2012/11/03 - 2012/11/03
250位(同エリア2844件中)
キートンさん
先週に引き続き、早くもブラチャモリの第2弾!
前回は学生時代ゆかりの地を訪ねましたが、今回は未知のエリアを訪れましたよ〜
半世紀近くの人生で、地元大阪市24区の中に、今までほとんど足を踏み入たことのなかった区がひとつだけ残っていたのです。
「水の都」と呼ばれた大阪の中でも、最もそのイメージを色濃く残すエリアを自転車で散策しました。
「水の都」は水運で大いに繁栄した反面、幾度かの水害の歴史も持っています。
今回はそんな水との係わりと水の都ならではの構造物の数々を見学しながら、ちょっとアカデミックなブラチャモリです。
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
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今日も快晴!
気持いい〜
朝9時、淀川までやって来ました。
ここは長柄橋の少し上流。
前方に阪急千里線の鉄橋と長柄橋も見えております。
ここから淀川の下流に向かって走りますよ〜。
今日もこのチャリくんで走ります。 -
「十三草花園」のコスモス畑と阪急京都線が見える頃、なにやら人影が多くなってきた。
市民マラソンの大会でもあるような雰囲気・・・ -
先に進むうちに高校のテントが次々と現れ・・・
おお〜っ、我が母校K高の陸上競技部のテント発見!
往年の名ランナーで順天堂大学の名将、今や日本陸連副会長、澤木啓祐大先輩の伝統を受け継ぐ現役生たちじゃないですか。
なんの大会かわからんけど、K高ガンバレ!
・・・と思っていたら、どうやら「全国高等学校駅伝大阪府予選会」だったようだ。
こりゃ陸上長距離陣にとっては一年の集大成のイベントだったんだ・・・ -
淀川が国道2号線に当ったところで淀川大橋を渡り、やって来たのは「大阪市下水道科学館」。
今日はまずここで下水道のことを少し学んでおきましょう。
開館時間 :9:30〜17:00(ただし入館は16:30まで)
休館日 :毎週月曜日(月曜日が休日の場合は翌日)、年末年始(12/28〜1/4)
入場料 :無料
詳しくはこちら↓↓↓
http://www.city-osaka-sewerage-museum.or.jp/
動画もあるよ↓↓↓
http://www.youtube.com/watch?v=sbSQSfzR8Pc&feature=relmfu
http://www.youtube.com/watch?v=U8Z_M7zmrEw -
1Fの受付を済ますと、右側には「ふれあい水槽」。
海に住む魚に餌付けをし、触れ合うことができる「ふれあい体験」は、10:45と14:15の日に2回。
水槽から出た突起上面から腕を水槽内に入れるようですね。
「ふれあい体験」は、受付で整理券をもらっておかないと参加できませんよ。 -
大阪市下水道科学館では、映像の上映が3種類あります。
①地下探険号(B1F)所要約6分
②水のシアター(5F)所要約12分
③マジックシアター(B1F)所要約10分
最初に見たのはマジックシアター。
大阪城と太閤下水のある舞台に豊臣秀吉とイギリス人土木技師バルトンが登場し、下水道の歴史と仕組みを紹介するのだ。 -
地下探険号(UNDERGROUND EXPLORER)。
地上・地下・水中・・・どこでも走行可能なシールドマシン型の地下探険号で、世界各地の地下の名所を訪ねるというもの。
絶叫マシンとは言わないが、遊園地のアトラクションっぽい。
パリの地下鉄、ウィーンの下水道、アルプスの塩坑、佐度の金山、なにわ放水路・・・
ウィーンの下水道は思わず名作「第三の男」を思い出してしまった。 -
地下1Fの天井に張り巡らされた大阪市の「地下の川」。
汚水や雨水を集めて下水処理場まで流れる下水道の幹線を、下水処理区ごとに示し、音声によって各下水処理区の特色を紹介します。 -
「汚水処理のしくみ」
汚水になったつもりで、汚水処理施設の中の処理の行程を映像で解説してます。
汚水がどんな方法で浄化されていくかがわかりやすく学べるのだ。
大学での「衛生工学」で学んだことを思い出した。 -
「豪雨体験」
