2007/11/20 - 2007/11/26
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極楽人さん
2007年秋の「スペイン〜ポルトガル旅行」PART?です。
11月20日(火) 午前10時半少しまえ、マドリッドからの国際寝台列車ルシタニア号は終着駅リスボンのサンタ・アポローニャ駅(SANTA APORONIA)に2時間遅れで到着しました。雨は上がり、雲の切れ目から帯のような光の筋が見えてきました。
リスボンに着いて最初にしたことは、セーターを一枚脱いだこと。マドリッドより2〜3度は気温が高いようです。これなら歩き回るときは薄手のコートさえ要らないかもしれません。
ポルトガルの街はどこも小奇麗で清潔です。スペインのような、道端やバルの中までゴミや紙くずが散乱しているところは見かけませんでした。歩行者信号以外は、公共マナーも案外きちんと守られているように感じました。
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普通の建物に見えますが、これが SANTA APORONIA駅です。右手の方にアクリル製の低い屋根、タクシー乗り場が伸びています。
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駅を背にして右側の家並み。いきなりそそり立つ丘の前には駅を取り囲むように、きれいな絵タイルで装飾された家が並んでいます。ポルトガル名物の「アズレージョ」というそうで、街のあちこちで見ることが出来ます。
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都心に向かうなら、ひとつ手前のオリエンテ駅の方が便利だとガイドブックに書いてありました。メトロの接続が良いからだそうです。
でも私たちのホテルはここから近いバイシャと呼ばれる地区にあります。重い荷物もあるので迷わずタクシーを選びました。 -
タクシーには、自作のカードを見せながらよろしく(Por Favor)と行き先を告げます。今回は準備時間が多かったのでいろいろ工夫しましたが、これはヒット作だと思っています。バスや列車の切符の購入も、片道とか往復とか書いてあるので窓口でもスムーズでした。およそ訪問の可能性がある場所、使う予定の切符ぶんを作り、地の色はスペインが黄色、ポルトガルが青色と色分けしておきました。
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タクシーは左にテージョ川を見ながら西に少し進み、右折して丘を登りはじめました。
10分ほどでMUNDIALホテルに到着です。荷物代をを入れて4ユーロ程でした。ポルトガルのタクシーもメーター制で安心です。 -
本来ならチェックインには早すぎる時間ですが、寝台車で寝られなかった妻のことや汗を流したい気持ちもあって、空いている3Fの部屋に入れてもらいました。そんなに広くはないですが、清潔で気持ちの良い部屋でした。勿論、今度は喫煙可能。カード鍵も2枚もらいました。(欧州では普通、日本の1階は地階または0階、日本の2階が一階となります。)
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ムンディアルは旧館と新館を持つ大きなホテルです。繁華なロシオ広場とフィゲラ広場のすぐ横で、どこに行くにも立地は最高だと、これはたくさんの方の旅行記で拝見しました。私たちは旧館ですが、広い部屋の窓からはホテル前の公園が見渡せ、市電やバスの停留所もすぐそばにあります。今回はここに今夜と明晩の2泊、更に2日あいだをあけた後に1泊します。
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シャワーでさっぱりしたあと、さっそく街へ出ます。
ホテルを出てすぐのフィゲラ広場の隅にcarrisと表示された総合切符販売所があり、7Colinasを2枚購入しました。勿論あの自作カードを見せたのです。これで市電も地下鉄もバスもエレベータも一日中乗り放題です。購入事時刻が刻印されるので24時間券なのか、それとも日付の日だけなのか、気になりましたが、ホテルの人も知りませんでした。
ロシオ広場からコメルシオ広場まで一直線のアウグスタ通りをぶらぶら歩きます。薄着の人も厚着の人も、思い思いです。私はコートもセーターも置いてきました。ちょうど良いくらいの陽気です。 -
横路にサンタ・ジェスタのエレベータが見えました。丘の多い街では、平面地図ですぐそばの場所でも急な起伏のために行けないことがあります。このエレベータもケーブルカーも、観光用というより高地と低地の生活を繋ぐためにあるのでしょう。
どの通りもクリスマスの飾りつけがされています。 -
アウグスタ通りの突当たり、この門の向こうがコメルシオ広場、その向こうがテージョ川です。
日本で地図を見ていたときより、ずっと近い気がします。ロシオ広場からここまで、ゆっくり歩いてわずか5〜6分です。 -
コメルシオ広場の手前の横路で28E番の市電を見つけました。ガイドブックには「28番の市電が街の見所を横断して進む」と書いてありましたが、末尾の"E”が分かりません。28番は確かホテルの前を走っていました。かまわず一応乗ってみました。
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電車に乗り込み、運転席の横の機械に7Colinasをピッとかざして、これはスイカと同じです。
市電28Eは坂を登り、下り、見知らぬ広場を過ぎてぐんぐん進みます。 -
車内はこんな状態です。
学校の近くを通りかかったとき、中学生くらいの男の子が数人、走る電車の後部に飛びついて無賃乗車を決め込みました。日常風景なのでしょうか、誰もとがめることもなく2駅目で去ってゆきました。悪ガキはどこにもいます。 -
左側の車窓にビッカ線のケーブルカー駅を見つけて、市電を降りました。市電と同じ黄色の車体、街並みの向こうに海のようなテージョ川が光っています。
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ケーブルカーはゆっくり降りて、5分ほどで下のターミナルに着きます。線路内に人が入ってきたり横切ったり、この辺は鎌倉の江ノ電と一緒です。
