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朝、シャワーを浴びて部屋に戻ると、相方がベランダで「ねえ」と手招きしている。<br />チャオプラヤ河の水位がさらに増して、対岸の船着き場がいまにも飲み込まれそうになっていた。<br /><br />対岸へ渡ろうとする渡し船が、河の流れにもてあそばれ、河の半ばで立ち往生したまま、木の葉の船のようにただゆらゆらと揺れている。<br />悠然と流れているかに見えたチャオプラヤ河は、いまや激流と化していた。<br /><br />河の水位を下げるために、タイの軍隊が上流で船のスクリューを一斉に回して、海への排水を早めようとしている。<br />そんなニュースを見たばかりだったので、その成果がもう出たのかと一瞬思ってはみたが、どうもそれも怪しい。<br />バンコク中心部の冠水を遅らせるために、それまで閉じていた水門をもう限界と判断し、開け放ったのではないか。<br /><br />事態は急を告げていた。チャオプラヤ・エクスプレスがいつ運休するかわからない。相方はこの船に乗るのを楽しみにしていた。<br /><br />それならば、夕暮れに沈むワット・アルンを船上から眺めるのはどうだろう、そう話し合ったのは、旅に出る前日のことだ。<br />フアラムポーン駅に出て、ヤワラート(中華街)で昼食を取り、ワット・アルン、ワット・ポーを見学し、夕景を眺めながら河を下る…。<br /><br />どうやらそんなにのんびり構えてはいられそうもなかった。船に乗れるかどうかの瀬戸際だった。<br /><br />「わかった、とりあえず船でワット・ポーへ向かおう」<br />そそくさと朝食を取り、我々はサートーン船着場へと向かった。船着場はサパンタクシン駅のほぼ真下にあり、連絡通路が駅の2番出口からも延びている。<br /><br />ふと船着場に目をやると、すでに人だかりができ、ざわついている。<br />ついに欠航したのかと慌てて中へ入ってみると、どうやらそうではなさそうだった。<br /><br />壁に張り出された紙には、20分に1本の船便が1時間に1本になった、ということがそっけないほど簡潔にタイ語と英語で書かれてある。<br />それでは次の船はいつ来るのか、欧米系のバックパッカー女性が係のタイ人女性にそう言って詰め寄っている。係の女性は首を振って、「そんなこと知らないよ」とでもいいたげにぷいと横を向いた。<br />

洪水の前に―10/23バンコクその⑥ワット・アルン~ワット・ポー

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2011/10/21 - 2011/10/27

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おっちゃん

おっちゃんさん

朝、シャワーを浴びて部屋に戻ると、相方がベランダで「ねえ」と手招きしている。
チャオプラヤ河の水位がさらに増して、対岸の船着き場がいまにも飲み込まれそうになっていた。

対岸へ渡ろうとする渡し船が、河の流れにもてあそばれ、河の半ばで立ち往生したまま、木の葉の船のようにただゆらゆらと揺れている。
悠然と流れているかに見えたチャオプラヤ河は、いまや激流と化していた。

河の水位を下げるために、タイの軍隊が上流で船のスクリューを一斉に回して、海への排水を早めようとしている。
そんなニュースを見たばかりだったので、その成果がもう出たのかと一瞬思ってはみたが、どうもそれも怪しい。
バンコク中心部の冠水を遅らせるために、それまで閉じていた水門をもう限界と判断し、開け放ったのではないか。

事態は急を告げていた。チャオプラヤ・エクスプレスがいつ運休するかわからない。相方はこの船に乗るのを楽しみにしていた。

それならば、夕暮れに沈むワット・アルンを船上から眺めるのはどうだろう、そう話し合ったのは、旅に出る前日のことだ。
フアラムポーン駅に出て、ヤワラート(中華街)で昼食を取り、ワット・アルン、ワット・ポーを見学し、夕景を眺めながら河を下る…。

どうやらそんなにのんびり構えてはいられそうもなかった。船に乗れるかどうかの瀬戸際だった。

「わかった、とりあえず船でワット・ポーへ向かおう」
そそくさと朝食を取り、我々はサートーン船着場へと向かった。船着場はサパンタクシン駅のほぼ真下にあり、連絡通路が駅の2番出口からも延びている。

