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2007年11月に妻と二人でポルトガル〜スペインを旅行しました。これは、その旅行を組み立てるまでの「準備」の記録です。実際の旅行編は順次紹介してゆきます。<br /><br /> 旅行の準備期間を2ヶ月と見積もって、7月初旬からあれこれと情報を集め始めました。今年の夏の異常な暑さがそろそろ際立ってきた頃です。9月のカレンダーに3連休が2週連続で並んでいるところに目をつけて、この間を休暇で繋げば少しだけ長い日程が取れます。出発は9月中旬。そう決めて、スケジュールの調整に入ったのです。しかしそれが意外に難航。出発はやむなく1ヶ月遅れの10月に延期になり、これもうまく行かずに更にもう1ヵ月延びて、最終的には11月出発になってしまいました。準備開始から5ヶ月、延期と落胆の繰り返しに、モチベーションの維持がたいへんでした。「夏の旅」が「冬の旅」になって、行き先も二転三転(ほんとに三転)しました。<br /><br /> 9月出発を目指したときはクロアチアあたりに見当をつけていました。紺碧の海に迫り出したベージュ色の要塞と赤い屋根の家々、何かで見たドブロブニクの写真が心に焼きついていたからです。写真集で見ると、アドリア海に面したイタリアの付け根まで、海岸伝いには同じような魅力的な町や村がずっと続いていて、大いに旅情を誘いました。それが、10月出発となったときは南フランスに変わりました。海の季節は終わり、秋のヨーロッパは雨季に入ります。日本ほどの降雨量はなく、傘も要らないことが多いようですが、雨に煙るコートダジュールなんて素敵です。人気のないリビエラ海岸や美しいエズの村の写真を眺めて、移動の方法やホテルの情報を集めました。でも結局、まとまった休暇を確保できたのは冬の入り口の11月中旬。この時期なら少しでも温暖なところがいいと、今度はヨーロッパの南の端ポルトガルに見当をつけたのです。<br /><br />

ポルトガル・スペイン/スナップ紀行「準備編」

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2007/11/16 - 2007/11/26

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4

17

極楽人

極楽人さん

2007年11月に妻と二人でポルトガル〜スペインを旅行しました。これは、その旅行を組み立てるまでの「準備」の記録です。実際の旅行編は順次紹介してゆきます。

 旅行の準備期間を2ヶ月と見積もって、7月初旬からあれこれと情報を集め始めました。今年の夏の異常な暑さがそろそろ際立ってきた頃です。9月のカレンダーに3連休が2週連続で並んでいるところに目をつけて、この間を休暇で繋げば少しだけ長い日程が取れます。出発は9月中旬。そう決めて、スケジュールの調整に入ったのです。しかしそれが意外に難航。出発はやむなく1ヶ月遅れの10月に延期になり、これもうまく行かずに更にもう1ヵ月延びて、最終的には11月出発になってしまいました。準備開始から5ヶ月、延期と落胆の繰り返しに、モチベーションの維持がたいへんでした。「夏の旅」が「冬の旅」になって、行き先も二転三転(ほんとに三転)しました。

 9月出発を目指したときはクロアチアあたりに見当をつけていました。紺碧の海に迫り出したベージュ色の要塞と赤い屋根の家々、何かで見たドブロブニクの写真が心に焼きついていたからです。写真集で見ると、アドリア海に面したイタリアの付け根まで、海岸伝いには同じような魅力的な町や村がずっと続いていて、大いに旅情を誘いました。それが、10月出発となったときは南フランスに変わりました。海の季節は終わり、秋のヨーロッパは雨季に入ります。日本ほどの降雨量はなく、傘も要らないことが多いようですが、雨に煙るコートダジュールなんて素敵です。人気のないリビエラ海岸や美しいエズの村の写真を眺めて、移動の方法やホテルの情報を集めました。でも結局、まとまった休暇を確保できたのは冬の入り口の11月中旬。この時期なら少しでも温暖なところがいいと、今度はヨーロッパの南の端ポルトガルに見当をつけたのです。

同行者
カップル・夫婦
一人あたり費用
20万円 - 25万円
交通手段
鉄道 高速・路線バス
航空会社
フィンランド航空

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  • ポルトガルには、30年以上も前に一度だけ行ったことがあります。当時、私は学生でドイツに住んでいましたが、冬の休暇を利用してイベリア半島一周のひとり旅に出かけました。リスボンにはマドリッド発のバスに揺られて夕刻に着きましたが、ずいぶん人の少ない都会だな、と感じたことだけ覚えています。<br />当時の制度では、ビザなし旅行者は1泊2日しか滞在を許されません。翌日の夕方にはあたふたとスペイン領内へ戻ることになり、「滞在」と言うよりは「通過」に近いものでした。<br />その後、この旅はスペイン南部の港町アルへシラスからモロッコへ渡りカサブランカ〜マラケシュへと、自分でも意外な方向へ展開しましたが、ポルトガルでの物足りなさはずっと付きまとっていました。<br />今回あらためて調べてみると、適度な広さの国土に素朴な村や町が点在しています。旅行者への暖かい心遣いも残っているようで、大いに気に入りました。10日もかければひと通り見てまわれそうです。<br />しかしここで、同行者の妻から希望が出されました。「せっかくだから、スペインも見たい。」渋々承知をしましたが、これがなかなかの難題でした。スペインは日本の1.3倍、広い範囲にそれぞれ特徴の異なる見所が散らばっています。中途半端は嫌ですが、足を伸ばしすぎてポルトガルの時間を取られるのも困ります。<br />相談と妥協を重ね、今回はマドリッドとその周辺だけの範囲に絞って3日間をあてることにしました。<br />

