2013/05/02 - 2013/05/11
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montsaintmichelさん
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誰もが一度は訪ねてみたいと憧れる、屈指の高級リゾート地カプリ島。ランドマークの世界遺産「青の洞窟」を擁し、まるでネオンのように幻想的・神秘的に煌く紺碧の海面見たさに世界中からツーリストが集います。しかしそれだけではなく、ファラリョーニ岩礁群や世界一美しいと言われる碧い海岸線も、アウトドア派の琴線に触れるスポットです。元々、石灰岩由来の島ですので、奇岩奇石などのジオパーク遊覧も体験でき、燦々と輝く太陽や陽気な町並みと相俟って数え切れないほどの魅力が隠されています。
カプリ島=「青の洞窟」という方程式は覆せませんが、ファラリョーニ・クルーズや海から200mの高さに聳える自然が造り出した巨岩の洞門を海原からでなく直近の崖の上から眺めるといった嗜好も楽しめます。島内で宿泊されることをお勧めします。
前編は、カプリ島のプロローグとしてアウグスト公園と早朝に散策したアルコ・ナトゥラーレ(自然のアーチ)を中心にお届けいたします。
<日程>
5月2日:出発(関空~ローマ経由ミラノ)アリタリア航空(AZ793便)
アタホテル クァーク宿泊
5月3日:午前 ミラノ観光
午後 ヴェローナ観光
アマデウス(ヴェネツィア本島)宿泊
5月4日:ヴェネツィア観光
午後 フィレンツェへバス移動(245km)
クローチェ・ディ・マルタ宿泊 (2連泊)
5月5日:午前 フィレンツェ観光
午後 ピサ観光
クローチェ・ディ・マルタ宿泊 (2連泊)
5月6日:午前 フリータイム
午後 イタリア版新幹線「イタロ」でナポリへ
ホリディイン・ナポリ宿泊
5月7日:アマルフィ海岸ドライブ(3時間半)
ポジターノの丘→コンカ・ディ・マリーニ(エメラルドの洞窟)
→ランチ→ポンペイ遺跡(1時間15分)→カメオ工房見学
高速船でカプリ島へ移動(45分)→ホテル着→
フリータイム(アウグスト公園散策)→
夕食後フリー散策(夜景)
レジーナ・クリスティーナ宿泊
5月8日:カプリ島観光
早朝フリー散策
(アルコ・ナトゥラーレ、ヴィラ・マラパルテ)
青の洞窟→地中海クルーズ(1時間)→ランチ→
フリータイム<50分>(サン・ミケーレ教会)→
ナポリ港着後、ローマへバスで移動(230km)
ローマ郊外のクラブハウスにて夕食
シェラトン・ゴルフ・パルコ・デ・メディチ宿泊(2連泊)
5月9日:ローマ市内観光
シェラトン・ゴルフ・パルコ・デ・メディチ宿泊(2連泊)
5月10日:午前 ローマ市内観光
観光後、ローマ空港へ
アリタリア航空(AZ792便)で一路関空へ
5月11日:関空着
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
- 交通手段
- 船 徒歩
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行あり)
- 利用旅行会社
- 阪急交通社
PR
-
ナポリ ベヴェレッロ港
大型豪華客船が2艘停泊しています。おそらくお目当てはカプリ島なのでしょうね。 -
ナポリ ベヴェレッロ港
我々が乗る高速船が海上を滑るようにやってきました。精悍な顔つきをしています。
各自、スーツケースを持って乗船します。 -
ナポリ ベヴェレッロ港
側方から見るとその大きさが判ります。
こんな大きな船ですが、結構大きくピッチング(縦揺れ)しました。かなり波が荒いようです。
もっとも、船の前寄りに座ったせいかもしれません。船に弱い方は、できるだけ後方に座られることをお勧めします。 -
カプリ島 マリーナ・グランデ
