2007/11/19 - 2007/11/19
45位(同エリア83件中)
極楽人さん
スペイン〜ポルトガル旅行の PART?です。
2007年11月19日(月) 旅行4日目のこの日は、マドリッドの西方約150?に位置する断崖の要塞都市CUENCAをたずねました。
3泊過ごしたマドリッドのCARLTONホテルを朝9時にチェックアウト。でも大きな荷物は夜まで預かってもらうことにしました。軽装でATOCHA駅まで歩き、駅のタクシー乗り場から南バスターミナル(Estacion Sur)へ移動です。バス会社はAuto Res社。この会社のターミナルは9月にそれまでの Conde de Casalからここに引っ越してきました。窓口は53〜62番。往復で頼みましたが、「往きがEXPRESSで帰りが普通便なので割引はきかない。」と言っているようでした。往路は10:00出発で約2時間、復路は16:30発で2時間半の行程は列車より早く便利です。
実は前夜訪れたマドリッド三越で、店員の方から「クエンカは遠いばかりであんまり良くないですよ・・・」と言われてたちまち変心し、近郊のChinchon〜Aranjuezコースへと変更するつもりで駅の時刻表も確認していました。それを、ホテルの朝食時にふと見たテレビの天気予報で「マドリッド周辺は雨、クエンカのあたりから東は晴れ」の記号を見て、再度変更したのです。
期待が少なかった分、いやいや、そんなこととは関係なく、見事な絶景を堪能しました。趣味は人それぞれで無理強いはいけませんが、「クエンカはほんとにいいですよ!」
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AUTORES社のバス乗り場です。列車と同じで、出発15分前にならないとホームが決まらないので気が抜けません。EXPRESSだけあって、座席は幅広の豪華皮張りシートでした。
乗客は座席番号を守らない、と何かに書いてありましたが、このときは皆きちんと自分の番号の席に座っていましたよ。 -
30分も走ると家並みはすっかり途絶え、ゆるい起伏を持つ赤土の大地に分け入ります。
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進むごとに緑は絶え、荒涼たる原野が続きます。こうした風景はクエンカに着く寸前まであまり変わることはありませんでした。
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これがクエンカのバスターミナル。すぐ裏側にRENFE(国鉄)の駅がありますが、こちらはずいぶん寂れた感じでした。旧市街へは、バスターミナルを背にして右側の、道路の反対側にあるバス停から「1番」の路線バスに乗りました。当初、時間の節約からタクシーを捜しましたが30分しても捉まりません。親切な地元の方々にバスを教えていただきました。
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バスは旧市街への坂道をひたすら登ります。道が狭く、車とすれ違うときは冷や汗をかきますが、案外スピードを落としません。旧市街の中心マヨール広場(写真)で他の乗客は全部降りましたが、私たちは「せっかく登っているんだから・・・」と終点まで行きました。
これが大成功でした。 -
運転手さんに「終点!」を告げられました。バスはここで折り返します。バスを降りて振り返ったとたん、この景観が目に飛び込んできました。
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なんという街でしょう! そのまま動けなくなりました。
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下の建物は修道院を改装したパラドールでしょう。その上に小さく「宙吊りの家」が見えます。
「・・・・・・」声も出ません。 -
二つの断崖をつなぐ歩行者用の細い鉄橋。こちら側はパラドールです。
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「宙吊りの家」へもっと近く。新調したデジカメの光学12倍ズームが威力を発揮します。
30分くらいは動けずにいたでしょう。少し寒くなってきたので、登ってきた道を少しづつ降りてゆくことにしました。 -
展望台からすぐのところに、街への入り口があいています。ここから中が旧市街です。
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街は閑散。一緒にバスで来た人たちはどこへ行ったのでしょう。
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CUENCAの紋章が入った、由緒あるマンホールの蓋です。
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マヨール広場に建つ、由緒あるカテドラル。「内部見学」はお休みでした。
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由緒ある普通の家並み。カラフルですがどことなく寂れていて、「栄光はずっと昔のこと」だと語っているようです。
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一度下まで降りて、今度は宙吊りの家の下に回ってみました。なるほど、テラスが結構せり出しています。
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こんな角度はいかがでしょうか。
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「宙吊りの家」も表に回ると、普通の家でした。現在はレストランと美術館になっています。
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鉄橋を渡ってパラドールに向かおうとしたとき、橋の中央部から誰かが飛び降りました。自殺です。私と妻は偶然、その瞬間を見てしまいました。妻は、事前に祈りの声らしきものを聞いたといっています。
他にも観光客がいて警察を呼びましたが、妻にはただでさえ恐ろしい橋を震えながら渡ることになりました。渡り終える頃には、橋の下にパトカーが到着していました。
