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さて、ウィーンである。<br />そもそも、なぜに今回ウィーンかと言えば、わが配偶者が、<br /><br />「本場のコンサートとオペラを、正装で見に行きたいわ」<br /><br />という、もう「おばさんミーハー丸出し・そこらでやめとけ風の願望」があって、路線決定となったのである。<br />が、鯨が指令を受け、ヒコーキのキップなど手配し、その後に調べてみると。<br />7〜8月のウィーンというのは、国立オペラ劇場をはじめ、ほとんどの劇場が<br /><br />「夏休みにつき休演中」<br /><br />なのである。この時期、街での音といえば、車のクラクションくらいなのである。<br /><br />配偶者の「コンサートとオペラ」は、初手からつまづくのであった。<br /><br />「日程を決める前に調べておけよ。もうキップの手配終わってるのに」<br /><br />「慌ててヒコーキ予約するからよ、もっとよく調べたかったのに」<br /><br />と、お互いに、見苦しく責任をなすりあう二人なのであった。<br />二人とも非常に頭が悪い、と、いっていいかもしれない。<br /><br />さて、ウィーンは二泊、滞在の予定である。<br />が、到着の一日目は、飲み屋さんで消費。<br />三日目の午前中に出発するので、実質まるまる使えるのは、二日目だけだ。<br /><br />その二日目を、今回、鯨は配偶者にまかせた。<br />二日目は全部あげるから、好きに組んでいいよ、とゆったのである。<br /><br />彼女は事前に「音楽のたぐい、全部休み」が判明して後、落胆と反省で、3キロほど太ってしまった(たぶん関係ないと思う)が、それでも日本で下調べして、しぶとく二日目の予定を組んだ。<br /><br />それによると。<br /><br />まず、王宮に行き「シシーの部屋」なるものを見学(有名らしい)。<br />次に、美術史博物館を見学の後、そこのカフェでお茶(有名らしい)。<br />午後、シェーンブルン宮殿に移動、見学、その後同地にて「夏限定・観光客向けのミニコンサート」を鑑賞。<br />(⇒世界中から駆け付ける鯨のようなイナカモノ・かつ・そそっかしい観光客を慰める目的で開催されるコンサートらしい)<br />・・・という日程である。<br />まるで、この日だけ、<br /><br />「夏のウィーン・ミーハー貫徹一日ツアー・76ユーロ・ポロリもあるよ」<br /><br />みたいに、団体ツアー風のテンコ盛りなのであった(ちなみに、最後のポロリに意味はない)。<br />王宮も、美術博物館も、シェーンブルン宮殿も、マジメに見たら半日かかるくらいの規模なのである。<br />

それだけは、キミにゆわれたくない

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2008/07/30 - 2008/07/30

2304位(同エリア6069件中)

鯨の味噌汁

鯨の味噌汁さん

さて、ウィーンである。
そもそも、なぜに今回ウィーンかと言えば、わが配偶者が、

「本場のコンサートとオペラを、正装で見に行きたいわ」

という、もう「おばさんミーハー丸出し・そこらでやめとけ風の願望」があって、路線決定となったのである。
が、鯨が指令を受け、ヒコーキのキップなど手配し、その後に調べてみると。
7〜8月のウィーンというのは、国立オペラ劇場をはじめ、ほとんどの劇場が

「夏休みにつき休演中」

なのである。この時期、街での音といえば、車のクラクションくらいなのである。

配偶者の「コンサートとオペラ」は、初手からつまづくのであった。

「日程を決める前に調べておけよ。もうキップの手配終わってるのに」

「慌ててヒコーキ予約するからよ、もっとよく調べたかったのに」

と、お互いに、見苦しく責任をなすりあう二人なのであった。
二人とも非常に頭が悪い、と、いっていいかもしれない。

さて、ウィーンは二泊、滞在の予定である。
が、到着の一日目は、飲み屋さんで消費。
三日目の午前中に出発するので、実質まるまる使えるのは、二日目だけだ。

その二日目を、今回、鯨は配偶者にまかせた。
二日目は全部あげるから、好きに組んでいいよ、とゆったのである。

彼女は事前に「音楽のたぐい、全部休み」が判明して後、落胆と反省で、3キロほど太ってしまった(たぶん関係ないと思う)が、それでも日本で下調べして、しぶとく二日目の予定を組んだ。

