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この旅行は、はじめから混沌としていた。洪水が迫っていたこともあって、この旅そのものを行くべきか、行かざるべきかの侃々諤々が相方(嫁)との間に交わされ、険悪な雰囲気にもなったけれど、結局休暇の変更がきかず、予定通りに出かけることになった。<br /><br />午後4時半過ぎにバンコク着。曇り。30度。エアポートレイルリンクでパヤタイへと移動することにした。機上で光る水面が点々とあった。もしやと思ったが、その嫌な予感が的中してしまった。冠水しているエリアがいくつもある。バンコクの中心部まで洪水は及んでいるのだろうか。<br /><br />それが杞憂であることはまもなくわかった。パヤタイ駅そばのソンブーン(プーパッポンカレーで有名な店のパヤタイ店)では、客がにぎやかに食事を始めていた。穏やかで温かな空気がそこにはあふれている。バンコクはまだ大丈夫らしい。<br /><br />エレベーター、エスカレーターなどという便利なもののないBTSパヤタイ駅で、汗だくになりながら乗り換え、宿のあるサパンタクシンへと向かった。別名、スカイトレインとも呼ばれるBTSの車内はキーンとするくらいエアコンが効いている。乗客の服装や様子からみても、洪水の影響はバンコク中心部までは及んではいないことが感じ取れる。みんな思い思いにおしゃれを楽しんでいるところからみても、バンコク中心部はまだおおごとにはなってはいないのだろう。それにしてもバンコクの若者は東京の若者と変わらないくらいおしゃれだ。ロールアップしたチノパンにデッキシューズ、それにボタンダウン、中にはセーターやカーディガンを着た者までいる。みんな涼しい顔で「季節感」をおしゃれで楽しんでいた。<br /><br />BTSを降り、スーツケースをガラガラと押しながら、屋台がひしめき合うサパンタクシンの駅前を歩いた。ナンプラー、どぶ、そしてモノがゆっくりと腐っていく臭いが鼻を殴りつけるように襲いかかる。ああ、これがバンコクだ。<br /><br />日本の場末の町もかつてはこんな臭いだったと、懐かしさを感じながら、ホテルまでの道を歩いた。タクシーで行けば、10baht、ものの5分で行けるはずだが、私たちはあえて歩いてみる。街との間合いや呼吸を感じ取るにはこのファーストコンタクトを五感で感じ取ることが大切だからだ。<br /><br />15分かけてホテルに到着。<br />ルブア・アット・ステートタワーは素晴らしいホテルだった。54階からの眺めは、まさに絶景だった。眼下を大河チャオプラヤ・メナムが街の明かりを浮かべて、滔々と流れていた。穏やかに見えるこの川が氾濫する狂気の河に変わるとはとはどうしても思えない。部屋の外に半円状にせり出したベランダからの眺めは、申し分のない美しさだった。<br />部屋はツインのスイートで、空間もゆったりしている。籐椅子のカウチやソファ、アメニティ(ブルガリ)、部屋の細部まで、リゾート仕様である。この瞬間、旅モードのスイッチがパチンと入った。<br /><br />さて、何を食べよう。6時半をすでに回っている。<br />あまり遠出はしたくない。そこでサラデーンに出ることにした。サラデーンなら「ハイ」。ガイヤーンがうまい店として有名だ。<br />お決まりのビアシンを注文し、ソムタム、空芯菜炒め、ガイヤーンの小を注文。ガイヤーンは噂にたがわない美味しさだった。炭火で焼かれた皮がカリッとしているのに、中はしっとりジューシーで、日本で食べる鶏のモモ焼きとは比べ物にならない。あっという間に食べ終わり、ガイヤーンの大を追加したくらいだった。これだけ食べて、400bahtくらい。そのうちの半分はビールの代金だった。タイは総じてアルコール類が高い。<br /><br />ハイを出て、有名なパッポンストリート散策することにした。ベトナム戦争の当時、若い兵士たちは娼婦たちと短い休暇を夜ごと過ごした、そんな街であることをだれかの小説で読んだことがある。露出の多い衣装をまとった女たちが、店先で男たちに媚を売る。まとわりつくように近づいてくる客引きと土産物売りの男たちを避けながら、原色のネオンがギラギラと瞬く中を相方はおびえながら歩いた。<br /><br />パッポン通りは女性の一人歩きは勧められないエリアだ。しかし、バンコクの猥雑で、エネルギッシュな魅力に触れたいのならこれほど適した街もないのかもしれない。バンコクの夜の顔はこんなところからも垣間見て取れるのではないか。<br /><br />我々は満腹し、歩き疲れ、その夜はおとなしく宿へと引き上げた。バンコクの妖しさに触れた初日だった。<br />

洪水の前に―10/21バンコクその①バンコクは大丈夫?