    ポルトガルには、30年以上も前に一度だけ行ったことがあります。当時、私は学生でドイツに住んでいましたが、冬の休暇を利用してイベリア半島一周のひとり旅に出かけました。リスボンにはマドリッド発のバスに揺られて夕刻に着きましたが、ずいぶん人の少ない都会だな、と感じたことだけ覚えています。
    当時の制度では、ビザなし旅行者は1泊2日しか滞在を許されません。翌日の夕方にはあたふたとスペイン領内へ戻ることになり、「滞在」と言うよりは「通過」に近いものでした。
    その後、この旅はスペイン南部の港町アルへシラスからモロッコへ渡りカサブランカ〜マラケシュへと、自分でも意外な方向へ展開しましたが、ポルトガルでの物足りなさはずっと付きまとっていました。
    今回あらためて調べてみると、適度な広さの国土に素朴な村や町が点在しています。旅行者への暖かい心遣いも残っているようで、大いに気に入りました。10日もかければひと通り見てまわれそうです。
    しかしここで、同行者の妻から希望が出されました。「せっかくだから、スペインも見たい。」渋々承知をしましたが、これがなかなかの難題でした。スペインは日本の1.3倍、広い範囲にそれぞれ特徴の異なる見所が散らばっています。中途半端は嫌ですが、足を伸ばしすぎてポルトガルの時間を取られるのも困ります。
    相談と妥協を重ね、今回はマドリッドとその周辺だけの範囲に絞って3日間をあてることにしました。

  • これで旅行の骨格が決まりました。次は航空券を確保する番です。<br />いつものように、インターネットの“エイビーロード”のページからヨーロッパ行きの格安航空券リストを探しました。ヨーロッパ往復便は6万円台からありましたが、到着地と出発地を別々の都市に指定できることが条件です。航空会社はフィンランド航空を選択。運良く、ちょうどいいのが見つかりました。ヘルシンキ経由で2都市訪問可。すぐに販売元の旅行会社の方に電話して、往路は成田−ヘルシンキ−マドリッド、復路はリスボン−ヘルシンキ−成田で飛行機を押さえていただきました。<br />フィンランド航空のリスボン便は一日置きのようで、逆コースでは日程が合いません。それに、まずスペインを片づけてからポルトガルに向かう方がなんとなく“旅の座りがいい”ように感じました。価格は8万円と手頃、空港使用料や燃油サーチャージ(航空燃料高騰に伴う特別負担分)が加わって一人あたり11万円弱です。日程もほぼ希望どおりに調整できました。発着の曜日によっては追加料金が必要な場合がありますが、これもうまくすり抜けました。<br /><br />

    これで旅行の骨格が決まりました。次は航空券を確保する番です。
    いつものように、インターネットの“エイビーロード”のページからヨーロッパ行きの格安航空券リストを探しました。ヨーロッパ往復便は6万円台からありましたが、到着地と出発地を別々の都市に指定できることが条件です。航空会社はフィンランド航空を選択。運良く、ちょうどいいのが見つかりました。ヘルシンキ経由で2都市訪問可。すぐに販売元の旅行会社の方に電話して、往路は成田−ヘルシンキ−マドリッド、復路はリスボン−ヘルシンキ−成田で飛行機を押さえていただきました。
    フィンランド航空のリスボン便は一日置きのようで、逆コースでは日程が合いません。それに、まずスペインを片づけてからポルトガルに向かう方がなんとなく“旅の座りがいい”ように感じました。価格は8万円と手頃、空港使用料や燃油サーチャージ(航空燃料高騰に伴う特別負担分)が加わって一人あたり11万円弱です。日程もほぼ希望どおりに調整できました。発着の曜日によっては追加料金が必要な場合がありますが、これもうまくすり抜けました。

  • フィンランド航空を選んだのには理由があります。<br />昨年、イタリアからの帰路にロンドンまでの乗り継ぎ便が遅れて、偶然Finnairで帰国することになりました。ロンドンからヘルシンキ経由で成田へ、これが大ヒットでした。地球儀を見れば一目瞭然なのですが、フィンランドは日本から一番近いヨーロッパ。ヘルシンキ−成田の飛行時間は9時間30分で、他の中継都市より2〜3時間短いのです。煙草好きの人なら、最後の2時間がどんなに待ち遠しいかお分かりでしょう。しかもヘルシンキ空港のロビーには、入ってすぐのところで大きな喫煙所が迎えてくれます。適度な間隔で手足が伸ばせるのも助かりますし、売店で日本語や日本円が使えるのも便利です。ただし品揃えは少な目のようです。<br />ところで、ヨーロッパから帰任した知人が、Finnairは他の航空会社が発着をためらう悪天候でも果敢に挑むことで有名だ、と教えてくれました。軽いショックを覚えましたが、まあ、それなら日程の崩れもないでしょう。われらがフィンランド航空、頼もしい限りです。

    フィンランド航空を選んだのには理由があります。
    昨年、イタリアからの帰路にロンドンまでの乗り継ぎ便が遅れて、偶然Finnairで帰国することになりました。ロンドンからヘルシンキ経由で成田へ、これが大ヒットでした。地球儀を見れば一目瞭然なのですが、フィンランドは日本から一番近いヨーロッパ。ヘルシンキ−成田の飛行時間は9時間30分で、他の中継都市より2〜3時間短いのです。煙草好きの人なら、最後の2時間がどんなに待ち遠しいかお分かりでしょう。しかもヘルシンキ空港のロビーには、入ってすぐのところで大きな喫煙所が迎えてくれます。適度な間隔で手足が伸ばせるのも助かりますし、売店で日本語や日本円が使えるのも便利です。ただし品揃えは少な目のようです。
    ところで、ヨーロッパから帰任した知人が、Finnairは他の航空会社が発着をためらう悪天候でも果敢に挑むことで有名だ、と教えてくれました。軽いショックを覚えましたが、まあ、それなら日程の崩れもないでしょう。われらがフィンランド航空、頼もしい限りです。

