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南仏プロヴァンスと英コッツウォルズをめぐる14日間の旅(6)     5月12日(火)<br /><br /><br />朝、ホテルの電話が鳴った。予定より10分早く迎えに来てくれるのだという。<br /><br />これまで車窓から目にしてきた南仏の風景は、どこかもの哀しい。それは北フラン<br />スの世界最高峰のワイン生産地の数かずや、ヴェネツィアからフィレンツェ、ロー<br />マへとめぐるユーロスター、ザルツブルグからザルツカンマーグートを経てウィー<br />ンへといたる長距離バス・・・視線の届く限り緑に包まれた景観を知る身には、ど<br />うしてもうら寂れたものと思える。<br /><br />しかし、今日は違った。<br /><br />アヴィニョンの東に広がるリュベロン地方には、『南仏プロヴァンスの12か月』に<br />描かれたままのとびきり豊かな空間と時間があった。著者ピーター・メイルは47歳<br />の時ここに移り住み、友人・知人への近況報告としてこの作品を書いたのだったと<br />記憶している。その後も英国人の流入はやまず、Lub&#233;ronの「&#233;」からはアクサンが<br />落ちて「リュブロン」に近い発音だとナショジオのガイドにはある。<br /><br />旅に出る前夜、たまたま見つけたツアー──リュベロンの小さな村をめぐる「五感<br />で味わうプロヴァンス」(2人で312ユーロ)。今回の南仏の旅を締めくくる、8時<br />間のメインイベントである。サイトには “バスツアー” とあるが、最大催行人数7人<br />だから、実際にはワンボックスカー。このサイズも、そしてホテルまで迎えに来て<br />くれたドライバー&ツアーガイドの(在仏27年・・・でしたか?)の日本人女性も<br />すばらしい! <br /><br />アヴィニョン市街で2組の男女をお迎えして、いざリュベロンへ。ちなみに、ひと<br />組目はニースからパリまで旅をするという若いカップル・・・そう、新婚旅行だ。<br />もうひと組は、英国に単身赴任されているご主人がリタイアされる前にと、南仏へ<br />いらっしゃった上品なご夫婦。参加されている皆さんもすばらしい!<br /><br />リール・シュル・ラ・ソルグ(L&#39;Isle-sur-la-Sorgu=ソルグ川の島)やフォンテ<br />ーヌ・ド・ヴォークリューズ(Fontaine-de-Vaucluse=ヴォクリューズ県の泉)<br />でせせらぎと急流を見たあとに、リュベロンの田園地帯を睥睨するようなゴルドの<br />絶景が待っていた。お、お、落ちそう。<br /><br />このあと、“農家レストラン” でランチ──2時間! 新婚カップルとはここで、バ<br />リへのTGVの時間があるのでお別れ・・・惜。<br /><br />アペリティフはラベンダー、洋梨、メロンのワインから選べる。前菜に白アスパラ<br />ガス、メインは3つのハーブで仕立てた雄鶏の肉と、ジャガイモと野菜の盛合せ。<br />すべて自家製で、ど〜んと出てくる。ここにヤギのチーズの盛合せとイチゴのアイ<br />スクリーム、さらにコーヒー・紅茶がついてきた。追加のワイン? 別料金でデカ<br />ンタが3ユーロ、もちろんオーダーすべきだ。<br /><br />メニューの前半で、ほぼ満腹。英国駐在のご主人と奥様からは、興味深いお話をた<br />くさんお聞きすることができた。<br /><br />しかし、ツアーはまだ終わらない。このあとは南仏ローヌを代表するシャトーで、<br />お勧めワインの試飲。旨い。廉価で買うこともできるが、このあと重量制限のきび<br />しいeasyJetに乗る身としては手の出しようがない。<br /><br />“12か月” に匹敵するとまで言うつもりはないが、とても豊かで濃密な1日だった。<br />フランス車に永らく乗っていると、間違いなく自力で行きたくなるだろう。が、こ<br />の時間ではさすがに回りきれないと思う。それはこのあと、英コッツウォルドで私<br />自身が思い知らされる(汗)。

南仏プロヴァンスの8時間。

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2009/05/07 - 2009/05/20

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四月の旅人

四月の旅人さん

南仏プロヴァンスと英コッツウォルズをめぐる14日間の旅(6)     5月12日(火)


