2009/05/07 - 2009/05/20
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南仏プロヴァンスと英コッツウォルズをめぐる14日間の旅(4) 5月10日(日)
マルセイユ・サン・シャルル駅から在来線で北へ向かうと、エクサン・プロヴァン
ス(以下エクス)駅の手前で突然、窓いっぱいにサント・ヴィクトワール山が現れ
る。
アヴィニョンからエクスへは、TGVを利用すれば20分ほど。ただし、エクスTGV
駅は市街から10km以上も離れている。しかも、山とは出逢えない。やはりマルセ
イユ経由で2時間、南仏のどこか寂寥とした景色を眺めながら、ゆっくりと旅を楽
しみたい。セザンヌが幼いころから目にしていたこの山を30代後半になって、モ
チーフとして再発見したのも車窓からだったといわれている。
まずは、彼の作品を所蔵しているグラネ美術館をめざす。
街はロトンド噴水を起点に東西に伸びるメイン・ストリート──ミラボー通りをは
さんで、北側が観光客でにぎわう旧市街。南にはルイ14世の時代に整備された貴
族の邸宅街、閑静なたたずまいのマザラン地区が広がる。美術館はこちら側。セザ
ンヌの生家もある。
エクスの名は、古代ローマの執政官セクスティウスがこの地に冠した「アクアエ・
セクスティアエ」(セクスティウスの水──の意)から転じたとされる。その名の
通り、いたるところ意匠を凝らした噴水が設えられている。
入口で「日本人か?」とたずねられる。「そうだ」と答えると、入館料が無料にな
った。・・・? セザンヌより60年ほど早くエクスに生まれた、フランソワ・マリ
ウス・グラネの遺贈作品をもとに開館された美術館だ。ところが、19〜20世紀の
作品を展示しているフロアはクローズしていた。それでか・・・涙。
気をとり直して、セザンヌのアトリエをめざす。
旧市街の北端からほぼ一直線に伸びる “セザンヌ通り” を、ひたすら登りつづける。
20分あまりでアトリエの前にたどり着く。ほとんど人と出逢うことのない通りと
は裏腹に、敷地内は観光客であふれていた。急坂にも関わらず、ご高齢の方の姿が
目立つ。
サント・ヴィクトワール山を望むにはさらにこの上10分ほどのところ、レ・ロー
ヴの丘に登らなければならない。気をとり直すどころか、気合いを入れ直さなけれ
ば──。
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス
-
Montagne Sainte-Victoire
サント・ヴィクトワール山は南仏ブーシュ・デュ・ローヌ県と隣接
するヴァール県にかけ、18kmにわたって連なる丘陵だ。最も高い
ところで1011m。ごつごつとしたライムストーンの山肌は、手前
に広がるプロヴァンスの緑あふれる風景とは好対照を見せる。
セザンヌがこの山を最初に描いたのは1870年、『サント・ヴィク
トワール山と切り通し』だとされている。彼はこのとき31歳。だが、
晩年の10年間だけでも100点以上の作品に描いたという、最も愛さ
れたモチーフのひとつはここではまだ構図の中心にすらない。
日記にも書いたように、ブーシュ・デュ・ローヌ県の県都エクサン
・プロヴァンス(以下エクス)に生まれたセザンヌが、ずっと目に
してきたこの山を画題として意識したのは30代も後半になってから。
たまたま列車の窓から見たときのことだった。
パリ生まれ、エクス育ちの作家ゾラとは幼いころからの親友で、の
ちに “絶交” 。1902年、ゾラがドレフュス事件の渦中で突然死去し
たのと前後して描かれた『レ・ローヴから見たサント・ヴィクトワ
ール山』には、どうしても彼のこのときの心情が重なる。生来の気
難しさから友人と呼べる人間をほとんど持たなかった彼ゆえに、ゾ
ラの死はとり返しがつかない。
セザンヌが最晩年に好んだレ・ローヴからのアングルは、“セザンヌ
通り” にある彼のアトリエからさらに10分ほど登った左手の丘の上。
作品のパネルなども展示され、美しく整備されている。ふり返ると、
のちのキュビスムを用意した代表作に描かれているサント・ヴィクト
ワール山が、そこにそのまま現れる。 -
Les Deux garçons
エクサン・プロヴァンスのクール・ミラボー(Cours Mirabeau ミ
ラボー通り)は、ヨーロッパで最も美しい通りだとされている。プ
ラタナスの並木がつくる木陰では、この日アンティーク市が開かれ
ていた。
起点となるド・ゴール将軍広場には3体の白亜の彫像が睥睨するよ
うに立つ、ひときわ大きなロトンド噴水がある。この噴水から数え
て3つ目の噴水の先、左手にカフェ「レ・ドゥー・ギャルソン」は
ある。
創業1792年、当時のままのインテリアが見事だ。サー・ウィンス
トン・チャーチル、パブロ・ピカソ、ジャン・コクトー、アンドレ
・マルロー、エディット・ピアフ、ジャン=ポール・ベルモンド、
アラン・ドロン──数多くの著名人がここに集った。若きポール・
セザンヌはエミール・ゾラらリセの友人たちと、夕食前の3時間を
ここで過ごしたという。
現在のホスピタリティは・・・「カフェ・ヴァン・ゴッホ」と比較
すれば、ずっと洗練されている。レ・ローヴからの帰り道、ビール
(ハイネケン 400㎖)とグラスワイン(白)でひと息つくのもよい。
いずれも5ユーロ。 -
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Gare Aix-en-Provence
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La Rotonde @ Place du Général de Gaulle
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Cours Mirabeau
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Maison Natale de Cézanne
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Musée Atelier de Paul Cézanne
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Chemin de Lauve
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Eglise St-Jean de Malte
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Musée Granet
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Cathédrale St-Sauveur
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Place de l'Hôtel de Ville
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Gare Marseille St Charles
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Quai des Belges
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