2008/09/26 - 2008/10/03
102位(同エリア408件中)
風神さん
ボロブドゥール遺跡のレリーフの紹介です。
ボロブドゥールのレリーフは、方形六層の回廊の内側(建物側=ラマ教・仏教では参拝等で建物を巡る時は必ず右回りすることになっているので進行方向右側に当たる)にある主壁と、外側欄楯(らんじゅん)に合計2672枚はめ込まれています。重要なレリーフのほとんどは主壁にあります。
テーマの中心は仏陀で、前世や生涯を中心に様々な物語が描かれています。
出典は主に4つの仏教経典「分別善悪応報経」「方広大壮厳経」「本生譚・譬喩経」「華厳経入法界品」です。
この旅行記では、可能なものは実際のレリーフをわかりやすく描き直したイラストと対照させました。傷みが酷く、実際のレリーフではほとんど判別できないものや、撮影できなかったレリーフではイラストだけのアップになっています。
表紙のレリーフは難破した商人の船です。
仏陀の前世はウミガメとされ、難破した船の商人を助けたばかりでなく、自らの身体を与えて、商人たちの飢えを救った、と言う話です。画面左に溺れている商人が描かれています。
仏陀の前世と言う点で注目されるレリーフです。
*****離島民さんのボロブの旅行記には、ブッダの前世であるウミガメのレリーフが綺麗に写っています。
http://4travel.jp/traveler/leidoumanhk/album/10222928/
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マヤ夫人(右)は昨夜の不思議な夢・・・白い象が天から降りてきて自分の腹に入る・・・を王(左)に話す。(周囲の人に話す、と記述されている資料もある)
ボロブドゥール第1回廊主壁上段120面のレリーフには、方広大荘厳経をもとに、ブッダがこの世に産まれ、悟りを開き、はじめて説法を行うところまでが描かれている。
BC563、シャカ族のスドダナ王とマヤ夫人のあいだにできた子供がシッダルタ王子、後のブッダ(釈尊)である。 -
マヤ夫人の霊夢・・・白い象が天から舞い降り、マヤ夫人の腹に入る。
画面左上隅が白い象、上段右がマヤ夫人。 -
マヤ夫人の部分拡大。
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城でのマヤ夫人の生活。
多くの待女が仕えている。 -
当時のインドの慣習に従い、出産のため馬車で故郷に向かうマヤ夫人。
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一方、王(右)は預言者を呼び寄せ、預言者は「生まれてくる王子は後にこの世界で名を馳せる大王になるか、もしくは宇宙の支配者すなわちブッダになるであろう」と予言する。
王はその予言が心から離れず、そのあと、後のブッダであるシッダルタ王子が成長するにつれ、王子がブッダへの道を歩まず、自分を継いで大王となることを強く望む。
王子が世の苦しみを知って、ブッダへの道を歩まないようにと、外の世界と隔離しようとする。 -
マヤ夫人(シッダルダ王子の母)は故郷に帰り着く前に、ルンビニの森、無憂樹のもとで王子を産み落とす。
マヤ夫人はその7日後に亡くなってしまう。
(はじめからルンビニの森が目的地であったとする資料もある) -
生まれて間もなくシッダルタ王子は歩きはじめ、その足がついた所には7輪の蓮の花が咲く、という非常に有名な場面。
画面右、無憂樹の右がマヤ夫人。その右わき腹から王子は産まれたとされる。
画面やや左に歩く王子。 -
そのイラスト。
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同じレリーフ、シッダルタ王子部分の拡大撮影。
右腕の手首から先は失われている。 -
そのイラスト。実際のレリーフでは数えられないが、7輪の蓮の花が表現されている。
(このイラストは実際のレリーフにかなり近い) -
マヤ夫人が亡くなったため、王子はマヤ夫人の妹マハプラ・ジャパティを養母として育てられる。
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そのイラスト。
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ある日、王子は従者と共に城の東の門を出て、子供と老人に出会う。
画面左端が老人と子ども。 -
王子は別のある日、従者と共に城の南の門を出て、痩せ細った病人を見る。
写真のレリーフは左端に、痩せ細って蹲る病人が表現されている。 -
王子はまた別のある日、従者と共に西の城門を出て、死者を見る。
王子は老い、病気、死に出会い、人の運命を悟る。
さらに別の日、北の城門を出て僧に出会い、出家への気持ちが強くなる。
これが「四門出遊」と言われる逸話。
画面右よりが王子、左端に横たわる死者が見える。 -
前のレリーフの死者と遺族部分のイラスト。
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王は、王子が世の苦悩を知って出家しないよう城の中に止めようとする。