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2011/10/21 - 2011/10/27

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おっちゃん

おっちゃんさん

この旅行は、はじめから混沌としていた。洪水が迫っていたこともあって、この旅そのものを行くべきか、行かざるべきかの侃々諤々が相方(嫁)との間に交わされ、険悪な雰囲気にもなったけれど、結局休暇の変更がきかず、予定通りに出かけることになった。

午後4時半過ぎにバンコク着。曇り。30度。エアポートレイルリンクでパヤタイへと移動することにした。機上で光る水面が点々とあった。もしやと思ったが、その嫌な予感が的中してしまった。冠水しているエリアがいくつもある。バンコクの中心部まで洪水は及んでいるのだろうか。

それが杞憂であることはまもなくわかった。パヤタイ駅そばのソンブーン(プーパッポンカレーで有名な店のパヤタイ店)では、客がにぎやかに食事を始めていた。穏やかで温かな空気がそこにはあふれている。バンコクはまだ大丈夫らしい。

エレベーター、エスカレーターなどという便利なもののないBTSパヤタイ駅で、汗だくになりながら乗り換え、宿のあるサパンタクシンへと向かった。別名、スカイトレインとも呼ばれるBTSの車内はキーンとするくらいエアコンが効いている。乗客の服装や様子からみても、洪水の影響はバンコク中心部までは及んではいないことが感じ取れる。みんな思い思いにおしゃれを楽しんでいるところからみても、バンコク中心部はまだおおごとにはなってはいないのだろう。それにしてもバンコクの若者は東京の若者と変わらないくらいおしゃれだ。ロールアップしたチノパンにデッキシューズ、それにボタンダウン、中にはセーターやカーディガンを着た者までいる。みんな涼しい顔で「季節感」をおしゃれで楽しんでいた。

BTSを降り、スーツケースをガラガラと押しながら、屋台がひしめき合うサパンタクシンの駅前を歩いた。ナンプラー、どぶ、そしてモノがゆっくりと腐っていく臭いが鼻を殴りつけるように襲いかかる。ああ、これがバンコクだ。

日本の場末の町もかつてはこんな臭いだったと、懐かしさを感じながら、ホテルまでの道を歩いた。タクシーで行けば、10baht、ものの5分で行けるはずだが、私たちはあえて歩いてみる。街との間合いや呼吸を感じ取るにはこのファーストコンタクトを五感で感じ取ることが大切だからだ。

15分かけてホテルに到着。
ルブア・アット・ステートタワーは素晴らしいホテルだった。54階からの眺めは、まさに絶景だった。眼下を大河チャオプラヤ・メナムが街の明かりを浮かべて、滔々と流れていた。穏やかに見えるこの川が氾濫する狂気の河に変わるとはとはどうしても思えない。部屋の外に半円状にせり出したベランダからの眺めは、申し分のない美しさだった。
部屋はツインのスイートで、空間もゆったりしている。籐椅子のカウチやソファ、アメニティ(ブルガリ)、部屋の細部まで、リゾート仕様である。この瞬間、旅モードのスイッチがパチンと入った。

さて、何を食べよう。6時半をすでに回っている。
あまり遠出はしたくない。そこでサラデーンに出ることにした。サラデーンなら「ハイ」。ガイヤーンがうまい店として有名だ。
お決まりのビアシンを注文し、ソムタム、空芯菜炒め、ガイヤーンの小を注文。ガイヤーンは噂にたがわない美味しさだった。炭火で焼かれた皮がカリッとしているのに、中はしっとりジューシーで、日本で食べる鶏のモモ焼きとは比べ物にならない。あっという間に食べ終わり、ガイヤーンの大を追加したくらいだった。これだけ食べて、400bahtくらい。そのうちの半分はビールの代金だった。タイは総じてアルコール類が高い。