朝、ホテルの電話が鳴った。予定より10分早く迎えに来てくれるのだという。

これまで車窓から目にしてきた南仏の風景は、どこかもの哀しい。それは北フラン
スの世界最高峰のワイン生産地の数かずや、ヴェネツィアからフィレンツェ、ロー
マへとめぐるユーロスター、ザルツブルグからザルツカンマーグートを経てウィー
ンへといたる長距離バス・・・視線の届く限り緑に包まれた景観を知る身には、ど
うしてもうら寂れたものと思える。

しかし、今日は違った。

アヴィニョンの東に広がるリュベロン地方には、『南仏プロヴァンスの12か月』に
描かれたままのとびきり豊かな空間と時間があった。著者ピーター・メイルは47歳
の時ここに移り住み、友人・知人への近況報告としてこの作品を書いたのだったと
記憶している。その後も英国人の流入はやまず、Lubéronの「é」からはアクサンが
落ちて「リュブロン」に近い発音だとナショジオのガイドにはある。

旅に出る前夜、たまたま見つけたツアー──リュベロンの小さな村をめぐる「五感
で味わうプロヴァンス」(2人で312ユーロ)。今回の南仏の旅を締めくくる、8時
間のメインイベントである。サイトには “バスツアー” とあるが、最大催行人数7人
だから、実際にはワンボックスカー。このサイズも、そしてホテルまで迎えに来て
くれたドライバー&ツアーガイドの(在仏27年・・・でしたか?)の日本人女性も
すばらしい! 

アヴィニョン市街で2組の男女をお迎えして、いざリュベロンへ。ちなみに、ひと
組目はニースからパリまで旅をするという若いカップル・・・そう、新婚旅行だ。
もうひと組は、英国に単身赴任されているご主人がリタイアされる前にと、南仏へ
いらっしゃった上品なご夫婦。参加されている皆さんもすばらしい!

リール・シュル・ラ・ソルグ(L'Isle-sur-la-Sorgu=ソルグ川の島)やフォンテ
ーヌ・ド・ヴォークリューズ(Fontaine-de-Vaucluse=ヴォクリューズ県の泉)
でせせらぎと急流を見たあとに、リュベロンの田園地帯を睥睨するようなゴルドの
絶景が待っていた。お、お、落ちそう。

このあと、“農家レストラン” でランチ──2時間! 新婚カップルとはここで、バ
リへのTGVの時間があるのでお別れ・・・惜。

アペリティフはラベンダー、洋梨、メロンのワインから選べる。前菜に白アスパラ
ガス、メインは3つのハーブで仕立てた雄鶏の肉と、ジャガイモと野菜の盛合せ。
すべて自家製で、ど〜んと出てくる。ここにヤギのチーズの盛合せとイチゴのアイ
スクリーム、さらにコーヒー・紅茶がついてきた。追加のワイン? 別料金でデカ
ンタが3ユーロ、もちろんオーダーすべきだ。

メニューの前半で、ほぼ満腹。英国駐在のご主人と奥様からは、興味深いお話をた
くさんお聞きすることができた。

しかし、ツアーはまだ終わらない。このあとは南仏ローヌを代表するシャトーで、
お勧めワインの試飲。旨い。廉価で買うこともできるが、このあと重量制限のきび
しいeasyJetに乗る身としては手の出しようがない。

“12か月” に匹敵するとまで言うつもりはないが、とても豊かで濃密な1日だった。
フランス車に永らく乗っていると、間違いなく自力で行きたくなるだろう。が、こ
の時間ではさすがに回りきれないと思う。それはこのあと、英コッツウォルドで私
自身が思い知らされる(汗)。

同行者
カップル・夫婦
交通手段
観光バス

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  • Fontaine-de-Vaucluse<br /><br /><br />アヴィニョンの東30kmほどのところに位置するフォンテーヌ・ド<br />・ヴォークリューズはその名の通り、プロヴァンスのヴォークリュ<br />ーズ県を流れるソルグ川の湧水地だ。<br /><br />ラ・コロヌ広場から、めざす “泉” までは一本道。スーベニアやイ<br />ンフォメーションが並ぶ小径は、近づくにつれ次第に狭くなる。右<br />手には、かつて紙すきに使われた水車が今も残る。その向こうを流<br />れるソルグ川はとくに流量の多い春、白く泡立ち逆巻くように流れ<br />ている。水温は常に12〜13℃を保ち、流量はフランス最大。世界<br />でも屈指だという。<br /><br />15分ほどで到着──。ごつごつとした岩場を登って見おろすと、そ<br />こには一転エメラルドブルーをたたえた静謐な水面があった。洞窟<br />が滑落してできたこの泉は思いのほか奥が深く、いまだその全容は<br />解明されていない。<br /><br />のちに桂冠詩人となるペトラルカは14世紀前半、法王庁のアヴィニ<br />ョン移転とともに南仏にやってきた。彼はここでダンテのベアトリ<br />ーチェになぞらえられる女性、ラウラと出逢ったと伝えられている。<br />彼の代表作のひとつ『カンツォニエーレ』は、彼女に捧げられた200<br />編あまりのソネットからなる。<br /><br />彼の博物館もある。こちらはソルグ川の左岸。この場所で、ペトラ<br />ルカは書籍に囲まれ、召使2人と犬1匹、それにフォンテーヌ・ド・<br />ヴォークリューズの自然とともに暮らした。人口わずか600人ほど<br />の街に、年間100万人が訪れる。

