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南仏プロヴァンスと英コッツウォルズをめぐる14日間の旅(3)     5月9日(土)<br /><br /><br />午前10時過ぎ、アルル駅に降り立つ。アヴィニョン・サントル駅からはTER(急<br />行列車)で20分たらず、往復乗車券で12.80ユーロ。<br /><br />1888年2月ゴッホもまたこの駅で降り、豊かさと貧しさとを峻別していたろうカ<br />ヴァルリ門の外──ラマルティーヌ広場に居を定める。その日は、吹雪だったと伝<br />えられている。5月のアルルとは異なる荒涼とした風景のどこに、彼は惹かれたの<br />だろうか。いずれにしても、これがのちに『黄色い家』と呼ばれる建物である。<br /><br />ゴッホの家も、同じ建物にあった『夜のカフェ』も『アルルの跳ね橋』も第2次大<br />戦で失われた。破壊したのはドイツ軍ではなく、米軍である。戦争にしろ軍隊にし<br />ろ、いつの世もあまりに愚かだ。今は彼が作品を描いたそれぞれの場所に建てられ<br />ているパネルが、往時の風景を偲ばせる。<br /><br />プロヴァンスは、古代ローマの面影を色濃く残している。アルルにも今なお使われ<br />ている円形闘技場をはじめ、イタリアを旅した際に目にしたような巨大な歴史的建<br />造物が少なくない。駅を降りたときにはまばらだったはずの乗客だが、街のほぼ中<br />央にあるフォーロム広場までたどり着くと、突然のにぎわいに出くわす。<br /><br />土曜日のアルルは、マルシェの日だ。鉄道ではなくバスを利用したのだろう人びと<br />で、正午を過ぎても人の流れが途切れることはない。<br /><br />ゴッホの頭像のある「夏の庭園」沿いに、朝市の店が連なっている。公園側にはグ<br />ッズを、通りをはさんで反対側には食品を扱う店が並んでいる。このあと英国への<br />旅で利用する easyJet と National Express がきびしい重量制限(とスーツケース<br />のサイズ)を課していたので、心惹かれる商品の多くをあきらめることになる<br />・・・涙。<br /><br />(easyJet と National express の規制については、後日の旅行記で)。<br /><br />『夜のカフェテラス』に描かれたフォーロム広場の「カフェ・ヴァン・ゴッホ」の<br />テラス席で、しばし休息。グラスビール1杯、6ユーロ。食事をとらないのならば、<br />クロスのないテーブルに。この店の外壁をはじめ、街は黄色に彩られている。この<br />日の私のジャケットも、同じような色だったのだが・・・。<br /><br />くり返し書いているように、私は “晴れ男” である。南仏の6日間は、天気予報では<br />雨またはくもりだった。しかし、昨日も今日も暑いほどの陽が照りつける。おかげ<br />で、すっかり日焼けしてしまった。

アルルの陽に灼かれて──。

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2009/05/07 - 2009/05/20

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四月の旅人

四月の旅人さん

南仏プロヴァンスと英コッツウォルズをめぐる14日間の旅(3)     5月9日(土)


午前10時過ぎ、アルル駅に降り立つ。アヴィニョン・サントル駅からはTER(急
行列車)で20分たらず、往復乗車券で12.80ユーロ。

1888年2月ゴッホもまたこの駅で降り、豊かさと貧しさとを峻別していたろうカ
ヴァルリ門の外──ラマルティーヌ広場に居を定める。その日は、吹雪だったと伝
えられている。5月のアルルとは異なる荒涼とした風景のどこに、彼は惹かれたの
だろうか。いずれにしても、これがのちに『黄色い家』と呼ばれる建物である。

ゴッホの家も、同じ建物にあった『夜のカフェ』も『アルルの跳ね橋』も第2次大
戦で失われた。破壊したのはドイツ軍ではなく、米軍である。戦争にしろ軍隊にし
ろ、いつの世もあまりに愚かだ。今は彼が作品を描いたそれぞれの場所に建てられ
ているパネルが、往時の風景を偲ばせる。