ハイを出て、有名なパッポンストリート散策することにした。ベトナム戦争の当時、若い兵士たちは娼婦たちと短い休暇を夜ごと過ごした、そんな街であることをだれかの小説で読んだことがある。露出の多い衣装をまとった女たちが、店先で男たちに媚を売る。まとわりつくように近づいてくる客引きと土産物売りの男たちを避けながら、原色のネオンがギラギラと瞬く中を相方はおびえながら歩いた。

パッポン通りは女性の一人歩きは勧められないエリアだ。しかし、バンコクの猥雑で、エネルギッシュな魅力に触れたいのならこれほど適した街もないのかもしれない。バンコクの夜の顔はこんなところからも垣間見て取れるのではないか。

我々は満腹し、歩き疲れ、その夜はおとなしく宿へと引き上げた。バンコクの妖しさに触れた初日だった。

同行者
カップル・夫婦(シニア)
交通手段
鉄道 徒歩
旅行の手配内容
個別手配
  • エアポートレイルリンク。スワンナプーム空港からパヤタイ駅まで40bahtくらい。渋滞知らずで便利。ただし、パヤタイ駅にはエレベータもエスカレーターもない。

    エアポートレイルリンク。スワンナプーム空港からパヤタイ駅まで40bahtくらい。渋滞知らずで便利。ただし、パヤタイ駅にはエレベータもエスカレーターもない。

  • サラデーン駅そばのコンベント通りにある「ハイ」のガイヤーン。<br />安い、うまいで、言うことなし。

    サラデーン駅そばのコンベント通りにある「ハイ」のガイヤーン。
    安い、うまいで、言うことなし。

  • ルブア54階からに眺めは絶景。でも、ベランダに立っているだけで怖い!

    ルブア54階からに眺めは絶景。でも、ベランダに立っているだけで怖い!

  • 朝のチャオプラヤ。

    朝のチャオプラヤ。

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この旅行記へのコメント (2)

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  • masapiさん 2011/10/27 21:13:58
    洪水は大丈夫のようでしたね。。。
    こんばんは。

    私も、その後のニュースでも洪水情報は要チェックしていますが、おっちゃんさんのバンコク滞在中は、まだ何とか大丈夫のようで良かったですね!!

    実は、私が11月13日からバンコクに4泊滞在予定で、その頃のバンコクの状態がどうなのか、逆に気になっている状態です(汗)

    最悪の場合は、バンコク都民も移動しているパタヤに泊まる予定ですが、今回はバンコクで所用があったので、ちょっと困っている状態です。

    私の場合は、ANAのマイルを使った特典航空券で、タイ国際航空便を予約しているのですが、バンコク便の特典航空券は取り難いので、日程の変更が難しい現状です。

    私は、11月5日頃のバンコクの状況で最終判断したいと思っています。


    でも、泊まられたホテルベランダからの眺めが最高ですね!!
    私も以前からチェックしていたホテルですが、予算的に断念しています(汗)

    masapi

    おっちゃん

    おっちゃんさん からの返信 2011/10/29 22:41:46
    RE: 洪水は大丈夫のようでしたね。。。
    masapiさん、 こんばんは。

    バンコクは大変なことになっていますね。我々は間一髪で、無事に旅を終えることができましたが、これからの旅行は十分、慎重に計画してください。

    > 実は、私が11月13日からバンコクに4泊滞在予定で、その頃のバンコクの状態がどうなのか、逆に気になっている状態です(汗)

    ほんと、被害がどこまで広がるのか、そしていつ水が引くのか、皆目見当がつきませんね。

    > 最悪の場合は、バンコク都民も移動しているパタヤに泊まる予定ですが、今回はバンコクで所用があったので、ちょっと困っている状態です。

    洪水に慣れていると自負するバンコクの人びとですら、今回は覚悟を決めているようで、長期戦になりそうだと語っていましたよ。

    > 私の場合は、ANAのマイルを使った特典航空券で、タイ国際航空便を予約しているのですが、バンコク便の特典航空券は取り難いので、日程の変更が難しい現状です。
    >
    > 私は、11月5日頃のバンコクの状況で最終判断したいと思っています。

    大変な状況ではありますが、それなりにバンコクを楽しむ方法は、きっとあるはずだと思います。身の安全を十分に確保したうえで、いい旅をなさってください。

    おっちゃん。

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