1時間あたり10ミリ、30ミリ、60ミリ、100ミリ・・・と段階的に豪雨を実感できます。
運転席に座った時の車のフロントガラスに降る雨の様子で、豪雨を体感しようというもの。
なぜかワイパーが故障していたが・・・ -
「都市環境と下水道」
来館者の操作に応じて模型と映像が連携しつつ、新技術に支えられたこれからの下水道の役割を解説します。 -
「家庭排水設備の模型」
家庭の排水と側溝の雨水を集めて下水管に入るまでをわかりやすく模型にしてます。
なお、大阪市は汚水と雨水を同じ下水管で集める「合流式」がほとんど。
「合流式」は雨水も含めて下水処理するので処理量が多くなるという短所がある。
下水道整備が比較的新しい自治体は汚水と雨水を別の管で集め、汚水だけを処理する「分流式」を採用することが多い。
「分流式」では家庭の汚水は汚水管、側溝の雨水は雨水管に接続するのでこの模型とは少し異なってくる。 -
「舞洲スラッジセンター」の模型。
「舞洲スラッジセンター」は下水処理によって発生した下水汚泥を効率的に処理するとともに、下水汚泥の有効利用を図る施設。
汚泥処理施設とは思えない奇抜な施設外観はオーストリアのフンデルトヴァッサーによってデザインされた。
大阪市下水道科学館の展示物のほんの一部を紹介したものの、B1Fから6Fまで展示内容はかなり多く、普通に見て回ると2時間はかかりそうなボリュームです。
小学生高学年〜大人なら十分楽しめる施設で、小学生低学年以下には少し難しい内容かも。
ただ、展示内容は入場料無料だとは思えぬ充実ぶりで、200〜300円程度の入場料を払っても不満のない程度の内容となっています。
かなりお勧めの施設です。 -
大阪市下水道科学館の見学をさらっと1時間20分程度で済ました後、南下して西九条駅横を通って、安治川にぶつかった。
そこに建つ建物にはいきなりエレベーターの扉がある。
「安治川トンネル」の出入口である。
「安治川トンネル」とは此花区と西区をつなぐ歩行者・自転車用河底トンネルなのである。 -
「安治川トンネル」は1944年(昭和19年)に完成した、日本初の沈埋工法によるトンネル。
建設当時の安治川の運搬船の往来の多さから架橋が困難と判断され、計画された苦肉の策が河底トンネルだったそうな。
かつては車両用のエレベーターもあったが、排ガス問題などにより1977年に閉鎖されたという。
現在エレベーターの運行は6:00〜24:00だが、階段もあるので、歩行者は24時間通行できる。
ただ、真夜中にここを歩くには相当な勇気がいる。 -
「安治川トンネル」をくぐって安治川を東へさかのぼり、木津川橋を渡ると右手に「津波・高潮ステーション」がある。
開館時間 :10:00〜16:00
休館日 :毎週月曜日(月曜日が休日の場合は翌日)、大雨や高潮に対する防災活動のため、臨時休館あり
入場料 :無料
詳しくはこちら↓↓↓
http://www.pref.osaka.jp/nishiosaka/tsunami/
動画もあるよ↓↓↓
http://www.youtube.com/watch?v=Wnn0gKoc8jI -
館内展示は1Fのワンフロアーのみで、順路に従って見学します。
最初の展示は「海より低いまち大阪」
大阪の地盤は工業の発達に伴い地下水のくみ上げによって、広い範囲で著しい地盤沈下が発生した。
台風などの気象条件により、海面が通常満潮位より90cm程度高くなる場合があるという。
その時の海水位が写真の床面で、防波堤(手前の壁)と堤内の家屋(見えているのは家の2階部分)の高さ関係がわかるようになっている。
この海水位より低いエリアは想像以上に広く、大阪のまちがいかに防波堤に守られているかが実感できる。 -
「災害をのりこえ着実な高潮対策」
大阪のまちに膨大な被害を与えた「室戸台風(昭和9年9月)」、「ジェーン台風(昭和25年9月)」、「第2室戸台風(昭和36年9月)」の被害の状況を写真と当時のニュース映像を用いて解説している。
テレビ放送が始まったのが昭和28年のはずなのに、なぜ室戸台風やジェーン台風の映像が「ニュース映像」なのか?っていうのがちょっと疑問。 -
「室戸台風」は世界の気象観測史上でも例のないほど大型の台風で、大阪港の海水は河川の上流へと流れ込み、大阪城まで押し寄せた。高波は次々に人々や市街地をのみこんでいき、たくさんの人の命を奪い、くらしを破壊した。
