2012/11/18 - 2012/11/18
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ドクターキムルさん
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横浜市金沢区にある称名寺には金沢文庫(かねさわぶんこ)があった。鎌倉中期の武将、北条実時が建設した武家の文庫であり、日本の初期における私設図書館とも位置付けられている。
明治30年(1897年)に伊藤博文らによって称名寺大宝院跡に金沢文庫が再建された。しかし、大正12年(1923年)の関東大震災で失われ、昭和5年(1930)に神奈川県の運営する文化施設として復興し、現在の新館は平成2年(1990年)に新築されたものである。金沢文庫は京浜急行の駅名が「金沢文庫(かなざわぶんこ)」であることから、現在では「かなざわぶんこ」と呼ばれることが一般的になっている。
現在、「武家の古都・鎌倉」として世界遺産を目指しており、ユネスコの諮問機関イコモス(国際記念物会議)の現地調査が終わったところであるが、これらの世界遺産の構成資産は発掘調査で明らかになったこと以外はここ金沢文庫に伝えられた古文書などの文献でしかその存在を確認できない。いわば、「武家の古都・鎌倉」が世界遺産になるかどうかの一番の鍵を握っているところでもあろうか。
阿字ヶ池が残る称名寺もこの世界遺産の構成資産の一つになっている。称名寺の浄土式庭園を形つくる阿字ヶ池は、源頼朝が創建した永福寺(ようふくじ)を真似たものであろう。そもそも、永福寺の苑池の原点は平泉・毛越寺の大泉が池であると考えられている。先に世界遺産になった平泉・毛越寺の大泉が池と、ここ称名寺の阿字ヶ池との差異を際だ出せることが必要であったはずなのだが、果たして両者に大きな間違いなど存在するのであろうか?
(表紙写真は称名寺の阿字ヶ池に架かる反橋)
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