紺碧ブルーの地中海から突き出た白亜の島が「ナポリ湾の真珠」と称されるカプリ島。ナポリ湾のベヴェレッロ港から高速船に揺られること45分程でマリーナ・グランデに入港。カプリ島の周囲のほとんどは断崖絶壁で、ファラリョーニ岩礁群と言う海蝕柱の奇岩が多数存在する風光明媚なジオパークでもあります。元々はテレボアイ人の居住する島でしたが、紀元前1200年頃にはフェニキア人が海上交通の基地を造りました。後にアウグストゥスが別荘地として島全体を購入。後を継いだ皇帝ティベリウスは、西暦26年からこの島に居を移し、隠棲しながら政務を執りました。特産物ではレモンが知られ、「レモン島」とも言われます。イタリア発祥のリキュールには、レモンの香味を蒸留酒に移したアルコール度数45度を誇るリモンチェッロがあり、このカプリ島もその主要な産地となっています。 -
カプリ島 マリーナ・グランデ
高速船から降りると海岸通りが賑わっています。「何時の日か、地中海の太陽を浴びてみたい〜♪」という小椋佳さんの歌がありますが、そんな特別な心境になるロケーションです。徐々にテンションが上がっていくのが分かります。 -
カプリ島 フニコラーレ
マリーナ・グランデと高台にある島の中心地カプリ地区を結ぶフニコラーレ(ケーブルカー)に乗ると、所要時間5分程でウンボルト1世公園のある高台に到着します。
斜面には燦々と輝く太陽の陽射をたっぷり浴びて育ったレモンがたわわに実っています。リモンチェッロ用なので農薬は一切使えないそうです。 -
カプリ島 フニコラーレ
これが我々を高台まで運んでくれたフニコラーレです。 -
カプリ島 ウンベルト1世広場
フニコラーレを降りると眼前に広がるのがこの景観。カプリ島は長方形に近い島の両端が小高くなっており、カプリやアナ・カプリ地区のある中央部は比較的なだらかな地形になっているのが手に取るように分かります。 -
カプリ島 ウンベルト1世広場 ソラーロ山方面
海上から見上げた時には断崖絶壁の荒々しい岩肌を剥き出しにした島で、人の侵入を拒むかのような威圧感を覚えましたが、こうして上陸してみると目の覚めるような鮮やかな色彩と自然美に彩られた地上の楽園でした。 -
カプリ島 ウンベルト1世広場
広場にあるテラスからは、アナ・カプリの断崖にへばりつくように続いているジグザクの小さな階段「フェニキア人の階段」が見えます。その階段の終点にあるのがヴィラ・サン・ミケーレです。(写真上部に見える白い建物)
スウェーデン人精神科医アクセル・ムンテが、今から100年程前に建てた別荘です。彼は、ヴィクトリア女王の侍医として彼女が死ぬまで仕え、この地で「サン・ミケーレ物語」を執筆しました。当時、カプリ島唯一の医師だった彼は、島の人を無償で診療していたそうです。その謝礼に贈られたのが、彼のコレクションになったカプリ島近海に沈んでいたギリシャ時代の彫刻。ここからは、ナポリ湾、ヴェスヴィオ山、そしてソレント半島までを一望できる壮大なパノラマが眺められるそうです。ムンテの名言に「魂は体より大きい空間が必要である」があります。彼は、カプリ島の断崖絶壁から何かを得ようと手を伸ばしたギリシャ神話に登場するイカロス的存在ではなかったのか…。 -
カプリ島 ウンベルト1世広場
時計台は、元々は紀元前6世紀頃に古代ギリシャ人が築いた城壁の一部だそうで、ウンベルト1世広場のランドマークでもあります。文字盤はマヨルカ焼(陶器)でできています。 -
カプリ島 ウンベルト1世広場
広場の前にあるのが、白亜の殿堂サン・ステファノ教会。16世紀の創建で、キリスト教徒で最初の殉教者となった聖ステファノを祀っています。白い外壁が印象的なこの教会は、よく見ると不思議な外観をしています。ファサードだけがイタリア・バロック様式で、側面やクーポラはギリシャの島々にある教会を彷彿とさせる造りです。
ウンベルト1世は、イタリア王国の2番目の国王。帝国主義を推し進め、1889年にエチオピア帝国に侵攻しますが敗退。1900年、アナーキストにより暗殺されています。 -
カプリ島 グランド ホテル キジサーナ (Grand Hotel Quisisana)
各国の旗が出迎えてくれるのは、超高級ホテルのキジサーナ。無常にもこの右横を摺り抜けた所に佇むのが、我々がお世話になるホテルです。
各国の旗が風にはためいていますが、日本の旗はないようです。こんなに日本人観光客が多いのに、どうしたことでしょうね?本日の泊り客に、日本人はいないということなのかな? -