「ジェーン台風」が上陸したのは満潮時に近い時間帯で、高潮は強風にのって大阪湾から各河川に逆流し、市街地に押し寄せた。大阪はわずか3時間あまりの間に、浸水面積、死傷者数ともに室戸台風を超える大きな被害を受けた。
「第2室戸台風」は進路も規模も室戸台風とよく似た大型台風だったが、急速に進んだ防潮堤整備などの高潮対策により被害は最小限に抑えられた。また、浸水が心配される地域の人々の早めの避難により、高潮を直接の原因よする死者はゼロだった。 -
「高潮防災施設のはたらき」その1。
これは1970年3月に完成した「安治川水門」の模型。
アーチ型水門という形式で、アーチ型の鋼製ゲートが上流側に倒れることで水門を閉鎖する。(模型は閉鎖した状況)
この形式の水門は通常の水門と比較すると航路の確保、耐震性、耐風性の面で優れている。
アーチ型水門は日本ではほかに尻無川水門、木津川水門の全3箇所しかなく、いずれも大阪にある。 -
「高潮防災施設のはたらき」その2。
高潮防災からまちを守る鉄扉。
実際に稼動していた防潮鉄扉の実物の展示。
ちなみに女の子とヘルメットのおっちゃんは実物ではなく写真です。 -
「高潮とは異なる津波の驚異」
津波の恐ろしさやメカニズム、近い将来かならず起こる東南海・南海地震による津波への対策を解説。
「大阪を襲った大津波」
波高2.5-3mの津波が安治川や木津川の河口から遡上し、河口付近に碇泊していた数百隻の千石船などの大船が押上げられ橋を破壊し多くの溺死者を出した「安政南海地震(江戸時代後期の1854年12月)」の解説。
「くりかえしてきた地震・津波」
周期的に起こる大地震、特に東海地震は「安政東海地震(1854年)」以降150年以上の間隔が空いているという。 -
「津波・高潮ステーション」のイチオシ施設に「ダイナキューブ〜津波災害体感シアター〜」というのがある。
前面・左右側面・床面の4面に、ひとつながりの映像が映し出されるダイナミックな映像シアターで、包み込まれるような迫力で津波の恐ろしさを体感できる。
映像は6分程度。
その映像の一部↓↓↓
http://www.youtube.com/watch?v=F3xkU4uJXSg
写真は、多目的室に展示されていた「東日本大震災」の新聞記事。
「津波・高潮ステーション」の展示内容は中学生〜大人向きといった感じ。
小学生には少し難しいかな。
「ダイナキューブ〜津波災害体感シアター〜」は一度体感する価値はあり。
やはりPR不足で知名度が低いようで、来館者は社会見学の団体が多く、個人の一般客は少ない感じがする。
東日本大震災から約1年半。
記憶が薄れていく前に再度防災に目を向ける機会にはちょうど良い施設ではないかと思います。 -
「津波・高潮ステーション」を出た後、再び木津川橋を渡り木津川右岸を南に下って行く。
南下し始めてすぐに右手に「川口基督教会」がある。
煉瓦造の聖堂は大正9年(1920年)に竣工。
設計者は建築家ウィリアム・ウィルソン。
東側に玄関ホールを設け、東南角に高さ19mの搭屋を構える。
平成7年(1995年)の阪神・淡路大震災で大きな被害を受けたが、関係者の熱意により修復された。
西区の川口地域で、唯一旧居留地の面影を残す貴重な景観資源である。
聖堂はアーチ窓のゴシック様式で、煉瓦造の美しい建築物である。
ちなみに建物の写真を撮るには、近接する電柱と電線が支障で撮りにくい。 -
京セラドーム前の歩道橋で木津川を渡る時、木津川右岸に整備された遊歩道が見られる。
残念なことに自転車は入れなかったが・・・ -
道頓堀川を渡る日吉橋から西方向に「道頓堀川水門」が見られる。
平成12年(2000年)完成。
東横堀川水門とあわせ、高潮防御機能、水質浄化機能、舟運活性化機能などの役割を果たしている。
斬新な近未来的デザインが特徴的である。 -
今度は大正橋を渡る時、右手前方に岩松橋と京セラドーム大阪が見える。
「京セラドーム大阪」は、平成9年(1997年)にオープンした全天候型の多目的ドーム。
大阪を代表するランドマークの一つである。
大正橋を渡るとそこは「大正区」。
いよいよ今回のテーマともいうべきエリアに入って行く。 -
