<br />２０１１年９月２４日（土）<br /><br />チェックインを終え、午後４時。<br /><br />ヘルシンキの外気温１０℃に対し、部屋の暖房は最高温度で２３℃。<br /><br />その最高温度に設定しても、まだ寒い。<br /><br /><br />日本時間ならば午後１１時だから、これからのイタリア歩きのための体力を整えるべく、ベッドに入って休養しようかと考えたが、時差を回復するにはもう４時間ほど休むのを控えたいと考える。<br /><br />それに何よりも、ヘルシンキの街が見たくて、じっとしておられない。<br /><br /><br />先ず「中央駅を見たい」と、レセプション兼コンシエルジュに行き方を訊ねる。<br /><br />中央駅はヘルシンキの中心に位置しているようだ。<br /><br />今いるヴァンター空港は、その北方の郊外にあるらしい。<br /><br /><br />案内によれば、ヴァンター空港と中央駅を結ぶ交通手段には、二種類のバスがあり、ともに約４０分かかる。<br /><br />一つは一般の公共バスで、空港のターミナル２前に並んでいるバスストップで、６１５番に乗る。<br /><br />切符は乗車時に運転士に払い、４ユーロ。<br /><br />使えるのはユーロの現金だけで、クレジットカードは使用不能。<br /><br /><br />もう一つは、フィンランド航空が走らせている直行バスで、こちらは６．５ユーロだが、クレジットカードが使える。<br /><br />６１５番のバスは１５分間隔で出ているとのことで、こちらを選ぶ。<br /><br />一般のバスの方が、ここに暮らす人たちと、触れ合う機会がある。<br /><br />ヘルシンキの人々の様子にも、接してみたい。<br /><br /><br />ターミナル２に行ったところ、丁度６１５番のバスが出ようとしていた。<br /><br />少し慌てて、手を挙げながら走り、上手く間に合う。<br /><br />バスはほぼ満員だった。<br /><br /><br />すばやく黒人の運転士さんに４ユーロを払い、動き始めた車内をよろけながら、空いていた席を見つけて座る。<br /><br />日本のように、着席を待っていてくれない。<br /><br /><br />この街に来たのは、５０年前の１９６１年夏だった。<br /><br />オリンピック競技場を訪ね、ユースホステルに泊まった記憶がある。<br /><br />あの時サインブックに残したサインは、どうなっただろうか。<br /><br /><br />翌日は電車に乗ってアウランコで泊まり、名物の手長エビを食べた。<br /><br />そしてその翌日船に乗って、ヴァルケアコスキーの友人を訪ねたものだった。<br /><br /><br />この友人は、スエーデンからフィンランドに渡る夜行船で知り合った１８歳の可愛い娘で、ヴァルケアコスキーの埠頭で手を振りながら迎えてくれた。<br /><br /><br />（２０１１年１０月１０日　片瀬貴文）<br />

５０年ぶりのヘルシンキ【０２】（イタリアを夢見て【Ａ０５】）バスに飛び乗り中央駅へ

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2011/09/24 - 2011/09/24

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２０１１年９月２４日（土）

チェックインを終え、午後４時。

ヘルシンキの外気温１０℃に対し、部屋の暖房は最高温度で２３℃。

その最高温度に設定しても、まだ寒い。

日本時間ならば午後１１時だから、これからのイタリア歩きのための体力を整えるべく、ベッドに入って休養しようかと考えたが、時差を回復するにはもう４時間ほど休むのを控えたいと考える。

それに何よりも、ヘルシンキの街が見たくて、じっとしておられない。

先ず「中央駅を見たい」と、レセプション兼コンシエルジュに行き方を訊ねる。

中央駅はヘルシンキの中心に位置しているようだ。

今いるヴァンター空港は、その北方の郊外にあるらしい。

案内によれば、ヴァンター空港と中央駅を結ぶ交通手段には、二種類のバスがあり、ともに約４０分かかる。

一つは一般の公共バスで、空港のターミナル２前に並んでいるバスストップで、６１５番に乗る。

切符は乗車時に運転士に払い、４ユーロ。

使えるのはユーロの現金だけで、クレジットカードは使用不能。

もう一つは、フィンランド航空が走らせている直行バスで、こちらは６．５ユーロだが、クレジットカードが使える。

６１５番のバスは１５分間隔で出ているとのことで、こちらを選ぶ。

一般のバスの方が、ここに暮らす人たちと、触れ合う機会がある。

ヘルシンキの人々の様子にも、接してみたい。

ターミナル２に行ったところ、丁度６１５番のバスが出ようとしていた。

少し慌てて、手を挙げながら走り、上手く間に合う。

バスはほぼ満員だった。

すばやく黒人の運転士さんに４ユーロを払い、動き始めた車内をよろけながら、空いていた席を見つけて座る。

日本のように、着席を待っていてくれない。

この街に来たのは、５０年前の１９６１年夏だった。

オリンピック競技場を訪ね、ユースホステルに泊まった記憶がある。

あの時サインブックに残したサインは、どうなっただろうか。

翌日は電車に乗ってアウランコで泊まり、名物の手長エビを食べた。

そしてその翌日船に乗って、ヴァルケアコスキーの友人を訪ねたものだった。

この友人は、スエーデンからフィンランドに渡る夜行船で知り合った１８歳の可愛い娘で、ヴァルケアコスキーの埠頭で手を振りながら迎えてくれた。

（２０１１年１０月１０日　片瀬貴文）