男兄弟2人旅のベトナム縦断の途中でシェムリアップに立ち寄り、アンコール遺跡を巡る。（１）空路シェムリアップに入りアンコールビレッジに滞在する。

2002/05/10 - 2002/05/16

ベトナム縦断旅行の途中、ホーチミンから北への移動前にアンコールワットとその周辺を１週間程観光しました。ホテルは小規模なアンコールヴィレッジにしましたが、ここは古き良きフランス統治時代のカンボジアが感じられて最高のホテルでした。日中のプールは貸切だし、部屋は池の上に建つコテージで、スタッフもみんな笑顔が優しく親切でした。ホテルのエクスカーションは高い値段設定なので、オールドマーケットの先の小さな旅行社で車をチャーターしました。それと細かい移動は仲良くなったバイクタクシーを駆使していました。トンレサップ湖にもトゥクトゥクで行きましたが、乾季だったのかかなり手前で下されました。トゥクトゥクからバイクを外して、もう一台のバイクと物凄いダート（ぬかるみのわだちの跡が乾燥した）を３０分は走りました。途中の左手には延々と蓮畑が続き極楽浄土のような美しさでした。ただそこの周辺に住む人々の暮らしは決して楽なようには見えませんでした。

エリア シェムリアップ(カンボジア)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 5.0
• グルメ: 4.5
• ショッピング: 4.5
• 交通: 4.0

• 同行者: 家族旅行
• 一人あたり費用: 5万円 - 10万円
• 交通手段: 船 タクシー
• 航空会社: ベトナム航空
• 旅行の手配内容: 個別手配

ホーチミンを出て緑の山を越えると乾燥した台地が続きます。こんなに景色が変わるとは思いませんでした。ほとんど山のないカンボジアは低い山でも聖なるものとみなされます。

アンコール周辺では緑が続いています。良く見ると木々の間に遺跡が見え隠れします。着陸前にこんな景色が見えるとは思いませんでした。

アンコールトムです。いきなり見えてくるので興奮します。機内でアナウンスでもしてくれれば良いのにと思います。

空港のターミナル小屋を出るとゲストハウスの看板を掲げたお兄ちゃんが10人ほど並んでいました。その横に民族衣装を着た奇麗な女の子が立っていました。手にはホテルの名前と私の名前が書かれたボードを持っています。おお、掃き溜めに鶴とはこのこと。歩み寄るとお兄ちゃんが寄ってくるけど払いのけ、クーラーの効いた車に乗り込みます。

この旅の後に妻とシェムリアップは再訪していますが、観光地化が更に進んで、フランス統治時代の瀟洒な建物の雰囲気は看板で隠されてしまいました。

アンコール・ヴィレッジホテルにチェックインします。今日はゆっくりして観光は明日からです。ホテルのエクスカーションの内容と料金を見せてもらうが、かなりいい値段なので街中へ行ってみることにします。

どこもオープンエアーで手入れも行き届いてとても気持ちいいです。女の子が蓮の花が開かないように上手に飾っていました。蕾はそのままだと翌朝には開いてしまうそうです。

池を取り囲むヴィラの建物の一番奥にプールがありました。シェムリアップでは日中の一番暑い時は観光はしないようですが、滞在中プールで人を見かけませんでした。係員はいないのですが、黒電話が置かれていて好きな物を持ってきてもらえます。ビール大瓶１本２ドルだったと記憶しています。贅沢な気分の毎日でした。

日が陰り始めるとレストランのライトアップが美しかったです。

ロビーの奥にアンティークショップがあり、店の女の子と仲良くなったらみんな20％オフにしてくれました。同じような銀製品やビンロウを入れる木製の御櫃なんかは市場でも同じような物は売っていますが、全くクオリティの違うものでした。次に行ったときはこのお店は無くなっていました。この時にアンティークの銀製品とか買っておいてよかったです。プノンペンでも昔の良い物は見掛けません。

夜は別棟の劇場でアプサラダンスショーがあります。ディナーとセットになっています。町中にも団体の観光客にショーを見せるレストランがありますが、このホテルの劇場は伝統家屋の造りで、団体さんもいないのでお勧めです。料理もおいしいし、値段も手ごろです。

ラーマヤーナ叙事詩がベースになっています。顔のたくさんあるのはランカの悪魔のナーヴァラで、シータ姫をさらう場面です。

その後ラーマ王子や猿のハヌマーンの活躍でシータ姫は助けられます。

その後はココナッツの殻をコミカルにたたくココナツダンスなど、カンボジアの農村に由来する演目がいくつかあります。

最後は大団円でショーは終わります。料理もおいしくて、ショーの質も高いので妻と再訪した際もこのホテルに10日ほど滞在して遺跡の見学をしました。

ホテルを一歩出ると全く違う世界です。ホテルで飲むビール１本で家族全員で食事が出来る世界です。夜になると真っ暗ですが、危険な感じはありませんでした。

翌朝は地元の旅行会社で車をチャーターして、チケットを買い何とか間に合った夜明けのアンコールワットです。

空が茜色に染まってくるとシルエットが浮かび上がります。

観光客はたくさんいましたが、広大な敷地なのでみんな思い思いの場所で夜明けを眺めています。

こちらではいつもと同じ朝の時間が過ぎていきます。現在は牛などは入ってはいけないのかこんな風景も見なくなりました。

反時計回りにアンコールワットの周囲を廻ってみます。

反対側にはまだ誰もいません。

祇園精舎に行ってみたいと言っていた亡くなった祖母を偲んで、母に書いてもらった般若経を中央の尖塔の西側の仏さまの下に納めてきました。カンボジア語は分からないけれど、仏さまの御守のおじいさんにお経を見せたら意味が分かったらしく頷きながら納めてくれました。

迷路のような中にデバダーの美しい微笑みが続き、不思議な気分になります。

砂岩に施された緻密なレリーフです。

全てのデバダーのほほ笑みは微妙に違い同じ物はありませんが、衣装や髪型はすぐに分かるほど違いがあります。

男の人の顔もあります。

天井には色鮮やかに朱の色が残っています。全体に彩色されていたとしたらどんなに美しかったのでしょう。往時が偲ばれます。

乳海攪拌のレリーフです。延々と何十メートルも続きます。誰にも邪魔されずに集中して見学できました。

石に掘られたレリーフなのに実写の映画を見ているような躍動感があります。

ナーガ（蛇）を引っ張っています。

見ているこちらも力が入ってきます。

反対側へも引っ張ります。

応援しているのはハヌマーンのようです。

戦争の場面では象の姿も見えます。この当時の最大の戦闘能力を持った兵器だったのだと分かります。

振り返ると誰もいません。こんなに広い所に誰もいないと、一人占めしているより心細くなります。この当時は今ほど観光客がいなかったので情緒が感じられました。

誰かを待っていても当分来そうもないので先に進みます。沢山の猿が戦っています。

こちらも彩色が美しく残っています。

こちらは黒光りしています。

トンレサップ湖に住んでいる動物たちの姿も見えます。

細かい盾の造りまでが手に取るように分かります。

造られた時代的な背景もあるのか、戦いの場面が多かったです。

おじいさんに連れられた孫でしょうか?全身黒づくめの民族衣装がカッコイイです。

絵になりますね。

アンコールにはタイから来たお坊さんがたくさん見掛けました。思い思いに祠堂を眺めています。

夕方になってプノン・バケンの丘に登りました。人も多くて疲れましたが景色は雄大です。山頂でピースボートで世界一周の旅している方々を見かけました。元気なお年寄りと手伝いをして安い料金で乗船している疲れた学生さんが対照的でした。