど暗くなるのでシャッタースピードが一気に遅くなっています。因みに、前の写真の10秒後です。このレベルでは、手振れを防止できてもボートの揺れや海面の揺れでピントが甘くなるのは仕方がありません。ISO感度を高くしてもノイズに強いカメラが重宝される領域です。 -
カプリ島 青の洞窟
デジカメ等の設定(絞り優先オート、フラッシュ禁止、ISO感度を高感度(ノイズが許せば6400以上)に設定してシャッタースピードを上げて手振防止)は事前に済ませておきます。想定以上に洞内は暗く、ノイズを気にせずにもう少しISO感度を上げた方がよかったかも知れません(手触れにボートの揺れと海面の揺れが加担します)。ISO感度が上げられないコンデジであれば、動画からのキャプチャーという方法もあります。写真と動画を使い分けてみてください。動画の場合は、まず明るい入口にレンズを向けてピントを合わせてください。暗い所ではピントが合いません。
カメラのメタデータ:ISO6400、F/8、シャッタースピード1/20。
このシャッタースピードでよくぞ見られる写真になってくれたものです。 -
カプリ島 青の洞窟
余談ですが、青の洞窟は古代ローマ時代にすでに海底洞窟としてその存在が知られており、皇帝の浴場として使われていたとの記録があります。その後、魔女や怪物が住むという都市伝説が蔓延し、長い間忘れ去られていたそうです。1826年にドイツ人冒険家によって再発見され、今日があるそうです。数々の作家の文学作品にも登場し、アンデルセンの恋愛小説『即興詩人』ではこの洞窟が舞台となっています。
ネオンのように青く光る理屈を調べてみました。太陽光が洞窟内に差込むと、透明度の高い海水では太陽光は海底の砂地で反射します。白い砂地は光をよく反射し、青い光以外は海水に色を吸収されるため、水面が青く光って見えるのだそうです。
カメラのメタデータ:ISO6400、F/8、シャッタースピード1/13。
奇跡です!神のご加護としか言いようがありません。
大騒ぎする割に「青の洞窟」の感動的な写真にめったに巡り合えない謎が解けました。それは暗さゆえ、意思のままには撮れないからです。歯がゆいですが、実体験でしか本当の感動は伝わらないのかもしれません。 -
カプリ島 青の洞窟
「青の洞窟」から出て手漕ぎボートからクルーザーに乗り移ると、皆さんハイタッチでお出迎えです。後ろ髪を引かれる思いで洞窟を後にします。
「青の洞窟」の入窟で注意が必要なのは、サングラスをかけたことに気づかずに洞窟へ入られる方がおられることです。残念ながらツアーメンバーにもおひと方おられました。皆さん自分の事で精一杯で、人の事を見ている余裕はありませんので自己管理が必要です。折角の「神秘の青」がどんな色に見えたのか、興味津々ではありますが…。 -
カプリ島
「青の洞窟」を堪能してクルーザーに乗換えると、添乗員さんから「時間があるので、このままカプリ島を半周するマリン・クルーズに出るのはどうか」という提案がありました。一人当たり15ユーロの別料金でしたが、即座に全員が賛成し、小1時間の遊覧クルーズへと洒落込みます。船酔いや体調不良などで行かれない方が一人でもあれば破談ですので、ラッキーでした。ツアーメンバーさんに感謝です。 -
カプリ島 ヴィラ・サン・ミケーレ
ヴィラ・サン・ミケーレから海に向かって刻まれている800段の階段は、古代フェニキア人が造った急峻な断崖に張り付く九十九折れの「フェニキア人の階段」です。1870年代に道路ができるまでは、この道がアナ・カプリと海とを繋ぐ唯一の道だったそうです。空と海の間の懸崖に佇む孤高の趣が迫ってきます。今でも階段は533段が遺されており、カプリとアナ・カプリの境界線になっているそうです。 -
カプリ島
クルーザーはマリーナ・グランデ沖を一気に通過し、颯爽と風を切って海面を滑って進みます。こんな小さなクルーザーなのに、昨日乗った大型高速船の揺れとは格段の差です。波風が凪いでいる証拠といえるでしょう。この分なら、船酔いも心配ありません。 -
カプリ島
ファラリオーニ・クルーズ(Gita ai Fraglioni)
