2009/10/06 - 2009/10/14
27位(同エリア73件中)
おなつさん
4日目、今宵はテント泊!
キャンプ地(ヌラタ)へ移動のため朝9時にホテルに迎えに来たのは
ゴルゴ13!…が、メタボになったようなオヤジ。
ウズ語しか話せない彼はガイドじゃなく、あくまでもドライバー。
「ハ、ハロー」と言う私に返すことなく、鋭い眼で行くぞと合図し、黙って私のカバンを車に運ぶ。
こういう場合のガイドや運転手にありがちな「ウズはどうだい?いい所だろう」とか
「何歳?仕事は?結婚してる?」なんて話は全く無い。
何時間かかるんだろ~どこかに寄るのかな真っすぐ行くのかな~
聞きたいが、それは機密事項なのだ(?)
街を出るとほとんど半砂漠の荒野を車は進む。ちょっと緊張しながら乗ってる私。
メタボゴルゴは無言、時々咳をしている。ジェスチャーで「喉に良いよ」と
のど飴をあげると、ゴルゴはちょっとだけうなずき、眼で礼をする。
平らな大地に山脈が見えてきた。ほぉ~荒々しい山だね~と思ったその時
ゴルゴは車を停め「降りな」と眼で言う。
降りた私に「カメラよこしな」と手を出し、写してくれた。
―う~ん、ニコリともしないが、言葉に出さずとも心を汲んでくれる…侍だねぇ~
↑ふざけると怒られそうなのでこれで精一杯
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 15万円 - 20万円
- 航空会社
- アシアナ航空
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行なし)
PR
-
時々通行人に道を尋ねながら車は走る。ゴルゴは無表情で話しかけるも、きちんと礼は言う。
何回も聞くから「ラフマット(ありがとう)」を憶えてしまった。
っつーか、もしかして初めて行くのかい??
本線をそれて砂漠の道を走り、昼頃、湖に着く。「アイダクル湖だ」と一言。
それはいいが、目的地なのか、小休止なのか?分からない。
↑湖の青が目にしみる(自撮り・フィルム写真より) -
ゴルゴは車のタイヤを視ている―パンクしていたのだ。
先に一台のバスが停まっていて、そのガイドとあーだこーだ言ってる。
ほったらかしにされた私は、オシッコしたいな〜
この大型バスならトイレが付いてるかも?とガイドに聞いてみた。
「トイレは無い、どこでも好きなところですればいいよ」…やっぱりか…。
バスの横で白人観光客らが昼食をとっていた。 ガイドが、食事は?と聞くので
「食べたい…」と答えると「あっちへ行くと良い」と向こうを指差した。
え?あっちに何かあるの?なーんにも無さそうだけど?けげんな顔の私に、更に
食べるんだろ?的な身振りをし「なら、あっちへ行け」と言うので歩いていく。
数十メートル歩くが、やっぱり何も見えてこないので
振り返ると、ガイドはまだもっと向こうだーシッシッと手を振る。
ここはキャンプ地目前、でパンクしたってことなのかい?
あとは歩いて行け、すぐに追いつくからってこと?
