2009/08/11 - 2009/08/16
110位(同エリア354件中)
きっちーさん
どことなく、草津ちっくな古鎮を出て、車はもと来た山道をとって返します。
すこしづつ、曲がりくねった坂道から平らになってきたな、と感じ始めたころ、往きに通りすぎた巨大な円楼が見えてきました!
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 10万円 - 15万円
- 交通手段
- 高速・路線バス
- 航空会社
- JAL
-
通りの向かいにある駐車場に、車を停めます。
広い駐車場には、売店や土産屋がパラパラと並び、あまりやる気のなさそうな店員さんが「おいで、おいで」をしています。
ちょっと、シュールな光景。
曇っているのに湿度が高く、指先まで暑苦しい気候に、「来る季節を誤った〜」と後悔しますが、いまさらです(涙)。 -
冷房のきいた車を出たとたん、クラクラと眩暈を感じて、「チケットを買ってくるので、ここで待っているように」という、 おじさんの言うことを聞かんと、フラフラ「おいで、おいで」に引っ張られます。
「ウォヤオ、スイ。リャングァ」(我要、水。2个)
「冰不冰?」
「冰、で」
途中から、日本語入ってますが、凍ったペットボトルを2本ゲット。
チケットを買ってきてくれたおじさんに、「どうぞ」(請給你)と手渡します。
「謝謝」
「ブーカウチィ」(不客気)
を、スマートに言えたぞ。 -
少し雲海に、太陽がのぞき始めて、湿度がいっそう濃密に汗を誘います。
ぶひー。
ふやけるー。 -
おじさんと、ペットボトルの表面をガシャガシャやって氷を砕きながら、通り向いの巨大な土楼へ。
近くで観ると、いっそうデカいな〜。 -
端から端まで、いっぺんに納まりません。
おっきいだー。 -
横っちょにも、土楼。
ザックリ駆られた植木には、なぜか洗濯物が干されています(笑)。
なんだか、不思議な世界。 -
つか景観的にアリか、世界遺産?
そんな、謎の『承啓樓』でっす!
なんか、テレビで観たことありますね。
さっそく、おじさんにくっついて中へ〜。 -
中へ入ると、壁!!
壁、壁、壁・・。
煤けた、石の壁がどこまでも視界を塞ぎます。
んじゃーっ?!
「せ、せまい・・。どうなってんじゃこりゃ??」
戸惑っていると、おじさんが肩をたたいて「こっちだよ」と促がします。 -
「どこ行くんすか?」
「いいから、おいで」
おじさんの後について木の階段を登ると、明るい陽光の射す廊下にでます。
「ここに、のってごらん」
これって、トイレの壷が入っていた棚・・・。
「遠慮しときます」
「いいから」 -
トイレの棚〜っ(泣)。
あきらめ気味に、備え付けのステップを登って、トイレ棚にひざをつくと・・・・。
エエ〜ッ!!
すんご〜いっ!! -
巨大なアンモナイトの化石のように、ぐるぐる巻き込んでいくような、圧倒的な建築!
-
すごい!
すごい!
中国語で、なんて言ったらいいんだ。
おじさんを振り返ると、表情だけでじゅうぶん伝わったようで、誇らしげにニッコリ笑い返してくれます。
「えーと、ガオシン!」(高興)
「高興?」
「そうか、そうか」と、おじさんが笑います。
つうじたみたい? -
「うえも見られるからね、好きにまわっておいで。下にいるから」
「了解す」
コツコツと床を鳴らして降りていくおじさんと逆に、ドカドカあがって行く、落ちつきのない観光客。
それにしても、スゴイ!