  • 旅行の詳細を決めてゆくのは楽しい作業です。どの町や村へ行こうか、交通機関は、宿泊は、などなど。インターネットでそれらしい記事や情報を見つけ、本屋さんのガイドブックを立ち読みし、数年前に買ったトーマスクック時刻表で経路を調べ、更に細かい部分は現地の鉄道やバス会社のホームページで確認します。希望の経路とバスの時間がピッタリ合ったときなど、パズルが解けたようにスッキリします。<br />今回は準備を開始したのが夏で行くのが冬のはじめですから、交通機関も夏時間から冬時間に変更されることがあり、特にバスの時刻は日にちを置いて何度か調べなおしました。AUTORES社というバス会社のマドリッドのバスターミナルが、9月中旬にそれまでの場所(Conde de Casal)から南バスターミナル(Estacion Sur de Autobuses)に引っ越したというニュースも、タイムリーに入手できて助かりました。知らずに現地へ行くと大いにあせります。<br />「スペインなんでもリアルタイム」という現地の方が開いているWebページには、すぐ使える交通機関の情報が満載されていて便利でした。

    旅行の詳細を決めてゆくのは楽しい作業です。どの町や村へ行こうか、交通機関は、宿泊は、などなど。インターネットでそれらしい記事や情報を見つけ、本屋さんのガイドブックを立ち読みし、数年前に買ったトーマスクック時刻表で経路を調べ、更に細かい部分は現地の鉄道やバス会社のホームページで確認します。希望の経路とバスの時間がピッタリ合ったときなど、パズルが解けたようにスッキリします。
    今回は準備を開始したのが夏で行くのが冬のはじめですから、交通機関も夏時間から冬時間に変更されることがあり、特にバスの時刻は日にちを置いて何度か調べなおしました。AUTORES社というバス会社のマドリッドのバスターミナルが、9月中旬にそれまでの場所(Conde de Casal)から南バスターミナル(Estacion Sur de Autobuses)に引っ越したというニュースも、タイムリーに入手できて助かりました。知らずに現地へ行くと大いにあせります。
    「スペインなんでもリアルタイム」という現地の方が開いているWebページには、すぐ使える交通機関の情報が満載されていて便利でした。

  •  市販のツアーも参考にしました。<br />「情熱のスペイン」、「哀愁のポルトガル」のキャッチコピーでたくさんのツアーが販売されていますが、1日に3都市を回るような強行軍のものがほとんどで、のんびり派の我々にはとても真似ができません。行程表を眺めているだけで疲れてしまいます。そこへゆくと、個人旅行記の中にたくさんのヒントがありました。<br />“たび猫さん“の「ポルトガル旅行記」は素直な人柄そのままの紀行文で読み物としても面白く、“モカモカさん”の「ポルトガル旅行記」はモンサラーシュやマルヴァオンなど、私の行きたいところを旅行されていてうらやましい限り。どちらも旺盛な好奇心と冒険心に感心しました。<br />それにしても、女の人は何故こんなに元気がいいのでしょう。<br /><br />

    市販のツアーも参考にしました。
    「情熱のスペイン」、「哀愁のポルトガル」のキャッチコピーでたくさんのツアーが販売されていますが、1日に3都市を回るような強行軍のものがほとんどで、のんびり派の我々にはとても真似ができません。行程表を眺めているだけで疲れてしまいます。そこへゆくと、個人旅行記の中にたくさんのヒントがありました。
    “たび猫さん“の「ポルトガル旅行記」は素直な人柄そのままの紀行文で読み物としても面白く、“モカモカさん”の「ポルトガル旅行記」はモンサラーシュやマルヴァオンなど、私の行きたいところを旅行されていてうらやましい限り。どちらも旺盛な好奇心と冒険心に感心しました。
    それにしても、女の人は何故こんなに元気がいいのでしょう。

  • 旅行の組み立てでは、いくつかこだわった事があります。<br />まず、日程はゆったり組むこと。とくに睡眠時間や食事・トイレの時間はたっぷり取り、ホテルを出るのは朝の9時以降、出来るだけ走ったりあせったりしないよう計画しておきます。それから、ホテルは暖かい朝食が出ること。一日の始まりに充実感が湧いてきます。ヨーロッパは南の方に行くほど、パンとコーヒーだけの簡単な朝食になるので要注意です。<br />もうひとつ、大きな荷物を持って歩き回らないようにすること。これは個人旅行にいつも付いてまわる難題です。荷物をどこに置いておくか、今回は、大都市のマドリッドとリスボンに連泊して、そこを基地に周辺都市を廻る方法で解決することにしました。<br />各地のパラドールやポサーダを泊まり歩きたい誘惑もありましたが、どこかで昼食にでも寄れればいいと割り切りました。<br />

    旅行の組み立てでは、いくつかこだわった事があります。
    まず、日程はゆったり組むこと。とくに睡眠時間や食事・トイレの時間はたっぷり取り、ホテルを出るのは朝の9時以降、出来るだけ走ったりあせったりしないよう計画しておきます。それから、ホテルは暖かい朝食が出ること。一日の始まりに充実感が湧いてきます。ヨーロッパは南の方に行くほど、パンとコーヒーだけの簡単な朝食になるので要注意です。
    もうひとつ、大きな荷物を持って歩き回らないようにすること。これは個人旅行にいつも付いてまわる難題です。荷物をどこに置いておくか、今回は、大都市のマドリッドとリスボンに連泊して、そこを基地に周辺都市を廻る方法で解決することにしました。
    各地のパラドールやポサーダを泊まり歩きたい誘惑もありましたが、どこかで昼食にでも寄れればいいと割り切りました。