カプリ島はイタリアでも屈指の高級リゾート地。シーズンには、紺碧に煌く海原に出てのんびりとバカンスを楽しむ人たちで盛況を呈します。クルーズは、カプリ島を約半周し、徒歩では行けそうもない島内の見所を徹底的に魅せてくれます。青の洞窟の「補欠」とするにはもったいない、爽快なクルーズが楽しめます。実は、欧米からのツーリストは「青の洞窟」よりもこちらを好むそうです。確かにカプリ島周遊と地中海クルーズを同時に満喫できる趣向はゴージャスそのものです。地中海の透明度を身近に感じ、「青の洞窟」とはまた違った感動に出会えます。また、切り立った断崖絶壁のダイナミックな景観も楽しめ、飽ることを知りません。船旅が嫌いでなければ、ぜひチャレンジしてみてください。 -
カプリ島
まず、クルーザーが向かった先はトラガラ岬。断崖絶壁の直下を悠々と進みます。やがて見えてきたのは海岸線から突き出た岩場の上に危なっかしく乗っている岩。今にも転げ落ちてきそうです。ふと岩の上に目をやると何やら人と思しき姿が窺えます。 -
カプリ島
岩の上から「カプリへようこそ!チャオ〜!」と手を振って挨拶するのは、人ではなくブロンズ製のオブジェでした。 -
カプリ島
白い岸壁の下でエメラルドグリーンとコバルトブルーが織り成すグラデーションの妙に暫し見惚れます。爽やかな海風が心地よさを倍増してくれます。 -
カプリ島
クルーザーは断崖絶壁の下を悠々と進んで行きます。石灰質の岩肌の中腹にはこんなに大きな洞穴が口を開けています。
カプリ島は石灰岩の白い岩肌を露出した白亜の島。周囲は断崖絶壁の連続で、ジオパークを彷彿とさせる景観が楽しめるアドベンチャーワールドです。断崖の基部には、寄せる波で浸食された海蝕洞があちこちに散在しています。風穴も含めると、大小21個の洞窟があるそうです。 -
カプリ島
海の色が青乳白色に染まる一画があります。透明感のある海水に光と影と水深が織り成す美しい色彩遊び。もしかするとこの海に棲む妖精たちが仕掛けた魔法なのかも知れません。 -
カプリ島
切り立った断崖の上の方を見上げるとポッカリと口を開けた大きな岩があります。これも自然のアーチ(洞門)のひとつだそうです。 -
カプリ島
ここまで接近すると空洞になっているのがよく判ります。 -
カプリ島 赤の洞窟
海面を見ても何の変哲もないエメラルドグリーンです。どこが赤の洞窟なのかとキョロキョロしていると、波打ち際に赤い帯状のものを発見。海面を彩るこの赤い帯びは、全て天然の赤珊瑚の群生だそうです。別名「赤珊瑚の洞窟」とも呼ばれます。ただし、ここの珊瑚は加工などには適さない種類だそうで、盗難による自然破壊は避けられているようです。 -
カプリ島 白の洞窟
続いては、青の洞窟ならぬ「白の洞窟(Grotta Bianca)」へ到着です。「白の洞窟」は、海面が白く見える訳ではありません。断崖に白い鍾乳石に包まれた洞窟がポッカリと口を開けており、白く神聖な容姿からこのように命名されたのでしょう。 -
カプリ島 白の洞窟
鍾乳洞の中を覗き込んでみると奥は2層になっており、上部には「白いヴェールを纏った聖母マリア像」に例えられる石筍がひとり寡黙に海を見つめながら佇んでいます。偶然が織り重なって生まれた自然界の奇跡に畏怖を覚えます。 -
カプリ島 白の洞窟
海面は鍾乳石の白色と相俟って、ブルーオパールが輝くような美しい遊色効果を目の当たりにします。まるで白亜の聖母マリアが流した泪が、海水に滲んだように映ります。 -
カプリ島 アルコ・ナトラーレ(自然のアート:象の鼻)
中央にある一番高い大きな岩に注目してください。洞門が「象の鼻」の形に見えませんか?鼻が判ると、次に象の全体像が見えてきます。今朝、主人が散策に行った所です。こんなに高い断崖絶壁にあったんですね。
どこが鼻なのか判りますか?下の写真を見ると場所が判りますよ。 -
カプリ島 アルコ・ナトラーレ(自然のアート:象の鼻)
アーチの左の部分が「象の鼻」。そして、一番高い所から木の葉が垂れ下がっているのが象の耳に当たるのでしょうか?そこから右へ象の胴体になっています。まさに自然が造形した脅威です。
ジオパークで奇石・奇岩と呼ばれるものには形だけのものも少なくありませんが、こうしたアーチ状のものは希少ではないかと思います。それゆえ、いつまでこの形を留めるかも保証されていないということす。 -
カプリ島 ロバの耳
写真中央のやや右側に、「ロバの耳」のように2本尖った岩が見えます。 -
カプリ島 緑の洞窟
クルーザーは緑の洞窟(Grotta Verde)へ向かいます。洞窟と呼ばれていますが、これがあるのは単なる岩陰に過ぎません。実は岩に開いた小さな穴から光が差し込むことで海面がエメラルドグリーンあるいはオリーブ色に輝きます。まさに自然の神秘。写真だからこのような色彩で写っているのではなく、本当に宝石のような奥の深い吸い込まれそうな碧色をしていました。