岩陰で、美しい湖を見ながら野ションし、とにかく湖沿いを行く。
↑果てしなく、砂漠 -
もうバスも見えないくらい歩いたらちょっと人工物が見えてきた。
が、どーも飯を食べられそうな気配もキャンプ地も無く。シーーーンと、物音一つしない。
喉が渇いたが飲み物も持ってない、体一つ。急に不安になって、戻る。
今度は丘を越えるコースでとぼとぼ歩き、バスが見えてきたら
あのガイドが「おーい」と手招きしている。
「なんだよぉ!行ったけどニェット(NO)だったよ!」(憤りをロシア語を混ぜて表現した)
すると「シッコしたかったんだろ?だから遠くへ行けって言ったんだ」と笑顔でガイドは言う。
じゃー、飯は?のジェスチャーは何だったんだよ。あれがオシッコの事だとは言わせないよ!? -
パンクはもう直っていて、ゴルゴは遅いと怒るでもなく「さ、行くぞ」と眼で合図する。
我々は任務を遂行するのみ、飯は無い。 -
午後2時過ぎ。 我々は砂の道を走った先、ヌラタに着いた。
モンゴルなどのゲルやパオと呼ばれるのと同じまんじゅう型のユルタ(テント)
が数基建っていて、横に宿のフロント的小屋があった。
まさか同じ屋根の下では?? と心配だったゴルゴは隣のユルタに入った。
あとは、完全自由時間、でも何もすることは無い。淡い期待の昼食も、無い。
他の無人ユルタでものぞくか。(隙間だらけで楽々見える) -
すると、スタッフのジイちゃんが「これが一番綺麗だ」というユルタに入れてくれた。
外は白いシンプルなユルタも中はカラフルな布で飾られている。
「写真を撮ってやる」と言うのでジイちゃんにカメラを渡したが
もたついていたので、出来に不安になり私がジイちゃんを撮ってやった。
「ラクダに乗らないか」とジイちゃん。お代は3000スム(≒\200) 安い!
私のラクダ乗り歴中(どんな歴史だ)最安値だっ。することも無いし、乗るか。
その辺で待機しているラクダの一頭にまたがる。
立ち上がる時と座る時が一番バランスが難しいラクダだが
ラクダ歴の長い私(だからどんな歴史さ)は難無く乗りこなす。
ジイちゃんはロバに乗り綱でラクダを引く。
砂とパサパサした草しかない原野を意外と遠くまでポクポク歩く。
ラクダって、通りすがりに体の高さの草をむしり食いながら歩くので
(少ない草を食べるチャンスを逃さないのだ)草をちぎった反動に
歩く速度が加わって硬い草がムチの如く、私の脚にバシバシ当たり、イテテ… -
数十分揺られ、ロバとラクダをその辺の低木に繋いで、ジイちゃんは私の手をとって歩き出した。
ちょっとした丘の上で、どーだ素晴らしいだろう
と言わんばかりに(言葉は通じない)360度地平線の風景を見せた。
シーンとして砂を踏む音しか聞こえない。
遠くに来たんだな〜と、浸っていると、ジイちゃんは、私の手を引き寄せ、肩を抱く。
ん?なんだいこのシチュエーションは。ロマンな男をキメているのか??
そのうち、手にチューしてくるじゃないか!
うーーーむ、私も大人の女、ジイちゃんの冥土の土産としてここまでは、許してやる。
丘の周辺を連れまわされようやくユルタに戻り、ジイちゃんから開放。 -
さて、夕日スポットを求めてユルタ裏の丘でも登ってみようか。
――思えば、モロッコで“サハラ砂漠で日の出観賞”が謳い文句のツアーでありながら
寝坊した訳でもないのに余裕ぶっかまして日の出の瞬間を見損ねたという失態を犯した――
そのリベンジでもある!朝日スポットも決めておくぞ。
日没にはまだ早く、鼻歌を歌いながら待っていたら、ジイちゃんがやってきた!?
周りがあまりに静かだから私の鼻歌がユルタまで聞こえたんだろう。
ジイちゃんはまた私の手をぎゅっと握り、腰に手を回してすりすりする。
しかし!ギックリ腰養生中の私はサポーターをがっつり巻いてるので
さすられようが揉まれようが、鋼鉄の女さ。ウザいので逃げたいが、夕日は見たい。
ジイちゃん、またも手にチュー。ついにほっぺにもチュー!?!
おーしっ、仏の顔もここまでだ。日没とともに「やめなさい!」と一喝(日本語で)。解散!!
↑ラクダのバックショットって妙 -
↑かまど 多分ここで調理してるんだろう
暗くなったユルタの中、電気は…?無い!?