ふと船着場に目をやると、すでに人だかりができ、ざわついている。
ついに欠航したのかと慌てて中へ入ってみると、どうやらそうではなさそうだった。

壁に張り出された紙には、20分に1本の船便が1時間に1本になった、ということがそっけないほど簡潔にタイ語と英語で書かれてある。
それでは次の船はいつ来るのか、欧米系のバックパッカー女性が係のタイ人女性にそう言って詰め寄っている。係の女性は首を振って、「そんなこと知らないよ」とでもいいたげにぷいと横を向いた。

同行者
カップル・夫婦(シニア)
交通手段
鉄道 タクシー 徒歩
旅行の手配内容
個別手配
  • 船着場の浮き桟橋で船を待っていると、一艘のロングテイル・ボートが近づいてくる。欧米系の老婦人がボートに乗り込もうと前に進み出ると、無線のレシーバーを持ったオッサンが150bahtだ、と言って乗るように促す。<br />そばにいた若い旅行者らしい男性が、老婦人を押しとどめ、この船はチャオプラヤ・エクスプレスではないよ、と話しかける。<br /><br />商売を邪魔されたのが癪にさわるのか、オッサンは浮き桟橋から出ていけと手を振った。<br />てっきりチャオプラヤ・エクスプレスで働く職員だと思っていた男がチャオプラヤー・ツーリストボートと呼ばれる水上タクシーの人間だったりする。船着場の職員もそれを知っていて、見て見ぬふりをしている。<br /><br />ここからワット・ポーのあるター・ティアン船着場まで、チャオプラヤ・エクスプレスなら14bahtで行けるところを、150bahtも取るというのだから、なかなかがめつい。<br /><br />150baht払うと1日乗り降り自由らしいが、観光客の約半分はワット・ポー観光のためにこの船を利用することを考えれば、このやり口はあまりきれいだとは思えない。<br /><br />渦を巻く激流の中を、誰も乗せられないままロングテイル・ボートが桟橋から離れてゆく。<br /><br />浮き桟橋に渡された木道の下はもうそこまで水が迫っていた。<br />いつ欠航しても、おかしくない状況だった。いったい、あとどれくらい待てばいいのか、皆目見当がつかない。<br />

    船着場の浮き桟橋で船を待っていると、一艘のロングテイル・ボートが近づいてくる。欧米系の老婦人がボートに乗り込もうと前に進み出ると、無線のレシーバーを持ったオッサンが150bahtだ、と言って乗るように促す。
    そばにいた若い旅行者らしい男性が、老婦人を押しとどめ、この船はチャオプラヤ・エクスプレスではないよ、と話しかける。

    商売を邪魔されたのが癪にさわるのか、オッサンは浮き桟橋から出ていけと手を振った。
    てっきりチャオプラヤ・エクスプレスで働く職員だと思っていた男がチャオプラヤー・ツーリストボートと呼ばれる水上タクシーの人間だったりする。船着場の職員もそれを知っていて、見て見ぬふりをしている。

    ここからワット・ポーのあるター・ティアン船着場まで、チャオプラヤ・エクスプレスなら14bahtで行けるところを、150bahtも取るというのだから、なかなかがめつい。

    150baht払うと1日乗り降り自由らしいが、観光客の約半分はワット・ポー観光のためにこの船を利用することを考えれば、このやり口はあまりきれいだとは思えない。

    渦を巻く激流の中を、誰も乗せられないままロングテイル・ボートが桟橋から離れてゆく。

    浮き桟橋に渡された木道の下はもうそこまで水が迫っていた。
    いつ欠航しても、おかしくない状況だった。いったい、あとどれくらい待てばいいのか、皆目見当がつかない。