「大正区」
それが私にとって大阪24区の中で唯一残された未踏の地だった。
JR環状線で大正駅を通過したことは何度かあるが、足を地に付けたのは記憶に残る限りは初めてのはず。
大正区は大阪24区の中でも異彩を放っている区だという気がする。
その理由は後述するとして、とりあえず南へ走って三軒家公園まで来た。
そこに立つ石碑は「近代紡積工業発祥の地」。
幕末までの紡績は、農家の副業による家内工業にすぎなかった。
そうしたなかで、明治16年、大阪紡積会社が当地で操業を始めた。
この大阪紡積会社は大正区の近代工業を飛躍的に発展させ、大阪の紡績業を日本一に押し上げる原動力となった。
明治20年代にはここを中心に数多くの紡積・繊維会社ができ、大阪が「東洋のマンチェスター」と呼ばれる所以ともなった。
大正3年と昭和6年の他社との合併で世界最大の紡績会社に発展した。
現在の「東洋紡」である。
当地の工場は戦争激化とともに軍事工場に転換させられ、昭和20年3月の大空襲で工場は消失した。 -
三軒家公園から少し北に戻り、大浪橋を渡る。
北側にはJR環状線のレトロなトラス橋が架かる。
JR環状線は大正区の最北部をかすめるように、わずか500m走っただけで次の区に出ていく。 -
木津川左岸を南下していくと、やがて右手に巨大な鋼構造物が出現する。
日本に3箇所しかないといわれるアーチ型水門のひとつ「木津川水門」。
通常は船舶を通すためにこの状態となっているが、高潮や津波発生時にはアーチ部分が90°下りてきて川をふさぎ防波堤となる。 -
「木津川水門」の少し下流に落合上渡船場がある。
大阪市内にはかつて多くの渡船があったが、現在残っているのは8箇所。
そのうち7箇所が大正区をつないでいる。
ここの渡船は日中15分毎の運行。
大阪市渡船の航路と時刻表のURLはこちら↓↓↓
http://www.city.osaka.lg.jp/kensetsu/page/0000011242.html -
渡船の船上から見た「木津川水門」。
アーチ型ゲートの大きさは、幅66.7m高さ11.9m、重量530t。
水門の全景を眺めるには、少し距離があるものの渡船は適しているようだ。 -
落合上渡船で大正区に再上陸して西方向には、大正区最大の公園「千島公園」がある。
「千島公園」のほぼ中央にあるのが「昭和山」。
地下鉄建設で発生した残土を利用して造られた人工の山で、標高は33m。
といっても馬鹿にしてはいけない。
これでも建設当時は大阪市内の最高峰だったのだ。
その後鶴見緑地内に鶴見新山が建設されたことで、最高峰の座は譲ったが、現在でも大阪市内で2番目に標高が高い場所となっている。
残念ながら、山は樹木で覆われているので見晴らしはあまり良くない。 -
「千島公園」近くの「大正区コミュニティーセンター」には、大正区立体地図がある。
最北部(写真右端)に環状線の大正駅がある。
大正区内の鉄道駅は、JR環状線と地下鉄長堀鶴見緑地線の大正駅のみである。
鉄道駅が区内にひとつしかない区など、大阪市24区の中で大正区の他にはない。
四方を川や海に囲まれていて、他の区と陸続きで接している部分がないのも大正区だけである。
さらに目立った観光地や娯楽施設や商業施設があるわけでもない。
永く大阪に住んでいながら、大正区に一度も足を踏み入れたことがない人は、きっと私だけではないはず・・・ -
だからといって、決して大正区を馬鹿にしている訳ではない。
むしろ隠れた魅力を発見するのがこの旅の醍醐味でもある。
奇しくも現在放送中のNHK連続テレビ小説「純と愛」の舞台が沖縄の宮古島と大阪の大正区だとか。(10月の放送分はまだ中之島周辺のロケにとどまっているもよう)
大正区のロケが今後どの程度オンエアされるかが気になるところ。
さてさて、次に目指すのはあの辺りにしようか・・・ -
というわけで、やって来たのは大正内港にある「はしけさん橋」。
長く伸びた桟橋の両側にいくつもの船舶が所せましと停泊している。
その向こうに架かる青い「千歳橋」がまた良いんだな。 -
ドック入り?の船舶の向こうには、弁天町に建つ「大阪ベイタワー」。
大阪で普通に生活していても、なかなかこういう風景に出会うことは少ない。 -
イチオシ
漁船にギャル!?
