2012/10/24 - 2012/10/24
112位(同エリア202件中)
滝山氏照さん
JR常磐線取手駅すぐ東側の大鹿山・長禅寺(ちょうぜんじ、茨城県取手市取手)は承平元年(931)平将門(たいらの・まさかど、生年不詳~940)が祈願寺として創建したと伝えられています。
江戸時代慶安2年(1649)第三代将軍徳川家光より社領5石の朱印状を受け、以降歴代将軍から同様に朱印状を受けて明治維新を迎えます。
石段を登りきりますと、正面には三世堂(さんせいどう)という建物が控えています。全国で5棟しかないという「さざえ堂」の形式をもつ建物、即ち外観はご覧の通り二層ですが内部は三層となっているそうです。また建物の内部は上り階段と下り階段があって、参拝者が交差せずにまわれるとのことです。(日常は一般公開されていません)
2022年8月18日追記
現地寺院境内に建てられた説明板には下記の通り紹介されています。
『 長禅寺略記
長禅寺は、大鹿山長禅寺と号し、臨済宗妙心寺派の古刹で、京都の妙心寺の末寺です。本尊は延命地蔵尊です。
縁起によれば、朱雀天皇の代の承平元年(931)に、平将門が勅願所として創建したと伝えられます。将門没後は「御厨三郎吉秀」という人物が、密かに本尊を守り伝えてきたものの荒廃が甚だしかったといわれています。
承久元年(1219)には義門和尚を開祖として再興が計られ、また「吉秀二十九代後胤織部時平」は、文暦元年(1234)に将門の守本尊で安阿弥(快慶)の作と伝えられる十一面観音像を安置するために「四間四面御堂」を建立するとともに、寺の再興を計ったとも伝えられています。
創建当時は旧大鹿村(現在の白山地区、取手競輪場近く)にありましたが、江戸時代初めに水戸街道が整備されて取手宿が形成されると現在地へ移転しました。慶安2年(1649)NI、三代将軍徳川家光から朱印地五石三斗を賜って以来、代々の徳川将軍から朱印地を賜っています。
また長禅寺は、観覚光音禅師が開基したS新四国相馬霊場八十八ケ所(現在の取手市・我孫子市・柏市にまたがる札所)の発願・結願寺でもあります。弘法大師の縁日(毎月二十一日)には、大師講の信者を中心に多くの参詣人で賑わっております。
利根川に面した高台に位置する長禅寺は、風光明媚なところで、取手八景や茨城百景のひとつにも数えられて、昔から地域の人々に愛され親しまれているところであります。この他に小林一茶の句碑や小川芋銭の碑、開せん郷土碑、とりで七福神の大黒天などがあります、ぜひ探索してみてはいかがでしょうか。』
- 交通手段
- JRローカル 徒歩
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取手市ゆかりの人々案内
長禅寺駐車場に案内板があり、小林一茶(俳人)、高村光太郎(彫刻家)、正岡子規(俳人)、平塚らいてう(女性運動家)そして坂口安吾(作家)など当市ゆかりの人物が紹介されています。 -
長禅寺入口
案内板の先の細い道を入り、やがて石段に差し掛かります。 -
長禅寺案内板
長禅寺由来として創建は平将門といわれているそうです。 -
長禅寺を囲む樹木
上り階段の手前は広いスペ−スが駐車場となっており、ここから長禅寺方を見上げても繁った樹木に覆われ建物等がすっぽり隠れています。かつての居館跡と同様の雰囲気が自分には伝わります。 -
長禅寺石段
本堂は高台に建てられているので石段を登ります。 -
土塁?
石段途中には人を寄付けないほどの土盛が施され、寺院ではなく要害跡を登っている錯覚を感じさせます。 -
急斜面の坂
仮に敵の攻撃を受けても難攻不落の地形のため攻め手にとっては一苦労する事でしょう。 -
長禅寺石段
急俊な石段を登り、途中で一息入れます。 -
長禅寺石段
途中から石段の振返ると急峻な石段であることがわかります。 -
長禅寺山門
石段を登りきりますと、高い山門が大きく待ち受けます。 -
三世堂
宝暦13年(1763)、当時の長禅寺の住職であった幻堂和尚によって建てられ、全国でも珍しい「さざえ堂」(内部配置の観音像を巡るだけで巡礼ができる回廊)形式となっています。 -
三世堂説明板
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境内風景
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大師堂
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社務所
特徴のある屋根が印象的です。 -
本堂
長禅寺は大鹿山長禅寺と号し、臨済宗妙心寺派の古刹で、京都妙心寺の末寺です。 -
扁額
「長禅」と刻されています。 -
長禅寺略記
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境内風景
供養塔と説明石板が本堂の傍らに在ります。 -
説明石板
長屋王・妃吉備内親王について記載されています。 -
境内庭園
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光音霊堂
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境内風景
長禅寺は高台に位置しており境内から見下ろす風景はまるで城郭からの風景に酷似しています。取手はすぐ南に利根川に接しており交通の要地でもあることからかつては砦(とりで)的な役割があったのかと勝手に想像してしまいます。(川岸には有名な「小堀の渡し」があります)
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