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さて、旅の三日目。<br /><br />前夜、ウィーンで「全世界おのぼりさん御用達コンサート」を鑑賞した翌朝、路面電車でウィーン南駅へ移動。<br />とりあえず、プラハの途中にあるブルノという町までのキップを買う。<br />ブルノはチェコ第二の都市であり、地方へのバス便が発達している。<br />であるからして、ブルノ駅に降り、時刻表を確認し、次の予定を組むことにする。<br /><br />ウィーン南駅9:00発の国際特急。13両、食堂車も連結した、堂々たる編成だ。<br />が、途中事故があったらしく、特急のくせに各駅停車なみのスピードでトロトロ走っている。<br />ブルノに到着すると、すでに正午だった。<br />駅を降りて、最初に教会の尖塔が目に入った。よさげな感じである。<br />人口は多いが、旧市街は小さくまとまって、上品だ。<br />駅に接したバスターミナルで、次の目的地を調べるうち、<br /><br />「ここに一泊してもいいではないか」<br /><br />と思ってしまう。<br />で、結局そのまま宿を決めてしまった。なんていい加減な。<br />

チェコのブルノでフラフラと下車する

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2008/07/31 - 2008/07/31

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鯨の味噌汁

鯨の味噌汁さん

さて、旅の三日目。

前夜、ウィーンで「全世界おのぼりさん御用達コンサート」を鑑賞した翌朝、路面電車でウィーン南駅へ移動。
とりあえず、プラハの途中にあるブルノという町までのキップを買う。
ブルノはチェコ第二の都市であり、地方へのバス便が発達している。
であるからして、ブルノ駅に降り、時刻表を確認し、次の予定を組むことにする。

ウィーン南駅9:00発の国際特急。13両、食堂車も連結した、堂々たる編成だ。
が、途中事故があったらしく、特急のくせに各駅停車なみのスピードでトロトロ走っている。
ブルノに到着すると、すでに正午だった。
駅を降りて、最初に教会の尖塔が目に入った。よさげな感じである。
人口は多いが、旧市街は小さくまとまって、上品だ。
駅に接したバスターミナルで、次の目的地を調べるうち、

「ここに一泊してもいいではないか」

と思ってしまう。
で、結局そのまま宿を決めてしまった。なんていい加減な。

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  • チェコは、ビールの国だという。<br />「ビールを飲まないヒトは入国を拒否される」<br />「入国審査の係官がビールを片手にチェックしている」<br />「水道はビールが出てくる」<br />などとガイドブックには書いており(全部ウソだが)、いやがうえにもビールを飲まねば、と思ってしまう。<br /><br />というわけで、街の見物もそこそこに、旧市街の真ん中にある広場のカフェで、昼間っからビールを飲んでしまう。<br />念のため言うと、そういうヤカラは鯨だけではない。<br />バカンスの季節であるから、地元の方々も、こぞってビールを飲んでいらっしゃる。<br /><br />乾いた空気で、日差しは強い。かつ、当然のように地ビールなので、やたらとうまい。<br />どのくらいうまいかというと、勃起屹立、即発射可、というくらいのうまさである。(よくわからない)<br />「ビールうまいぞよさこい踊り」でも踊りたいくらいだ。(これもよくわからない)<br />たちまちグルグルにまわってしまう。(好きなくせに弱い)<br /><br />で、結局、またもホテルに戻ってヒルネをしてしまった。<br />中欧を旅しているのだが、連日のシエスタとなってしまう。<br />お天道様にまこと申し訳ない。

    チェコは、ビールの国だという。
    「ビールを飲まないヒトは入国を拒否される」
    「入国審査の係官がビールを片手にチェックしている」
    「水道はビールが出てくる」
    などとガイドブックには書いており(全部ウソだが)、いやがうえにもビールを飲まねば、と思ってしまう。

    というわけで、街の見物もそこそこに、旧市街の真ん中にある広場のカフェで、昼間っからビールを飲んでしまう。
    念のため言うと、そういうヤカラは鯨だけではない。
    バカンスの季節であるから、地元の方々も、こぞってビールを飲んでいらっしゃる。

    乾いた空気で、日差しは強い。かつ、当然のように地ビールなので、やたらとうまい。
    どのくらいうまいかというと、勃起屹立、即発射可、というくらいのうまさである。(よくわからない)
    「ビールうまいぞよさこい踊り」でも踊りたいくらいだ。(これもよくわからない)
    たちまちグルグルにまわってしまう。(好きなくせに弱い)