めっちゃカメラ目線やし、思い切りアメリカンしてるし・・・
港の近くに住んでいると、こういう所も遊び場になるのか。
少し内陸で育った人から見れば、ある意味うらやましい・・・
こういうのも大正区ならではシーンだろう。
(デジタルズームまで望遠したので画質が悪いです。あしからず。) -
小林の交差点から東へ伸びる通りの先には、現在建設中の「あべのハルカス」。
最上部はすでに300mと超高層ビルとして日本一の高さに達しているという。 -
昼食はインターネットで調べて決めていた、平尾にある沖縄ソバの「ピコ」。
これを参考にしました。↓↓↓
http://muranoki.rejec.net/okinawa/pico.html
店に入った時はすでに13:45。
でも店内には10人以上の客が入っていて、狭い店内には空席が少ないような状況。
さすがは人気の店だけはある。
注文したのはオーソドックスに「沖縄ソバの定食」650円。
麺が太いのでソバというより見た目はうどんに近いがコシがある。
チャーシューと野菜炒め(チャンプル?)がとても美味。
ご飯が少しパサパサしてたけどボリューム十分で満足でした。
ところでどうして「沖縄」なのかというと、大正区民の1/4程度は沖縄県出身者またはその子孫なのだそうで、特に平尾周辺は沖縄色が濃いのだとか。
戦前に紡績や造船や鉄鋼の工場に集団で出稼ぎに来た沖縄県人が大正区に定住したそうな。
1984年のロス五輪、体操個人総合金メダルの具志堅幸司が大正区出身らしいが、いかにも沖縄県的な名字だ。 -
昼食を終えてやって来たのは、大正区と西成区を結ぶ「千本松大橋」。
この橋の両側はループ状坂路となっていて、「めがね橋」とも呼ばれている。
大正区側のループ内はグランドとなっていて、野球練習のちびっこ達がループ坂路の歩道をランニングで上って行ったところだった。
この坂道をトレーニングに利用するとは、なかなかやるな・・・ -
西成区から渡船で渡って来て上陸する人たち。
「千本松大橋」は高さ36mとビルの12階相当の高低差を坂路で上り下りするために、200m余りの川幅を渡るのに橋では総延長1.2kmもの道のりを行かなければならない。
よって歩行者や自転車で渡るには負担が大きいので、渡船を存続させている。
従って橋の歩道は渡るという目的より、トレーニング及び眺望を目的で利用するのが理にかなっているようだ。
なお、千本松渡船は日中15分毎の運航。 -
「千本松大橋」は、1973年(昭和48年)に完成。
木津川両岸の工業地帯から頻繁に往来する大型船が航行できるように、航路高33mを確保している。 -
西成区側から大正区を振り返る。
こうやって見ると、橋の両側に歩行者・自転車用のエレベーターを付けても良さそうな気もする。
建設費や防犯上の問題があるのかな?
