2007/11/23 - 2007/11/24
596位(同エリア1108件中)
極楽人さん
スペイン・ポルトガルの旅の PART?(最終章)です。
ポルトはポルトガルで2番目に大きな都市、日本では「魔女の宅急便」のモデルになった街としても知られています。私たちが最後に訪れたのがこの美しい街でした。
いくつもの急な勾配の丘の、上にも下にも斜面にも、昔からの建物がびっしりと密集して張り付いています。今回訪問した三つの都会では、何処か大雑把なマドリッドから緻密な感じのリスボンを経て、この街の景観がいちばん濃厚に凝縮されていると感じました。
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ナザレを朝10:50分に出発したRede Express社のバスは、途中レイリア(Leiria)で小休止の後にまずコインブラへと向かいます。写真はバスターミナルに近いレイリアのお城です。
すぐ近くにファティマの町があります。ナザレもそうでしたが、このあたりはつい最近までキリストにまつわる“奇跡”がよく起きる地域でした。この地域の人々の素朴で深い信仰心と関係があるのでしょう。 -
ナザレ出発から2時間。12:50分に、バスは学究都市コインブラの街へ入りました。ポルトガル第3の都会です。バスはここで1時間休憩を取り、14:00に出発します。切符はナザレ〜ポルトの通しで買ってあり、ひとり12.50ユーロです。
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コインブラのバスターミナルは町の中心から少し離れています。都心まで歩けない距離ではないようですが、バスの発車までわずか1時間。お腹もすいていたので昼食を優先させることにしました。
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大きな都会の大きなターミナルで、禁煙の待合室も立派です。
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私たちは道路を挟んでターミナルの反対側にあるレストランで昼食にしました。この日はフィンランドとのサッカー戦がありましたが、皆さんが熱心に見ているテレビは少年サッカーでした。
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「本日のスープ」はお値打ち1.5ユーロ。青菜たっぷりのクリーム仕立てで、これとパンだけでお腹いっぱいになります。
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ポテトと絶品タコの塩茹で。大きなタコは日本では茹でると硬くなってしまいますが、中までお餅のように柔らかく美味でした。
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食後は、通過するだけのコインブラをズームで一枚。のちに独裁政治家として権勢を振るったサラザールが教鞭をとった大学は、あのあたりでしょうか。
どことなく知的な雰囲気の町の、名残のショットです。 -
バスは再びポルトを目指して走り出します。車窓には、名産ポートワインのブドウ畑が目立ってきます。お天気も良く、のどかな景色に眠くなってきます。
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すぐ後ろの席の、学生風のかわいいお嬢さんも眠っています。帰省の途中でしょうか。
このお嬢さんには、コインブラでの乗車時に席を探していたら、「好きな座席でいいんですよ」と教わりました。これまでのバスでは誰もが指定券どおりの座席に座っていたので、これは“新ルール”でした。 -
ポルトの町が見えてきました。15:30分、予定通りの到着です。町の中心に近いバスターミナルに着きました。
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ターミナルから町の中心部へ少し坂を登り、大きな劇場の先を今度は少し下ります。リスボンのホテルに大きな荷物を預けた軽装なので苦になりません。賑やかな通りに面して、今日泊まるオテルグランデは建っています。
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GRANDE HOTEL DO PORTO が正式名称。この旅のホテルでは最も格調高いホテルです。それでも三ツ星なのは、古いために安全面の基準が満たせないのか玄関の間口が狭いのか、それとも駐車場がないのか。威風堂々、内部は重厚で豪華。しかし設備は近代的な、快適なホテルでした。
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ロビーは廊下を挟んだ両側、どちらも豪華です。調度品は落ち着いた濃い目の茶で統一され、どっしりと重みがあります。テーブルには立派な灰皿。歴史と伝統を重んじる気風が嬉しいですね。
よれたコートに赤シャツ・Gパンで訪れては申し訳なかったかな、と思ったくらいです。 -
部屋はこんな風。特に広くはありませんが落ち着きます。洗面所、お風呂も大きくて文句なし。壁には日本でも人気のフェルメール「牛乳を注ぐ女」の複製画が飾ってあります。
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部屋を確認したら、早速町へ飛び出します。
午後4時半、もうすっかり夕方です。ドウロ川を望む高台から対岸の街、夕陽がオレンジ色の屋根の街をいっそう赤く染めています。 -
対岸への橋の途中で、いま来た街の側を見ました。陽が当たっていない方は少し薄暗くなっています。
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こちらはまた対岸。ポートワインの醸造所が並んでいます。