そりゃ困るとよく探したら、Sサイズみかんくらいのオレンジ色のライトが。
これって…車のウィンカーでないかい!灯りにならんべさ〜〜〜
隣のユルタに白人男女5人がチェックイン(フランス人だと後で知る)
彼らは頭にバンドで巻く炭鉱夫風ライトを持参していた。うーむ、用意のいい奴ら。
やがて夕食だよと呼ばれ、別棟の食堂に行く。
長テーブルにフランス人、少し離れて私とゴルゴ、差向かい。
ウズパン・肉じゃが・きゅうりトマトなどのサラダ・他煮物など日本の家庭料理みたいだ。
カメラをユルタに置いてきてしまったので写真は無し。
食事途中で取りに行くのも、ゴルゴに怒られそうで…(怒りはしないだろうが)
大皿に乗った料理をゴルゴはまた眼で「取りな」と言う。取る。ゴルゴも取る。食べる。
少しして「もっと取りな」。取る。(×繰り返す)
食べ終わるとダラダラする間もなく両手のひらをテーブルの上で上に向ける
イスラム風“神に感謝”の言葉を口の中でブツブツ唱え「じゃ」と去ろうとする彼に
「あっ!明日は何時出発?」身振りで聞くと「―9時だ」と指で示した。
外へ出るともう真っ暗、星が凄い☆☆食堂の灯りが消えた頃、天体観察をしよう!
ユルタに入り、ウィンカー電灯をつける。
と、あまりに周りが暗いのでウィンカーでも思ったより役に立っている。 -
暗さ静けさを堪能していると、なにやら聞こえる音楽。
音の流れる食堂に行ってみるとスタッフの一人がギターのような民族楽器を弾いて歌ってる。
哀愁ある音色…♪たまにおなじみのロシア民謡も歌っている。いーねいーね異国だね〜〜
もう一人のスタッフおっさんが「踊ろうぜ!」とフランス人達をあおる。
が、気ぐらいの高い(?)フランス人は冷めて見ている。おっさん、私にも踊ろうといってきた。
おーしっ!!ここは一発日本人もやる時ゃやるってとこ見せてやろーじゃないかい(暇だし)。
ダンサー(自称)の血が騒ぐ。
踊る以上はちゃんと踊りたいが特に振り付けはないようなので、手を振り腰振り即興ダンス♪
しばし踊った後、フランス人は私の健闘をたたえて自分らのビールを私に注いでくれた。
ここは私の勝ちのようね。
↑文とは無関係 サマルカンドのバザール -
ギター弾きは管理小屋に帰ってしまったので私も退散しようとしたら
ダンスおっさんが「あっち(管理小屋)に行ってウォッカでも飲もうよ」と誘ってきた。
んな事したらろくな事にならん。「二ェット(NO)」と去ろうとしたらガッツリ腕を捕まれて放さない。
隅で、ラクダじいちゃんが楽器を物悲しくポロンポロンと弾いている―なんとかしてよーーー
「まず、トイレにちょっと行ってくるから」と嘘をつき、離れたところにあるトイレに行くふりをする。
(トイレは二畳くらいの個室にしゃがみ式の便器。明るい電気がついていて、なんと一応水洗!
天井にジョウロの先だけが付いたシャワー室も別にあったが、湯が出るはずも無く入らなかった)
頃合をみて、自分のユルタに入ろうとすると
おっさんが張っていて、連れて行かれそうになる!「にぇっと〜!!」
しつこいので、ついに「もー嫌だって!放せよっ」と(日本語で)怒鳴り、ユルタに逃げ込んだ。
↑又も関係無し 夜の写真が無いので… -
ほとぼりが冷めてから、外にある洗面所(?)で歯磨き。水道は通っていないようなので
タンクに溜めた水なんだろう。すすぎの仕上げはペットボトルのマイ水だ。
見上げると、ものっ凄い数の星があった。
自分が宇宙に浮いているような錯覚をするほどの、星、星、星。
日本では久しく見ていない小さな人工衛星もあっちこっちに飛んでいる。
↑サマルカンドのモスク -
昔ながらの重い綿布団でしばしウトウトし、夜中目を覚ますと
フランス人達も寝静まり、辺りは静寂に包まれていた。
再び外へ出てみる?…妙な明るさ…月が昇っていた。
そのせいで星は見づらくなっていたが、その風景の神秘的なこと!!
