ベルリン＆その周辺旅行 ～壁と東ドイツの歴史を巡る旅～　５日目（カイザーウィルヘルム教会・バウハウス資料館・ポツダム広場・チェックポイント・チャーリー・壁博物館）

2010/09/11 - 2010/09/20

今回は珍しく壁の西側だった地区からスタートしてベルリンを巡ります。しかし、この日は本当に盛りだくさんな１日でした。。。

エリア ベルリン(ドイツ)

• 同行者: 友人
• 交通手段: 鉄道 高速・路線バス 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

いつものトラムの駅から出発。お天気が少し心配。

バスで一路西側まで。普通の路線バスでしたが、Unter den Lindenやティアガルテンも突っ切って行くルートだったので、ちょっとした観光ツアーでした。（特に2階席いいです！）。

この旅で初めていわゆる西ベルリンだった地区に本格的にやって来たのですが、何となく雰囲気が東側と違います。ちょっとお洒落な感じです。

西側の写真その２。

カイザー・ウィルヘルム教会。２日目に訪れたドレスデンのフラウエン教会同様、この教会も第二次世界大戦で破壊されたそうですが、こちらの教会は、廃墟のまま保存され、隣に新しい教会（廃墟の隣の塔）が建てられています。再建するべきか否かは難しいところだとは思いますが、こちらの廃墟のままの方が戦災のイメージが鮮明なのは確かです。

おそらく真ん中の大きな穴はきれいなステンドグラスだったんじゃないかと思いますが、現在はぽっかりとした穴のみです。

教会のモザイクが一部壊れないまま残っている部分があり、それを見ることができます。また、壊れる前のカイザーウィルヘルム教会やベルリンの街の様子がわかる展示もあります。20世紀初頭のベルリンの街並みの写真は本当に素敵でした。（長い歴史を感じさせる街並みが印象的でした。）

隣の新しい教会の内部。かなりモダンです。ステンドグラスも、何か聖書の話が象られているいるわけではなく、いろいろな色が散りばめられているだけです。でもその光が非常に幻想的な雰囲気でした。

カイザーウィルヘルム教会も観光客や社会科見学と思しき子どもたちでいっぱいの場所の一つでした。

この向こうは西側のショッピング街で有名なクーダムですが、今日は行くところがいっぱいなので、そちらには行かないことにしました。

ベンツの本社と思しきビルを発見。ベンツマークがくるくる回っていました。

次は、バスでバウハウス資料館に向かいます。途中で戦勝記念塔に遭遇しましたが、何とこのときは工事中で金色の天使は完全に覆われていました。。。ベルリンに着くまでそのことを知らなかったので、かなりショック！

バウハウス付近のバス停から歩く途中。川が綺麗。

バウハウス資料館。ゲートがイケています。しかし、内容はかなり専門的でデザイン関係の知識に疎い自分は残念ながら、けっこうチンプンカンプンでした。でも、ここは日本語のガイドがあります。

この日は天気がめまぐるしく変わる日でした。この瞬間はけっこう晴れていました。

ポツダム広場に到着です。かなり近代的！そして、DB（ドイツの鉄道会社）の本社ビルと思しき建物がドーンとありました。歩いてる人もスーツを着ている人が多かったのが印象的でした。

古いものが一切見当たりません。

駅も近代的で大きい。。。

他の旅行記にも載せてしまった写真。ポツダム広場開発の図です。（お土産のポスターでした。）このあたりは壁が一体にあって、一度更地になり、そして再開発されたというのがよくわかるポスターです。（つまり、この場所は壁構築から一度時間が止まっており、実質20年ぐらいしか歴史がない非常に新しい場所なのでした。ベルリンの都市自体はすごく歴史がある街なので、ちょっと不思議な感じです。）現在は壁の面影はほとんどないので、この写真はすごく興味深かったです。

壁があったことを示すプレート。今は簡単にまたげますが、30年弱ここは越えることができない場所だったと思うと、ちょっと悲しいというか重たい気持ちになります。

壁があった場所にはこんな感じでラインが続きます。確か、街のあちこちでかつて壁があった場所にこんな感じで線が入っていたり、タイルでわかるようにしてあるところがありました。

かつての信号機。一度撤去されてしまったようですが、また時計台として生まれ変わったようです。

ソニーセンター内。吹き抜けになっていて、外とも中ともつかない何とも不思議な空間です。そして、ベルリンど真ん中に「SONY」という言葉が入っていることもちょっと不思議な感じ。