まあ渡船の方が風情があるので、はた目には現状の方が好ましいのだが・・・ -
西成区から住之江区に入り、木津川渡船場に到着。
対岸には「新木津川大橋」のループ状の坂路が見える。 -
イチオシ
大阪市にある渡船の8航路のうち、7航路は大阪市建設局が運営しているが、なぜかこの木津川航路のみ大阪市港湾局が運営している。
そのせいかこの航路のみ渡船がオレンジ色をしている。
なお、木津川渡船は日中45分毎の運航と少なめ。
本日は15:00の便に乗ることになった。 -
「新木津川大橋」は1994年に完成。
中央部のスパンが305m、総延長2.4km、幅員11.25m。アーチ橋としては完成当時日本最長を誇った。
大型船が往来する関係で、橋の高さは最高地点で水面上50mの高さになっている。
北側(大正区側)では3重のループになっているが、南側(住之江区側)は直線状の坂路となっている。 -
住之江区側を振り返ると、なんだか視線を感じる・・・
橋脚の基礎がこっちを見ているではあ〜りませんか!
いや、厳密にはこっちではなく両側? -
ループの下に「木津川飛行場跡」を発見。
「木津川飛行場」とは我が国最初期の本格的な民間飛行場である。
昭和4年(1929年)には東京−大阪−福岡を結ぶ定期旅客便の運航が開始され、近代大阪の玄関口として重要な役割をはたした。
木津川河口に陸上飛行場が構想されたのは大正12年ごろから。昭和2年(1927年)に着工し、昭和4年には未完成のまま東京・大阪・福岡間に1日1往復の定期旅客便が就航した。
しかし、市街地からの交通の便が悪く、地盤不良で雨天時の離着陸も困難であったため、昭和9年の八尾空港、14年の伊丹空港完成により、その役割を終え、14年には閉鎖された。 -
せっかくなので、眺望を楽しむためにループを上ってみた。
坂路の勾配はそれほどきつくないが、さすがにこの3重ループを上るにはそれなり骨が折れる。 -
これが完成当時日本最長を誇ったアーチ。
下から見るとアーチというより直線に近いが・・・ -
橋の上からの眺望はなかなかのもの。
日本一超高層ビル「あべのハルカス」はやはり目立つ。
その左に、先ほど見上げた「千本松大橋」も見えている。 -
「新木津川飛行場跡」には現在「中山製鋼所」の工場がある。
これほどの重厚な工場配管が公衆用道路に面してむきだしになっている所は少ないのでは・・・
実はこの工場内は、1989年公開の映画「ブラック・レイン」のロケ地になったとか。
空撮でもこのあたりの映像が流れる(松田優作が飛行機で日本に護送されるシーン)。
いかにもリドリー・スコット監督が好みそうな風景ですな。 -
いかにも永い歴史を物語るタンク(跡?)。
「工場萌え」したいなら、有力候補のエリアだよ〜ん。 -
大正区の西の方に行くと「なみはや大橋」が見えてくる。
大正区と港区を結ぶ全長1740mの有料道路。
歩行者、自転車は無料。
1995年に完成。
中央部は3径間連続の箱桁橋で、中央のスパン250mは桁橋では日本最長だという。
45m海面上をカーブを描いて行くフォルムは、桁橋ながら美しく見える。
なお、隠れた夜景スポットとしても人気だとか。
後ほど行ってみるとするか・・・ -
イチオシ
千歳渡船場に着くと頭上には「千歳橋」。
千歳渡船は日中20分毎の運航。
本日は16:00の便に乗ることになった。 -
対岸には弁天町にある「大阪ベイタワー」の高層ビル群。
ここから弁天町までは約2.5kmの距離。 -
渡船上から見た「千歳橋」。
2003年に完成。
主橋梁部はアーチ橋とトラス橋が融合した2径間連続非対称ブレースドリブアーチ橋で、橋梁・鋼構造工学での優れた業績に与えられる「土木学会田中賞」を受賞した。 -
イチオシ
船尾からの景色。
陽も傾いてきてブルーの橋を照らす。 -
千歳渡船場から北に尻無川をさかのぼり、甚兵衛渡船場に到着。
ここから対岸の港区に渡る。
甚兵衛渡船は日中15分毎の運航。 -
渡船からは上流側に「尻無川水門」が見える。
これも日本に3箇所しかないといわれるアーチ型水門のひとつ。
アーチ型ゲートの大きさは、幅66.7m高さ11.9m、重量530t。
「木津川水門」と同じサイズである。 -
港区に上陸すると南西に進路をとり、「港大橋」が見える場所に来た。
