2009年フィンランド＆エストニア紀行　その16　タリン旧市街散策　街歩きとフェリー編

2009/09/20 - 2009/09/27

2009年9月のシルバーウィークを使って北欧のフィンランドとエストニアに行ってきました。
フィンランドの美しい景色、エストニアの首都タリンが誇る中世の町並み。海外旅行先としての知名度はあまり高くありませんが、とても素晴らしい旅でした。

■　日程

9/20　成田→アムステルダム→ヘルシンキ
9/21　ヘルシンキ→ハメーンリンナ観光→トゥルク観光→ヘルシンキ
9/22　ヘルシンキ→ヨエンスー観光→ヘルシンキ
9/23　ヘルシンキ観光
9/24　ヘルシンキ→タリン観光
9/25　タリン観光→パルディスキ探訪→ヘルシンキ
9/26　ヘルシンキ→アムステルダム観光→成田
9/27　成田到着

旅行記の16回目。
タリン旧市街観光の最終回です。
街歩きを堪能し、夕方のフェリーでヘルシンキへと向かいます。
翌日は早朝の空港行きバスに乗って、9：10に出発。帰国の途に着いたのでした。


なお、この旅行記はブログ「マリンブルーの風」にて掲載したものを再編集の上掲載しています。
http://blog.livedoor.jp/buschiba/

エリア タリン(エストニア)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• グルメ: 4.5
• 交通: 5.0

• 同行者: 友人
• 一人あたり費用: 25万円 - 30万円
• 交通手段: 高速・路線バス 船 徒歩 飛行機
• 航空会社: KLMオランダ航空
• 旅行の手配内容: 個別手配

お腹がすいたので、昨日泊まった「メリトン・オールドタウンホテル」に併設されたカフェ「マドモアゼル」で昼食をとることにしました。

カフェはホテルのフロントの奥にあります。もう14時なので店内は空いています。
私はここでりんごジュースとサーモンのパスタを頼みました。160クローン。美味しいパスタでした。

ご飯を食べ、再びタリン旧市街を歩きます。

この建物は三人姉妹と呼ばれ、旧市街で最も有名な中世の住宅を改装してオープンした五つ星ホテルです。
14世紀ごろに建てられたオリジナルの構造を残しながらも近代的な設備が導入されているとのこと。
雨が降ると窓を閉めに来るという女性の幽霊もいるんだそうです。

太っちょマルガレータに入ってみました。現在は海洋博物館になり、昔の漁業に使われた道具や様々な船の模型、海運、海戦に関する様々な展示物を見ることができます。

屋上は展望台になっています。先ほど登った聖オレフ教会が見えました。

ピック通りを南へ進みます。

先程通ったヴァイム（幽霊）通りへの入り口が見えてきました。

石畳の道を掘り返して何かの工事をしています。

奥のほうに白いグレート・ギルドの会館が見えてきました。

グレード・ギルドは数あるタリンのギルドの最高位にあり、市長、市議会議員はすべてここから選ばれました。1920年にギルドが解散するまではギルドの集会やパーティー、結婚式に使われていたのだそうです。

グレード・ギルドの中は現在エストニア歴史博物館となっています。先史時代から近世に至るまでの様々な資料が展示されています。館内では聖歌が流れていました。

細い道を通り抜けます。

これはレストランのようです。

ドミニコ修道院です。中には入れませんでした。

町の北側にもセーターを売る屋台がありました。

このあたりはアパートが並んでいます。

雨が降ってきました。

ピック通りとライ通りを結ぶ小道です。

ラエコヤ広場まで戻ってきました。

友人いわく「エストニア国立男声合唱団のＣＤを買わなくちゃ」とのことなので、ツーリスト・インフォメーションまで聞きに行きました。旧市街にＣＤ屋はなく、新市街まで行かなければならないそうです。

