2007/07/22 - 2007/07/22
426位(同エリア456件中)
まみさん
2007/07/22(日)第15日目:午前ドラゴミルナ修道院(w/現地ガイド)&午後スチャヴァ
【宿泊:Hotel Gloria(スチャヴァ)】
・ドラゴミルナ修道院とミサを見学
《午後:スチャヴァ観光》
カトリック教会、歴史博物館、聖デメトリウス教会(入れず)、民俗博物館、ドムニツェロール教会、ミラウツィ教会
ここ数年の私の旅行先が東欧づいているのは、多彩な民俗文化に惹かれていることも理由の一つです。
なので「民俗」博物館となれば、チェックしないわけにはいきません。
このスチャヴァの民俗博物館は、特に、ブログ「ルーマニアへ行こう!」の紹介を読んで、とても楽しみになりました。
1階は、ブログやガイドブックに書かれていたとおり、昔の館が保存されていて、非常に興味深かったです。
実物は想像どおりでしたが、その実物を見て得た感動は想像以上でした。
特に、どこかアットホームなかんじが、とてもよかったです。
豪華絢爛な宮殿と違って、こういうところなら、ゲストとして滞在してみたいな、と思うくらいの親近感がもてます。
2階の展示は、農民の伝統的な生活用具や衣装といった、民俗博物館らしい展示でした。
さすがにだいぶ見慣れたなぁと思いました。
去年(2006年)の秋の旅行の5日半と今回の旅行の今日までの14日半を合わせて正味20日間のルーマニア滞在で、民俗博物館系といえば首を突っ込んできただけのことはあるもかれません。
でも、見慣れてやっと、地方の多様性に気付けるようになったかもしれません。
それまでは、珍しいもののオンパレードで、脳が情報を処理できずにいたかんじです。
そうか、その違いがちゃんと分かるまでは、「見慣れた」などと言うのはおこがましかったですね。
でも、ブコヴィナ地方の伝統のものについては、ああこれがそうに違いない、と意識して眺めることができました。
これはきっと、今日の昼までの6日半、現地ガイドのニコラエさんが、ブコヴィナ地方を案内してくれたときに、人々の服装や村の様子、それからみやげ屋や博物館の展示品などでそれと指摘してくれたおかげでしょう。
もっとも、ここはブコヴィナ地方の民俗博物館なので、ほとんど全部が「ああこれか」なんですけどね。
また、陶器にはいつも惹かれます。
マルジネアの黒い陶器がありました。工房にも行ったし、おみやげに買ったくらいですから、すぐに「ああ、これは!」とピーンと来ました。
黄色の地に緑の線で絵が描かれたタイプの陶器がありました。オーストリアで見たような気がするので、ハプスブルグ支配時代の影響かな、と思っていたら、ウクライナのものでした。
このことは、あとから来た見学者が、チケット売り場のところの館員さんに質問しているのが(英語で)聞こえて、初めて知りました。
そのやりとりを耳にしなければ、私はあの陶器をオーストリアのものだと思って帰国し、一生そう勘違いしたままだったかもしれません。
(別にそれはそれで、そんなに困らないけど@)
館員さんはとても気さくな方で、見学が終わった後でも何か質問すれば、喜んで答えてくれたでしょう。
博物館の館員さんは、ただのチケットのもぎりでも入場料の徴収係ではなく、どこだってたいてい、情報をたくさん持っている専門家です。質問をすれば、豊かな情報の一端を覗かせてくれたに違いないです。
惜しむらくは、私に質問をするだけの下地がないことです。質問ができること自体がワンステップ上なのです。
それに、質問するまでもないと私が勝手に思っていて、実は間違って認識していることも、きっとたくさんあります。
特に疑問に感じないことで、いままで───旅行中だけでなく、これまでの人生の中でも───多くのものを見過ごしているのだろうな、と、つくづく思いました。
「『5つの修道院』へ行く際の拠点によくなる街・スチャバに、16c末に建てられた、この地域の中世建築を代表する建物があります。
(中略)
オーストリア・ハンガリー帝国(ハプスブルク家)にルーマニアの一部が占領された後スチャバのこの地域にもその影響はあり、ハプスブルグ家のメンバーがハンティングロッジとして使用していた建物で、1960年代に修復され現在は民族博物館(Muzeul Etonografic)となっているのです。
(中略)
民族衣装も各種、そして宗教儀式に関連する伝統的な、古い儀式を大切にする地域なため珍しいお面(被り物)なども見られます。
充実していて、しかも誰が作成したのか、日本語の説明もありました(回し読み)。ガイドに載っている博物館なのですが訪れる人が少ないのか2度訪ねて独占状態@」
(ブログ「ルーマニアへ行こう!」─「ゆっくり歴史を・・〜スチャヴァ〜」より)
