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南仏プロヴァンスと英コッツウォルズをめぐる14日間の旅(1)    5月7日(木) <br /><br /><br />京王八王子駅午前5時40分発のリムジンに乗ってからほぼ24時間、CDG発のTGV<br />は同じ日の午後10時8分にアヴィニョンTGV駅に定刻通り到着する。予想通り、街<br />はすでに眠りの中にあった。何とかたどり着いた宿泊先の前で、衝撃的な光景に出<br />くわす。<br /><br />ロビーの灯は消え、入口にはロックがかかっていた。疲弊した身体と重いスーツケ<br />ースを抱えたまま、“野宿” を覚悟する。<br /><br />成田までのリムジンはTVモニタでこれでもかと見せつけられたGW中の大渋滞とは<br />裏腹に、三宅坂すら楽々スルーして2時間足らずで到着。妻が買っておいてくれた1<br />枚300円以上するのだというマスクを、とりあえず着用する。第2ターミナルでマス<br />クをしているのは3割程度だろうか。<br /><br />出国審査の際にマスクをとるように言われるが、そこにいる係官もマスクをするわ<br />けにはいかない。命がけ・・・。<br /><br />12時間のフライト中は、「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」 「007 慰めの報酬」<br />「相棒シリーズ 鑑識・米沢守の事件簿」など、軽い作品を観ながら過ごす。ストー<br />リーが確認できる程度の小さなモニタだが、現在公開中のものをいち早く観られる<br />のはうれしい。試写会に行けなかった「グラン・トリノ」は帰国便にとっておく。<br /><br />パリ到着後、空港から鉄道駅へ移動している間に、私たち以外にマスク姿は皆無と<br />なる。マスクをとる。『地球の歩き方』には「自動券売機では...自宅のパソコンで<br />インターネット予約した切符の引き取りもできる」とあるが、これはICカードのみ。<br />仕方なく、窓口に並ぶ。<br /><br />TGVの1等車はきわめて快適。バッグを横に置いても座れるほどのゆったりサイズ<br />だ。ただ、トイレは汚なかった。もちろん当該車両の乗客のマナーによるところが<br />大きい。階段に居場所を定めた人びとは、2等料金で乗車したのだろうか。さすが<br />にアヴィニョンまでの3時間をここで過ごす気にはなれない。<br /><br />さて、ホテルの前だった──。<br /><br />途方に暮れていたとき、たまたま宿泊客がロビーに降りてきた。たまたま、彼らは<br />セキュリティボックスからキーを受取っていた。そして、たまたまとても協力的な<br />方がただった。何とかしてあげたいと何とかしてほしいの間で、フランス語と英語<br />のもどかしい会話の果てに、めでたく自室のキーを手にすることができた。<br /><br />遅い時刻の到着なので、妻はずっとリコンファームが必要なのではと言っていた。<br />しかし、予約したエクスペディアには「ご予約の部屋はレイトチェックインが保証<br />されています」との一項があった。これを「フロントが閉まっている時刻でも、<br />(事前にパスワードを入手しておけば)キーはいつでもセキュリティボックスで受<br />け取れます」と、読めとでもいうのだろうか。<br /><br />・・・こうして14日間にわたる旅が始まった。それにしても、私は何かに守られて<br />いる。<br /><br />     &#9728;     &#9728;     &#9728;<br /><br />そうそう、パリまで50kmほどのところでふと窓の外に目をやると、緑の地にイエ<br />ローとピンクのへたなパッチワークのような光景が広がっていた。視界の届く限り、<br />着陸するまで。・・・? イエローは菜の花、ピンクは収穫された後の大地の色──<br />TGVの車窓から確認できた。

南仏プロヴァンスの扉はそのとき、奇跡のように開かれた。

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2009/05/07 - 2009/05/20

30495位(同エリア35745件中)

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5

四月の旅人

四月の旅人さん

南仏プロヴァンスと英コッツウォルズをめぐる14日間の旅(1)    5月7日(木) 


京王八王子駅午前5時40分発のリムジンに乗ってからほぼ24時間、CDG発のTGV
は同じ日の午後10時8分にアヴィニョンTGV駅に定刻通り到着する。予想通り、街
はすでに眠りの中にあった。何とかたどり着いた宿泊先の前で、衝撃的な光景に出
くわす。

ロビーの灯は消え、入口にはロックがかかっていた。疲弊した身体と重いスーツケ
ースを抱えたまま、“野宿” を覚悟する。

成田までのリムジンはTVモニタでこれでもかと見せつけられたGW中の大渋滞とは
裏腹に、三宅坂すら楽々スルーして2時間足らずで到着。妻が買っておいてくれた1
枚300円以上するのだというマスクを、とりあえず着用する。第2ターミナルでマス
クをしているのは3割程度だろうか。

出国審査の際にマスクをとるように言われるが、そこにいる係官もマスクをするわ
けにはいかない。命がけ・・・。

12時間のフライト中は、「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」 「007 慰めの報酬」
「相棒シリーズ 鑑識・米沢守の事件簿」など、軽い作品を観ながら過ごす。ストー
リーが確認できる程度の小さなモニタだが、現在公開中のものをいち早く観られる
のはうれしい。試写会に行けなかった「グラン・トリノ」は帰国便にとっておく。

パリ到着後、空港から鉄道駅へ移動している間に、私たち以外にマスク姿は皆無と
なる。マスクをとる。『地球の歩き方』には「自動券売機では...自宅のパソコンで
インターネット予約した切符の引き取りもできる」とあるが、これはICカードのみ。
仕方なく、窓口に並ぶ。

TGVの1等車はきわめて快適。バッグを横に置いても座れるほどのゆったりサイズ
だ。ただ、トイレは汚なかった。もちろん当該車両の乗客のマナーによるところが
大きい。階段に居場所を定めた人びとは、2等料金で乗車したのだろうか。さすが
にアヴィニョンまでの3時間をここで過ごす気にはなれない。

さて、ホテルの前だった──。

途方に暮れていたとき、たまたま宿泊客がロビーに降りてきた。たまたま、彼らは
セキュリティボックスからキーを受取っていた。そして、たまたまとても協力的な
方がただった。何とかしてあげたいと何とかしてほしいの間で、フランス語と英語
のもどかしい会話の果てに、めでたく自室のキーを手にすることができた。

遅い時刻の到着なので、妻はずっとリコンファームが必要なのではと言っていた。
しかし、予約したエクスペディアには「ご予約の部屋はレイトチェックインが保証
されています」との一項があった。これを「フロントが閉まっている時刻でも、
(事前にパスワードを入手しておけば)キーはいつでもセキュリティボックスで受
け取れます」と、読めとでもいうのだろうか。

・・・こうして14日間にわたる旅が始まった。それにしても、私は何かに守られて
いる。

     ☀     ☀     ☀

そうそう、パリまで50kmほどのところでふと窓の外に目をやると、緑の地にイエ
ローとピンクのへたなパッチワークのような光景が広がっていた。視界の届く限り、
着陸するまで。・・・? イエローは菜の花、ピンクは収穫された後の大地の色──
TGVの車窓から確認できた。

同行者
カップル・夫婦
交通手段
鉄道
航空会社
JAL

PR

  • A&#233;roport Charles de Gaulle

    Aéroport Charles de Gaulle

  • Gare Avignon TGV

    Gare Avignon TGV

  • Cit&#233;a Avignon

    Citéa Avignon

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