    Fontaine-de-Vaucluse


    アヴィニョンの東30kmほどのところに位置するフォンテーヌ・ド
    ・ヴォークリューズはその名の通り、プロヴァンスのヴォークリュ
    ーズ県を流れるソルグ川の湧水地だ。

    ラ・コロヌ広場から、めざす “泉” までは一本道。スーベニアやイ
    ンフォメーションが並ぶ小径は、近づくにつれ次第に狭くなる。右
    手には、かつて紙すきに使われた水車が今も残る。その向こうを流
    れるソルグ川はとくに流量の多い春、白く泡立ち逆巻くように流れ
    ている。水温は常に12〜13℃を保ち、流量はフランス最大。世界
    でも屈指だという。

    15分ほどで到着──。ごつごつとした岩場を登って見おろすと、そ
    こには一転エメラルドブルーをたたえた静謐な水面があった。洞窟
    が滑落してできたこの泉は思いのほか奥が深く、いまだその全容は
    解明されていない。

    のちに桂冠詩人となるペトラルカは14世紀前半、法王庁のアヴィニ
    ョン移転とともに南仏にやってきた。彼はここでダンテのベアトリ
    ーチェになぞらえられる女性、ラウラと出逢ったと伝えられている。
    彼の代表作のひとつ『カンツォニエーレ』は、彼女に捧げられた200
    編あまりのソネットからなる。

    彼の博物館もある。こちらはソルグ川の左岸。この場所で、ペトラ
    ルカは書籍に囲まれ、召使2人と犬1匹、それにフォンテーヌ・ド・
    ヴォークリューズの自然とともに暮らした。人口わずか600人ほど
    の街に、年間100万人が訪れる。

  • Gordes<br /><br /><br />ヴォークリューズの平原に奇跡のように屹立するゴルドの街。「フ<br />ランスの最も美しい村」に選定され、南仏でも屈指の観光地のひと<br />つとなっている。<br /><br />自然の要塞には4000年前からムラが形成され、古代ローマの一時<br />期を除けば侵略を免れてきた。20世紀に入って過疎化が進み、さら<br />に第2次大戦時にはレジスタンスの拠点となったため、ナチスドイ<br />ツによって徹底的に破壊される。この危機を救ったのはシャガール<br />をはじめ、この街の魅力を再発見した画家たちだった。<br /><br />夏のバカンスシーズンには、観光客が大挙して訪れる。頂点の「城」<br />はルネサンス時代に建造されたもので、まさに “天空の城” 。ここに<br />は、「再発見した画家」のひとりポル・マラの美術館とインフォメ<br />ーションがある。<br /><br />周囲には薄い石を積んだ壁と素焼きの屋根が特長の建物が連なり、<br />“プロヴァンスのビバリーヒルズ” と呼ばれるほどの高級住宅地とな<br />っている。ミッテラン元大統領も別荘を構えている。<br /><br />ベルヴェデール通り沿いには、絶好のビューポイントがある。「展<br />望台」などと記されているケースもあるが、足元は文字通りの “千<br />尋の谷” 。さえぎるものなど何もないので、風が吹くとなかなかス<br />リリングだ。

    Gordes


    ヴォークリューズの平原に奇跡のように屹立するゴルドの街。「フ
    ランスの最も美しい村」に選定され、南仏でも屈指の観光地のひと
    つとなっている。

    自然の要塞には4000年前からムラが形成され、古代ローマの一時
    期を除けば侵略を免れてきた。20世紀に入って過疎化が進み、さら
    に第2次大戦時にはレジスタンスの拠点となったため、ナチスドイ
    ツによって徹底的に破壊される。この危機を救ったのはシャガール
    をはじめ、この街の魅力を再発見した画家たちだった。