そんなわけでラエコヤ広場から新市街に向け歩き出しました。

時刻は15：30を回りました。船の出港まであと2時間ですが、ＣＤを買う時間はあるでしょう。

ツーリスト・インフォメーションに教えてもらった店はヴィル門の近くにある新市街のデパートの中にあります。
店内ではなにかイベントをやっているようで込み合っていました。
幸運にもＣＤ屋にエストニア男声合唱団のＣＤが何枚かあり、めでたく購入することができました。
しかし、いざ友人がＣＤをレジに持っていったところ、なぜか時間がかかっているようです。
「ＣＤを買おうとしたらＩＤナンバープリーズ？ってい言われたよ。何かと思ったらパスポートナンバーだった」
しばらくして友人が戻ってきました。外国人はＣＤを買うのに身分証がいるのでしょうか。

エストニア国立男声合唱団のＣＤも無事購入し、いよいよエストニアを去る時間が近づいてきました。
美しいタリン旧市街ともこれでお別れです。

ヴィル門からメリトン・オールドタウンホテルまではちょうど旧市街を南から北へ突っ切る形になります。歩いて15分ほど。小さな町です。フロントのお兄さんに礼を言ってスーツケースを受け取り、外に出ると雨が強く降ってきました。

これから乗るタリンク・シリヤラインのヘルシンキ行きの船はタリン港のＤターミナルから出港します。タリンの港は行きに乗ってきた高速船が発着する小さな市民ホール港と、これからのる大型客船が発着するタリン港に分かれています。Ｄターミナルはタリン港の一番奥にあり、ホテルから歩くと20分ほどかかるのですが、タクシーだとぼったくられるといううわさを聞いたので雨の中歩くことにしました。

太っちょマルガレータのあるグレート・コーストゲートをくぐり、昨日船酔いでヘロヘロになったまま通った交差点をわたり、市民ホール港への道をまっすぐ行かずに左に曲がるとタリン港が見えてきました。
港への道を歩いていると酒入りの箱をカートで引きずったフィンランド人を何人も見かけました。お酒の値段がフィンランドに比べて安いため、多くのフィンランド人が酒の買出しにタリンまでやってくるのです。

スーツケースを20分引きずってようやくたどり着いたタリン港Ｄターミナルは観光客で混み合っていました。我々は両替屋を探して残っていたクローンをユーロに両替し、カードでヘルシンキ行きの船のチケットを買いました。運賃は35ユーロ、行きに乗った高速船は25ユーロですから10ユーロほど高く、所要時間も30分ほど余計にかかります。しかし行きと同じ船では面白くありませんし、なによりあんな船酔いする船には乗りたくありません。

これから乗るスター号は2007年に就航した新しい船で、定員2000名、450台の乗用車を詰め込める大きな客船です。6月から8月までの間は日本人クルーも乗務するのだそうです。

時刻は17時を回り、乗船が始まりました。長い通路を歩き、船へと向かいます。

巨大な船が見えてきました。

我々が持っている35ユーロのチケットはデッキ専用で、キャビンを利用するには25ユーロの追加料金がかかります。夜行の船であれば別ですが、2時間でつきますからデッキで十分でしょう。
デッキのみの客がうろつけるのは7階から9階の間です。船の乗船口が７階となり、そこからエレベーターか階段で移動します。広い船内にはパンやピザやハンバーガーを出すファーストフード店、カフェ、レストラン、お酒が飲めるバー、スーパーマーケット、化粧品店などがあります。写真は9階にあるファーストフード店です。

タリン港を出航。これでエストニアともお別れです。

最初はヘルシンキに着いてから夕飯を食べるつもりでしたが、よくよく考えればヘルシンキ到着は19：30ですから、船内で夕飯を食べてしまえばよいのです。我々は8階にある「Food Wave」というバイキング形式のレストランに移動しました。店内は450席と広く、一人22ユーロ払えばご飯食べ放題。しかもビールもワインも飲み放題です。これはお得！

サーモンははずせませんね。肉と野菜も食べましょう。

ケーキも食べ放題です。食後のデザートは欠かせませんね。でもワインは飲みます。
「タリンの町は良かったね」
「帰りたくなかったよ」
そんな話をしながらレストランでひたすら食べているうち、あっというまに2時間が過ぎ、ヘルシンキに到着してしまいました。船が巨大なだけあって揺れはまったくありません。無線ＬＡＮも使えますし、行きもこの船に乗ればよかったです。