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ケーブル駅のすぐ下に市場がある筈なので行ってみましたが、お昼の休憩中なのか閉まっていました。
仕方なくコメルシオ広場まで、撮影ポイントを探しながら歩いて帰ることにしましたが、途中から雨になりました。 -
カメラを通しても通さなくても、一度繁栄した街というのは独特の風格があるものです。石造りの重さとパステルカラーの軽さ、適度なくすみも加わって、アメリカ仕様にはない心地の良い落ち着きを感じます。住んでる人には決して便利ではないのでしょうが、保全されていることに賞賛を覚えます。
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帰る途中、今度はさっきと反対方面に行く28Eに飛び乗ってアルファマ地区の展望台に行きました。
雨は長続きしません。この頃には晴れて、テージョがほんの少しきれいな青みを帯びてきました。 -
ロマネスク風の塔を備えた古いカテドラルです。窓や内部には他の様式も見受けられ、建設期間が長期だったことが分かります。
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カテドラル内部のステンドグラス。内部は沈黙、荘厳な雰囲気で、勿論フラッシュなど焚けません。
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カテドラル前からバスに乗り換えて、今度はサン・ジョルジュ城に登りました。入場料は5ユーロです。空は晴れ上がり、夕陽がちょうど良い感じに映えてきています。
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30数年前、同じ構図で撮った写真が最近見つかりました。(準備編に記載)この場所も、写真も、ほとんど記憶に残っていませんでしたが、不思議なことに、来てみると、確かに覚えているように感じられます。でも、どの道から来て、誰に撮ってもらって、それからどうしたのか、謎のままです。
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お城から見たリスボンの街。夕陽に映えた赤い屋根がきれいです。
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サンタ・ジェスタのエレベータが見えます。上の方でバイロ・アルト地区の高台とつながっています。
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ロシオ広場が見えます。四方を建物に囲まれた広場は、写真では上からしか撮影できません。パノラマなら何とか、ビデオならばっちりでしたが、ここではお見せできません。
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大きなムンディアルホテルも見えます。これは玄関とは反対の、裏側です。
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サン・ジョルジュ城です。もともとは古代ローマ時代に立てられたもののようですが、次々と主を変えて、現在は市民の憩いの場所になっています。
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お城の内部です。手前のゴミ箱は何とかならなかったんでしょうか、アングル的に。
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砦の塔に登ると、テージョ河畔の宮殿が見渡せました。
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日没とともにホテルの近くまで戻ってきました。街にはすっかり灯が入り、ライトアップされたロシオ駅もきれいです。本来ならシントラ方面の始発駅であるはずのこの鉄道駅の修理は長引いていて、来年2月までは使えそうもないそうです。
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陽のあるうちはできるだけ写真の取れる外で、暗くなったら建物の内部や買い物をしてくれるよう、妻には頼んであります。今の季節、日没は6時ごろでしょうか。この日も夕方からいくつかお店を見て、それから海鮮料理が自慢のレストランに行って、10時にはおとなしく寝ました。
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翌朝は快晴。昨日登ったサン・ジョルジュ城が陽に映えています。今日はまず、昨日乗らなかったサンタ・ジェスタのエレベータに行き、その後はカイス・ド・ソレド駅からロカ岬、シントラへ向かいます。荷物は当然、ホテルに置いたままの軽装です。
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サンタ・ジェスタのエレベーター。昨日は大規模な工事をしていたのでてっきり乗れないものとあきらめたのです。日本の若いカップルの人に教えられて、今日は階段横の入り口から無事乗り込みました。
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エレベータの上の、適度な高さから見るロシオ広場もいいものです。
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これからロカ岬を経由してシントラに向かいます。
テージョ川沿いの国鉄駅カイス・ド・ソドレはコメルシオ広場の西約700m、ロシオ広場からはバスでも市電でも便利です。列車・バス・シントラ市内バス乗り放題の券は12ユーロ。まずは保養地カスカイスに向かいます。駅の数は15くらい、約40分の道のりです。 -
動き出してまもなく、4月25日橋が見えました。
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発見のモニュメント。
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今度はベレンの塔。左側の車窓には次々と歴史のモニュメントが現れます。ジェロニモス修道院は見落としました。