ちょうど帆船型観光船「サンタマリア号」が通りかかるところだった。 -
イチオシ
「港大橋」の下に来ると改めてその巨大さに圧倒される。
1974年に完成。
港区と住之江区を結ぶ全長980mのトラス橋である。
トラス橋としての中央径間510mは日本最長で、世界第3位の長さである。
1974年度の「土木学会田中賞」を受賞。 -
ちょうど夕暮れ迫るころ、港区側から夜景が評判の「なみはや大橋」に上ってみた。
車道越しに「港大橋」、そしてWTCの「コスモタワー」のそばに夕日が沈んでいく。 -
秋の夕暮れといっても、夕日を見てから街に灯がともるまでは意外に時間がかかった。
大正内港のある東方向は「千歳橋」、その向こうに建設中の「あべのハルカス」にも灯がともっている。
少し左には、それほど高くないながらも「通天閣」も存在感がある。 -
港区方向の倉庫群とビル群。
「京セラドーム大阪」や「大阪ベイタワー」が見える。 -
いよいよ暗くなってきたので、そろそろ天保山の方に行くとしますか。
というわけで「なみはや大橋」を下ります。
ちなみに「なみはや大橋」の夜景動画はこちら
http://www.youtube.com/watch?v=LS1nG3ggWWA -
天保山に着くと、とりあえずこの観覧車が目立ちます。
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マーケットプレイスのイルミネーション。
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18:00発の天保山渡船で此花区桜島に渡った。
大阪市の8箇所の渡船で唯一大正区に渡っていない航路。
此花区桜島から「天保山ハーバービレッジ」を望む。
右の方に「海遊館」も見えている。 -
桜島からユニバーサル・スタジオ横を通って、安治川をひたすらさかのぼった。
中之島を堂島川沿いに行くといくつもの橋が架かっている。
ライトアップされた橋もいくつかある。
これは「堂島大橋」。 -
イチオシ
「玉江橋」もブルーのライトアップで浮かび上がっている。
その向こうの朝日放送や堂島リバーフォーラムあたりは、旧・大阪大学医学部附属病院跡地を再開発された地域で、「ほたるまち」と呼ばれる。 -
大阪市役所横には「水晶橋」。
もともとは河川浄化を目的に堂島川可動堰として建設されたが、現在は歩行者用の橋となっている。
帰りは天神橋筋商店街をひたすら北上し、長柄橋を渡る頃には19:30になっていた。
本日は前半に2つの博物館、後半に「水の都大阪」の水辺の景観を主に巡りました。
渡船から眺める個性的な橋や水門の風景は、定番の大阪観光とは違った魅力がありました。
今まで訪れたことがなかった大正区とその周辺では、「水の都」と呼ぶにふさわしい風情のあるシーンに出会えて、充実したブラチャモリでした。
今までメディアに取り上げられることが少なかった大正区とその周辺の魅力が、NHK連続テレビ小説「純と愛」で全国的に知られることになるのか、今後が楽しみだ。
ところで本日の経費
大阪市下水道科学館:無料
津波・高潮ステーション:無料
渡船(落合上、千本松、木津川、千歳、甚兵衛、天保山):無料
沖縄ソバ定食:650円
飲み物:140円
合計:790円
リーズナブルにもほどがある!
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旅行記グループ
関西ブラチャモリ
この旅行記へのコメント (6)
-
- 川岸 町子さん 2012/12/22 18:01:05
- ダイナミック!
- キートンさん
ご無沙汰しています。
2編とも、ダイナミックなお写真の数々、いいですね〜!!
どの街も、知っている部分は一面だけですよね。
知らないけど興味深い部分が、こんなにも多いってこと、改めて気づかされました。
私、水(川や運河など)が生活とつながっている所、大好きです!
橋や、船のある風景を見せていただき、わくわくしましたo(^▽^)o
この冬、札幌は、真冬日も、雪の量も多く、キツイです^^;
では、どうぞ良いお年をお迎え下さい。
町子
- キートンさん からの返信 2012/12/23 09:49:23
- RE: ダイナミック!