  • 30〜40分も待っただろうか。<br />チャオプラヤ・エクスプレスが船着場へと近づいてくる。<br /><br />みんな整列して乗船の順番を待っていると、中国人の一団が列に割り込み、何食わぬ顔で船に乗り込んでいく。<br />欧米系の青年が、呆れたというように、またチャイニーズのやつらだ、と声を上げた。<br /><br />船がすし詰め状態になると、エンジンが苦しそうにうなりを上げながら、のろのろと動き出す。<br />人をかき分け、車掌(?)が現れ、どこまで行くかを聞き、料金を回収してゆく。我々は「ター・ティアン」と言って、28bahtを払った。<br /><br />だが、料金を請求されるのは観光客と思しき欧米人や日本人ばかりで、車掌はタイ人からは料金を取らずに、その前を素通りして行く。<br />なるほど、そういうことか。<br />確かに、釈然としないものは残るけれど、これが貧困の正体なのだ。<br /><br />満々と水をたたえたチャオプラヤ河をさかのぼる船の、左舷方向には凛としたペニンシュラが見え、右舷には気品をたたえたマンダリン・オリエンタルが見える。<br />それとは対照をなすように河岸に建った粗末な家屋のほとんどは水没し、放置されていた。<br />

    30〜40分も待っただろうか。
    チャオプラヤ・エクスプレスが船着場へと近づいてくる。

    みんな整列して乗船の順番を待っていると、中国人の一団が列に割り込み、何食わぬ顔で船に乗り込んでいく。
    欧米系の青年が、呆れたというように、またチャイニーズのやつらだ、と声を上げた。

    船がすし詰め状態になると、エンジンが苦しそうにうなりを上げながら、のろのろと動き出す。
    人をかき分け、車掌(?)が現れ、どこまで行くかを聞き、料金を回収してゆく。我々は「ター・ティアン」と言って、28bahtを払った。

    だが、料金を請求されるのは観光客と思しき欧米人や日本人ばかりで、車掌はタイ人からは料金を取らずに、その前を素通りして行く。
    なるほど、そういうことか。
    確かに、釈然としないものは残るけれど、これが貧困の正体なのだ。

    満々と水をたたえたチャオプラヤ河をさかのぼる船の、左舷方向には凛としたペニンシュラが見え、右舷には気品をたたえたマンダリン・オリエンタルが見える。
    それとは対照をなすように河岸に建った粗末な家屋のほとんどは水没し、放置されていた。

  • ター・ティアン船着場もひどい有様だった。<br />床上30センチくらいまで水が達していた。備え付けの椅子も、背もたれのあたりまで水没している。<br /><br />我々は木道を渡って、ター・ティアン船着場からワット・アルンへと渡る船の桟橋へと移動すると、8bahtを払って船に乗り込んだ。<br /><br />船着場を振りかえると暗がりの中で、膝まで水につかりながら男たちが麺をゆで、土産物を売っている。<br />

    ター・ティアン船着場もひどい有様だった。
    床上30センチくらいまで水が達していた。備え付けの椅子も、背もたれのあたりまで水没している。

    我々は木道を渡って、ター・ティアン船着場からワット・アルンへと渡る船の桟橋へと移動すると、8bahtを払って船に乗り込んだ。

    船着場を振りかえると暗がりの中で、膝まで水につかりながら男たちが麺をゆで、土産物を売っている。

  • 船が岸を離れると、ワット・アルンが見る見る近づいてくる。<br />対岸の船着場に約5分で到着すると相方は、上空を覆い始めた雲を見上げ、雨が降りそうだから早く見ましょう、と言ってワット・アルンへと向かって歩く。<br />

    船が岸を離れると、ワット・アルンが見る見る近づいてくる。
    対岸の船着場に約5分で到着すると相方は、上空を覆い始めた雲を見上げ、雨が降りそうだから早く見ましょう、と言ってワット・アルンへと向かって歩く。

  • 天に向かってそそり立つ、ワット・アルンには荘厳な美しさがあった。<br />その姿をしばし眺めたあと、大塔を囲むように建つ四つの小塔をひと巡りしてみると、この仏塔の来歴がにわかに感じ取れる。<br />

    天に向かってそそり立つ、ワット・アルンには荘厳な美しさがあった。
    その姿をしばし眺めたあと、大塔を囲むように建つ四つの小塔をひと巡りしてみると、この仏塔の来歴がにわかに感じ取れる。

