2007/10/10 - 2008/10/10
2227位(同エリア5151件中)
ひらしまさん
10月10日(水) 曇りのち晴れ
朝食は和食「櫻」の和定食をいただき、8時出発。
車に乗るとガイドのSさんが、最初に明の十三陵へ行くという。予定表では午前は居庸関と八達嶺のはずだったが、Sさんの判断を尊重しようと思い異議は唱えなかった。Sさんがそうした理由はあとでわかった。
車窓から見える街並みが古い雰囲気を感じさせ、どこかなと思ったら恭王府の看板が見えた。右に見えるのは…という解説をしてくれるとうれしいのだが、Sさんは質問に答える以外は運転手の郭さんとおしゃべりばかりだった。
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十三陵のうち我々が行ったのは定陵。入り口には中国人の団体さんがたくさんいて、団体ごとに赤、白、黄などの帽子をかぶっている。服装はあか抜けず、地方の農村から来た人たちだろう。
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定陵は明朝も終わりに近い第14代神宗万暦帝の墓だ。深さ27mの地下に降りると人も少なくなり、大理石づくりの地下鉄のような空間に皇帝と2人の妻の棺が静かに安置されていた。
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神路に移動すると、今度は欧州系観光客ばかり歩いている。
800mの参道は両側の柳の緑が濃く、気持ちのいい空間だ。両側の石像は大臣や将軍、そして麒麟、ラクダ、象、獅子などが並び、なかなか楽しい。参道というより散歩道といった風情だった。 -
再び車に戻ったところでSさんが言った。「昼食まで時間があいたから玉(ぎょく)の店へ行きましょう」。
玉に興味はないし時間は貴重なので断ったら、11時に昼食になると言う。それでは早すぎるので先に居庸関へ行こうと提案すると、居庸関は帰り道だからだめだと言う。
やむをえず八達嶺へ先に行くことにしたが、ところがそれから十数分後、車が長城にさしかかるとそこにはなんと居庸関の文字が記されているではないか。
土産物屋へ連れて行くために勝手に予定を変更しただけでなく、こんな見え透いた嘘をつく。Sさんに対する不信感は決定的になった。 -
八達嶺に近づくと渋滞になったので、やはり登る前に昼食をとることにした。
長城脚下的公社の中華料理レストランはジャスミン茶が58元もしたことからするとかなり高い店のようだ。サービスはちゃんとしているし、中国的でないオシャレな店が好きな人には向いているだろうが、田舎の村然とした周囲の環境とは釣り合わなく思えた。 -
いよいよ八達嶺に登る。ロープウェイの入り口でSさんからチケットを渡され、30分後に下りてきてくださいと言われたが、もう彼女に振り回されず自分たちのペースで動くことに腹は固まっている。
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ロープウェイはかなりの高低差を上り、北七楼近くに我々を運んでくれた。
青空の下、目の前に長城が山の稜線を折れ曲がりながら続いている。明代に煉瓦で改修された八達嶺は城壁の高さ8m、幅6mもあり強固そのものだ。
こんなすごいものを高い山の上に延々と築くとは…。言葉が出ない。 -
体力に自信がない我々としては、最も高い北八楼への往復のみにする。
国慶節は終わったとはいえ、人がいっぱいだ。中国人と韓国人が多い感じだ。急な勾配を若者はにぎやかにすいすいと、お年寄りや幼児はゆっくりと進む。我々も手すりにつかまりながらゆっくり登る。
好天に恵まれ、僕は上着を脱ぎ、妻はスカーフで日よけしている。ようやく北八楼にたどり着き、山頂に登った登山者のような気分で万里の長城を目に焼きつけ、帰途についた。 -
車に戻ったのは入場から1時間後くらいだった。Sさん、ご立腹らしくまったく無言だった。居庸関をざっと見て市内に戻る。
今日は期待の足つぼマッサージがある。2人用の部屋に通され、薬液に足を浸している間に肩をもんでくれる。僕の担当は女性だが力は強く、効く。それから足指、足裏を重点に、最後はすね、腿までマッサージしてくれる。
昨日の景山、今日の八達嶺と酷使した足に、時々痛さで顔がゆがむほどの刺激が心地よく、1時間はあっという間だった。 -
夕食の梅府家宴は、四合院造りの邸宅を改装した隠れ家レストランの上海料理というふれこみだ。
輪タクが集まっている胡同(フートン)の中を車は進み、車を降りてからさらに細い路地を行く。夕暮れの胡同は、京都や金沢の古くからの通りに共通する雰囲気を感じさせてくれる。
落ち着いた雰囲気の屋敷に入り、奥まった部屋に通された。客は我々だけ。窓の外は中庭だ。これが四合院か。 -
料理は海老とナッツの炒め物や白身魚の揚げ物など、それに野菜が多く、我々の口には合っている。北京ビールもなかなかいける。
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妻が給仕の女性にハオチー(おいしい)と言うと、笑ってハオチーと直される。僕のシエシエは第4声と軽声を意識して言えて、ほめてもらえた(みたいだった)。いくつになってもほめられるとうれしい。
この日は夕食が早かったので、ホテルに戻ってから元の現金照合をした。それから、ガイドのSさんについて話し合い、交代を申し入れることを決めた。
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