  • もう少し詳細な行程です。<br />金曜日のお昼に成田を出発して、同じ日の夜20時30分にマドリッド空港に到着します。スペインではまだ宵の口ですが、長旅の後ですから、この日はホテルに着いて寝るだけの予定にしました。次の日からの3日間(土・日・月)を、マドリッド市内の観光と周辺都市への“遠足”にあてました。周辺都市は古都トレドと宙づりの家で有名なクエンカと決めて、それぞれたっぷり1日づつを取ってあります。<br />ホテルは、マドリッドから南へ向かう鉄道拠点のATOCHA駅にも、南バスターミナルにも近いCARLTONを3連泊で予約、外出のときは小さなバッグだけで出かけます。このホテルはプラド美術館やソフィア王妃芸術センターなどにも近く、街の中心部へは徒歩圏、すぐそばにスーパーがあるというのも便利に思いました。朝食が豪華で、生ハムが格別おいしいそうです。<br /><br />マドリッド市内の観光には日曜日をあてました。蚤の市や「古き良きマドリッド」という現地ボランティアによる市内ツアー (現地のスペインの方が日本語で案内してくれる。) が開催され、主な美術館も無料になります。<br />妻の行きたかったマドリッド三越は、残念ながら日曜定休でした。また、多くのサービスには高齢者のための“シニア料金”が設定されており、60歳になったばかりの私としてはぜひ利用したかったのですが、スペインのシニアは「65歳以上」でした。<br />

    もう少し詳細な行程です。
    金曜日のお昼に成田を出発して、同じ日の夜20時30分にマドリッド空港に到着します。スペインではまだ宵の口ですが、長旅の後ですから、この日はホテルに着いて寝るだけの予定にしました。次の日からの3日間(土・日・月)を、マドリッド市内の観光と周辺都市への“遠足”にあてました。周辺都市は古都トレドと宙づりの家で有名なクエンカと決めて、それぞれたっぷり1日づつを取ってあります。
    ホテルは、マドリッドから南へ向かう鉄道拠点のATOCHA駅にも、南バスターミナルにも近いCARLTONを3連泊で予約、外出のときは小さなバッグだけで出かけます。このホテルはプラド美術館やソフィア王妃芸術センターなどにも近く、街の中心部へは徒歩圏、すぐそばにスーパーがあるというのも便利に思いました。朝食が豪華で、生ハムが格別おいしいそうです。

    マドリッド市内の観光には日曜日をあてました。蚤の市や「古き良きマドリッド」という現地ボランティアによる市内ツアー (現地のスペインの方が日本語で案内してくれる。) が開催され、主な美術館も無料になります。
    妻の行きたかったマドリッド三越は、残念ながら日曜定休でした。また、多くのサービスには高齢者のための“シニア料金”が設定されており、60歳になったばかりの私としてはぜひ利用したかったのですが、スペインのシニアは「65歳以上」でした。

  • マドリッドからリスボンへはホテルトレイン(国際夜行寝台列車) LUSITANIAで移動します。Madrid Chamartin駅を夜の11時45分出発、スペインをひたすら西へ走り抜けて翌朝8時にリスボンに到着します。眠っている間に移動しますから、半日ほど時間を節約できます。<br />この列車の一番高いクラスは個室内にトイレ&シャワー、食堂車でのディナーと翌日の朝食までが料金に含まれています。私たちの胃袋には深夜の豪華ディナーは重いので、その下のクラス「1等2人個室(洗面台つき)」というのを押さえました。特にゴージャスでも割安でもなく最後まで売れ残るクラスだそうで、無事に予約できました。<br /><br /> 本当は、スペインからポルトガルまで一気に寝台特急で行くことには迷いがありました。列車が特別好きという訳でもなく、何より途中の景色が見えません。それで副案として、朝9時半のマドリッド発リスボン行きバスでスペインの荒野を眺めながらポルトガルのEVORAまで行き、そこからスペイン国境の村MONSARAZ(モンサラーシュ)に行くという案を検討しました。静かで夕陽が美しい村だそうです。EVORA到着予定が15時半、遅れず着いたとしても1日に2本だけの路線バスは終了しています。大きな荷物を持っての移動。タクシーを使っても冬の日没時間を過ぎてしまう可能性が強く、残念ですが今回は泣く泣く断念しました。<br />妻は軽く「また行けばいいじゃない。」と言います。<br />

    マドリッドからリスボンへはホテルトレイン(国際夜行寝台列車) LUSITANIAで移動します。Madrid Chamartin駅を夜の11時45分出発、スペインをひたすら西へ走り抜けて翌朝8時にリスボンに到着します。眠っている間に移動しますから、半日ほど時間を節約できます。
    この列車の一番高いクラスは個室内にトイレ&シャワー、食堂車でのディナーと翌日の朝食までが料金に含まれています。私たちの胃袋には深夜の豪華ディナーは重いので、その下のクラス「1等2人個室(洗面台つき)」というのを押さえました。特にゴージャスでも割安でもなく最後まで売れ残るクラスだそうで、無事に予約できました。

     本当は、スペインからポルトガルまで一気に寝台特急で行くことには迷いがありました。列車が特別好きという訳でもなく、何より途中の景色が見えません。それで副案として、朝9時半のマドリッド発リスボン行きバスでスペインの荒野を眺めながらポルトガルのEVORAまで行き、そこからスペイン国境の村MONSARAZ(モンサラーシュ)に行くという案を検討しました。静かで夕陽が美しい村だそうです。EVORA到着予定が15時半、遅れず着いたとしても1日に2本だけの路線バスは終了しています。大きな荷物を持っての移動。タクシーを使っても冬の日没時間を過ぎてしまう可能性が強く、残念ですが今回は泣く泣く断念しました。
    妻は軽く「また行けばいいじゃない。」と言います。