それによると。

まず、王宮に行き「シシーの部屋」なるものを見学(有名らしい)。
次に、美術史博物館を見学の後、そこのカフェでお茶(有名らしい)。
午後、シェーンブルン宮殿に移動、見学、その後同地にて「夏限定・観光客向けのミニコンサート」を鑑賞。
(⇒世界中から駆け付ける鯨のようなイナカモノ・かつ・そそっかしい観光客を慰める目的で開催されるコンサートらしい)
・・・という日程である。
まるで、この日だけ、

「夏のウィーン・ミーハー貫徹一日ツアー・76ユーロ・ポロリもあるよ」

みたいに、団体ツアー風のテンコ盛りなのであった(ちなみに、最後のポロリに意味はない)。
王宮も、美術博物館も、シェーンブルン宮殿も、マジメに見たら半日かかるくらいの規模なのである。

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  • じっさい。<br />鯨は、2つめの美術博物館で、もうおなかいっぱいなり、かつ、足にきてしまった。<br />美術館では、知ったかぶりをしなくてはいけないので、いちいち深くうなずかなくてはならず、クビなんぞも痛い。<br />おまけに、当地は本日快晴、気温30度近くである。<br />ウィーンなのに、道の向こうに陽炎が立つような陽気である。<br /><br />ふたつめが終わったところで、鯨は宣言した。<br /><br />「おパンツの洗濯をしなくてはいけないので、一回ホテルに戻る」<br /><br />すると配偶者も、夕方のコンサートの着替えをしたい、という。<br /><br />というわけで、観光客のくせに、ホテルに戻ってヒルネをしてしまう。<br /><br />で、午後3時すぎに、ふと目が覚める。<br />配偶者は文庫本を読みながらウトウトしている。<br />鯨だけ起きて、ロビーにあるカフェに行った。<br /><br />若いおねえちゃんが、制服で近寄ってくる。<br />たぶん、わしの娘くらいのトシである。<br />鯨は、おもおもしく注文した。<br /><br />「アイスコーヒー」<br /><br />「・・・?」<br /><br />おねえちゃんは、大きな瞳で、まじまじと、鯨を見つめるだけである。<br />つまり、アイスコーヒーが通じないんである。<br />このホテルは、英語は通じるんだけどなぁ、と思いながら、<br /><br />「ええっと、アイス・アンド・コーヒー」<br /><br />「?」<br /><br />鯨は、こう見えても外資系に3年いたこともあり(これは本当)、英語にはいささか覚えがあるので(ひどいウソ)、いろいろと考え、試みる。<br /><br />「コールド・コーヒー」<br /><br />ね。外資系に3年って、スゴイのである。<br />でもダメ。<br />おねえさんは、絶望的に首をすくめるだけだ。<br /><br />「コーヒー・ウィズ・アイス」<br /><br />これもダメ。<br /><br />「コーヒー・ノット・ホット」<br /><br />ぜんぜんダメ。<br /><br />「レイコー」<br /><br />そもそもダメ。(⇒あとで考えたら、関西方言だった)<br />おねえさんが、泣きそうな顔なったので、鯨はついに妥協して、<br /><br />「・・・オレンジジュース」<br /><br />さびしくいった。<br />おねえさんは、杉田玄白みたく顔を輝かせ、オレンジジュース、と繰り返し、うなずくのだった。<br /><br />と、配偶者がフラフラとロビーに降りてきた。<br />夜のコンサート用に、着替えたらしい。<br />鯨のオレンジジュースを見て、<br /><br />「めずらしいわね。あなたがオレンジジュースだなんて」<br /><br />「アイスコーヒーが通じないんだぜ、このホテル」<br /><br />すると、配偶者は「ふん」と鼻を鳴らし、<br /><br />「ウィーンって、アイスコーヒーないのよ」<br /><br />といいつつ、ガイドブックをめくってみせた。<br /><br />なるほど「アイスコーヒーはウィーンの文化にない」と書いてある。<br />「店によってはあるが、日本のアイスコーヒーとはほど遠く・・・」<br />などということも、書いてある。<br /><br />「へー、知らんかった、そうなんだー」<br /><br />とわしが言うと、配偶者は、<br /><br />「それくらいのこと、事前に調べておきなさいよ」<br /><br />と、ふふふ、と笑いながらいうのであった。<br /><br />・・・そ、それだけはね。<br />キミにね。ゆわれたくないんだけどね。<br /><br />と、鯨はココロに思ったのであった。