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カスカイスで列車を降り、ロカ岬・シントラ行きのバスに乗り換えます。このバス停が見つからなくてウロウロしましたが、なんと駅正面にできたショッピングモールの地下がターミナルでした。モールの建物の下に半円形に開いた地下への通路があります。写真を撮りたかったのですが、バスは乗り込むとすぐ出発でした。
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大西洋が見えてきました。
ロカ岬までの道のりは40分、景色もよく快適なドライブでした。斜面に明るい色合いの別荘が点在し、海辺の保養地特有の雰囲気をかもしだしています。 -
ロカ岬の灯台が見えました。
帰りがけに中を探検してみましたが、広い敷地内には住居や観測用の小屋がいくつか立っていました。無人ではないようですがガランとして、今は昔ほどの大きな役割を負っていないのかもしれません。 -
ここがヨーロッパの西の果て、記念碑が立っています。記念碑がなければ三浦半島とよく似ています。
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崖の下を激しい白波が襲っています。ここがもしスペインだったら、自殺の名所になっていたでしょう。
海岸線の続く遥かかなたには、次の日に行くナザレの町が見えそうです。 -
ロカ岬の案内所です。ここまで辿りついたことの証明書を発行してくれます。名前を言うと書き込んでくれて、立派なのが10ユーロ、そうでないのが5ユーロ。妻は5ユーロを選び、どうせ分からないからと私の名前を混在させました。ひとり2.5ユーロの証明書です。
すぐ近くに土産屋をかねたレストランもあります。 -
案内所のおとなしい犬、欧州最西端の番犬でしょう。建物の脇にたっぷり餌が入った器と水の器が置いてあって、思い出すように時々食べに行きます。みんなが物を与えるんで不味いドッグフードは嫌なのかも知れません。
とにかく、犬に送られてまたバスでシントラをめざします。 -
バスは30分ほどでシントラの国鉄駅前に止まります。
写真は駅舎。リスボンのSete Rios方面から来る場合はここがロカ岬への起点になります。 -
世界遺産シントラの見所は3つあります。駅から遠い方から、写真のペナ宮、ムーア人の砦、そして王宮です。歴史的には重要でも感性を刺激されない場合があります。ここはまあ見たね、という感じで次を飛ばして王宮に。
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ここが王宮です。
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これはなんだか分かりませんが、貴族の館か何かでしょう。こちらの方が風情があります。
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王宮前の広場をうろつくうちにお腹がすいて来ました。どこかで昼食を取ることにしました。
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8ユーロのお昼メニューを掲げるお店に。おばさんはとても愛嬌のある人でしたが、電子レンジでチンのお料理で味はイマイチでした。
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帰りはシントラ鉄道駅からセテ・リオス駅へ。メトロを一度乗り換えてホテルのそばのロシオ駅に戻りました。朝9時過ぎにホテルを出て、夕方6時半になっていました。写真はメトロのセテ・リオス駅構内。地下鉄は早くて便利ですが、外が見えないのであまり使いません。
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連泊していると、ホテルが懐かしく思えてくるることがあります。正面から見たムンディアルホテル。姿はただのビルに見えますが、何度も返ってくるうちにここがそうなるかも知れません。
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フィゲラ広場のあたりを散策して見ました。
お菓子屋さんのショーケースにあったこれはカステラでしょうか。カステラはポルトガル語だったでしょうか? だんだんお腹がすいて来ました。 -
昨日とは違う海鮮のお店で、私はビールと白身魚の塩焼きを頼みました。ビールは、「セルビージャ」と言います。
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妻はムール貝です。味が濃くて半分残しました。
明日から2日間はリスボンを離れて、オビドス〜ナザレ〜ポルトへ向かいます。その写真は、また別のパートで紹介します。
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この旅行記へのコメント (1)
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- yambonさん 2010/10/03 18:30:58
- 懐かしのリスボン
- こんばんは。はじめまして。
準備編から読ませてもらってます。
通常は写真をさーっと見るのですが、楽しい文章で且ついろいろ具体的に書かれているので、写真を差し置いて、先ず読ませてもらってます。
そしてリスボンの町の様子を愛情を込めて書かれているので、大いに気を良くしています。
30年程昔、仕事でリスボンに長期滞在しました。
当時は革命後の混乱期で、町に落書きがデカデカと書かれてましたが、それでも町中で危険を感じたことはありません。皆さん穏やかで、敬虔なカトリック信者そのものという感じなのでリスボン大好きで帰ってきました。
リタイヤ後の2005年中学時代の仲間11人と再訪しましたが、リベルダーデ大通りの街路樹が大きくなり過ぎる以外はあまり変わっていないなと思いながら帰ってきました。この時の旅行記を再来年にも書きたいと思ってます。
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