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今度は反対の、街の中心がある岸の方。川沿いはレストランが並んでいます。
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同じ側の先端部分。夕闇が迫ってきました。高みに架けられた橋を対岸へ進みながら、先を見たり振り向いたり繰りを返しながら、夕闇の中を残り少ないシャッターチャンスを求めて写真に収めます。美しい街です。
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この橋が、街の中心と対岸とを結び、上を地下鉄が通行しています。近くに、今は使われていないエッフェルの弟子が設計した鉄橋もありました。19世紀の終わりにエッフェル塔などの巨大な鉄の構築物が作られた時代のもののようです。
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夕陽が地平線近くに位置に移動して、もう低い土地には陽が当たりません。かもめが一羽、名残惜しそうにしています。
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橋を渡りきり、今度は水辺まで降りてもう一度街の中心側の景色をカメラに収めました。
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これから、写真の醸造所で今日だけのイベント、ワイン工場の「試し呑み」を体験します。
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お客が適当に集まると、英語のガイドさんが付いてツアーが始まります。くるっと回って説明を聞いて、最後は昔の酒場風の部屋で赤と白のワインを試します。カナダの夫婦、イギリスの老夫婦と一緒の組になりました。所要時間約30分、ひとり2ユーロでした。
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試飲ツアーを終えて外へ出ると、すっかり暗くなって街はライトアップされていました。
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ホテル前の通りもこんな風に。ストリートごとに飾り付けの模様が異なり、それぞれきれいで楽しめますし道しるべにもなって便利です。
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夕食はホテル近くの、ガイドブックに載っていた鳥料理のお店をたずねました。何度か迷いながらたどり着き、1階(地階)がカウンター、2階(1階)がテーブル席はガイドブックどおりです。にこやかなマスターが階段を登ったり降りたり。喜ばすつもりでガイドブックを見せたら「これは友人の店です。」失礼しました。それにしてもよく似ていました。
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自慢の鳥の炭焼きとたっぷりのサラダ、これで一人分です。量が多くて食べ切れません。
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名物のタコ料理とピロシキのような揚げ物も注文し、付いてきたパンとチーズはお返ししました。値段は定かでありませんが、どの品も6〜10ユーロだったと記憶しています。ふたりで30ユーロ前後だったと思います。食後は街のショーウインドウを覗いたりして過ごし、10時前には疲れて眠りました。
“ピロシキ”は食べきれず、持ち帰りにしてもらって翌日のバスの中でのお弁当になりました。 -
翌日の早朝、ひとりで散策に出ました。川沿いまで歩くと、岸辺には濃い霧が立ち込めていました。鉄橋を行くメトロも霧の中です。
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岸辺につながれた舟も霧の中。ワインの樽が積んであります。
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次第に日差しが強くなって、霧は何処へともなく消えてゆきます。今日も快晴です。
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川沿いまで降りてきてしまったので、丘の上のホテルに帰るにはケーブルカーを利用します。昨夜も利用しましたが、夜で写真が取れませんでした。一回1.3ユーロ、カードを発行してくれて、その日のうちなら次回は0.85ユーロになりましたが、仕組みは良く分かりません。
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ケーブルカーは5分ほどで頂上へ。降りた場所は街の中心部、バスターミナルの近くでした。
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ホテルの朝食は豪華な食堂で。
7時からの開始を待ちわびていたのは、私たちと早立ちのセールスマンと思われる3人だけでした。 -
味も品揃えも申し分ありません。朝食にも独特の格調を感じてしまいます。
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これが私の分。こうして見ると大した様には見えませんが、まあこんなものでしょう。
このあとチェックアウトし、リスボン行きのバスに乗る14:00まで荷物を預かってもらって街へ出ることにしました。 -
まず、ホテルに近いボリャオン市場へ。どの街に行っても市場は必ず立ち寄るところです。その街の生活のにおいがします。ここは二階建てになっていて、食料から雑貨まで何でも揃うところのようです。