いいこと尽くめのタリンク・シリヤラインですが、唯一の欠点はヘルシンキの町の中心部から船が発着するヘルシンキ西港までの距離が遠すぎること。船を下りた我々は長い通路をひたすら歩き、ターミナル前のバス乗り場からバスに乗らなければなりません。ヘルシンキ中央駅までは15Ａ系統のバスで約10分。朝夕は12分間隔、それ以外は船の時間に合わせて運行されています。しばらくバス乗り場で並び、2.2ユーロを払ってバスに乗り込みます。スーツケース置き場がある大きな路線バスで、車内はタリンからの客で立ち客が出るほどの混雑でした。

バスは夜のヘルシンキの街を走り、15分ほどでヘルシンキ中央駅に着きました。今日のホテルはホテルアルトゥール、1日目と2日目に泊まったホテルです。
部屋は前回泊まった部屋より狭く、コンセントが1つしかない上にテレビが映りませんでした。友人がフロントに電話すると太ったおばさんがやってきてテレビの配線をチェックしましたが映りません。結局空いている部屋に代えてもらうことになりました。太ったおばさんは息を切らせながら部屋を行き来して準備をしてくれています。友人が「アーユータイヤード？」と声をかけたら、おばさんに「オーセンキュー！」と抱きつかれていました。

ともあれ、部屋を代えてもらったのでサスケでも見ようかとテレビをつけましたが残念ながらやっていないようでした。
ちょっとがっかりしつつもネットで野球の試合結果などをチェックし、23時前に就寝しました。明日はいよいよ帰国の日。6時半のバスに乗って空港まで行きます。

9月26日　土曜日

朝6時前に起床。とうとう日本に帰る日が来てしまいました。もっと滞在したかったのですがやむを得ません。
ホテルをチェックアウトし、朝6時半に出発する空港行きリムジンバスに乗りました。
バスは早朝の高速道路を快調に飛ばし、7時過ぎにヘルシンキ・ヴァンター空港に到着しました。

我々が登場するＫＬＭオランダ航空のアムステルダム行きKL1162は9：10発。すでにKLMのカウンターには長蛇の列ができていました。しかしどうも様子がおかしいです。係員がいません。しばらくして荷物預かりカウンターには係員来たものの、チェックインカウンターには係員がいないままですので列がまったく進みません。待っているうちに韓国のサムスンの社員と思しき人たちがゴルフバックをカウンターに預けていきました。フィンランドで商談でしょうか。韓国勢の勢いを感じます。

どうしたものかと思っていたら、係員が「自動チェックイン機が使える方はそれを使ってください」と言って回っています。行きに成田空港で使ったものと同じでしょうか。このまま列に並んでいてもいつまでかかるか分からないので自動チェックイン機を使います。パスポートを読み込ませ、英語のメッセージに従い適当にボタンを押していたら、2回目の挑戦でチケットが印刷されてきました。

ヴァンター空港のセキュリティチェックは行きのオランダほど厳しくはなく、日本と同程度でした。
出発ロビーは朝からかなり混み合っています。我々はまずお土産を買いました。フィンランドのデパートであるストックマンが店を出しており、私はそこでイッタラのガラスのコップとフェッツェルのゲイシャチョコなどを買い込みました。そして軽食スペースでサンドウィッチと紅茶を飲みながら時間をつぶすうちに、搭乗時刻がやってきました。

飛行機は時刻どおり9：10に離陸しました。行きと同じ3列3列の中型機で、機内は7割方埋まっています。アムステルダムには現地時間の11時に到着。アムステルダムとヘルシンキには時差があって1時間遅いので2時間半ほどかかっています。

成田空港行きのKLMオランダ航空KL861便は15：20出発。4時間以上あります。
アムステルダムのスキポール空港でボーっと待ち続けるのは芸がありません。せっかくなのでアムステルダムの街に繰り出してから、日本行きの飛行機に乗り込んだのでした。