カプリ島 レジーナ・クリスティーナ
こちらが我々のお宿です。白い壁の清潔感あふれる居住まいのホテルでホッとしました。ロビーには観葉植物が配され、自然の温かみが感じられます。 -
カプリ島 サン・ジャコモ修道院
まだ明るいうちにホテルに到着(18時頃)。夕食まで1時間弱あるので散策に出かけます。ホテル前の小道を右へ下ると、左側が開けてカプリ島南部を一望することができます。そのパノラマのちょうど正面に見えるのがサン・ジャコモ修道院。この修道院の屋根の形は蒲鉾状で特徴があり、雨水を効率よく溜めるために考案された形だそうです。離れ島ですので、水は貴重品です。実際カプリ島にはこうした丸っこい屋根の建物が目立ちます。 -
カプリ島 アウグスト公園
この公園は、19世紀末、カプリ島に住んでいたドイツ人富豪が整備した公園。椰子の木や様々な花が生い茂る「南国のパラダイス」といった雰囲気のスポット。マヨルカ焼のベンチなども美しいのですが、展望台から俯瞰するオーシャン・ビューはそれ以上の価値があります。階段を駆け上ると断崖絶壁上に展望台が開け、ここからの景観はまさに絶景。イタリア風に言えば「マンマ ミーア!」の一言です。眼下には、美しい海岸線が穏やかな表情を見せながら広がっています。因みに、入場料は1ユーロです。階段を上がる手前右側にチケット売り場があります。 -
カプリ島 アウグスト公園
トウガラ岬の先にあるファラリョーニ岩礁群や海岸線がすばらしい東側の景観です。カプリ・ブルーとは、こうした色彩を指すのでしょうね。宝石のようにキラキラと煌く海がとてもきれいで、心が洗われるようです。ずっと見ていても飽きることがありません。 -
カプリ島 アウグスト公園 ファラリョーニ岩礁群
ファラリョーニ岩礁群とは、カプリ島に浮かぶ3つの海蝕柱の総称。海食柱とは、海水によって岩盤が侵食されて形成された急峻な斜面を持つ柱状の岩を指します。3つの海蝕柱にはそれぞれ名前があり、左から「Stella」(一番大きな海食柱:高さ109m)、そして「Mezzo」(Stellaの隣にある海食柱:高さ82m)、右端の「Scopolo」または「Fuori」(高さ106m)と呼ばれます。尚、「Scopolo」または「Fuori」と呼ばれる海食柱には、lacerta viridens faraglionesisと命名された、ここだけにしか棲息しない固有種の青いトカゲがいることで知られています。
3つの独立した海蝕柱があると思いきや実は2つで、一番大きな「Stella」は陸続きとなっています。「Mezzo」はこの位置からだと「Scopolo」の前方で寄り添うように重なっています。和風に言えば「夫婦岩」という表現がぴったりです。 -
カプリ島 アウグスト公園
マリーナ・ピッコラのある西側の景観です。
急峻な断崖絶壁が続いています。 -
カプリ島 アウグスト公園
さらに歩を進めると、「世界一美しい小道」と称えられる九十九折の白い小路「クルッポ通り」が延々と眼下の海原へと続いています。切り立った岩山を削って造られた道は、10世紀以前のもので、アウグスト公園からマリーナ・ピッコロまで続いています。小道の建設はドイツの企業家フェデリコ・アウグスト・クルッポによるもので、通りの名前に彼の名がしっかり冠されています。
一体どんな思いでこんな崖に道を拓こうとしたのでしょうか?「フェニキア人の階段」に感化されたのでしょうか? -
カプリ島 アウグスト公園
このような東尋坊を彷彿とさせる断崖絶壁も見応えがあります。覗き込むと足が竦みます。 -
カプリ島 アウグスト公園
マヨルカ焼のゴージャスなベンチも置かれています。 -
カプリ島
アウグスト公園からの帰途で見つけた香水ショップ「Carthusia」のショーウィンドウです。南国リゾート地のカプリ島のイメージそのもののイラストです。
ショップのHPです。創業1681年の老舗のようです。
http://www.carthusia.it/ -
カプリ島 ショーウィンドウ
夕食後、夜景鑑賞に繰り出します。高級リゾート地ですので、治安は心配ありません。