  • 仏塔を持ち上げるように支える女性のレリーフには、どこかヒンドゥー美術の匂いがあり、きれいに張り付けられた陶器片からは中国美術の影響が感じられる。<br />タイが文化のクロスロードであることが、こうした文化遺産からも伝わってくる。<br /><br />ともすると飲み食いにばかり、興味が向かう日ごろの自分を戒め、たまには歴史的文化遺産をじっくりと眺めるのも、悪くはなかった。<br />

    仏塔を持ち上げるように支える女性のレリーフには、どこかヒンドゥー美術の匂いがあり、きれいに張り付けられた陶器片からは中国美術の影響が感じられる。
    タイが文化のクロスロードであることが、こうした文化遺産からも伝わってくる。

    ともすると飲み食いにばかり、興味が向かう日ごろの自分を戒め、たまには歴史的文化遺産をじっくりと眺めるのも、悪くはなかった。

  • 大塔の上に登りたいという相方に付きあって、登ってみた。<br />梯子段と変わらないような急勾配の階段を、転げ落ちそうになる恐怖感と闘いながら恐る恐る登った。<br />展望スペースのある中層階の踊り場で、対岸のワット・ポーを眺めながら、一休みしていると、相方はさらに最上階まで登るという。<br />

    大塔の上に登りたいという相方に付きあって、登ってみた。
    梯子段と変わらないような急勾配の階段を、転げ落ちそうになる恐怖感と闘いながら恐る恐る登った。
    展望スペースのある中層階の踊り場で、対岸のワット・ポーを眺めながら、一休みしていると、相方はさらに最上階まで登るという。

  • やれやれ。<br />登っているだけで、背筋がぞくぞくする。<br /><br />やっとのことで最上階にたどり着いたけれど、恐ろしくて周りを見渡す勇気がない。<br />フィレンツェでドーモの屋上に上ったときもそうだったけれど、ただただ恐ろしく、登ってきてしまったことを激しく後悔したのだが、また同じ轍を踏んでしまった。<br /><br />そして、悲しいお知らせをしなければならないが、下りは登りより、百倍怖い。<br />案の定、下りの階段で、欧米系の老婦人がオー・マイ・ガーツを連呼して、立ち止っている。<br /><br />日本男児なにするものぞ。<br />僕は老婦人にエクスキューズ・ミーと声をかけ、涼しい顔で彼女の横を下っていった。<br /><br />もし階段を下りられなければ、相方に死ぬまでおちょくられる。その恐怖が、階段の恐怖を上回っていた。そういうことだ。<br />

    やれやれ。
    登っているだけで、背筋がぞくぞくする。

    やっとのことで最上階にたどり着いたけれど、恐ろしくて周りを見渡す勇気がない。
    フィレンツェでドーモの屋上に上ったときもそうだったけれど、ただただ恐ろしく、登ってきてしまったことを激しく後悔したのだが、また同じ轍を踏んでしまった。

    そして、悲しいお知らせをしなければならないが、下りは登りより、百倍怖い。
    案の定、下りの階段で、欧米系の老婦人がオー・マイ・ガーツを連呼して、立ち止っている。

    日本男児なにするものぞ。
    僕は老婦人にエクスキューズ・ミーと声をかけ、涼しい顔で彼女の横を下っていった。

    もし階段を下りられなければ、相方に死ぬまでおちょくられる。その恐怖が、階段の恐怖を上回っていた。そういうことだ。

  • 結論。ワット・アルンは眺めるものであって、登るものではない。<br /><br />雲行きが怪しかった。<br />ひと雨来る前に、ワット・ポーをまわり終えたい。<br />そろそろ戻ろう、と相方にいうと、トイレに行ってから、という。<br /><br />トイレはお土産屋や食堂が並ぶ、その奥にある。<br />女子トイレは有料らしく、その前に料金箱を置き、おばさんが見張っていた。<br />料金は10bahtらしかった。<br />欧米系の中年女性は10bahtコインを持っていなかったのか、100baht紙幣を払っていた。おつりはどうやら出ないらしい。<br /><br />こんなこともあるので、小銭は持っているにこしたことはない。<br />