もう、「すごい」という言葉しか出てきません。
幸せだ〜っ(喜)! -
若干ではありますが、居住スペースの3〜4階には住人がるようなので、あまり長居するのも気が引けます。
だだだーっと、駆け足で一周して下へ降りてくると、おじさんが「内側もみられるよ」と教えてくれます。
動物臭くないですか? -
鼻を利かせますが、環興樓のような刺し込み臭(?)はありません。
あそこが、現状機能しすぎてるんだな〜。
承啓樓のぐるぐる巻きの部分には、深い井戸や通路、物置などが配置されており、家畜の気配は感じません。
「貞子の井戸〜♪」と遊んでいると、すべての通路は渦巻きの中心へ繋がっているようす。
なにがあるんでしょ?? -
『筆花廬』という看板が掛けられた、落ち着いた石造りの門の向こうに、ちいさなお堂がありました。
-
よく掃き清められたお堂の中には、観音様が祀られています。
赤い提灯や飾りが、とても清々しく見えます。
中国ぽ〜いっ。 -
いや、とっても雰囲気のある土楼です。
これは、ウケる!
絶対観光客ゴコロをくすぐる!
「これなら、入場料取ってもイイ!」上機嫌で、出口へ歩いてくると、おじさんが「もうひとつあるんだよ」と、となりの土楼へ案内してくれます。 -
承啓樓を背に、左手に進むと・・・。
-
おお〜。
こんどは、四角い土楼だー!
へえー。
バージョン違いか。
それにしても、この一族は頑張っちゃったんだなあ。
ふたつも建てるなんて、スゴイ。 -
さっそく中へ入ろうとしますが、改修工事中だったようで、入口で番をしていたお爺さんに、「いまは入れない」とストップをかけられます。
-
残念。
せっかく、四角いのも観れると思ったのにな。
もったいないので、外側からパチリ。 -
「午前中は、これで終わりね。いったんホテルに戻るよ」
おじさんに言われて土楼の前の通りを渡り、駐車場でつと空を見上げると、厚い雲があたりを覆い始めます。
ホント、天気の変わりやすい地域だ。
ホテルへつく頃になると、いよいよ雨がポトポト落ちてきます。 -
朝のうちに、トランクを環興樓から移動しておいたのが、幸いしました。
大荷物を持ったままで、雨降ってるときの移動は、傘を差していても、どうしたって濡れちゃいます。
土楼の前の、柵のない川を渡るのもヤバそうだし。
つか、トランクに土楼臭がついてそうな・・(笑)。
「心ゆくまで、風呂に入ろ!」
いそいそと2階の部屋へあがると、廊下の天井窓を激しく雨が叩いています。
スコール?? -
窓が割れて、ガラスごと降ってくるんじゃ・・。
そんな不安を感じるほど、廊下の頭上にある天井ガラスが音をたてています。
はやく、お部屋に入ろ。 -
部屋数は、あまりないようで。
ふたつならんだ奥の部屋、202号室がオイラの宿泊部屋になります。 -
エアコンが〜!エアコンがあるだ〜っ!
ありがたい〜(泣)。 -
テレビもある〜。
もう、何もない暮らしとかって、ひと晩以上は絶対ムリって感じ(笑)。
スローライフも向いてないだろうな〜。 -
人それぞれですけどね。
さて、昨夜は風呂ナシ土楼に宿泊し、今日は朝から汗の噴き出る湿度100%のなか、移動をくり返していたのでTシャツはべたべた、なんだか自分でもすえ臭い・・。
いそいそと、洗たく兼シャワーに取りかかります。
この宿も、基本は平遥とおなじバスルーム。
便器の横にシャワーがついてます。
ゴムサンダル履いたまま、シャワーを使うという・・・広東っぽいなあ。(福建省だけど)
なんにせよ、汗を洗い流して、超サッパリ!
汚れ物もジャンジャン洗って、冷房ガンガンかけて、「あー。超すっきり・・」
ぽやん、とベッドでごろごろしていたいところですがー。
午後にはまた土楼見学へ行くので、ゴハン食べてこなきゃ! -
ぼったくりおばさんの宿で食べるのは、抵抗があるので、通りへ出て食べる所を探します。
さきほどの、痛そうなスコールは過ぎ去り、傘無しでも歩ける程度の霧雨が、頬に触れます。
少し足をはやめて、きのうバスが停車したあたりへ来ると、『土楼汽車站』という看板があります。
「あ!ちゃんとバスターミナルなんだ!」
驚かされます。
暗くて気づかんかった。
そっか、ここからバスが行ったり来たりしてるのか。
やはり、自分の足で歩くのが大事!