因みに、もう一つヴェントローソ岬の先にも「緑の洞窟」があるそうです。本格的な洞窟だそうですので、こちらが本家だと思います。 -
カプリ島 緑の洞窟
「青の洞窟」のように洞窟内に潜るスペクタクルな仕掛けはないけれど、エメラルドグリーンが煌く妙には純粋に言葉を失います。各洞窟で魅せる色彩が異なるのが、ハートをキャッチする秘訣なのかもしれません。
コバルトブルーやエメラルドグリーンの色の違いは、水深によって吸収される色に差ができ、水深が浅いとエメラルドグリーンに仕上がるそうです。 -
カプリ島 ヴィラ・マラパルテ
ゴダール監督の映画「軽蔑」の舞台に使われたヴィラ・マラパルテを海上から眺めます。背後に断崖絶壁がそそり立つマッスロ岬にあり、陸路からは近づけません。手前に見える階段は、映画でブリジッド・バルドーが海へ降りた階段だそうです。 -
カプリ島 ファラリョーニ岩礁群
昨日アウグスト公園から眺めたトウガラ岬に峻立するファラリョーニ岩礁群が近くに迫ってきました。こうして間近でみると巨柱岩と言われる所以が実感できます。 -
カプリ島 ファラリョーニ岩礁群
中央にそそり立つ「Mezzo」には小さなアーチが開いています。どうやらこのクルーザーはこのアーチにロック・オンしている模様。果たしてクルーザーは、無事にアーチを潜り抜けられるのでしょうか? -
カプリ島 ファラリョーニ岩礁群
波の力で侵蝕されてできた天然のアーチ、アルコ・ナトゥラーレをクルーザーで潜るパフォーマンスです。新婚さんに「愛のアーチに到着です。潜り抜ける時にキスをしましょう!」と囃し立てます。実は、この穴を潜る時、カップルはキスを求められることは事前情報でキャッチしていました。シニア・カップルが多いツアーなので気を揉んでおりましたが、こんなイタリア的な演出にも皆さん童心に戻って大喜びでした。皆さんの笑顔も幾分若返ったように感じました。
アーチの中に入った瞬間、アーチ状に切り取られた額縁の向こう側には、思い切り青い海と蒼い空が広がっていました。 -
カプリ島 ファラリョーニ岩礁群
無事アーチを潜り抜けて振り返ると、逆光の中にファラリョーニ岩礁群が仲睦まじく寄り添う姿がとても印象的でした。まさしく「夫婦岩」を彷彿とさせる光景です。 -
カプリ島
アナ・カプリのソラーロ山は、恥ずかしそうに頂きに真っ白な雲を纏っています。
左端は、ヴェントローソ岬になります。 -
カプリ島
クルーザーは大きくUターンしてトウガラ岬を離れていきます。 -
カプリ島
ここは島の東の最先端に当たり、ソレント半島との海流が一番狭まった海域です。
昨日ドライブしたソレント半島がくっきりと全貌を顕にしています。
この海域では、カプリ島とソレント半島は5km程しか離れていないそうです。太古の昔、両者は陸続きでしたが、地震で中間部が陥没したのだそうです。 -
カプリ島 マリーナ・グランデ
ワクワク・ドキドキ、サプライズ満載のマリン・クルーズもこれでお終いです。小一時間の思い出に残る楽しいクルーズでした。
クルーザーはスピードを徐々に落としてマリーナ・グランデの波止場に停泊します。 -
カプリ島
マリーナの反対側に出ると、そこには誰もいない、真っ白な小石を敷き詰めたような浜辺が広がっています。まるでプライベートビーチにでもいるような錯覚を覚えます。カプリ島は基本的に岩の島ですので砂浜海岸はないそうですが、シーズン中は日光浴や海水浴を楽しむ人たちで溢れかえるのでしょうね。
因みに、崖の上にある黄色い建物は、フェラーリの社長さんの別荘だそうです。
マリーナ・グランデでトイレ休憩を取り、その後、ランチ会場のあるアナ・カプリ中心地のヴィットリア広場へマイクロバスで向かいます。道が狭いので大型車両は進入できません。 -
カプリ島 ヴィットリア公園前
ランチ後、50分のフリータイムとなりました。ほとんどの方はファラリョーニ岩礁群を俯瞰するためにカプリ島の最高峰ソラーロ山(標高589m)へリフトで登られるようです。当方は、昨日アウグスト公園でファラリョーニ岩礁群を堪能済みでしたので、ヴィットリア広場から目抜き通りのジュゼッペ・オルランディ通りを進みサン・ミケーレ教会を訪ねます。
戦いの大天使 聖ミカエル像がお出迎えです。 -
カプリ島 アナ・カプリ
アナ・カプリの中心ヴィットリア広場からほどなく、可愛いショップやレストランが建ち並ぶ目抜き通りのジュゼッペ・オルランディ通りに差し掛かります。 -