- こんにちは、町子さん。
お元気ですか?
長年暮らしている大阪ですが、今までお目にかかっていなかった風景って意外と身近にあるものですね。
「水の都」と言われた大阪でも、普通に暮らしていると船に乗る機会ってないのですが、昔ながらの渡船が生活に根付いている地域が残っていることに、なにか心がなごみます。
こちらのほうも12月にしては記録的な寒さだったりします。
札幌の寒さは半端ないと思いますが、お体に気を付けて。
良いお年をお迎えください。
キートン
-
- 天星さん 2012/11/06 23:04:42
- さすが工学部ですね
- メカニックなものや
構造物の説明となると
力入ってますねぇ〜(お見事!)
ヘルメットおっちゃん、リアルすぎる
本物かと思って拡大して確認しましたよ(笑)
ホントに写真だった〜
K高校ってテントに読めるくらいの文字
見えてましたけど、あえてK高校なんですね(へへ)
漁船の女の子、いい味出てました!
町の一風景としてとても印象的でした。
半世紀近く大阪に住んでるキートンさん
へぇ〜まだ、行ってなかった
エリアがあったんですね!
天☆
- キートンさん からの返信 2012/11/07 00:11:16
- RE: さすが工学部ですね
- こんばんは、天さん。
今回は仕事柄、土木的なことも楽しみながら学習できればという思いもあって、コース設定したんですよ。
キーポイントとなったのが「渡船」だったんですね。
ヘルメットのおっちゃん、別にそこにいなくてもいいのに、なぜか写真で立ってました。
> K高校ってテントに読めるくらいの文字
> 見えてましたけど、あえてK高校なんですね(へへ)
あえてそこはK高ということで。
写真からもバレちゃうし、コメントにもヒントを与えてキーワードをネットで検索すれば判明するんですけどね。
興味ある人がそこまでしていただけると、こちらとしてはうれしいわけで・・・
漁船のギャル、いいでしょ〜
この意外な組み合わせがミスマッチっぽくて。
しかもアメリカンなところが最高で、自分でもお気に入りの1枚なんです。
地元にもまだまだ絵になるシーンがいっぱい埋もれているようで、そういうのを発見していきたいですね。
では、また。
キートン
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- 豚のしっぽさん 2012/11/06 15:23:17
- 未知の領域☆
- こんにちゎ(#^.^#)キートンさん
ご無沙汰しています
驚いた!!
これって。。。自転車で周られたんですか? 1日で?
私にとっても この辺の大阪は未知の領域かも
大正は、コートがあるので試合で訪れるけど、、、でも知らないし
USJには行っても その手前の駅には降りた事も無いし・・・
「津波・高潮ステーション」は自治会で代表で行かされた(^_^;)けど
行ってヨカッタ場所でした
その時にも感じたのですが・・・
住んで居るのに知らない事が まだまだいっぱいあるなぁ〜と
シッポ
- キートンさん からの返信 2012/11/06 19:35:39
- RE: 未知の領域☆
- こんばんは、シッポさん。
書き込みありがとうございます。
1日で周りましたよ。
2つの博物館は、ちょっと駆け足見学になりましたけどね。
試合で大正区を訪れたことがあるんですね。
確かに街を走っていて、公園は比較的多そうな気がしましたよ。
でも、わざわざ行楽やショッピング目的で行くようなエリアではないですよね。
大阪市内に渡船がまだ残っていることは何となく知ってましたが、自転車も無料で渡船場が大正区周辺に集中していることはごく最近に知ったんです。
しかも、渡船に乗ると珍しいタイプの橋や巨大な水門を水上から見ることができることがわかって、今まで行ったことなかった大正区に急に行ってみたくなったんです。
そうそう、ネットで「津波・高潮ステーション」と検索したら、シッポさんの旅行記がひっかかってきたので、ビックリでした。
知名度が低そうな施設なので4トラでは一番乗りかな?と思っていたら・・・先を越された〜って感じでした。
でもシッポさんの旅行記を見て、これは是非とも行ってみないとと思いましたよ。
地元なのに知らなかったことや知らなかった風景って意外とあるものですね。
では、また。
キートン
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旅行記グループ 関西ブラチャモリ
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