八景島旅行記(ブログ) 一覧に戻る
 横浜市金沢区にある称名寺には金沢文庫(かねさわぶんこ)があった。鎌倉中期の武将、北条実時が建設した武家の文庫であり、日本の初期における私設図書館とも位置付けられている。<br /> 明治30年(1897年)に伊藤博文らによって称名寺大宝院跡に金沢文庫が再建された。しかし、大正12年(1923年)の関東大震災で失われ、昭和5年(1930)に神奈川県の運営する文化施設として復興し、現在の新館は平成2年(1990年)に新築されたものである。金沢文庫は京浜急行の駅名が「金沢文庫(かなざわぶんこ)」であることから、現在では「かなざわぶんこ」と呼ばれることが一般的になっている。<br /> 現在、「武家の古都・鎌倉」として世界遺産を目指しており、ユネスコの諮問機関イコモス(国際記念物会議)の現地調査が終わったところであるが、これらの世界遺産の構成資産は発掘調査で明らかになったこと以外はここ金沢文庫に伝えられた古文書などの文献でしかその存在を確認できない。いわば、「武家の古都・鎌倉」が世界遺産になるかどうかの一番の鍵を握っているところでもあろうか。<br /> 阿字ヶ池が残る称名寺もこの世界遺産の構成資産の一つになっている。称名寺の浄土式庭園を形つくる阿字ヶ池は、源頼朝が創建した永福寺(ようふくじ)を真似たものであろう。そもそも、永福寺の苑池の原点は平泉・毛越寺の大泉が池であると考えられている。先に世界遺産になった平泉・毛越寺の大泉が池と、ここ称名寺の阿字ヶ池との差異を際だ出せることが必要であったはずなのだが、果たして両者に大きな間違いなど存在するのであろうか?<br />(表紙写真は称名寺の阿字ヶ池に架かる反橋)

横浜称名寺・金沢文庫-2012秋

3いいね!

2012/11/18 - 2012/11/18

409位(同エリア591件中)

0

14

ドクターキムル

ドクターキムルさん

 横浜市金沢区にある称名寺には金沢文庫(かねさわぶんこ)があった。鎌倉中期の武将、北条実時が建設した武家の文庫であり、日本の初期における私設図書館とも位置付けられている。
 明治30年(1897年)に伊藤博文らによって称名寺大宝院跡に金沢文庫が再建された。しかし、大正12年(1923年)の関東大震災で失われ、昭和5年(1930)に神奈川県の運営する文化施設として復興し、現在の新館は平成2年(1990年)に新築されたものである。金沢文庫は京浜急行の駅名が「金沢文庫(かなざわぶんこ)」であることから、現在では「かなざわぶんこ」と呼ばれることが一般的になっている。
 現在、「武家の古都・鎌倉」として世界遺産を目指しており、ユネスコの諮問機関イコモス(国際記念物会議)の現地調査が終わったところであるが、これらの世界遺産の構成資産は発掘調査で明らかになったこと以外はここ金沢文庫に伝えられた古文書などの文献でしかその存在を確認できない。いわば、「武家の古都・鎌倉」が世界遺産になるかどうかの一番の鍵を握っているところでもあろうか。
 阿字ヶ池が残る称名寺もこの世界遺産の構成資産の一つになっている。称名寺の浄土式庭園を形つくる阿字ヶ池は、源頼朝が創建した永福寺(ようふくじ)を真似たものであろう。そもそも、永福寺の苑池の原点は平泉・毛越寺の大泉が池であると考えられている。先に世界遺産になった平泉・毛越寺の大泉が池と、ここ称名寺の阿字ヶ池との差異を際だ出せることが必要であったはずなのだが、果たして両者に大きな間違いなど存在するのであろうか?
(表紙写真は称名寺の阿字ヶ池に架かる反橋)

PR

  • 金沢文庫の展示看板。

    金沢文庫の展示看板。

  • 県立金沢文庫。

    県立金沢文庫。

  • 中世の隋道。

    中世の隋道。

  • 「中世の隋道」。

    「中世の隋道」。

  • 称名寺の浄土式庭園。

    称名寺の浄土式庭園。

  • 称名寺の浄土式庭園。

    称名寺の浄土式庭園。

  • 称名寺の阿字ヶ池に架かる反橋。最近になって、20年振りに架け替えられた。

    称名寺の阿字ヶ池に架かる反橋。最近になって、20年振りに架け替えられた。

  • 称名寺の阿字ヶ池に立つ美女石。

    称名寺の阿字ヶ池に立つ美女石。

  • 称名寺の阿字ヶ池に架かる平橋。

    称名寺の阿字ヶ池に架かる平橋。

  • 称名寺の石仏。

    称名寺の石仏。

  • 称名寺の石仏の傍らに立つ「称名寺百観音」の標石。

    称名寺の石仏の傍らに立つ「称名寺百観音」の標石。

  • 「百番観音並観音堂建設之碑」(昭和10年(1935年)銘)。

    「百番観音並観音堂建設之碑」(昭和10年(1935年)銘)。

  • 「百番観世音霊場登口」標石。

    「百番観世音霊場登口」標石。

  • 本堂内部。

    本堂内部。

この旅行記のタグ

関連タグ

3いいね!

利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。 問題のある投稿を連絡する

コメントを投稿する前に

十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?

サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)

報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。

旅の計画・記録

マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?

フォートラベル公式LINE@

おすすめの旅行記や旬な旅行情報、お得なキャンペーン情報をお届けします!
QRコードが読み取れない場合はID「@4travel」で検索してください。

\その他の公式SNSはこちら/

タグから国内旅行記(ブログ)を探す

PAGE TOP