カプリ島 赤の家
夜も眠らないカプリ地区に対し、素朴で静寂感溢れるアナ・カプリ地区。教会への途上には「赤の家」が佇みます。19世紀末、アメリカの将軍John Cay H. Macknowenが愛人と暮らした住居跡で、見事な赤レンガ造りの屋敷です。現在は美術館になっており、「青の洞窟」で発見された古代ローマの彫刻が展示されているそうです。 -
カプリ島 サン・ミケーレ教会
ジュゼッペ・オルランディ通りを歩いて行くと、右手奥に白亜の教会が見えてきます。
きれいな教会ですので想像し難いのですが、生い立ちには暗い歴史も窺えます。17世紀後半、イスラム教徒のトルコ軍がカトリック教徒のオーストリアに侵攻。アナ・カプリの尼僧セラフィナが、戦いの大天使 聖ミカエル(イタリア語:ミケーレ)に「トルコ軍がオーストリアから撤退するなら、アナ・カプリに貴方の名を冠した教会を捧げます」と祈ったところ、トルコ軍は撤退。セラフィナは1699年に亡くなりましたが、彼女の遺志を継いで教会は建造されました。19世紀初頭、イギリス軍がカプリ島を占領した時には、武器倉庫としても使われたそうです。 -
カプリ島 サン・ミケーレ教会
入場料は一人2ユーロ。
内部は南イタリアらしい淡いレモン色を基調とし、美しい床とのコントラストが魅力的です。 -
カプリ島 サン・ミケーレ教会 プレゼピオ
イタリアでは、クリスマスの期間に「プレゼピオ」というイエス降誕のシーンを再現するフィギアを飾る伝統があります。「プレゼピオ」を初めて作ったのは、アッシジの聖フランシスコだと言われています(13世紀)。
ここには18世紀の「プレゼピオ」が多数ガラスケースに入れられて展示されています。こちらは、東方三博士のテーマだと思います。 -
カプリ島 サン・ミケーレ教会 主祭壇
大天使 聖ミカエルを祀る教会ですので、主祭壇を飾るのは聖ミカエルの絵画です。聖ミカエルは神に一番近い大天使と呼ばれていたことから、祭壇上方には「Quis Ut Deus(神のような者)」とラテン語かつ金色の文字で書かれたプレートが飾られています。 -
カプリ島 サン・ミケーレ教会 地上の楽園
この教会は1719年創建で、見所は美しいマヨルカ焼のタイルで彩られた床一面の『地上の楽園』。1761年、フランチェスコ・ソリメーナの下絵をベースにマヨルカ職人レオナルド・キアイーゼが制作。アダムとイヴに楽園追放を命じる聖ミカエルを中心に、ユニコーン、人間の耳を持ったワニ等の摩訶不思議な動物が沢山描かれています。床絵は、入口左側にある急峻な螺旋階段を2階に上るとこのように全体が見渡せる趣向です。地上階では、床を踏まないように端に設えらえられた「キャットウォーク」のような木道から間近に鑑賞できます。この床絵も意識的に黄色が強調されているように思います。
アダムは、神の逆鱗に触れ、不老不死の特権を失うものの知恵を授かって楽園を追放され、930歳で生涯を閉じます。喜怒哀楽を味わい、労働の辛さや老化には勝てなかったものの、そのままエデンの園で暮らすより何倍も幸せだったのではないでしょうか? -
カプリ島 サン・ミケーレ教会 地上の楽園
当方以外にもちらほら見学者がおられますが、皆さん寡黙にじっと「地上の楽園」に見入っています。
一般的に西洋の絵画では、時間は左から右に移行します。そして2人以上の人物が描かれる場合、普通は左が悪人、右は善人というのが相場です。ですからここでもイブが左に描かれています。イヴをそそのかしたのは蛇ですから、木の幹には蛇が巻きついています。枝にはフクロウ。これは善悪の知恵の木なので、知恵を表すフクロウが描かれています。 -
カプリ島 サン・ミケーレ教会 地上の楽園
中央にいるのはユニコーン。右側で熊と戯れているのが猿でしょうか? -
カプリ島 サン・ミケーレ教会 主祭壇 聖母子像
カラフルな色彩の聖母子像です。イエスは、幼児の身ながら、十字架を象った長い槍先で悪魔の化身ドラゴンを刺しながら微笑んでいます。 -
カプリ島 サン・ミケーレ教会
もうひとつ珍しいのが、大理石の主祭壇両脇にある18世紀の木製祭壇。一見、大理石造りと錯覚するほどです。 -
カプリ島 サン・ミケーレ教会
入口には主祭壇を飾っている聖母子像と同じ絵画が掲げられています。
この絵画を基に聖母子像を制作したのでしょうか? -
カプリ島
ジュゼッペ・オルランディ通りに佇むシーサー???