キジサーナの横にあるブティックのショーウィンドウです。日本では考えられないようなユニークかつ大胆なディスプレイに暫し見とれてしまいます。 -
カプリ島 グランド ホテル キジサーナ 夜景
さすが5星ホテル。シックでエレガントな照明の使い方をしています。 -
カプリ島
黄昏時のレストラン街の風景。 -
カプリ島
レストラン「Relais La Palma」のオシャレなシャンデリア。 -
カプリ島
時計台の夜景。マジックアワーには少し遅すぎました。 -
カプリ島
マリーナ・グランデの夜景です。
白い建物が蛍石のように淡青色に浮き上がり、とても幻想的な雰囲気を醸しています。埠頭の波間に揺らめく街路灯の滲んだ光が、旅情を一層掻き立てます。
フィルタ効果のクロススクリーン処理を施してみました。 -
カプリ島
早朝、主人はアルコ・ナトゥラーレ(自然のアーチ)を間近で見るため、カプリ島の東端にある岬まで出かけます。事前調査では、ウンベルト1世広場から徒歩で片道30分。距離は大したことはないようですが、かなりの上り坂のようです。地図はグーグルマップ頼りです。ストリート・ビューも途中までしかないようです。(ホテルで地図を貰いましたが、役に立たなかったそうです。)主人曰く、「分岐点が限られているので、ポイントだけ押さえれば迷うことはない」そうです。それでも方向を見失う可能性もあるのでコンパスは必携です。
この写真は、Stella Orta通りの急勾配な坂。 -
カプリ島
Google Mapを利用した自作マップです。
レストラン「Relais La Palma」の階段の所(門柱にRLPとあります)を右(東)に進めばOK。
尚、次のサイトが自然のアーチの場所をチェックしたサイトです。
左の欄に示される一番下の第1話 自然のアーチをクリックすると場所が示されます。
http://maps.google.co.jp/maps/ms?ie=UTF8&oe=UTF8&msa=0&msid=101812082260197765103.00044988b9b5d03510636 -
カプリ島
途中にあった道路標識。贅沢にもマルヨカ焼のプレートが使われています。 -
カプリ島
Croce通りの細い坂道。
塀の上には花が植えられています。 -
カプリ島
Matermani通りに出ると右側が開けて海が見えてきます。 -
カプリ島 レ・グロッテレ
一息つく間も惜しんで、Matermani通りをひたすら登っていくと、やがて天然の洞窟を屋根代わりにしたトラットリア・バール「レ・グロッテレ」が現れます。そこを過ぎるとやがて道はコンクリートの下り階段になり、その突き当たりに雄大なアーチが忽然と姿を表します。
少しペースが速かったせいか、ホテルから20分強で到着です。 -
カプリ島 アルコ・ナトゥラーレ(自然のアーチ)
カプリ島の南東側 断崖絶壁の連なる海岸沿いに、海面から高さ200mにある自然の驚異と称される雄大な大洞門があります。流石に眼下の海までの高さに足が竦みます。かつてカプリ島がソレント半島と陸続きであった頃、洞窟が一部を残して崩壊し、その後風雨による浸蝕や風化を受けてかくなる珍しい景観を造ったそうです。遥かなる太古の造形物は、海上から遥かに見上げたシルエットがそれらしく見えることから「象の鼻」とも呼ばれます。海鳥の鳴き声の合間に、耳を澄ませば眼下遥かな岩場に寄せては砕ける波音が絶え間なく断崖絶壁を響き上ってきます。 -
カプリ島 アルコ・ナトゥラーレ
汗を流しながら登ってきた甲斐がありました。自然のアーチを独り占めです。
アーチ状の右の部位が海上から見上げると「象の鼻」に見え、左側は大きな岩と合体して象の胴体に見えるそうです。
疲れを癒すために、暫く心地よい海風に吹かれながらボ〜ッと景色を堪能します。 -
カプリ島 アルコ・ナトゥラーレ
登山と言うレベルではありませんが、坂道を上るのでそれなりの服装、靴の選択は必要です。
三浦雄一郎さんがエベレスト登頂に成功しました。素直にお祝い申し上げたいと思います。80歳の人がエベレストに登るという壮挙は、神の領域としか言い難く、敬服あるのみです。このニュースに勇気を貰った方も多いのではないでしょうか?