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ソーセージ。
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くだもの。
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肉。ブタがうれしそうに笑っています。
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鳥。これは笑う余裕もないようです。
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カニ。
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そして威勢のいい魚屋さんです。
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ホテルの通りへ戻る角に、外壁が一面アズレージョの教会がありました。中をちょっと覗きましたが、ミサの最中なので遠慮しました。
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教会の側面も一面のアズレージョ。手持ちのガイドブックには載っていませんでした。
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ホテルの通りを街の中心に向かって登りきったところにある教会。何度もここを通りました。よく見ると、ここの外壁もアズレージョです。
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サン・ベント鉄道駅。地図ではさっきの教会からすぐ近くの筈ですが、ずいぶん低い場所にありました。なかなか辿りつけず、いろいろな人に尋ねながら下り坂をたどって、ようやく見つけました。またもやアズレージョ。
アズレージョ恐るべし。 -
こっちはホーム。ポルトガル国鉄CPマークの列車が止まっていました。
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駅の横にはリベルターデ広場。通り沿いのアパートをサンタさんが登っています。
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私たちは道を進んで、街1番の眺望を誇るグレゴリス教会の高い塔を目指します。地上76m、高いところには登ってみなくてはいけません。
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入り口で入場料を払い、狭い石の階段を何段登ったでしょう。苦労は買って出るものです。その甲斐あって、これが塔からの眺望。ポルトとドウロ川が一望です
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これは逆光。ドウロ川がきらきら輝いています。
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もったいないので、手すりの枠を生かしてもう数枚押さえました。表紙に記載した写真も同様です。
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サン・ベント駅に近い丘の上の、大きなカテドラル。もとは要塞だったそうです。
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カテドラルの裏道には生活の匂いが充満しています。
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かわいい少年、そのまま育てよ。
余計なお世話ですか・・・ -
ポルトガルの洗濯物。日差しがいいので、気持ちは良く分かります。
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坂道を下りるたび、新しい風景に出会います。
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坂を折り切りました。下から見上げると、空の青さがいっそう際立ちます。
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川辺はレストランが軒を並べています。お昼を過ぎていましたが、我々は散策を続けます。
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味のある家並みが続いています。何処も絵葉書のようです。
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午後1時過ぎ。そろそろホテルの荷物を受け取り、14:00発のリスボン行きバスに乗る時間です。
ケーブルカーで一気に街の中心部へ戻ります。 -
地味な色合いのポルトの市電。ほとんど徒歩で移動できたので乗ることはありませんでしたが、この市電に送られてポルトとはお別れです。
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ポルトを出発したバスはノンストップでリスボンまで走ります。所要時間は3時間半、列車と変わらず、しかも割安(16ユーロ)です。ノンストップなので、トイレも付いています。
17:30にリスボン Sete Riosのバスターミナルへ到着。降りたすぐ横がメトロの駅で直結していますが、また荷物が増えたのでタクシーでホテルに向かいました。 -
再び、MUNDIAL HOTELへ。二日ぶりです、だんだん懐かしくなってきました。