プロヴァンスは、古代ローマの面影を色濃く残している。アルルにも今なお使われ
ている円形闘技場をはじめ、イタリアを旅した際に目にしたような巨大な歴史的建
造物が少なくない。駅を降りたときにはまばらだったはずの乗客だが、街のほぼ中
央にあるフォーロム広場までたどり着くと、突然のにぎわいに出くわす。

土曜日のアルルは、マルシェの日だ。鉄道ではなくバスを利用したのだろう人びと
で、正午を過ぎても人の流れが途切れることはない。

ゴッホの頭像のある「夏の庭園」沿いに、朝市の店が連なっている。公園側にはグ
ッズを、通りをはさんで反対側には食品を扱う店が並んでいる。このあと英国への
旅で利用する easyJet と National Express がきびしい重量制限(とスーツケース
のサイズ)を課していたので、心惹かれる商品の多くをあきらめることになる
・・・涙。

(easyJet と National express の規制については、後日の旅行記で)。

『夜のカフェテラス』に描かれたフォーロム広場の「カフェ・ヴァン・ゴッホ」の
テラス席で、しばし休息。グラスビール1杯、6ユーロ。食事をとらないのならば、
クロスのないテーブルに。この店の外壁をはじめ、街は黄色に彩られている。この
日の私のジャケットも、同じような色だったのだが・・・。

くり返し書いているように、私は “晴れ男” である。南仏の6日間は、天気予報では
雨またはくもりだった。しかし、昨日も今日も暑いほどの陽が照りつける。おかげ
で、すっかり日焼けしてしまった。

同行者
カップル・夫婦
交通手段
鉄道 高速・路線バス
  • Caf&#233; la nuit(CAF&#201; VAN GOGH)<br /><br /><br />1888年3月18日、ゴッホはたどり着いたばかりのアルルの印象を、<br />友人エミール・ベルナールにこう書き送っている。<br /><br />「大気の清らかさとやたら明るい色の効果で、ここは日本のように<br />美しい。流れる水が浮世絵に見られるように、風景に美しいエメラ<br />ルドと豊かな青とのパッチワークを形づくっている。淡いオレンジ<br />色の夕陽が、大地を蒼く映し出す。鮮やかな黄色い太陽──」(拙訳)。<br /><br />この街は、黄に満ちている。それはゴッホのアルル時代の作品にな<br />じみ深い色彩であり、南仏の陽ざしそのものであり、そしてフォー<br />ロム広場の「カフェ・ヴァン・ゴッホ」の外壁の色である。<br /><br />カフェの評判はあまりよくない。ホスピタリティはなってないし、<br />料理など食べられたものではないという意見もある。名高い観光地<br />の、有名店にはよくあることだ(笑)。ここはテラス席に座って、ビ<br />ールでも飲むくらいのほうがよいだろうか(グラスビール6ユーロ)。<br />ドリンクだけならば、クロスのかかっていないテーブルへ。<br /><br />「CSI:NY」のDanny Messer似のギャルソンがいる・・・微。

    Café la nuit(CAFÉ VAN GOGH)


    1888年3月18日、ゴッホはたどり着いたばかりのアルルの印象を、
    友人エミール・ベルナールにこう書き送っている。

    「大気の清らかさとやたら明るい色の効果で、ここは日本のように
    美しい。流れる水が浮世絵に見られるように、風景に美しいエメラ
    ルドと豊かな青とのパッチワークを形づくっている。淡いオレンジ
    色の夕陽が、大地を蒼く映し出す。鮮やかな黄色い太陽──」(拙訳)。

    この街は、黄に満ちている。それはゴッホのアルル時代の作品にな
    じみ深い色彩であり、南仏の陽ざしそのものであり、そしてフォー
    ロム広場の「カフェ・ヴァン・ゴッホ」の外壁の色である。

    カフェの評判はあまりよくない。ホスピタリティはなってないし、
    料理など食べられたものではないという意見もある。名高い観光地
    の、有名店にはよくあることだ(笑)。ここはテラス席に座って、ビ
    ールでも飲むくらいのほうがよいだろうか(グラスビール6ユーロ)。
    ドリンクだけならば、クロスのかかっていないテーブルへ。