  •  リスボンではMUNDIAL HOTELにまず2連泊、2日空けて旅行の最後の夜にもう1泊します。朝食はもちろんホットビュッフェ。中心街の好立地で、どこに行くにも都合がよいと多くの経験者の方が旅行記に書いています。(ただし、シントラ方面に行く鉄道のROSSIO駅は依然工事中で、2008年2月まで使えないようです。ホテルからの情報です。)<br /><br />リスボンでは、到着第1日を市内観光に、(火曜日なので泥棒市が開催されます。) 次の日の半分をシントラ・ロカ岬観光に使います。交通機関については何種類もの割安チケットが用意されているので、状況に応じて選択できそうです。<br /><br />リスボン2連泊の後は、オビドス〜ナザレ〜コインブラ〜ポルトを2日がかりで周遊します。田舎町を結んで走る路線バスの発着時間もなんとか調べ終わり、ここは一番楽しみなパートです。ホテルを予約せず気の向くままに宿泊場所を決めようとも思いましたが、結局は時間の節約のため、旅行記の評判と写真からナザレのMARE、ポルトのGRANDというホテルを押さえました。どちらもホットビュッフェの朝食付き、価格も妥当です。<br /><br />ポルトで宿泊したあとはもう一度、帰路の飛行機が出るリスボンに戻ります。ホテルは再びMUNDIAL HOTELですが、これには魂胆がありました。リスボンを離れて遠出する2日間の小旅行中、大きな荷物を預かっておいてもらうためです。念のため、日本からホテルへメールで頼んでおきましたが、担当の方から丁寧な承諾の返事をいただいて安心しました。最後の夜はMUNDIAL HOTEL、翌朝はヘルシンキ経由で帰国の途につきます。<br /><br />

     リスボンではMUNDIAL HOTELにまず2連泊、2日空けて旅行の最後の夜にもう1泊します。朝食はもちろんホットビュッフェ。中心街の好立地で、どこに行くにも都合がよいと多くの経験者の方が旅行記に書いています。(ただし、シントラ方面に行く鉄道のROSSIO駅は依然工事中で、2008年2月まで使えないようです。ホテルからの情報です。)

    リスボンでは、到着第1日を市内観光に、(火曜日なので泥棒市が開催されます。) 次の日の半分をシントラ・ロカ岬観光に使います。交通機関については何種類もの割安チケットが用意されているので、状況に応じて選択できそうです。

    リスボン2連泊の後は、オビドス〜ナザレ〜コインブラ〜ポルトを2日がかりで周遊します。田舎町を結んで走る路線バスの発着時間もなんとか調べ終わり、ここは一番楽しみなパートです。ホテルを予約せず気の向くままに宿泊場所を決めようとも思いましたが、結局は時間の節約のため、旅行記の評判と写真からナザレのMARE、ポルトのGRANDというホテルを押さえました。どちらもホットビュッフェの朝食付き、価格も妥当です。

    ポルトで宿泊したあとはもう一度、帰路の飛行機が出るリスボンに戻ります。ホテルは再びMUNDIAL HOTELですが、これには魂胆がありました。リスボンを離れて遠出する2日間の小旅行中、大きな荷物を預かっておいてもらうためです。念のため、日本からホテルへメールで頼んでおきましたが、担当の方から丁寧な承諾の返事をいただいて安心しました。最後の夜はMUNDIAL HOTEL、翌朝はヘルシンキ経由で帰国の途につきます。

  • これで9泊10日の旅行の流れが大体できあがりました。あとは美術館やイベントの開催時間を確認したり、地下鉄やトラムの路線図で行きたい場所の見当をつけたりしておきます。<br />ところで、ガイドブックや旅行記に登場するおいしいレストランなどの情報ですが、これはあまりアテにしません。もともとグルメを名乗るほどでもありませんし、味の好みは人それぞれ。お店の名前を覚えるのも大変で、一流店でない限り辿り着くのはもっと大変です。いい体験をされた方の感動はうらやましい限りですが、隣のお店では別の感動が待っているかもしれません。ここは自分たちの責任で、自分たちの出会いを楽しもうと思います。などと言いながら食事はいつも手近なお店で手を打っていますが、まず後悔はありません。フラメンコやファドのお店は、ホテルで紹介してもらおうと思います。<br />こうして立てた事前の予定は、現地の事情や気分などで大きく変わってしまうことも多く、半分くらいしか実現できないことがあります。特に今回は妻もメモ帳いっぱいに書き込みをしており、どこで何を買いたいとか食べたいとかそんなことなんですが、こういうのが大敵です。彼女はお店やお城など建物の内部でかなりの時間を取る方なので、私の方はいつもあせってしまいます。権利は半分ずつなので、これはどうしようもありません。<br /><br />

    これで9泊10日の旅行の流れが大体できあがりました。あとは美術館やイベントの開催時間を確認したり、地下鉄やトラムの路線図で行きたい場所の見当をつけたりしておきます。
    ところで、ガイドブックや旅行記に登場するおいしいレストランなどの情報ですが、これはあまりアテにしません。もともとグルメを名乗るほどでもありませんし、味の好みは人それぞれ。お店の名前を覚えるのも大変で、一流店でない限り辿り着くのはもっと大変です。いい体験をされた方の感動はうらやましい限りですが、隣のお店では別の感動が待っているかもしれません。ここは自分たちの責任で、自分たちの出会いを楽しもうと思います。などと言いながら食事はいつも手近なお店で手を打っていますが、まず後悔はありません。フラメンコやファドのお店は、ホテルで紹介してもらおうと思います。
    こうして立てた事前の予定は、現地の事情や気分などで大きく変わってしまうことも多く、半分くらいしか実現できないことがあります。特に今回は妻もメモ帳いっぱいに書き込みをしており、どこで何を買いたいとか食べたいとかそんなことなんですが、こういうのが大敵です。彼女はお店やお城など建物の内部でかなりの時間を取る方なので、私の方はいつもあせってしまいます。権利は半分ずつなので、これはどうしようもありません。