真偽は定かでありませんが、スペインの自殺はたいていが「飛び降り」だそうです。マドリッド散策ツアーの際にもガイドさんが高い橋を指して「名所です」と教えてくれました。 -
パラドールでは食事をとるつもりでしたが、こんな事件のあとではクエンカ!? 空腹も感じませんが、私は無理やりお茶とサンドイッチを喉に流し込みました。
ここまでで時刻は3時半を回っています。復路のバスは04:20発です。パラドールでタクシーを呼んでもらい、新市街のバスターミナルに戻りました。タクシー代は4ユーロを超えませんでした。 -
CUENCAバスターミナルの切符売り場です。バスは定刻に発車しました。乗客はパラパラ。来たときよりも少ない感じです。
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帰路は普通便なので、ところどころ停留所に止まってゆきます。こんなところで降りてどうするんだろう、と心配になりますが、ちゃんと車で迎えに来ていました。
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荒地を耕すトラクター。燃える男のォ〜 青おいトラクター〜〜・・・
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夕方6時半過ぎに出発と同じ南バスターミナルに戻り、接続している近郊列車CERCANIASで一駅先の国鉄駅RENFE ATOCHAに戻りました。セルカニアスは通勤の足らしく、時刻も平日の夕方ラッシュ時。皆早足でどっと降りてどっと乗り込む都会の電車の活気がありました。
ATOCHA駅前の「ソフィア王妃芸術センター」に立ち寄り、ピカソの大作ゲルニカなど現代絵画を鑑賞。平日は夜9時まで開館しています。ガイドブックでは3ユーロ/人とありましたが、6ユーロ/人取られました。そのあと近くのレストランでビールとパエリヤの夕食、ふたりで15ユーロくらい。荷物を取りにホテルに戻ったときは、夜10時近くになっていました。 -
荷物を受け取り、タクシーで市北部のCHAMARTIN駅に向かいます。タクシーはとても安く便利で、時間のない時や大きな荷物がある時などよく利用しました。メーター制がしっかりしていて、料金は日本の1/5位でしょうか。市内なら5ユーロを超えることはまずありません。この時も20分近く乗って料金は7ユーロ程でした。この若い運転手さんが見事に爽やかなイケメンで、めずらしく妻が「写真、写真!」と言っていました。勿論、写していません。
私たちはこの後、チャマルティン駅から22:45分発の国際寝台列車でリスボンをめざします。 -
これが TRENHOTEL ルシタニア(LUSITANIA)号、マドリッドのCHAMARTIN駅とリスボンのSANTA APORONIA駅を10時間ほどで結びます。時差が一時間ありますが、リスボン到着は朝8時の予定です。
チャマルティン駅ですが、喫煙の規制が空港並みに厳しく、構内では一切吸えません。因みに、この列車もまるごと禁煙でした。日本での予約時から知っていましたが、スペインのことだから・・・と、甘く見ていました。関係者はご注意ください。 -
列車の横腹に取り付けられた行先表示板です。どこか哀愁を感じます。それもそのはず、スペインとはこれでお別れとなります。
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私たちはPreferenteという一等の二人用個室をとりました。最上クラスとは違ってシャワーはなく夕食も付いていませんが、鍵のかかる専用の部屋は気楽です。
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通常のコンパートメントと変わらない大きさなので、結構手狭です。片側が2段ベッド、もう片側が荷物置き場になっており、上段へは折りたたみの階段で上がります。この階段は机にもトランスフォーム(変形)します。洗面ではお湯も出て、鏡の裏にはタオルのほかいろいろな洗面用具がたっぷり詰まっていました。
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走り出すと意外に揺れが激しく、私の方は揺り篭の中のようにぐっすり眠れましたが、妻は一睡もできなかったようです。後から知ったことですが、途中で機関車が故障して、最後尾にもう一台機関車を連結して押していたそうです。夜中の3時頃、妻は連結音を聞いています。ひどい揺れも、そのせいだったかもしれません。
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朝はいつものように5時過ぎに起床。外は真っ暗ですが、6時からは食堂車へ朝食を食べに行きました。これは料金に入っていて、前夜チケットをもらっています。温かいお茶かコーヒー、ヨーグルト、卵料理かフルーツかを選べました。
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7時半を過ぎて外が見える明るさになってきました。列車はスペインを抜けて既にポルトガルに入っています。景色には少しづつ緑が濃くなってきています。
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予定の到着時間に近づいた頃、「車両故障のため2時間程度の遅れが生じている」とはじめて車掌さん(左端の若い女性)から説明がありました。払い戻しかな、と一瞬ニンマリしましたが、それはありませんでした。これ以降、列車はたびたび臨時停止し、私もその都度外に出て煙草を吸ったり、車掌さんとツーショットを撮ったりと結構忙しく動きました。
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特急列車が各駅停車になりました。困る乗客もいたのでしょうが、私たちは急ぐ旅でもなく雨も止まないので、むしろちょうどいい感じです。小さな駅で人々の普通の生活を見るのもいいものです。
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結局、トレンホテルは2時間遅れの10時過ぎにリスボン市北東の近代的なオリエンテ駅(写真)に到着、5分後に終着のサンタ・アポロー二ア駅にたどり着きました。すっかり明るくなり、いい具合に雨も上がっていました。
このあとは、リスボン編に続きます。
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