    「CSI:NY」のDanny Messer似のギャルソンがいる・・・微。

  • Fondation Vincent Van Gogh<br /><br /><br />アルルで “死ぬまでに一度は行きたい” ところとして、著者パトリ<br />シア・シュルツ氏は「円形闘技場」をあげている。同時代に建設さ<br />れたローマのコロッセオとは比較にならぬほど保存状態がよく、2<br />万人収容の競技場として今なお現役。彼女によれば、アルルはもと<br />もと “闘牛の街” だったらしい。<br /><br />周辺の古代ローマ時代の遺跡・遺構とともに、世界遺産に登録され<br />ている。さらに「フランスのサンティアゴ・デ・コンポステーラの<br />巡礼路」の一部としても、重複登録されている。<br /><br />もとより闘牛にもグラディエーターにも関心の乏しい私は、正面か<br />ら右手の路地へ。数軒のスーベニアの店先でラベンダーのサシェや<br />サントン人形、鮮やかな色彩のクロスなどを素見かしながら、ゴッ<br />ホ記念館に向かう。<br /><br />“記念館” の名称から、ゴッホ美術館などを思い浮べてはいけない。<br />ミュージアムというよりは、ゴッホ関連商品のスーベニアといった<br />ところだ。ただし、リキテンスタインやホックニーなどのちのアー<br />ティストら多数によるオマージュ作品も展示されているし、販売さ<br />れている。散策の途中でちょっと立ち寄るには、ちょうどよいスケ<br />ールだ。<br /><br />easyJet の重量制限を気にしながら、『ひまわり』のデミタスカッ<br />プ&ソーサー2脚セットと彼の代表作を集めた切手シート2点など<br />購入した。カウンターで50%OFFで売られていたTシャツにプリン<br />トされていたゴッホの顔が、『自画像』を知る方なら呆然とするほ<br />ど似ていない(笑)。

    Fondation Vincent Van Gogh


    アルルで “死ぬまでに一度は行きたい” ところとして、著者パトリ
    シア・シュルツ氏は「円形闘技場」をあげている。同時代に建設さ
    れたローマのコロッセオとは比較にならぬほど保存状態がよく、2
    万人収容の競技場として今なお現役。彼女によれば、アルルはもと
    もと “闘牛の街” だったらしい。

    周辺の古代ローマ時代の遺跡・遺構とともに、世界遺産に登録され
    ている。さらに「フランスのサンティアゴ・デ・コンポステーラの
    巡礼路」の一部としても、重複登録されている。

    もとより闘牛にもグラディエーターにも関心の乏しい私は、正面か
    ら右手の路地へ。数軒のスーベニアの店先でラベンダーのサシェや
    サントン人形、鮮やかな色彩のクロスなどを素見かしながら、ゴッ
    ホ記念館に向かう。

    “記念館” の名称から、ゴッホ美術館などを思い浮べてはいけない。
    ミュージアムというよりは、ゴッホ関連商品のスーベニアといった
    ところだ。ただし、リキテンスタインやホックニーなどのちのアー
    ティストら多数によるオマージュ作品も展示されているし、販売さ
    れている。散策の途中でちょっと立ち寄るには、ちょうどよいスケ
    ールだ。

    easyJet の重量制限を気にしながら、『ひまわり』のデミタスカッ
    プ&ソーサー2脚セットと彼の代表作を集めた切手シート2点など
    購入した。カウンターで50%OFFで売られていたTシャツにプリン
    トされていたゴッホの顔が、『自画像』を知る方なら呆然とするほ
    ど似ていない(笑)。

  • La Maison jaune @ Place Lamartine

    La Maison jaune @ Place Lamartine

  • Porte de la Cavalerie

    Porte de la Cavalerie

  • Les Ar&#232;nes

    Les Arènes

  • Th&#232;&#226;tre Antique

    Thèâtre Antique

  • Place de la R&#233;publique

    Place de la République

  • Jardin &#201;t&#233;

    Jardin Été

  • Espace Van Gogh

    Espace Van Gogh

  • Grand Rh&#244;ne

    Grand Rhône

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