![福島県会津地方の北にある喜多方市は蔵の街を標榜している。しかし、街を散策してみるとラーメンの街とトタン屋根の街という印象を強く受けた。特に、トタン板とは亜鉛めっき鋼板をいい、官営八幡製鉄所で明治39年(1906年)から作られている。しかし、屋根材として普及したのは戦中・戦後ぐらいのことだろう。たとえば、戸塚駅西口にはつい最近まで、戦後の闇市がそのまま残ったような商店街があったし、もともと東海道戸塚宿として形成された街も関東大震災で悉く倒壊したようで、旧東海道沿いには今でもトタン屋根の家並みしかなく、みすぼらしいものである。唯一、伊東医院の屋根が銅瓦葺きであり、立派な洋館である。<br /> ここ喜多方もそれに似ているが、元々喜多方の檀那衆のお屋敷にトタン屋根が導入されたのは戦後のことだろう。それも昭和の終わり頃か平成以降に顕著になったのであろう。それを伺えるのがここ甲斐本家であろうか。<br /> 甲斐本家の母屋の屋根には銅製の雨樋が取り付けられており、表門横の蔵入口の庇や扉は銅製である。国の有形文化財に登録されているか、それに近い建物は瓦屋根であり、背の高い煉瓦塀にも屋根瓦が葺かれている。要は日本各地に残る旧家の家並みと何ら変わらない家屋敷の建物群なのだ。しかし、平成になって建てられた建物になるとトタン屋根が目に付くようになる。瓦屋根を維持するだけの財力が無くなったのか、トタン屋根に価値を見出しているのか真相は分からない。<br /> 湧水の里と会津のお米の美味さなどが売りにすべきチャームポイントであるはずなのだが、喜多方ラーメンだけが幅を利かせている。そしてそれに見合うトタン屋根がはびこってしまっているのだ。こうした旧家も例外では無くなって来ているということだろうか。<br />(表紙写真は甲斐本家の酒造蔵)](https://cdn.4travel.jp/img/thumbnails/imk/travelogue_album/10/66/56/650x_10665680.jpg?updated_at=1336127809)
2012/04/28 - 2012/04/29
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福島県会津地方の北にある喜多方市は蔵の街を標榜している。しかし、街を散策してみるとラーメンの街とトタン屋根の街という印象を強く受けた。特に、トタン板とは亜鉛めっき鋼板をいい、官営八幡製鉄所で明治39年(1906年)から作られている。しかし、屋根材として普及したのは戦中・戦後ぐらいのことだろう。たとえば、戸塚駅西口にはつい最近まで、戦後の闇市がそのまま残ったような商店街があったし、もともと東海道戸塚宿として形成された街も関東大震災で悉く倒壊したようで、旧東海道沿いには今でもトタン屋根の家並みしかなく、みすぼらしいものである。唯一、伊東医院の屋根が銅瓦葺きであり、立派な洋館である。
ここ喜多方もそれに似ているが、元々喜多方の檀那衆のお屋敷にトタン屋根が導入されたのは戦後のことだろう。それも昭和の終わり頃か平成以降に顕著になったのであろう。それを伺えるのがここ甲斐本家であろうか。
甲斐本家の母屋の屋根には銅製の雨樋が取り付けられており、表門横の蔵入口の庇や扉は銅製である。国の有形文化財に登録されているか、それに近い建物は瓦屋根であり、背の高い煉瓦塀にも屋根瓦が葺かれている。要は日本各地に残る旧家の家並みと何ら変わらない家屋敷の建物群なのだ。しかし、平成になって建てられた建物になるとトタン屋根が目に付くようになる。瓦屋根を維持するだけの財力が無くなったのか、トタン屋根に価値を見出しているのか真相は分からない。
湧水の里と会津のお米の美味さなどが売りにすべきチャームポイントであるはずなのだが、喜多方ラーメンだけが幅を利かせている。そしてそれに見合うトタン屋根がはびこってしまっているのだ。こうした旧家も例外では無くなって来ているということだろうか。
(表紙写真は甲斐本家の酒造蔵)
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甲斐本家の酒造蔵。
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甲斐本家の酒造蔵。
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甲斐本家の酒造蔵。レンガ煙突が立つ。
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「甲斐本家蔵座敷」の説明プレート。
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甲斐本家蔵座敷の閉館通知文が貼られている。
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奥の蔵はトタン屋根か?
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一部にトタン屋根の建物が見える。
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甲斐本家の酒造蔵。
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背の高いレンガ塀。
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背の高いレンガ塀。
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蔵。手前の建物はトタン屋根か。
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新しい鉄筋コンクリートの建物。スレート葺きかトタン屋根。
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奥の石祠。
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蔵の横の住宅はトタン屋根だ。
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道路を隔てた雪で潰れ、赤く錆びたトタン屋根の建物。
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「蔵のまち喜多方 甲斐本店(甲斐吉五郎)」説明看板。
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甲斐本家の店蔵とレンガ塀。
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背の高いレンガ塀。
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甲斐本家の店蔵。
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「甲斐本家座敷蔵入口」の道案内看板。閉鎖になっている。
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こちら側にもレンガ塀。
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甲斐本家の店蔵。
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甲斐本家の表門。
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甲斐本家の母屋の玄関に続く石畳。
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甲斐本家の母屋。
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甲斐本家の母屋。赤瓦に銅製の雨樋。
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甲斐本家の庭。
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甲斐本家の店蔵の入口。銅葺きの庇と銅製の扉。
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