    結論。ワット・アルンは眺めるものであって、登るものではない。

    雲行きが怪しかった。
    ひと雨来る前に、ワット・ポーをまわり終えたい。
    そろそろ戻ろう、と相方にいうと、トイレに行ってから、という。

    トイレはお土産屋や食堂が並ぶ、その奥にある。
    女子トイレは有料らしく、その前に料金箱を置き、おばさんが見張っていた。
    料金は10bahtらしかった。
    欧米系の中年女性は10bahtコインを持っていなかったのか、100baht紙幣を払っていた。おつりはどうやら出ないらしい。

    こんなこともあるので、小銭は持っているにこしたことはない。

  • ワット・ポーは巨大な寝釈迦像で有名なバンコク最古の寺である。<br />境内ではすでに中国の団体客がちりぢりなって、我が物顔で写真を撮りまくっていた。<br /><br />彼らは最高のシューティング・ポイントを占拠したまま、空けようとしないばかりか、カメラを構えている我々の前に平気で割り込み、一向にまわりに配慮する様子がない。<br /><br />なるべく彼らと遭遇しないよう、寝釈迦像が納められた本堂を探して歩いた。<br />修繕工事中の本堂に、寝釈迦像は安置されていた。<br />

    ワット・ポーは巨大な寝釈迦像で有名なバンコク最古の寺である。
    境内ではすでに中国の団体客がちりぢりなって、我が物顔で写真を撮りまくっていた。

    彼らは最高のシューティング・ポイントを占拠したまま、空けようとしないばかりか、カメラを構えている我々の前に平気で割り込み、一向にまわりに配慮する様子がない。

    なるべく彼らと遭遇しないよう、寝釈迦像が納められた本堂を探して歩いた。
    修繕工事中の本堂に、寝釈迦像は安置されていた。

  • 日本人の仏像観からすると、このまばゆいばかりに黄金に輝く涅槃像は、妙に生々しく、ありがたみが感じられない、という人が多いに違いない。<br />だが、奈良の大仏もその昔、金ぴかだったらしいことを考えれば、これはこれでありなのだろう。<br />

    日本人の仏像観からすると、このまばゆいばかりに黄金に輝く涅槃像は、妙に生々しく、ありがたみが感じられない、という人が多いに違いない。
    だが、奈良の大仏もその昔、金ぴかだったらしいことを考えれば、これはこれでありなのだろう。

  • 日本では経年変化を活かした仏像保存を良しとするが、ここでは創建当時の姿を再現することに力を注いでいるのだろう。時間の重みをどうとらえるか、という哲学の違いがここでもはっきりと分かれている。

    日本では経年変化を活かした仏像保存を良しとするが、ここでは創建当時の姿を再現することに力を注いでいるのだろう。時間の重みをどうとらえるか、という哲学の違いがここでもはっきりと分かれている。

  • 長さ46m、高さ15mの巨大な仏像をワン・ショットで捉えることができないために、少しずつポイントを移動しながら、撮影しなければならない。<br />そこにはかならず宿命のように中国人が割り込んでくる。<br />

    長さ46m、高さ15mの巨大な仏像をワン・ショットで捉えることができないために、少しずつポイントを移動しながら、撮影しなければならない。
    そこにはかならず宿命のように中国人が割り込んでくる。

  • だから、寝釈迦像を撮っているというよりは、中国人が映りこまない方向に向かってシャッターを切っているような感じだった。<br />

    だから、寝釈迦像を撮っているというよりは、中国人が映りこまない方向に向かってシャッターを切っているような感じだった。

  • 人種的偏見や差別、いや大げさにいえば戦争さえも、こんな些細な行き違いから起こってしまうのかもしれない。<br />そう思うと、あまりイライラしてはいけないと反省してみたり…。<br /><br />そんなことを考えつつ、ワット・プラケオに向かうことにした。(洪水の前に―10/23バンコクその⑦中華街~和成豊魚翅へ続く)<br />

    人種的偏見や差別、いや大げさにいえば戦争さえも、こんな些細な行き違いから起こってしまうのかもしれない。
    そう思うと、あまりイライラしてはいけないと反省してみたり…。

    そんなことを考えつつ、ワット・プラケオに向かうことにした。(洪水の前に―10/23バンコクその⑦中華街~和成豊魚翅へ続く)

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