http://go2rumania.exblog.jp/4728194
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民俗博物館の建物
実はたどり着くまでさんざん迷いました。
地図には縮小率がちゃんとありますが、体感するのとは別です。
旧市街に限れば、スチャヴァは思ったよりこぢんまりしていたので、何度も行き過ぎて引き返したりしてしまいました。
この博物館があまり観光客が足を運びそうにない住宅地のようなところにひっそりとあったせいもあるでしょう。
もちろん、私の方向音痴のせいも……。
「スチャヴァに現存する最も古い建物のひとつで16世紀の旅籠を改装したもの。館内はブコヴィナの民族衣装や織物、木彫りのスプーン(「リングラ」といいます@)、陶器類などが地域ごとに展示されており、写真と合わせて昔の農村の様子がよくわかるようになっている。建物と展示品を説明した日本語の解説書も用意されている。」
(’07〜’08年版「地球の歩き方」より) -
民俗博物館の建物
入場料は3レウ、写真代は5レウでした。
(2007年7月現在、1レウ=約55円で換算)
合計7レウですが、このとき私の手元に小銭は5レウしかありませんでした。
すると館員さんは、この暑い中、外に出ておつりをとりに行きたくないということで、5レウにまけてくれました。
また、ブログやガイドブックで紹介されていたとおり、日本語の説明書が借りられました。
「プリンスリー・イン(The Princely Inn)
プリンスリー・インはスチャバの最も古い建物の一つで、その名前には長い伝統があります。後に修復されましたが、スチャバの街に残っているモルダビア中世建築を代表する唯一の公共の建物です。
この建物は歴史的且つ建築学的価値のゆえに、1962年から1968年にかけて完全に修復され、その結果、美しさと歴史的香りを取り戻しました。
最初に建てられたのは、16世紀の終わりから17世紀の始めで、1775年のオーストリアによる占領の後は、ハプスブルグ家のメンバーのハンティングロッジとして使用されました。」
(博物館で借りたパンフレットより) -
暖炉のあるゲストルーム
車輪のような中世らしいシャンデリアと窓辺の角にまず目を奪われました。
テーブルもテーブルウエアも、温か味が感じられる古めかしさです。
暖炉はこちらの写真には写っていません。
「一階の常設の展示物は古い旅館の雰囲気を再現しており、商人や政治家などハプスブルグ家の特別なゲストを迎えるための場所でした。
ゲストルームにはキュティ陶器(Kuty pottery)で装飾された暖炉があり、猟銃やピストル、毛皮や雄鹿の角などの展示物はハンティングロッジの雰囲気を呼び起こします。」
(博物館で借りたパンフレットより)
キュティ陶器の特徴は、色は白地に緑と黄色で、スグラフィート(かき取り仕上げ)の装飾がなされているそうです。
(参考HP「Romania-Culture, Spirituality and Handmade」の「Products」)
http://ropottery.bizland.com/pottery_hist.htm -
暖炉のあるゲストルーム
さきほどの写真と同じ部屋です。
陶器で飾られた暖炉を中心に。 -
キッチンの手前の部屋
こういう道具を見て真っ先に思い浮かべるのが───やっぱり「アルプスの少女ハイジ」なんですよねぇ。
「キッチンに近い部屋は台所用品を収納するために使われました。粉引き用のハンドミル、金属の秤、穀物を保存する大箱、バターホルダー、チーズホルダー、ミルクや水のためのバケツ、水のためのマグやジョッキなどです。」
(博物館で借りたパンフレットより) -
ダイニング兼キッチン
ダイニング側です。
博物館のパンフレットによると、キッチン用の家具とあるので、厳密にはダイニングルームではないのでしょうけどね。
このテーブルは、中に何か収納できそうです。
長椅子の敷物は、民俗博物館によく展示されている伝統的な織物でしょう。
染料は全て自然のものが材料だと思います。
「キッチンの主要な展示物は、料理のために造られた古い様式のオーブンです。食器類がオーブンと暖炉の上に飾られています。食物や油を保存するための陶器、スプーン、大型スプーン、胡椒ミルや食塩用の小さな箱などです。家具は特にキッチン用のもので、長いベンチやテーブル、カップボード、スプーンホルダーやハンドミルなどです。」
(博物館で借りたパンフレットより) -
ダイニング兼キッチン
いいですね、この古いオーブン! -
ダイニング兼キッチン
先ほどのキッチンのそばのテーブルとイスを、アングルを変えて撮ったものです。
壁の食器棚はよく見るタイプですが、いいかんじに雰囲気を出しています。 -
馬具などのある部屋