    夏のバカンスシーズンには、観光客が大挙して訪れる。頂点の「城」
    はルネサンス時代に建造されたもので、まさに “天空の城” 。ここに
    は、「再発見した画家」のひとりポル・マラの美術館とインフォメ
    ーションがある。

    周囲には薄い石を積んだ壁と素焼きの屋根が特長の建物が連なり、
    “プロヴァンスのビバリーヒルズ” と呼ばれるほどの高級住宅地とな
    っている。ミッテラン元大統領も別荘を構えている。

    ベルヴェデール通り沿いには、絶好のビューポイントがある。「展
    望台」などと記されているケースもあるが、足元は文字通りの “千
    尋の谷” 。さえぎるものなど何もないので、風が吹くとなかなかス
    リリングだ。

  • Abbaye de S&#233;nanque

    Abbaye de Sénanque

  • Ferme Restaurant<br /><br /><br />ミニバスツアー「五感で味わうプロヴァンス」で、農家レストラン<br />を訪れた。ひなびた民家風のたたずまいを想像していたが、過度に<br />ならぬ程度に洗練された空間だった。庭には今も使われているのか、<br />さまざまな農機具が無造作にオブジェのように置かれている。<br /><br />メニューは、その日収穫された食材次第。このときのアペリティフ<br />はラベンダー・洋梨・メロンの白ワイン、洋梨には赤ワインも用意<br />されていた。前菜は白アスパラガス、メインは3つのハーブの鶏肉<br />に、ジャガイモと季節の野菜という盛合せ2種──すべて自家製。<br />新鮮な旬の食材を使った料理は、旨いに決まっている。<br /><br />イタリアに発祥したスローフード運動は、単に食事を急いでとるこ<br />とやファストフードに反対しているばかりではない。家族や友人、<br />人間同士がゆっくりと食卓を囲み、大いに語り合うこと──この、<br />あたり前のことが運動の核にある。<br /><br />シチリア島がブームの火付け役となり、今やイタリア全土に広がっ<br />たアグリトゥリズモ。これは、農業(agricoltura)と観光(turis-<br />mo)をいっしょにした造語だ。都市部に出ていた人びとが故郷に<br />もどり、荒廃した農地や牧草地を再生する。そこにレストランや宿<br />泊施設を建てて、旅行客をもてなす。このもてなしと、手頃な料金<br />が魅力だ。<br /><br />この動きはその後、グリーンツーリズムとして日本にもやって来た。<br /><br />農家レストランではメインデッシュのあと、8種類のヤギのチーズ、<br />イチゴのアイスクリーム、ケーキ3種が出てきた。ここにコーヒーか、<br />紅茶がつく。とても残さず食べきれる量ではない。ごいっしょした<br />ご夫婦とゆっくり会話を楽しみながら2時間、客は私たちだけだった。<br /><br />フランスのレストランはどこも、料理を大盛りで出す。だから太る。<br />子どもの肥満率は15%で、深刻な問題になっている。しかし、ジャ<br />ンクフードばかりを食べて太りつづけているどこかの国と比べれば、<br />ずっと幸福なのではないかと思うが・・・。

    Ferme Restaurant


    ミニバスツアー「五感で味わうプロヴァンス」で、農家レストラン
    を訪れた。ひなびた民家風のたたずまいを想像していたが、過度に
    ならぬ程度に洗練された空間だった。庭には今も使われているのか、
    さまざまな農機具が無造作にオブジェのように置かれている。

    メニューは、その日収穫された食材次第。このときのアペリティフ
    はラベンダー・洋梨・メロンの白ワイン、洋梨には赤ワインも用意
    されていた。前菜は白アスパラガス、メインは3つのハーブの鶏肉
    に、ジャガイモと季節の野菜という盛合せ2種──すべて自家製。
    新鮮な旬の食材を使った料理は、旨いに決まっている。

    イタリアに発祥したスローフード運動は、単に食事を急いでとるこ
    とやファストフードに反対しているばかりではない。家族や友人、
    人間同士がゆっくりと食卓を囲み、大いに語り合うこと──この、
    あたり前のことが運動の核にある。

    シチリア島がブームの火付け役となり、今やイタリア全土に広がっ
    たアグリトゥリズモ。これは、農業(agricoltura)と観光(turis-
    mo)をいっしょにした造語だ。都市部に出ていた人びとが故郷に
    もどり、荒廃した農地や牧草地を再生する。そこにレストランや宿
    泊施設を建てて、旅行客をもてなす。このもてなしと、手頃な料金
    が魅力だ。