  • ホテルの予約まで進むと、旅行費用の概算が見えてきます。ホテルは原則4つ星クラスで暖かい朝食付きです。星の数と快適さとは直接関係ありませんが、少し贅沢に選びました。だんだん歳を取ってくると“寝るだけ”以上の環境がありがたくなってきます。全8泊で一人6万円弱といったところ。飛行機代の11万円と寝台特急の約2万円を加えて19万円。あとは昼と夜の食事、市内や近郊への交通費、入場料などの雑費だけなので、予算の一人25万円までには収まりそうです。<br />ツアーとどっちがいいの、とよく聞かれますが、単純に比較はできません。ツアーはたくさんの観光地を効率よく連れて行ってくれますし、私たちは好きなところを自分のペースで歩きたい、という基本的な違いが大きいからです。ツアーなら移動や食事の心配も不要ですが、自分でする場合はバスに乗るのさえ不安やロスがついてまわります。こうした想定外の出来事を楽しいと思うか、というのが分かれ道ではないでしょうか。自分の場合は歴史や美術、建造物への直接的な関心よりも、それらを含めた大きな風景の中を“気ままに旅行している状態”が好きで、楽しみはむしろ行程表の「余白」の方にあります。ツアーには残念ながらこの「余白」がありません。費用自体は、個人旅行ならプランの組み方や毎日の過ごし方で、高くも安くもなるでしょう。<br />

    ホテルの予約まで進むと、旅行費用の概算が見えてきます。ホテルは原則4つ星クラスで暖かい朝食付きです。星の数と快適さとは直接関係ありませんが、少し贅沢に選びました。だんだん歳を取ってくると“寝るだけ”以上の環境がありがたくなってきます。全8泊で一人6万円弱といったところ。飛行機代の11万円と寝台特急の約2万円を加えて19万円。あとは昼と夜の食事、市内や近郊への交通費、入場料などの雑費だけなので、予算の一人25万円までには収まりそうです。
    ツアーとどっちがいいの、とよく聞かれますが、単純に比較はできません。ツアーはたくさんの観光地を効率よく連れて行ってくれますし、私たちは好きなところを自分のペースで歩きたい、という基本的な違いが大きいからです。ツアーなら移動や食事の心配も不要ですが、自分でする場合はバスに乗るのさえ不安やロスがついてまわります。こうした想定外の出来事を楽しいと思うか、というのが分かれ道ではないでしょうか。自分の場合は歴史や美術、建造物への直接的な関心よりも、それらを含めた大きな風景の中を“気ままに旅行している状態”が好きで、楽しみはむしろ行程表の「余白」の方にあります。ツアーには残念ながらこの「余白」がありません。費用自体は、個人旅行ならプランの組み方や毎日の過ごし方で、高くも安くもなるでしょう。

  • 出発の3週間くらい前からは、持って行くものの点検をします。<br />メインの旅行ケースはせいぜい4〜5日用の大きさですが、10日くらいならこれで間に合います。妻は同程度のものをひと回り大きいタイプに買い換えるようです。彼女はチェコ旅行でボヘミアングラスの6個セットを、イタリア旅行では出発時の成田空港で大きなバッグ(箱も捨てられない)を購入したりしていつもたいへん苦労します。欲望を抑えるか、大きめのバッグか、“迷い”に結論が出たようです。<br /><br />私はデジカメを新調しました。正確に言えば、新製品が出たあとの旧製品を廉価で入手しました。キヤノンパワーショットS3-IS。手ぶれ防止やスローシンクロ(夜間のスナップ)などよく使う機能もひと通り備えていて、広角から光学12倍ズームまでの撮影が可能です。昨年のイタリア旅行ではデジタル一眼をぶら下げて行きましたが、大きくて重くて交換レンズもあって、首から下げるとうなだれてしまいます。比較すると今度のカメラは1/3くらいですから、小さなバッグにらくらく収納できます。<br />この他にも小型のデジカメを2台、状況に応じて使い分けるのと、故障や紛失時の保険として持ってゆきます。すべて乾電池で作動するタイプなので、長時間使えるオキシライド単三電池の徳用12個入りパックと充電用の電池セットを両方用意しました。充電のために現地のコンセント差込口形状を調べてアダプターを複数個揃えておきます。三脚はどうしようか、こういうのが結構荷物になります。SDカードなどのデジカメ用メモリーも全部で6ギガ分用意しました。通販サイト「VALUELAND」はメモリー類が安く、申し込みから商品到着までを丁寧にメールでフォローしてくれるので、安心して購入できました。<br />

    出発の3週間くらい前からは、持って行くものの点検をします。
    メインの旅行ケースはせいぜい4〜5日用の大きさですが、10日くらいならこれで間に合います。妻は同程度のものをひと回り大きいタイプに買い換えるようです。彼女はチェコ旅行でボヘミアングラスの6個セットを、イタリア旅行では出発時の成田空港で大きなバッグ(箱も捨てられない)を購入したりしていつもたいへん苦労します。欲望を抑えるか、大きめのバッグか、“迷い”に結論が出たようです。