ここも風情がありますねぇ。
撮影している私の背中側に入口があり、右側と左側に部屋が展開しているのです。
「次は部屋と部屋をつなぐラウンジです。ここでは、馬車に使われた品物を見ることができます。ハーネスや木製のサドル、そしてハンティングに使われた品物です。」
(博物館で借りたパンフレットより) -
ダイニング
壁の陶器もよくある内装ですが、イイかんじです。
ブカレストにあった、昔の民家風のレストランの内装を思い出します。
さりげなく置かれているテーブルの陶器も興味深いです。
「次に見学するダイニングルームはベンチやテーブル、椅子やカップボード、ワインマグ、ジョッキ、バケツ、ツイカ用の樽、ワイン用の大樽などが展示されています。ほかにも色物のタオルの壁掛けやウールの敷物が展示されています。」
(博物館で借りたパンフレットより) -
ダイニング
もう1つのテーブルです。従者用でしょうか。
ここも壁の食器棚が素敵です。
古いイスもいいかんじです。
ブカレストの農村博物館に、こういうイスのコレクションがたくさんあったことを思い出しました。 -
ベッドルーム
案外小さなベッドです。
壁のカーペットは、装飾だけではなく、暖をとる意味もあったでしょう。
シーツも伝統的な織物ですね。
「次に見学するレストルームは、ストーブ、タンス、ベッド、洗面台、そして鏡などが展示されています。全ての家具には伝統的なパターンの彫物が施されています。」
(博物館で借りたパンフレットより) -
ベッドルーム
昔の洗面台、アンティークなイスと長椅子@
この家がハプスブルグ家のメンバーのハンティングロッジとして使われていたのなら、ここにはハプスブルグ家のメンバーである貴族が滞在した部屋だと思いますが、野外民俗博物館の農村の家のように素朴です。
たとえばこんな家@
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/12845507/
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/12845517/
関連の旅行記
「2007年ルーマニア旅行第8日目(2)バイア・マーレ:マラムレシュ地方の田舎の生活を垣間みて・野外民俗博物館・その2」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10185202/
部屋の広さや家具・調度品1つ1つの値段差に貴族と庶民の隔たりがあるかもしれませんけど。 -
地下へ
奥がこの家の入口です。
壁の松明がなかなかステキです。
右手前の扉から地下へ行きます。 -
地下室
ここでこういう樽でワインを醸造したのでしょう。
「地下室の二つの部屋は未魅力的であると同時に建築学的にも大変機能的な部屋です。」
(博物館で借りたパンフレットより) -
ウクライナの陶器
ここから2階の展示室の写真になります。
階段を上ってすぐのところに展示されていました。
館員さんがウクライナの陶器と言っていたやつです
この緑と茶色が多用された陶器のことを、オーストリアでよく見たものと勘違いしていました。
それともきれがキュティ陶器かしら。白地に緑の方。
「二階はスチャバの主な民俗学的特徴が紹介されています。ここには、美しい伝統衣装や、ウール、リンネル、麻、コットン、シルクなどで作られたカーペット、ブランケット、タオルや敷物などの僧職的な織物、また、ポーチピラーや、ホープチェスと、バターホルダーやスプーン、胡椒や塩用の箱、イースターバスケットなどの木工技術を示す木工製品が展示されています。」
(博物館で借りたパンフレットより) -
マルジネアの黒い陶器と木のスプーン「リングラ」
昨日、マルジネアの陶器工房を見学したので、すぐに分かりました。
マルジネアはブコヴィナ地方の特産品。淡く銀光する黒は、焼き上げるときにススで黒く染まったものです。
リングラ(lingura)は、みんなで1つの鍋を囲んで食事をするために、一人一人が持っていた専用のスプーンです。今では格好のルーマニア土産でしょう。
「展示されているマージニア Marginea(黒い陶器)やラダウティ Radauti(光沢のある陶器)の広く知られている製陶所センターから送られたポットは、優れた製陶技術を示すものです。」
(博物館で借りたパンフレットより)
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「2007年ルーマニア旅行第14日目(4)ブコヴィナ地方:マルジネア村の陶器工房に寄り道」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10210636/ -
新年の祭りの仮面と刺繍のハンカチとジャケット