    この動きはその後、グリーンツーリズムとして日本にもやって来た。

    農家レストランではメインデッシュのあと、8種類のヤギのチーズ、
    イチゴのアイスクリーム、ケーキ3種が出てきた。ここにコーヒーか、
    紅茶がつく。とても残さず食べきれる量ではない。ごいっしょした
    ご夫婦とゆっくり会話を楽しみながら2時間、客は私たちだけだった。

    フランスのレストランはどこも、料理を大盛りで出す。だから太る。
    子どもの肥満率は15%で、深刻な問題になっている。しかし、ジャ
    ンクフードばかりを食べて太りつづけているどこかの国と比べれば、
    ずっと幸福なのではないかと思うが・・・。

  • Ch&#226;teau Mont-Redon @ Ch&#226;teauneuf-du-Pape<br /><br /><br />皆さんはブドウ畑に咲くバラをご覧になったことがあるだろうか。<br />あぜ道沿いや敷地の端を縁どるように植えられているところを見る<br />と、畑に踏み入る不届き者(もちろん、人間ばかりとはかぎらない)<br />をトゲで撃退する?・・・わけではないらしい。<br /><br />ブドウの害虫はバラのほうに先につくので、バラについたら、殺菌<br />剤を散布する目安だったという。「だった」と過去形なのは、農業<br />技術の進歩とともに必要なくなったため。今や形骸化した流儀ばか<br />りが伝わるのみ。それがそれなりに美しい景観を生んでいるのも確<br />かだが。<br /><br />当時使用された農薬が、生石灰と硫酸銅で調製される “ボルドー液” 。<br />使ってもオーガニック認定を受けることができることから、今でも<br />使われることがある。<br /><br />写真は「シャトー モンルドン」。創業14世紀という古いドメーヌ<br />で、ここシャトーヌフ・デュ・パプでは100haのブドウ畑を所有し<br />ている。<br /><br />仏ワインといえばボルドーやブルゴーニュがもてはやされるが、し<br />ばらく前からパプのものもグランメゾンのワインリストに名を連ね<br />るようになった。コート・デュ・ローヌは赤ワイン。その果実味に<br />富んだ味わいの秘密として、AOCで認められた栽培品種が13種類<br />もあることと、ローヌ川が運んだ丸石の保温効果が指摘される。<br /><br />「シャトー モンルドン」でも13種すべてが栽培され、手摘みで収<br />穫される。それらをブレンドして複雑な味わいを生み出すのだが、<br />主要品種はグルナッシュで65%以上を占めている。

    Château Mont-Redon @ Châteauneuf-du-Pape


    皆さんはブドウ畑に咲くバラをご覧になったことがあるだろうか。
    あぜ道沿いや敷地の端を縁どるように植えられているところを見る
    と、畑に踏み入る不届き者(もちろん、人間ばかりとはかぎらない)
    をトゲで撃退する?・・・わけではないらしい。

    ブドウの害虫はバラのほうに先につくので、バラについたら、殺菌
    剤を散布する目安だったという。「だった」と過去形なのは、農業
    技術の進歩とともに必要なくなったため。今や形骸化した流儀ばか
    りが伝わるのみ。それがそれなりに美しい景観を生んでいるのも確
    かだが。

    当時使用された農薬が、生石灰と硫酸銅で調製される “ボルドー液” 。
    使ってもオーガニック認定を受けることができることから、今でも
    使われることがある。

    写真は「シャトー モンルドン」。創業14世紀という古いドメーヌ
    で、ここシャトーヌフ・デュ・パプでは100haのブドウ畑を所有し
    ている。

    仏ワインといえばボルドーやブルゴーニュがもてはやされるが、し
    ばらく前からパプのものもグランメゾンのワインリストに名を連ね
    るようになった。コート・デュ・ローヌは赤ワイン。その果実味に
    富んだ味わいの秘密として、AOCで認められた栽培品種が13種類
    もあることと、ローヌ川が運んだ丸石の保温効果が指摘される。

    「シャトー モンルドン」でも13種すべてが栽培され、手摘みで収
    穫される。それらをブレンドして複雑な味わいを生み出すのだが、
    主要品種はグルナッシュで65%以上を占めている。

  • L&#39;Isle-sur-la-sorgue

    L'Isle-sur-la-sorgue

  • Rue de la R&#233;publique  @ L&#39;Isle-sur-la-sorgue

    Rue de la République @ L'Isle-sur-la-sorgue

  • Eglise @ L&#39;Isle-sur-la-sorgue

    Eglise @ L'Isle-sur-la-sorgue

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