この写真だけ見せたら、沖縄に行かれたのですかと言われそうです。まさに素焼きのシーサーそのものです。
シーサーのルーツはエジプトのスフィンクスが起源だとされ、琉球王国の大航海時代(14〜15世紀)にエジプト、中近東、シルクロードを経由して中国から琉球(沖縄)に伝わったと考えられているそうです。
ルーツがスフィンクスなら、カプリ島にも同様のものがあるのも頷けますね。 -
ナポリ湾
フリータイム後、マリーナ・グランデまでマイクロバスで戻り、高速船の出航までショッピングを楽しみます。海岸線沿いのショップには、最近人気のでてきた「カプリ・ウォッチ」や「フェラーリ」ショップもあり、比較的充実しています。リモンチェッロの味見もできます。アルコール度数が高いので、くれぐれも飲み過ぎには注意して下さいね!?甘いのでそんなに飲めるのもではありませんが…。
無事、カプリ島からベヴェレッロ港(ナポリ湾)へ戻ってきました。別れを惜しむようにヴェスヴィオ山が見送ってくれています。
ベヴェレッロ港から、バスに乗り換えてローマで2連泊するシェラトン・ゴルフ・パルコ・デ・メディチへ向かいます。距離は230kmあるので3時間程の長丁場です。
途中、ローマ郊外のクラブハウスで夕食を済ませます。パスタ、メイン、デザートが各2種類の中から選べます。折角なのでサルティンボッカを注文しましたが、イメージしていたものと違うものでした。サルティンボッカは、イタリア語で「口に飛び込む」の意味で、簡単に調理できることが由来です。ローマ風サルティンボッカは、薄切りの仔牛肉にプロシュット(または生ハム)にセージの葉を巻き上げたものをマルサラ酒や白ワインとバターで仕上げたものです。しかし、仔牛肉でなく、明らかに豚肉でした。帰国後、調べてみると、ローマ風を除けば仔牛肉・鶏肉・豚肉などが使われるようです。即ち、ローマでありながらローマ風ではなかったということです。
イタリア旅行もいよいよ終盤に差し掛かります。この続きは、⑬ローマ編Part.1でお楽しみください。
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この旅行記へのコメント (1)
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- ryujiさん 2013/07/11 10:15:05
- 美し〜い!、カプリ島の青の洞窟。
- はじめまして、montsaintmichelさま。私はryujiと申します。初メールです、よろしくお願いします。
今回、「ときめきのイタリア周遊?カプリ島(後編)」を拝見、拝読いたしました。いやぁ〜、素晴らしい旅行記ですね。洞窟の息を呑む美しさに感嘆した次第です。これぞイタリア!カプリ島も素敵です。高級カメラで余すところなくイタリアをモーラしちゃって、羨ましい限りです。
ちょうど8年前、定年退職を機に初めての海外旅行がイタリアでした。南はポンペイとナポリ車窓観光でした。現在の私と違って目的とかこだわりがなく、おまかせ周遊10日間でした。それはそれで楽しい旅行でした。montsainmichelさんの旅行記で、当時安価なコンデジで撮った写真を見ています、良き思い出でとなっています。
兎に角、超大作ですね。正直1・2編しかまだ見ていません。これからゆっくり見させてもらいます。ありがとう、素敵な旅行記に感謝。
ryuji
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