雪の東北巡り【26】親友Ｔ君の魂が眠る八郎潟の地吹雪

2007/02/15 - 2007/02/15

2007年2月15日（木）

秋田に到着したときは、うそのように風は収まっていた。
駅前には、バスが待っている。

ガイドさんが「ずいぶん待ちました」と言う。
もちろんそうだろうが、「長いご旅行お疲れさまでした」のひと言が欲しかった。

今日の行程は、秋田駅からバスに乗って男鹿（おが）半島に入り、「なまはげ」を見て半島の最先端入道崎を回り、早めに宿に入ることになっている。

地名が宮城県の牡鹿（おじか）半島と似ているので、間違わないようにしなければならない。

しかし2時間の遅れのため、16時半の到着予定が18時半になってしまっている。

夕日を見ながら、ゆっくり温泉に入りたいと楽しみにしていたのだが、致し方ない。
もし時間が間に合っても、この空模様では、夕日など見えないだろう。

「なまはげ」のデモンストレーションは、本来ならば遅刻のために見られないところだったが、到着を待っていてくれるそうだ。

夕暮れが近づく雪道を、バスはひた走る。
八郎潟干拓地を過ぎて、風はふたたび強くなった。

数メートル先が見えないほど、地吹雪が激しい。
雪国の厳しさが、迫ってくる。

八郎潟は、食糧増産を目指して、戦後干拓された。
日本で二番目に広い湖であり、国の新たな農業モデルを目指しての農地化には、大きな夢が秘められていた。

私が中学校から高等学校にかけて、7年間机を並べていた親友のＴ君は、入植を希望し、第一回入植者に選ばれた。

彼は社会の変化に揉まれながらも、新しい農業経営モデルのトライに人生を賭け、先日亡くなったばかりである。

写真が、
http://4travel.jp/traveler/katase/
にありますので、ご覧ください。

エリア 八郎潟周辺(秋田)

八郎潟周辺を走る

なまはげ真山伝承館

昔の農家をなぞった
伝承館内部