最初にエベレストを征服したのは、公式には1953年に初登頂したエドモンド・ヒラリー卿(+シェルパのテンジン)です。しかし、それ以前の1920年代にエベレストの頂上に立った人物が存在するという説があります。登頂を果たしたというジョージ・マロリー卿が山頂付近で帰らぬ人になったため、真偽は不明なのですが…。そのマロリー卿が、ある時、「どうして山に登るのですか」と尋ねられ、歴史に残る「そこに山があるからだ」と魅力的な回答をしました。「山に登る人にその理由を尋ねるのは愚かなこと」という含蓄のある言葉を、記者がレトリックとして引用したのでしょう。これは、山に登ることは、山に登る以外の目的を持たないという意味です。登山は、目的と手段が一致しています。そこに、登山の真骨頂があるように思います。 -
カプリ島 アルコ・ナトゥラーレ
自然のアーチで時間を割く余裕はありません。もうひとつ目的地があります。途中まで今来た道を戻り、分岐を左へ進むとヴィラ・マラパルテを眼下に望めるスポットがあります。 -
カプリ島
尾羽に黒い帯があるのでウミネコでしょうか。聞こえてくるのは波が砕ける音と鳥の鳴き声だけです。暫くするとガスに包まれ、小雨が降り出しました。天候が急変しないだろうかと気を揉みながら崖沿いの道を急ぎます。
暫くすると一人の壮年男性が声をかけてきました。イギリスから夫婦で来られ、独りでここまで来られたそうです。お互いに老骨に鞭打ってここまで辿り着いた喜びを讃え合います。「同類相憐れむ」とはこういうことなんでしょうね。 -
カプリ島
ヴィラ・マラパルテが望める岬に続く断崖には小さな祠があり、聖母マリアがやさしく微笑んでいます。生花が備えられているのは、このような辺鄙な所までお祈りに来られる敬虔な信者が存在する証です。
咄嗟に「青の洞窟に無事入れますように」と、にわかクリスチャンに早代わりです。 -
カプリ島
ヴィラ・マラパルテの建つマッスロ岬を探しながら崖の上の遊歩道を彷徨います。因みに、今歩いている所は、この景色のような断崖絶壁に設けられた遊歩道です。
断崖が海に落ちる右端には、2本の尖った岩がそれらしく見えるという「ロバの耳」が見られます。 -
カプリ島
分厚い雲の切れ間から、朝日が一斉に洩れてきました。遙か遠くにはソレント半島が霞んでいます。 -
ヴィラ・マラパルテ
カプリ島の南東側、海原に突き出したマッスロ岬の高台に海の青さを背景に建つインパクトある赤い家があります。最大の特徴は、屋根と一体化した階段。これを建てたのはクルツゥオ・マラパルテという作家兼ジャーナリスト。建築家アダルベルト・リベラ設計のヴィラで、カミュ、コクトーなど多くの著名人が招かれたそうです。古い映画ですが、ジャン=リュック・ゴダール監督『軽蔑』のロケ地にもなったそうです(全く知りませんが…)。
クルツゥオは、1920年代にファシスト党に入ってナショナリストぶりを発揮。ムッソリーニ全盛期、カプリ島民の反対を押し切って建設したのがこのヴィラ。当初は白い家だったそうですが、なぜ、こんな色に変わったのか? 第二次世界大戦後、イタリア共産党に入党したクルツォは、ヴィラまで「赤」に塗り変えてしまったのです。その後も左志向は続き、1957年に亡くなる際、このヴィラを中国に寄付しました。一旦受理した中国は、その後懸命にも遺族に返還。現在はジョルジョ・ロンキ財団の管理下にあります。因みに、ジョルジョ・ロンキとは、第二次世界大戦のフィレンツェ爆撃にて弱冠13歳で命を落としたクルツゥオの甥の名前。 -
ヴィラ・マラパルテ
屋根と一体化した斬新なデザインです。明かりが灯っているようですが、人が住んでいるのでしょうか?
断崖絶壁の下にある岬に建っているので、海上以外からのアクセスは不可能です。クルーザーで乗りつける趣向とはリッチな別荘です。
因みに、マラパルテとはイタリア語で「悪い側面」の意味。かのボナパルテ「良い側面」をもじったもので、ナポレオンの名のパロディだそうです。 -
カプリ島
凪いだ海面に朝日が反射して煌いています。その中をウミネコが悠々と翼を広げて大きく旋回していきます。 -
カプリ島
そろそろ戻ろうと振り返るとアナ・カプリ方面に虹が架かっていました。
「これで天候は回復する」と確信が持てた瞬間です。 -
カプリ島
犬を飼っている家は、「猛犬注意」のモザイク画を玄関に敷くのが古代ローマのしきたりだったそうです。(古代ローマ遺跡ポンペイで原型を見てきました。)
カプリ島では、門柱にマヨルカ焼きのプレートが嵌め込まれていました。でも近づいても吼える気配はありませんでしたが…。散歩中だったのかな? -
カプリ島
アナ・カプリ地区にある、ソラーロ山、ヴェントローソ岬方面です。 -
カプリ島
ホテルに戻り、一息ついてから朝食をいただきます。これは、部屋のベランダから朝食会場のレストランを撮ったものです。シックな淡いカプリブルー基調のインテリアが火照った体をクールダウンしてくれます。
天候も回復基調にあり、気が逸ります。さて、待望の「青の洞窟」へは入れるのでしょうか?
この続きは、⑫カプリ島編(後編)でお楽しみ下さい。
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