    私はデジカメを新調しました。正確に言えば、新製品が出たあとの旧製品を廉価で入手しました。キヤノンパワーショットS3-IS。手ぶれ防止やスローシンクロ(夜間のスナップ)などよく使う機能もひと通り備えていて、広角から光学12倍ズームまでの撮影が可能です。昨年のイタリア旅行ではデジタル一眼をぶら下げて行きましたが、大きくて重くて交換レンズもあって、首から下げるとうなだれてしまいます。比較すると今度のカメラは1/3くらいですから、小さなバッグにらくらく収納できます。
    この他にも小型のデジカメを2台、状況に応じて使い分けるのと、故障や紛失時の保険として持ってゆきます。すべて乾電池で作動するタイプなので、長時間使えるオキシライド単三電池の徳用12個入りパックと充電用の電池セットを両方用意しました。充電のために現地のコンセント差込口形状を調べてアダプターを複数個揃えておきます。三脚はどうしようか、こういうのが結構荷物になります。SDカードなどのデジカメ用メモリーも全部で6ギガ分用意しました。通販サイト「VALUELAND」はメモリー類が安く、申し込みから商品到着までを丁寧にメールでフォローしてくれるので、安心して購入できました。

  • 煙草好きにはマッチが貴重品です。空港によってはライターの持込が禁止の所がありますが、どういう訳かマッチはノーチェックです。<br />昨年の旅行では、テロ未遂事件直後で厳戒のロンドン・ガトウィック空港でライターを没収され、出発ロビーの喫煙所ではマッチが活躍しました。あとから来たアラブ系の二人連れも火がなくて困っていましたが、箱ごとあげて大いに感謝されました。<br />新橋の焼きとり屋でもらったマッチが、その後アラブのどこかの国で“友好の火”を点し続けた筈であり、表彰モノです。

    煙草好きにはマッチが貴重品です。空港によってはライターの持込が禁止の所がありますが、どういう訳かマッチはノーチェックです。
    昨年の旅行では、テロ未遂事件直後で厳戒のロンドン・ガトウィック空港でライターを没収され、出発ロビーの喫煙所ではマッチが活躍しました。あとから来たアラブ系の二人連れも火がなくて困っていましたが、箱ごとあげて大いに感謝されました。
    新橋の焼きとり屋でもらったマッチが、その後アラブのどこかの国で“友好の火”を点し続けた筈であり、表彰モノです。

  • それにしても、ガイドブックのスペイン情報には「危険!」の警告があふれています。スリや引ったくりの手口や体験談、バッグはタスキ掛けするとかえって危ない、街歩きの基本は手ぶらで、などなど。いったいどうなっているのでしょう。<br />数年前に中欧を訪ねた折にもガイドブックには刺激的な記述が数多く載っていて、財布にチェーンの穴を開けたり小さな鍵をいくつも持っていったりしましたが、自分たちにとっては何の不安もない安全な街に感じられました。警告とはいえ、あまり大げさに書き過ぎるのも問題だと思います。今回、少しだけ事情が違うのは、知人の中に被害の経験者が複数いることです。数日前には、天声人語にも「筆者の同僚がハンドバックを・・・」取られた旨の記述が載っていました。用心に越したことはありませんが、かといって私たちができることは限られています。<br />油断は大敵、そのことを心に刻み付けて、あとはスペインの良心に任せるほかありません。

    それにしても、ガイドブックのスペイン情報には「危険!」の警告があふれています。スリや引ったくりの手口や体験談、バッグはタスキ掛けするとかえって危ない、街歩きの基本は手ぶらで、などなど。いったいどうなっているのでしょう。
    数年前に中欧を訪ねた折にもガイドブックには刺激的な記述が数多く載っていて、財布にチェーンの穴を開けたり小さな鍵をいくつも持っていったりしましたが、自分たちにとっては何の不安もない安全な街に感じられました。警告とはいえ、あまり大げさに書き過ぎるのも問題だと思います。今回、少しだけ事情が違うのは、知人の中に被害の経験者が複数いることです。数日前には、天声人語にも「筆者の同僚がハンドバックを・・・」取られた旨の記述が載っていました。用心に越したことはありませんが、かといって私たちができることは限られています。
    油断は大敵、そのことを心に刻み付けて、あとはスペインの良心に任せるほかありません。

  • 学生時代のひとり旅では準備らしい準備などしたことがありませんでした。<br />ドイツ中部の都市ケルンの学生寮に住んでいた頃、同僚にはスコットランドへ行くと言い残して出かけた先が北イタリアだったこともありました。その頃は、学生の旅はヒッチハイクが基本、最初に止まった車がスイスへ行くのに便乗した結果でした。こんな風では宿の予約もできません。泊まりはその日の到着駅で宿屋の客引きおじさんについて行ったり、町外れのユースホステルを探したり、行き当たりばったりで無駄足も多かったけれどそれはそれで楽しいものでした。<br />知らない街の日暮れ時はとりわけ心細いものですが、ひと目で貧乏と分かる旅行者を襲う者もいません。行く先々でのハプニングや現地の人々との暖かい交流に救われることが多かったと記憶しています。<br />そうそう、あの頃のスペインではお湯がちゃんと出るシャワーは奇跡のようなものでしたが、今はどうでしょうか。

    学生時代のひとり旅では準備らしい準備などしたことがありませんでした。
    ドイツ中部の都市ケルンの学生寮に住んでいた頃、同僚にはスコットランドへ行くと言い残して出かけた先が北イタリアだったこともありました。その頃は、学生の旅はヒッチハイクが基本、最初に止まった車がスイスへ行くのに便乗した結果でした。こんな風では宿の予約もできません。泊まりはその日の到着駅で宿屋の客引きおじさんについて行ったり、町外れのユースホステルを探したり、行き当たりばったりで無駄足も多かったけれどそれはそれで楽しいものでした。
    知らない街の日暮れ時はとりわけ心細いものですが、ひと目で貧乏と分かる旅行者を襲う者もいません。行く先々でのハプニングや現地の人々との暖かい交流に救われることが多かったと記憶しています。
    そうそう、あの頃のスペインではお湯がちゃんと出るシャワーは奇跡のようなものでしたが、今はどうでしょうか。