“月探査衛星かぐや”の映像のように青白く、ユルタも草原も砂丘も照らされている。
月明りだけでくっきりと私の影が砂に映ってる。これを写真に収めるのはムリムリ!自然に屈服。
↑JAXAの画像でお楽しみください(例えとして…こんな感じでした) -
次の課題はモロッコのリベンジ、日の出だ。それまで就寝・・・
・・・夜明け前・・・ブルッ!寒さで目が覚める。綿の布団を掛けてはいるが
ふわふわ感の無いそれはマッチョ男の肩幅ほどの幅しかなく、横がスースーする。
ユルタ入口の木の戸は余裕で2〜3?の隙間があり、外の冷たい空気が出入りし放題。
服を重ね着してもみるが効果なし。ホッカイロでも持って来れば良かった…
明るくなるまで震えて過ごし、ついに6時半、外へ!昨日じいちゃんにセクハラされた丘に登る。
紫の空は果てしなく澄み渡っている。 やがて、ご来光。
フランス人達も日の出を見ればいいのに…と思いながらまた布団に戻るが、相変わらず寒っ。
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ウズベキスタン
この旅行記へのコメント (4)
-
- 哈桑湖さん 2012/06/19 21:15:33
- アイダルクル湖は人造湖です。
- おなつ様
お便り有り難うございます。
アイダルクル湖、神秘的なんですね。
ところでこのアイダルクル湖は、人造湖なんです。
シルダリア川を塞き止めている、チャルダラダムがありました。
1969年には、春の雪解け水により、川が増水しました。
チャルダラダムの水がオーバーフローして、ウズベクのアルナサイ低地に、シルダリア川の水が、なだれ込みました。
こうして出来たのが、アイダルクル湖です。
この後、シルダリア川が注ぐアラル海は小さくなる一方で、アイダルクル湖は、少しずつ大きくなっていったのです。
- おなつさん からの返信 2012/06/19 23:44:57
- またまた衝撃
- アイダクル湖は人造湖なんですかーーーー!
「人工的な物が無い」とか言っちゃったのに
湖自体が人工なんですねー。
ところで、浦潮さんのお名前に
「もしや…」と思い旅行記一覧を見たら
やはりありました!ウラジオストクの旅が。
行ってみたいんですよね〜ウラジオ。
でも新潟からすぐとは言え、
私の住む北海道から新潟の方が結構長旅になるので
ついつい足が遠のいてしまいます…
浦潮さんのような旅で何を思ったかを
書いてある旅行記が好みですよ☆
-
- 哈桑湖さん 2012/06/17 19:26:52
- 私もウズベキスタンのアイダルクル湖に行きます。
- おなつ様
私は今夏、サマルカンドからヌラタを経て、アイダルクル湖に行きます。
本文では、イシククル湖となっていますが、アイダルクル湖では。
ユルタのあるドゥンゲレク村から、湖に出ます。
この湖についてですが、最西端なのではと思いますが。
この湖を美しいという人もいれば、それほどでもと言う人もいます。
このお写真を見ると、美しそうです。
今回はアイダルクル湖のお写真、有り難うございました。
- おなつさん からの返信 2012/06/17 23:46:27
- おぉ!ウズに行くのですね
- メッセージありがとうございます。
衝撃!疑いも無くイシククル湖だと思ってましたが
色々調べたら、やはりアイダクル湖のようです。
どこで勘違いしてしまったのか…
ご指摘が無ければずっと思い違いしてるところでした。
てへへ(^^ゞ
私の記憶ではアイダクル湖はそれはそれは美しかったですよ。
そうでもないと言う意見は
「絵になる風景じゃ無い」って意味合いなのかな〜
人工的な物がほとんど見えず最果て感に満ちた
「神秘の湖」って感じがしました。
旅行記の写真は、フィルム写真をデジカメで撮って投稿したので
鮮明な画像をお見せできないのが残念です。
ヌラタに泊まるんですか?
夏なら寒くないでしょうね〜
楽しんできてくださいね、旅行記も楽しみにしてます♪
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