メルヘン街道の旅（２）～３つの街道が交差する町ミンデン

2008/05/23 - 2008/05/23

メルヘン街道の旅２日目は、ミンデンに立ち寄ってからハーメルンへ。

旅行の計画を立てた当初は、ブレーメンからまっすぐハーメルンへ向かおうと思っていましたが、道路地図でルートを調べているうちに、このルートの近辺にはほかにもいろいろな街道があることがわかりました。たとえば「ヴェーザールネッサンス街道（Strasse der Weserrenaissance）」「風車街道（Westfaelische Muehlenstrasse）」「木組みの家街道（Deutsche Fachwerkstrasse）」などなど。

この地方にはイタリア・ルネッサンスの流れを汲むヴェーザールネッサンス様式の建物がたくさん見られるらしく、また、ここを流れるヴェーザー川やミッテルラント運河沿いには風車がたくさんあるのだそう。そして、その川と運河が立体交差する"ヴァッサーシュトラーセンクロイツ（Wasserstrassenkreuz）" と呼ばれる珍しい場所もあるとのこと。どうやらこの地域には見るべきものがいろいろあるらしい。これは素通りするにはもったい。そういうわけで、悩んだ末、結局、メルヘン街道の町のひとつであり、ルート的に行きやすく、建物だけでなく、道中に風車や、川と運河の交差なども見ることのできるミンデンに立ち寄ることにしました。でも、旅は必ずしも思ったようにいくわけではないようで――。

エリア ドイツ

ブレーメンからミンデンへ向かう途中の風景。

ミンデンの町に到着。

←　駐車場のそばに立っていた、ヴェーザールネッサンス様式の豪奢なファサードをもつ建物。これはいったいなんの建物？と思ったら、「ＤＢ（ドイツ鉄道）」のプレートが。これ、駅舎なのか〜！

あとで知りましたが、これは1906年築で、かつてはプロイセン公国の地方政府機関の建物だったようです。

駅舎前の噴水。

銅像の人物はひどくうちひしがれている様子……。

早速、町の散策を開始。

まずは一番最初に目に入った大聖堂（Dom）へ（11世紀建造）。
これからイベントがあるのか、聖堂の前の広場では舞台の設営が行われていました。

大聖堂の入り口をくぐると、美しいフラワー･カーペットがありました。

大聖堂の主祭壇。

ステンドグラスがとても綺麗だったのに、写真では表現できず……。

側廊のステンドグラス。

なんともモダンなデザイン。教会のステンドグラスとしては、こういうのはちょっと珍しいかも。

ミンデンの歩行者天国、ベッカー通り（たぶん）。

平日の午前中でもけっこうな人通り。思っていたより大きな町だなぁ。

写真ではちょっとわかりづらいですが、正面のつきあたりにある白い建物は「ハゲマイヤー・ハウス（Haus Hagemeyer）」と呼ばれている家で、ファサードにはヴェーザールネッサンス様式の装飾が施されています。現在、内部はデパートになっています。
（建物をアップで撮るのを忘れた……）

この建物の装飾もなかなか凝っています。

これに見られるような?ウトルフト（張り出し窓）?は、ヴェーザールネッサンス様式の特徴なのだそう。

ここも内部は店舗になっていました。

マルクト広場にたつ、風格ある建物。ファサード上部の装飾がとくに目を引きます。

この建物は、かつて「レーヴェンアポテーケ Loewenapotheke (ライオン薬局)」という名の薬局だったそう。現在は眼鏡店になっていますが、ファサード左側に当時の名残りのライオン像が見られます。

わんこ、発見。なんだか眼差しが物寂しげ。

通りかかった不動産屋さんのウインドーを何気なく見てびっくり。

風車小屋が売りに出てる〜〜！！！

・住居付風車　レストラン店舗
・延床面積：１８０?
・敷地面積：２６００?
・売値：８５００００ユーロ

ってことは、１億３６００万円〜！

粉挽きの仕事を引退した風車は、こんなふうに再利用されているのか。いやー、知らなかった。

マルクト広場で最も目を引いた建物。

このファサードの装飾を見て、目が釘付けに。

すごすぎる！！！　こんなにすごい装飾は見たことない……。「これぞヴェーザールネッサンス様式建築だ！」という感じです。バルコニーはまるで舞台のよう。

これは "ヘルマン・シュミーディング・ハウス（Hermann Schmieding Haus）" と呼ばれている家で、現在、１階は寝具店になっています（上階は住居になっているようです）。ヘルマン・シュミーディングは、この家の初代主の名でしょうか。

それにしても、このような家に、今も人が普通に暮らしているなんて、ちょっと信じられない。

建物を見ながら歩き回っているうちにお昼になったので、ベーカリーで軽い昼食。ミンデンの旧市街には木組みの家が軒を連ねている一角もあるようですが、残念ながら今回はそこまで足をのばす時間がありませんでした。

昼食後、車をとりに駐車場へ戻り、次は風車を見るため、風車街道を少し走ってみることにしました。

道路地図によると、ミンデン西部のミッテルラント運河沿いに風車がたくさんあるようだったので、町から西へ延びる道を風車を求めて走りました。

でも、風車街道とはいえ、風車が連なっているわけではないようで、ぽつん、ぽつんと見えはしますが、道路からかなり距離があったり、木々や住宅に隠れていて、気づいたときにはもう通り過ぎてしまっていたりなどで、車を停めて写真を撮れるようなところがなかなかありません。

そうしてやっと撮れたのが、この写真。
なんと、この風車も売りに出ていました！　粉挽きに使われる風車はもう少なくなっているのでしょうか。できれば現役で今も動いている風車が見たかったけれど、まあ、しかたない。

ところでこの風車、店舗用には見えないので住居用でしょうか？？

風車の近くを流れるミッテルラント運河。

写真に写っている船はスクラップを運搬していました。

運河沿いには緑が多く、運河を眺めながら散歩をしたら気持ちよさそう。

このあとミンデンにもどって町の北側にある?ヴァッサーシュトラーセンクロイツ?を見るつもりでしたが、風車を求めて走りすぎて時間がなくなってしまいました。こんなことなら先に見ておくべきだった……。

そんなわけで、ここからまっすぐハーメルンを目指すことに。残念……。

ちなみに、そのヴァッサーシュトラーセンクロイツとはこんな所です。
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http://www.teutoburgerwald.de/teutoburgerwald/media/bildarchiv/1_Sehensw_Wasserstrassenkreuz_gr.jpg