この日は、ドイツ料理が有名なリンデンブロイで食事をしました。私たちは２階のテラス席で食べました。屋内ですが、屋外みたいな感じで気持ちよかったです。

店内はこんな感じ。

広場には壁の一部も。そして、また展示。

こっそり和解教会のことも載っています。和解教会が爆破されるところです（悲）。

こちらは、これから作るメモリアルについての案かな？

ポツダム広場は、空間的に広々としているので、壮観です。

その２。

歩いてチェックポイントチャーリー＆壁博物館方面を目指します。これは途中で見つけたベルリン市庁舎の建物だったかな？

その途中で、壁が残る数少ない場所の一つ＆テロのトポグラフィーを見ることにしました。壁奥の白い建物はゲシュタポの本部の建物だったそうです。時間が限られていたので、テロのトポグラフィーの展示はあまりきちんと見れませんでしたが、この展示も例に漏れず、かなーり詳細でした。時間があればもうちょっとちゃんと見たかったです。

壁近景。壁の高さは想像していたよりも聳え立っているという感じではありませんでした。それゆえ、当時、壁があったころは、「越えられそうで越えられない壁」という感じだったのではないなかなという気がします。このコンクリート1枚の「壁」があらゆるものを断絶して、人々の生活を引き裂いていたのかと思うと、なんだかやるせない気持ちになります。

２つ前の写真を撮った瞬間から数十分でこんな青空に。天気が違うだけで場所の印象が随分違います。

壁を乗り越えようとして、警備兵に撃たれて亡くなったペーター・フェヒター（wiki→http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%92%E3%82%BF%E3%83%BC）のメモリアル。チェックポイントチャーリーのすぐ近くにあります。

チェックポイントチャーリー。今はすっかり観光地で、「トンネル」の映画の中にあったようなスリリングな雰囲気（主人公が変装をして国境の検問所を抜けようとします。）はもちろんありません。平和な時代になってよかったということですが、そういう場所でピースの記念写真はいかがなものか、、、と思うのは自分だけでしょうか。。。

このチェックポイントチャーリーの周辺の通りにも大規模な壁に関する屋外展示があります。さきほどのペーター・フェヒターについての展示もあった気がします。

展示近景。この付近に中国（あるいは、香港かシンガポールだったかも？）圏からの団体客を見かけたのですが、中国から来た人達だとしたら、これらの展示はどのように映るんだろうと素朴に思ってしまいました。何せ「自由」のオンパレードですから。。。

壁の犠牲者が年ごとにわかるようになっている表。やはり壁ができた直後に逃亡を試みた人が多かったようですね。

いろいろな言葉で国境であることを示す標識。

チェックポイントチャーリー周辺の通り。

歩き疲れて、チェックポイントチャーリーの近くのスタバで一休みしました。ベルリンでも、スタバはスタバでした。（あ、でもインテリアが気持ちオシャレだったかな。。。）壁博物館が窓から見えます。

この後壁博物館に行きましたが、（壁博物館は確か22:00までというちょっとありえない時間まで開いています。）ここは、いろいろな意味ですごいです。。。

もともとは、Rainer Hildebrandtさん（壁の近くに住んでいた方のようです。）という方が自分のアパートの一室で始めた資料館だからか、手作り感がいっぱいです。（ある意味、展示としてまとまっていないと言えば、まとまっていない。）でも、そこが逆に市民の想いみたいなものを感じられて良かったです。展示の量も半端ないです。さらに、ベルリンの壁についての展示だけでなく東欧の民主化など、他の地域の展示もありました。

壁の悲惨な歴史を感じられることはもちろんですが、（逃亡して銃で撃たれた人の服なども展示されていました。ちなみにこの人は命は助かったと書いてあった気がしますが、血痕がはっきりと残っていて、本当に生々しかったです。）脱出に使われた車や、ロープウェーなどを見ていると、どんなに困難な状況であっても想像力を武器にして、「体制」の裏をかいて脱出した人々の不屈の精神には、勇気づけられるものがあります。（人間の「信念」みたいなものを感じることができます。）

ただ、夜これらの展示を見ていると、突然、車やスピーカーに人形が入っていたりして（脱出時の様子を再現）結構不気味です。ある意味、壁があったころの緊張感が再現されている感じかもしれません。。。

というわけで、この日はややぐったりめでホテルに帰りました。