本興寺・石の五重塔（横浜市泉区上飯田町）

2012/04/30 - 2012/04/30

　横浜市泉区上飯田町にある本興寺は日蓮宗の本山（由緒寺院）で法華山本興寺という。万治3年（1660年）に鎌倉の本興寺が江戸幕府の弾圧に遭った際に、日蓮ゆかりの地であった上飯田の地に移されたとされる。
　本興寺の本堂裏は墓地である。その中に石を組み上げた五重塔が建っていた。石造りの五重塔を初めて目にしたのは山口市香山町にある瑠璃光寺である。2例目にあたる。すぐ近くで墓石を設置している石屋さん（横浜石材）がいたので尋ねてみた。この石の五重塔は10年くらい前に建てられたものだそうだ。昨年の東日本大震災でも倒れなかったという。この石屋さんは西新井のお寺の住職にこの石の五重塔のことを話したら、わざわざここまで見に来て、この石屋さんが西新井のお寺にこれに似た石の五重塔を建てたという。他にももう1塔を建てたという。見かけない石の五重塔だが、何塔かはあるようだ。
　この石屋さんは、30数年前に、横浜国大の名教自然碑（国登録有形文化財）を弘明寺（ぐみょうじ）の工学部キャンパスから保土ヶ谷の常盤台キャンパスに移設した関係から建築科の教授とも知り合いで、石の五重塔の基礎部分についてもアイディアを検証してもらっており、2塔とも昨年の東日本大震災でも倒れなかったという。この大理石の名教自然碑にはひびが入っており、移設には随分と配慮したというが、関東大震災後に建てられたようで基礎部分がとても頑丈に造られており、分解するのに苦労したという。かくいう私も、名教自然碑を高さ20cm程度にしたアルミ製の煙洲先生記念碑（昭和58年12月謹製）を持っており、懐かしく思えた。
（表紙写真は本興寺にある石の五重塔）

エリア 戸塚・いずみ野・港南台(神奈川)

本興寺の永代供養塔の後ろに石の五重塔が見える。横に横浜石材がある。

本興寺の墓地にある石の五重塔。

本興寺にある石の五重塔。

本興寺にある石の五重塔。

本興寺にある石の五重塔。