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今度の部屋は新館、玄関から上がって裏手の方に廊下をまっすぐ進みます。途中、旧館とのつなぎ目の段差を越えた所が私たちの新しい部屋です。
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洗面所も広くて清潔。ただ欲を言えば・・・
今回の旅行では、日本で普及しているシャワートイレには一度も出合いませんでした。まだ普及していないようです。「だからTOTOやINAXの人は欧州でもっとがんばらなくちゃ」という妻の主張。確かに、ここは“昔風”にこだわる必要はありません。便座も一つで済み、スペースも快適さもずっと増すことでしょう。 -
新しい部屋は、窓からサン・ジョルジュ城が望めます。明日は早立ちなので、残念ながら夜景しか見られません。
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この日は最後の買い物をして、以前行ったBALEALという海鮮料理のレストランを再訪しました。一見、愛想のない、しかし実はひょうきんなウエイターさん。
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名物のカタブラーナ。前食べたのと具が少し違っていましたが、量も多くいい味でした。妻はこの料理用の銅の鍋(写真右上)を、ナザレの市場で買いました。
旅行も最後の方になると、いちいち値段を覚えていません。 -
夜10時頃でしたが、子供たちも親に同行してきました。そろそろ退屈して店内を冒険しはじめた彼らを、カウンターのおじさんが上手にあしらっています。
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最後の夜でしたが、早寝早起きの私たちはとうとうファドもフラメンコも見られませんでした。その代わりに、アマリア・ロドリゲスのCDを一枚買いました。
あとはホテルに戻り、帰国前の荷造りです。私の方は簡単でしたが、妻は・・・ -
11月25日。朝6時少し前にホテルを出発。タクシーでリスボン空港に向かいます。15分、8ユーロくらいでした。FINNAIRのカウンターでeチケットを渡し、荷物を預けます。このとき、税の還付手続きカウンターを聞いたら71番入場口だというので、その近くのゲートから入ることにしました。結構、距離がありました。
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還付手続きは7時からなので少し待ちました。まず片方のブースでお店のレシートにスタンプを押してもらい、フロアー反対側のブースで支払いを受けます。ここでユーロをもらってもしょうがないので、クレジットカードに振り込んでもらうことにしました。勿論、このあたりは「撮影禁止」です。
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乗り場は、また端っこ。でも具合よく、喫煙コーナーの横でした。免税店で、美味しかったポルトガルの煙草を探しましたが置いてなく、「よく似た味よ」との店員さんの言葉に従って別のものを買いました。驚いたことに、10個入りカートンが30ユーロで街中と同額、何の免税効果もありませんでした。
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これが今から乗る飛行機。8時50分出発です。
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往路と同じく、まずは中継点のヘルシンキまでです。
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時差の2時間を修正して、15時25分ヘルシンキ到着。
とりあえず私は一服。 -
妻は買い物。残りのユーロを使い果たしますが、ここでは日本円も使えるので“危険”です。欧州の国々がユーロで統一されて観光物価はずいぶん上がりましたが、両替の手間が要らずコインが使えるようになったのは便利な点です。今までよく覚えないままにチップでしか使えなかった小額コインも、何度も見ているうちに色とカタチを識別できるようになりました。
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また、昨年来たときは、こんなに大きな空港だとは感じませんでした。搭乗ゲートの近くの免税店は品揃えも少なく妻には物足りなかったようですが、今回、全容を見るとずいぶん整っていてお店も多彩です。
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ヘルシンキ発17:20発の成田行。出発時刻が近づくと何処からともなく日本の人たちが集まってきます。地球の自転にも助けられるのか、成田までは往路より速い8時間55分。また2回食事があって、ダイハード4(“吹き替え”で更にひどい)を見て、うつらうつらしているうちに、日本時間の翌朝10時過ぎ、ほぼ予定通り成田空港へ到着しました。
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今後の旅行では「準備し過ぎたかな」と少し反省もしています。街の地図も通りの名も訪ねる場所の写真も何度も見ているうちに頭に入ってしまい、現地では新鮮さより先に「ここ、知ってる、知ってる。」“デジャブ”の連続でした。何事もやりすぎは良くないようです。
とはいうものの、旅で得たもの=たくさんの印象的なシーンの記憶と元気。失くしたもの=百均の老眼鏡ひとつ。どう計算しても行った方がお得だった、10日間のスペイン・ポルトガル旅行でした。(完)
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