再確認していると、小さなバスターミナルの横に、食堂が。
よし。
ここで、食べてこ♪ -
日本だと、調理師さんはお客さんで混み合う時間を避けて、早めに自分の食事を済ませて働くものですが、外国だとそうとは限りません。
お昼どき、店の人は店内のテーブルで、昼食をとっています。
なんか、入りづらいんですけどー(笑)。 -
でも入る。
だって、午後から予定があるのだ!
「ニーハオ〜」
声をかけると、スラリとしたお姉さんが立ちあがって、「なんにします?」と尋ねられます。
「ニュウロウミィェンを、イーグァ」
「はい、牛肉面!」
店先にある大鍋を素早く火にかけ、下処理のすんだ具をお椀に仕込み、茹であげた麺をよそっていきます。
あっという間に、目の前に出来たての牛肉面が置かれます。
「シェシェア」
「不客気」
お姉さんは、ふたたび食卓へ。
アチシもごはん! -
その前に、写真写真。
いっつも食べかけとか、終わったあとの写真とかで、スミマセン。
今回は、ちゃんと手つかず(笑)。
出汁も効いていて、美味しかったです。
中華料理というと、「油っぽい」というイメージがありますが、食堂ではこういう軽食が普通にあります。
麺もラーメンじゃなくて、きしめんに近いかな?
うどん派の方は、好きな味かと。
ホクホクしながら、完食。
おっし、午後も頑張るぞ! -
次回!
『ハードに生きろ!④』は・・・この谷、むーみんとか妖精系が出てきそう!!
土楼が集中する不思議集落へ、行ってきました。
おったのしみに☆
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この旅行記へのコメント (4)
-
- 唐辛子婆さん 2010/02/24 08:37:11
- ほんとにすごいっ!!
- きっちーさん、おっはよ♪
これって中から建てるのかしら?
それとも外側だけ建てて、中はグランドになってる時期もあるのかしらん?
コロッシアムみたいな。
それにしてもすんごい!
ひとつの村、いや町ほどの人口密度ですよね。
- きっちーさん からの返信 2010/02/24 10:57:20
- えー?
- 難しいことを、聞いてはいけまちぇん・・。
でも内側から建てないと、外から材料を持ち込むのは、入口が防衛のためにちっちゃく作られているのを考えると、とっても難しそう?
ただ、外側より内側の補修をしている土楼が多かったです。
すごいですよねー。
ヨーロッパでは、イタリアの地域的な街づくりなんかは、公共性があったりしますけど、「一族のためにまるごとの建築物」っていうのは、ちょっと珍しいと思いました!
-
- nh155さん 2009/08/20 19:53:14
- それにしても
- シャッターチャンス満載なところですねぇ。
何百年間も大して変わらない部分を維持しつつ未だに生活をしてるというのがすごいです。便利になって欲しいような欲しくないような、観光し易くなって欲しいようなそのまま不便でい続けて欲しいような...。
nh155
- きっちーさん からの返信 2009/08/20 20:04:05
- たしかに
- nh155さん、こにゃにゃちは。
出世した人が、自分用にお屋敷を建てるのはありがちですが、一族丸ごと住める建物を作ったっていうのが、面白いなあと思いました。
大きなものだけじゃなくて、こじんまりとした土楼も、なくはないのですが、小さくても基本、大人数が住めるようになっているんですよー。
人がもう住まなくなってしまった土楼は、家畜も生活臭もないので、においはないんですが、やはり使われている土楼のインパクトにはかないませんでした。
人がお住まいだと、写真は撮り難いんですけどね(笑)。
あと、使い続けては欲しいのですが、トイレ=廊下の壷っていうのは、改善が望まれます(笑)!!
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