    で、結局、またもホテルに戻ってヒルネをしてしまった。
    中欧を旅しているのだが、連日のシエスタとなってしまう。
    お天道様にまこと申し訳ない。

  • 暗くなってから目がさめ、またもその店に行き、ビールを飲んでしまう。<br />と、隣で静かに飲んでいた50歳位のチェコ人のおじさんが、ふと、こちらを向いて話しかけてきた。<br /><br />「中国人か、日本人か」<br /><br />「日本人だ」<br /><br />「何でこの街に来たのか」<br /><br />「斉藤寝具(サイト・シング)」<br /><br />「日本人なんて来ないぞ。みんな素通りしていく」<br /><br />「町がきれいだから」<br /><br />おじさんは、いたく喜んだ。<br />なぜか隣の席から移動してきて、乾杯してしまう。<br /><br />「おれはこの街で、日本人にカラテを習っている」<br /><br />げげげ。相手をさせられては堪らん。<br /><br />「残念ながら、私はスモウ・レスラーである。空手は知らない」<br /><br />めちゃめちゃな理由で逃げをうつ。<br /><br />「おお。スモウも素晴らしい。ウワテナゲ。オオソトガリ。ハライゴシ」<br /><br />ちょっとまて、上手投げしか正解じゃないぞ。柔道と混同しとるぞおじさん。<br /><br />「日本人はどれくらいバカンスを取るんだ」<br /><br />「1週間」<br /><br />「なんてこったい。チェコ人は8週間だ。日本人は虫みたいに働くんだな」<br /><br />「かたじけない」<br /><br />おじさんはそれから、聞きもしないのに、自分のことを延々としゃべった。<br /><br />「若いころ、アメリカにいたんだ。<br />カリフォルニアに家を買った。<br />でも、おふくろがトシ取ったから、こっちに戻ってきたんだ」<br /><br />そう言いながら、名刺をくれた。<br />世界的な生命保険会社の、シニアディレクターだった。<br />こっぱげで、小柄なオヤヂなのだが、エリートなのである。<br />親の面倒をみるため、故郷に戻ってくる、なんて、そのまま日本でもある話だ。<br />アメリカが東京、そしてチェコが新潟、と思えば、どこも事情はいっしょだ。<br />変われば変わるほどいよいよ同じ、というコトバが浮かんだが、残念ながら英訳できない。<br /><br />おじさんは、若いころ猛勉強して、アメリカに留学したんだろう。<br />そして、かの地で働き、家庭を持ち、家を買ったのだ。<br />チェコが民主化したころ、最初に国外に出て行った世代かもしれない。<br /><br />このエリートのおじさんとは、握手して別れた。<br />

    暗くなってから目がさめ、またもその店に行き、ビールを飲んでしまう。
    と、隣で静かに飲んでいた50歳位のチェコ人のおじさんが、ふと、こちらを向いて話しかけてきた。

    「中国人か、日本人か」

    「日本人だ」

    「何でこの街に来たのか」

    「斉藤寝具(サイト・シング)」

    「日本人なんて来ないぞ。みんな素通りしていく」

    「町がきれいだから」

    おじさんは、いたく喜んだ。
    なぜか隣の席から移動してきて、乾杯してしまう。

    「おれはこの街で、日本人にカラテを習っている」

    げげげ。相手をさせられては堪らん。

    「残念ながら、私はスモウ・レスラーである。空手は知らない」

    めちゃめちゃな理由で逃げをうつ。

    「おお。スモウも素晴らしい。ウワテナゲ。オオソトガリ。ハライゴシ」

    ちょっとまて、上手投げしか正解じゃないぞ。柔道と混同しとるぞおじさん。

    「日本人はどれくらいバカンスを取るんだ」

    「1週間」

    「なんてこったい。チェコ人は8週間だ。日本人は虫みたいに働くんだな」

    「かたじけない」

    おじさんはそれから、聞きもしないのに、自分のことを延々としゃべった。

    「若いころ、アメリカにいたんだ。
    カリフォルニアに家を買った。
    でも、おふくろがトシ取ったから、こっちに戻ってきたんだ」

    そう言いながら、名刺をくれた。
    世界的な生命保険会社の、シニアディレクターだった。
    こっぱげで、小柄なオヤヂなのだが、エリートなのである。
    親の面倒をみるため、故郷に戻ってくる、なんて、そのまま日本でもある話だ。
    アメリカが東京、そしてチェコが新潟、と思えば、どこも事情はいっしょだ。
    変われば変わるほどいよいよ同じ、というコトバが浮かんだが、残念ながら英訳できない。

    おじさんは、若いころ猛勉強して、アメリカに留学したんだろう。
    そして、かの地で働き、家庭を持ち、家を買ったのだ。
    チェコが民主化したころ、最初に国外に出て行った世代かもしれない。

    このエリートのおじさんとは、握手して別れた。

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この旅行記へのコメント (2)

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  • しょうちゃんさん 2009/05/29 22:17:49
    ブルン
    またまた、楽しく旅行記拝見。本になりますよ。ブルン(ドイツ語読み)にはメンデルの法則のメンデルの名を関した大学(Mendel University of Agriculture and Forestry)があります。この大学で開催されたConferenceに参加したとき、Conference 終了後、アメリカ人のなかに昔祖父がすんでいた町を訪れる人や、祖父の兄弟に会いにいく人がいました。そういえば、エルビス・プレスリー(ハンガリー系)の両親も、戦後の混乱期にアメリカにわたったとか。1,961年生まれの奥様は美人ですね。アラブに行って、こう言うのはタブーですけど。なお、ハイランドの牛は一匹いましたね。エディンバラのお店は、マッスル・インでは?補足:自費留学していたときは、夜行列車をよく利用しました。赤羽トンネルの住民より

    鯨の味噌汁

    鯨の味噌汁さん からの返信 2009/05/31 07:31:32
    RE: ブルン
    おはようございます。ご訪問ありがとうございます。

    ブルンはメンデルの出生地、確かにそうでした。
    あまり観光施設なんてのはありませんでしたが・・・
    どちらかというと堅実な地方都市、という空気でした。

    エジンバラのレストランはマッスル・イン、正解です。
    あとで見たら、ガイドブックにもちゃんと載っていました。

    配偶者の写真は、厳選して載せています。(殴られるので)

鯨の味噌汁さんのトラベラーページ

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