仮面は、クルージ・ナポカのトランシルヴァニア民俗博物館やシゲット・マルマッツィエイの民俗博物館でも写真を撮っています。
この素朴で可愛らしい仮面でも、悪魔なんですよね@
クルージ・ナポカのトランシルヴァニア民俗博物館の仮面
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/12761524/
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/12761532/
関連の旅行記
「2007年ルーマニア旅行第7日目(3)クルージュ・ナポカ:トランシルヴァニア民俗博物館」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10182528/
シゲット・マルマッツィエイの民俗博物館の仮面
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/13120497/
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/13120508/
関連の旅行記
「2007年ルーマニア旅行第12日目(2)シゲット・マルマッツィエイ:民俗博物館でマラムレシュ地方の復習を」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10201366/
「結婚式や一年を通じての宗教的儀式に関連する古い伝統はこの地域に住む人々の精神的豊かさを示しており、人生の重要な出来事や宗教的なお祭りにおける習慣は何世紀もの間受け継がれており、豊かで感動的な将来につながるものです。
大晦日には若者が、老人やヤギ、熊、雄鹿、馬などの顔をかたどったマスクをつけてにぎやかにお祝いをします。」
(博物館で借りたパンフレットより) -
ブコヴィナ地方の伝統衣装
羊の毛皮のチョッキに施された刺繍か豪華です。
似たような刺繍の衣装の写真を、ヴォロネツ修道院の近くのみやげ屋で撮りました。
関連の写真
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/13190171/
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/13190175/
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/13190176/
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「2007年ルーマニア旅行第13日目(5)ブコヴィナ地方:青のヴォロネツ修道院」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10205799/ -
ブコヴィナ地方の伝統衣装
これは冬の服装ですね。 -
ブコヴィナ地方の伝統衣装
きっと刺繍のパターンは村ごとに違っていんだろうと思います。 -
ブコヴィナ地方の伝統衣装の美しい刺繍
ブコヴィナ地方の伝統模様はルーマニアの中でも特に華やかなんじゃないかしら@ -
ウクライナの陶器
再び陶器の展示です。
ヒマワリの模様と、小さな双子の坪のような塩・コショウ入れが気に入りました@ -
ウクライナの陶器
どのデザインも素朴でイイかんじです。
手前の鳥と奥の花模様の陶器、どちらも気に入りました@ -
馬具などが展示されている部屋と部屋をつなぐラウンジ、再び
カメラを持つ私の背後側が入口です。
左奥の扉が地下への扉です。
見学した時間は、15時半から16時半でした。
この博物館の開館時間を、てっきり17時までだと勘違いしていました(夏は18時まで)。
博物館はたいてい閉館時間30分前が最終入場で、見学者がいなければ早めに閉館してしまうものです(少なくともルーマニアでは何度かそういう場面に遭遇済み)。
なので、見学が終わった段階で、もう館内では休んでいられないと思い、外に出ました。
幸い扉のところにベンチがあったことを知っていたので、そこで座って休み、日記を書いたりガイドブックをチェックしたりしてこれからの観光コースを考えたりなどをして、体力の回復を待ったのです。
すると、たまたま扉を開けた館員さんが私を見てびっくりし、「何やってるの、そんなところにいると暑いでしょう!」と中に招き入れてくれました。
この日は、外は40度近い猛暑でした。
そしてこの博物館の中は、床や壁の土や木のおかげで、クーラーも扇風機もなくても涼しかったのです@
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