  • 時代も流れ、年齢もとり、寄り添う同行者がいる今は、短い日程を効率よく安全に動くための準備や工夫が必要になりました。<br />旅のプランづくりは楽しい作業ですが、行きたいところを切り捨てることも多く、あともう2〜3日あれば、と悔しい思いをすることがしばしばです。いつかまた、帰る日のことなど考えずにたっぷり時間をかけて、風まかせの旅をしてみたいと思っています。行き先は今回あきらめたドブロブニクか、エズの村か。アンダルシアの白い村にも是非行ってみたいものです。<br /><br />7月から11月まで、5ヶ月間も続いた準備期間。準備を始めたときから旅は始まっていました。正味の旅行はたった10日なのに、今回は出かける前からずいぶん長い旅をしたように感じています。<br /><br />それでは、いよいよ出発です。<br />

    時代も流れ、年齢もとり、寄り添う同行者がいる今は、短い日程を効率よく安全に動くための準備や工夫が必要になりました。
    旅のプランづくりは楽しい作業ですが、行きたいところを切り捨てることも多く、あともう2〜3日あれば、と悔しい思いをすることがしばしばです。いつかまた、帰る日のことなど考えずにたっぷり時間をかけて、風まかせの旅をしてみたいと思っています。行き先は今回あきらめたドブロブニクか、エズの村か。アンダルシアの白い村にも是非行ってみたいものです。

    7月から11月まで、5ヶ月間も続いた準備期間。準備を始めたときから旅は始まっていました。正味の旅行はたった10日なのに、今回は出かける前からずいぶん長い旅をしたように感じています。

    それでは、いよいよ出発です。

  • (最近発見した、1972年12月のスナップです。相当色があせていますが、確かにリスボンのサン・ジョルジュ城です。どの道を登ってきたのか、誰に撮ってもらったのか、さっぱり記憶にありません。)

    (最近発見した、1972年12月のスナップです。相当色があせていますが、確かにリスボンのサン・ジョルジュ城です。どの道を登ってきたのか、誰に撮ってもらったのか、さっぱり記憶にありません。)

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この旅行記へのコメント (4)

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  • ニースのミモザさん 2008/11/07 13:14:32
    拝見しました!
    極楽人様

    こんにちは!
    クロアチアの旅行記からこのページに辿り着きました。

    たぼじいさんと同感です。
    私もこういう情報が欲しかったです。

    クロアチアもポルトガルも再訪したい所で、色々情報を探していました。
    もし宜しかったら、ドブロブニクのNennyおばさんのSOBEの連絡先を教えて
    下さいませんか?宜しくお願いします。

    1度見て忘れられない風景、私もTVや本等で見て素晴らしいと思い、何回と無くそれぞれの場所を旅行先に選んで行きました。
    憧れの場所、写真やTVで見た場所に自分自身が立っている事に満足感を得ます。

                Niceのミモザ

    ニースのミモザ

    ニースのミモザさん からの返信 2008/11/08 14:59:59
    有難うございます!
    極楽人様

    早速、ドブロブニクのSOBEの連絡先有難うございました。
    ピレ門からすぐのいい場所で、城壁からも見れるのですね。
    今度、行く時は泊まって見たいです!!
    朝食も楽しみですね>>>

    それからとても素晴らしいBLOGGを御紹介頂き、感謝します。
    先程、少し見てみましたが、再度ゆっくり時間を掛けて見る事にしました。

    私の旅行記は、下手な写真ばかりで余り参考に成らないかと思います。
    でも極楽人さんのクロアチア旅行記は、素早い投稿ですね。

    私も、最新の旅行の分、頑張っていますがなかなか進みません!



                Niceのミモザ

    ニースのミモザ

    ニースのミモザさん からの返信 2008/11/08 18:32:11
    再び有難うございます!
    極楽人様

     こんばんは!
     またまた、コメント&情報有難うございました。 
     KOTORの旅行記も見させて頂きました。
     私も2006年にスロベニア&クロアチア&ボスニア&モンテネグロ
     というツアーで、KOTORにも行きましたが...
     ツアーでは、なかなかゆっくり見て周る事は出来ませんでしたので
     今回のお写真もとても興味深く見せて頂きました。
     とても素敵な町ですよね!!

     次回は、島巡り?
     私が、クロアチアに再訪したいのも島巡りもして見たいと思っている
     のです。とても楽しみです!!

     
                Niceのミモザ
  • たぽじいさん 2007/12/05 15:06:27
    これを待っていました!!
    極楽人様 はじめまして。

     先程、興味のあるポルトの旅行記を拝見し、逆コースでこの「準備編」に辿り着きました。

     まさに私の待っていた内容でした!!

     大変、大変参考になりました。そして、行きたい所を取捨選択するお気持ちが痛いほどわかりました。「そうそう」とうなづいて拝読しておりました。

     私はまだ一度しか外国旅行をしたことがありません。イタリアへツアーで行ったんですが、10日間が夢のような日々でした。フォートラベルに拙い旅行記を載せましたが、極楽人さんのような「準備編」を追加したいと思いつつ今日まで来てしまい、いまだ出来ていません。

     旅の計画、準備の段階も大きな楽しみのひとつと思いますが、それを開陳していただけ、私のような経験の少ない者にとっては、大変参考になります。有難いです。

     来年の春にヨーロッパを一ヶ月かけて周遊しようと計画中です。興味があるんですが地理的な関係で、スペイン、ポルトガルは計画に入っていません。特になぜかポルトには惹かれています。旅行記を拝見して、行って見たくなりました。すると、どこを削るのか?(涙)

     大いに参考にさせていただきます。

     有難う御座いました。

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