    じっさい。
    鯨は、2つめの美術博物館で、もうおなかいっぱいなり、かつ、足にきてしまった。
    美術館では、知ったかぶりをしなくてはいけないので、いちいち深くうなずかなくてはならず、クビなんぞも痛い。
    おまけに、当地は本日快晴、気温30度近くである。
    ウィーンなのに、道の向こうに陽炎が立つような陽気である。

    ふたつめが終わったところで、鯨は宣言した。

    「おパンツの洗濯をしなくてはいけないので、一回ホテルに戻る」

    すると配偶者も、夕方のコンサートの着替えをしたい、という。

    というわけで、観光客のくせに、ホテルに戻ってヒルネをしてしまう。

    で、午後3時すぎに、ふと目が覚める。
    配偶者は文庫本を読みながらウトウトしている。
    鯨だけ起きて、ロビーにあるカフェに行った。

    若いおねえちゃんが、制服で近寄ってくる。
    たぶん、わしの娘くらいのトシである。
    鯨は、おもおもしく注文した。

    「アイスコーヒー」

    「・・・?」

    おねえちゃんは、大きな瞳で、まじまじと、鯨を見つめるだけである。
    つまり、アイスコーヒーが通じないんである。
    このホテルは、英語は通じるんだけどなぁ、と思いながら、

    「ええっと、アイス・アンド・コーヒー」

    「?」

    鯨は、こう見えても外資系に3年いたこともあり(これは本当)、英語にはいささか覚えがあるので(ひどいウソ)、いろいろと考え、試みる。

    「コールド・コーヒー」

    ね。外資系に3年って、スゴイのである。
    でもダメ。
    おねえさんは、絶望的に首をすくめるだけだ。

    「コーヒー・ウィズ・アイス」

    これもダメ。

    「コーヒー・ノット・ホット」

    ぜんぜんダメ。

    「レイコー」

    そもそもダメ。(⇒あとで考えたら、関西方言だった)
    おねえさんが、泣きそうな顔なったので、鯨はついに妥協して、

    「・・・オレンジジュース」

    さびしくいった。
    おねえさんは、杉田玄白みたく顔を輝かせ、オレンジジュース、と繰り返し、うなずくのだった。

    と、配偶者がフラフラとロビーに降りてきた。
    夜のコンサート用に、着替えたらしい。
    鯨のオレンジジュースを見て、

    「めずらしいわね。あなたがオレンジジュースだなんて」

    「アイスコーヒーが通じないんだぜ、このホテル」

    すると、配偶者は「ふん」と鼻を鳴らし、

    「ウィーンって、アイスコーヒーないのよ」

    といいつつ、ガイドブックをめくってみせた。

    なるほど「アイスコーヒーはウィーンの文化にない」と書いてある。
    「店によってはあるが、日本のアイスコーヒーとはほど遠く・・・」
    などということも、書いてある。

    「へー、知らんかった、そうなんだー」

    とわしが言うと、配偶者は、

    「それくらいのこと、事前に調べておきなさいよ」

    と、ふふふ、と笑いながらいうのであった。

    ・・・そ、それだけはね。
    キミにね。ゆわれたくないんだけどね。

    と、鯨はココロに思ったのであった。

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この旅行記へのコメント (2)

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  • picotabiさん 2021/09/09 05:32:07
    はじめまして
    鯨の味噌汁さん。おはようございます。
    目覚めに布団に入ったまま読んでましたがレイコーで吹き出してしまい、完全に目が覚めてしまいました。

    少し前から記事が面白くてWillyさんも書かれてましたが一字一句噛み締めるように読んでいました。配偶者様との仲良しさも伝わって楽しいです。いい目覚めになりました。またお邪魔させていただきます^^

    鯨の味噌汁

    鯨の味噌汁さん からの返信 2021/09/09 10:06:11
    レイコーはベタベタの大阪弁でした。
    pikotabiさん

    こちらこそはじめまして。お手紙ありがとうございます。旅に出てないので滅多に更新かかりませんが…

    この旅、2008年てもう13年前ですねぇ。写真見返すとかーちゃん若いなー。ワシは毛がないんであんまし変わらん。

    目覚まし代わりになる、新しい活用方法です。在宅勤務のお供にどうぞ。これからも遊びに来てくださいね。

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