そのために沢山の美女を差し向けたり(イラスト)色々な現世的快楽を与えるが、王子は惑わされず、出家の決心は変わらない。 -
仏伝図では、王子はまだ城にいるうちに一度結婚したとされている。
レリーフはその際、王子の結婚を祝う白い象をいとこが殺してしまう場面。 -
寺を参拝し、僧の出迎えを受ける王子。
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そのイラスト。
左が王子、右が王。 -
王の努力もむなしく、王子(=若き仏陀)は馬に乗り、城を出て修行生活に入る。
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王子は馬を降り、従者を帰して、一人で修行に向かう。
左端の王子に日傘がさし掛けられている。
従者を帰すと言うことが、王家・城という庇護者や生活場所、そして王子という立場と最終的に決別する、極めて重要な転換点であることを示している。 -
剣で剃髪する仏陀。
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仙人アーラーラー(左)と5人のバラモン僧と出会う場面(部分)。右に一段高く仏陀が描かれている。
実際のレリーフでは、アーラーラーの後ろに5人のバラモン僧がかしずいている。
仏陀の頭部の周りに馬蹄形に表現されているのは後光と思われる。 -
5人のバラモン僧は仏陀に最高の敬意と畏怖の念をあらわす。
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仏陀と共に苦行を行う5人の弟子。
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厳しい断食修行で痩せ細った仏陀に、娘スジャータは乳粥のほどこしを差し出し、仏陀はそれを受け入れる。
仏陀は自らを傷め、周囲を拒絶するかのような過酷な苦行でも悟りが得られず、よりおおらかで周囲と共にある修行へと変化していく。
レリーフの中には死者の衣を自らがまとい僧衣とする場面もあり、このほどこしを受け入れる場面と共に、王子(仏陀)の修行上の大きな転換と、悟りへの接近を表現している。 -
仏陀と修行の方法などで意見が相容れなくなった5人の高弟は、後の再会の時まで仏陀のもとを離れる。
すでに4人の弟子は仏陀を見ていない。 -
修行途上の仏陀を惑わそうと悪魔が美女に化けて誘惑する。
ブッダは動じない。ブッダの頭部の周りに後光が描かれている。 -
このレリーフはストーリーとの関連不明。
非常に深い礼であることから、左端の人物に対して最高の敬意・畏怖を示していると推測される。 -
オリジナルでないのか、細部まで綺麗に残っているレリーフ。ストーリーとの関連は不明。
高貴な人物に傘が差し掛けられ、多くの従者が付き従っている。上部に4人の天人が浮遊している。 -
天界の仏陀と天使。
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表紙と同じレリーフ。
仏陀の前世ウミガメが、遭難船の商人を身を投げ出して助ける。 -
「分別善悪応報経」に基づく160面のレリーフの内「醜悪な顔」と呼ばれているもの。
生前の諸々の悪い行いの結果、死後に訪れることになる世界=地獄を表現している。 -
前の写真と一体を成すレリーフ。
このレリーフは、元の基壇にある160面のレリーフの内、東南の角、いわゆる「新しい基壇」にごく一部のみ露出しているもの。
その大部分は、ボロブ造営中に全体的崩壊防止のため(と推測されている)急遽作られた新しい基壇に覆われて今は見ることができない。
大規模修復工事の際、新しい基壇が一旦取り払われ撮影された写真が、遺跡公園内のミュージアムに展示されている。 -
半人半魚のキンナラキンナリ。
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幸福に暮らす楽園の動物たち。
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ストーリーと言うより、装飾性の強いレリーフ。
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動物が登場しイソップのような寓意を含んだ話のレリーフ。
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そのイラスト。
晴れているうちに屋根を作った猿は、雨が降り出せばその屋根の下で雨をしのぐことができる。
あらかじめ屋根を作らなかった猿は、雨が降り出せば濡れなければならない。
イソップで言えば、アリとキリギリスの話に相当するテーマか。 -
一つの身体にふたつの頭を持った鳥。
それぞれが勝手な主張をした結果、全体が飢えて死んでしまう。 -
ネズミにおだてられ首に鈴をつけたため、遠くから自分の居場所を教え、ネズミを食べられなくなったネコ。
イソップのカラスとキツネと同じ寓意。煽て(おだて)に乗るな!
このブログはここで終わりですが、
このレリーフはもう一度見に行きたいと思っています。
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