2011/12/22 - 2011/12/22
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鯨の味噌汁さん
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明け方、ゴーゴーという風の音で目が覚めた。
時計を見ると午前4時。
ホテルの窓からのぞくと、プラタナスの並木が北風に揺れている。
ふむふむ。これがウワサに聞く「ミストラル」か。
冬、南フランス沿岸に、アルプスから吹き降ろす北風。
これが吹くと、「南仏」どころではなくなる、と何かの本にあったな。
着膨れ大正解だ、などとつぶやきつつ、再びベッドに潜り込む。
次に目が覚めると7時。
どうやら風は止んでいる。
外はまだ暗い。
テレビで天気予報を確認する。
躁病みたいなフランス語をしゃべるお天気お兄さんが、当地の予想最高気温14度、晴れ、と解説しておる。
(もちろんフランス語であるが、それくらいならわかる)
一方、パリは最高予想9度。5度も低いではないか。
ヨカッタ。南に来てヨカッタ。
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 10万円 - 15万円
- 交通手段
- 鉄道 レンタカー 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
- 利用旅行会社
- エアトリ
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-
9時にホテルを出る。風はすっかり止んでいる。午前は旧市街をとぼとぼと歩く。
12月22日、町はクリスマスの準備で忙しそうだ。
日本の年末のあわただしさと似ている。
町の広場にはクリスマス・マーケットの屋台が出ているが、どの屋台も開店準備の最中らしい。 -
旧市街を抜け。丘の道を上がり。法王庁の背後の公園にたどり着く。
高台から町を見おろす。
一気に景色が広がる。なだらかな冬枯れの丘陵が、遠くまで見通せる。遠くの丘陵をTGVが走っているのも見える。
目の下にローヌ川にかかる、サン・ベネゼ橋が見える。(童謡でユーメイですね)
地元のカップルがデートしている。でもって、ときどきキスなんぞをしてる。けけけけけ怪しからん。 -
ふたりで丘を下り、法王庁前の広場にたどり着く。
うむむ、シーズンであれば観光客もいるのだろうが、本日は12月22日。
観光客は見当たらず、貸切状態。
いくらなんでもちょっとさびしい。
ドラクエでダンジョンの広場に出た感じだ。きっと手ごわいモンスターが現れるに違いない。そうだそうだそうに違いない。 -
路地を抜けると、旧市街ののほぼ真ん中に、中央市場がある。
肉屋・魚屋・八百屋・チーズ屋・ケーキ屋・ピクルス屋・総菜屋、さらには香料専門店、なんてのもある。
そのすべての店に地元のお客さんが鈴なりだ。ガキも走り回り、こりゃまたモノスゴイ熱気である。
考えてみれば当たり前で、クリスマスのご馳走を仕入れているわけだ。年末のアメ横みたいなもんだ。
なるほど、ヨーロッパのクリスマスはこんな感じなんだな、とおもう。 -
アヴィニョン旧市街は東西南北1キロ程度だ。
町は清潔で、案内板も充実しており、メンテナンスが行き届いている。(旧市街は世界遺産)
ローマの遺跡もないので、観光地としては「もひとつジミ」であるが、鯨夫婦はこの町を気に入ってしまう。
歩いて回るにはちょうどいい大きさなのだ。 -
午後はローヌ川沿いにTGV駅までバスで戻り、レンタカーを借りる。
鯨にとって左ハンドル右通行は初体験だ。
おまけにフランス語はカンペキにわからん。(いや、英語もわからんけど)
が、意外や意外。
レンタカー事務所のお姉さんは、カタコトの英語をしゃべる。流麗でない分だけ、ちゃんと通じる。ありがたい。
アラブと白人の混血らしい、美しいお嬢さんである。
とはいえ、書類はフランス語であるから、ほぼわからないままサインする。
サインが終わった瞬間、こわいお兄さんが現れ
「キミは外人部隊に入隊した。今からアフリカに行ってもらう」
なんてことになったら困るナ、なんてことを妄想する。
で、どうしてもわからん記入欄があり、お互い「ウーン」とうなる。
ワシも配偶者もお嬢さんも、契約書類をすんなり作るには、英語力不足なのだ。
すると、お嬢さん、すこし考え、自分のiPhoneをちょいちょいといじった。
そのiPhoneがしゃべった。
「あなたは保険を望みますか」
日本語である。自動翻訳機能がついているのである。
「イエス。フルカバー、プリーズ」
「あなたはオートマチック車を望みますか」
「イエス」
「あなたはカーナビを望みますか」
「イエス」
イエス・ノーで答えればよいから、ものすごくラクチンである。
お嬢さんも、その翻訳機能を使うのは初めてらしく。
「見て見てー、ジャポネに、iPhoneの翻訳が使えるよーーー」
などとはしゃぎ、同僚のお姉さんにアピールしている。
すると「なんだなんだ」と他のお姉さんたちも寄ってくる。
だけでなく、全然関係ない一般客も「おおそれはすばらしーーーー」なんて言いながら近寄ってくる。
のみならず、このお嬢さんは、クルマの助手席まで乗ってきて、カーナビの操作方法、給油のしかたまで、手取り足取り、教えてくれるのだった。
-これはひょっとして、モテテいるのではないか。
-フランスにはハゲデブが好みというマドモアゼルもいらっしゃるのではないか。
ついつい、
「あなたもレンタルしたい」
なんて言いそうなってしまう。
が、よく考えたら配偶者がおるし、ここで取り替えちゃうといろいろ手続きが面倒ではないかと考え、断念するのだった。
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この旅行記へのコメント (2)
-
- willyさん 2021/03/09 15:21:32
- なんと。穴が・・
- 鯨さん
こんにちは。
いや、穴がといいましても、抜け漏れの穴が、という意味でして(笑)
どういうわけかこの記事にイイネをしていなかったことを発見。
最古の記事から丹念に楽しみつつ再読しておりまして、ぽちっとできない(すでにしている)のがどうにももどかしかったのですが、ここへきてひさびさの快感を得ております。しかしほんとにいい旅ですねぇ。
早く旅にでたいですねぇ。
南仏は学生時代の親友と車で回る、が課題なんですが、いつになることやら。ミモザの季節ですねぇ。
- 鯨の味噌汁さん からの返信 2021/03/10 17:13:31
- Re: なんと。穴が・・
- willy様
今日も風がつおいですねぇ。洗濯物干してたら隣の屋根までおぱんつが飛んで行きました…
この時が右側通行のデビューでございました。2010にイギリスで借りてたんですが、イギリスは左側通行でしたから。
運転してる方が怖かったくらいだから、助手席はなお怖かっただろうなと。このあと2回借りてますが、もうヤンないと思います。異国の運転は若いうちに済ませておくのが可じゃないかなと(笑)
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