2007/07/29 - 2007/07/31
294位(同エリア2168件中)
前日光さん
「出雲は、わけても神々の国」
1890年(明治23)、初めて出雲大社を訪れた
ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の言葉です。
出雲路は、私にいつでも不思議な安堵感を与えて
くれます。
今回出張ではありましたが、昨年に引き続いて出雲
大社を訪れることができ、感激でした。
大社の佇まいも、辺りに漂う空気も、何もかもが好き!
のひと言に尽きます。
JAL1665便(羽田発11:05)は、お昼にはもう
出雲空港に到着、なつかしい出雲平野が目に入り、同行の
人々は空港周辺のあまりの素朴さに驚いた様子。
タクシーですぐさま出雲大社に向かいました。
大社近くの土産物店兼そば屋さんに入り、「出雲そば」
を食べましたが、これは正直「まず〜(T_T)」でした。
私がいかに出雲びいきでも、これはまずかったです。
でも、荷物を預かってもらえるとのことなので、そばの
味に関しては差し引くことに。
梅雨明けを待たずに出発した関東の人間である我々一行に
とって、この日の出雲の暑さはこたえました。
- 交通手段
- JALグループ 新幹線
PR
-
おなじみ大鳥居です。
どうしたら他の人と違った写真が撮れる
だろうかと、あれこれ姑息な方法を考え
てみたのですが、所詮人間のやること、
神様はすべてお見通しなのです。
ですから開き直って、思いっきり正攻法で。 -
大好きな松並木の参道。
4列に並んで続く松の古木が美しいです。
元旦の早朝、ここを歩いてみたいという
のが夢です。 -
参道途中にあった灯籠。
簡素でありながら、荘厳さも感じられます。 -
見えてきました、銅鳥居と拝殿が(^o^)
-
大国主命像「幸魂 奇魂」です。
「さきみたま くしみたま まもりたまひ
さきはひたまへ」と唱し御神縁を祈念して
いる図。 -
大国主は、この「波頭に玉」(私が勝手に
名付けました)に向かって、祈っているの
です。
「古事記」に出てくる大国主は、穏やかに国
譲りに応じながらも、ひそやかな口調で自分の
要求を提示します。
「国を譲る代わりに、私の住家として、皇位を
お継ぎになる天つ神の子孫の宮殿と同じような
壮大な建物を建ててください。そうすれば私
は、遠い出雲の地に隠遁いたします。」と。
天つ神側ではこの要求を受け容れて稲佐の浜
近くに立派な宮殿を建てました。
現在の大社は、総高24m。かつては、この2倍
の48mはあったということが、2000年
(平成12)4月の境内発掘調査によって、
現実味を帯びてきたのです。 -
拝殿が見えてきました。
ワクワク・・・ -
鳥居を潜りました。
拝殿は総檜造り、高さ13m、1959年
(昭和34)の再建。旧拝殿は1519年
(永正16)、尼子経久の寄進によりますが、
1953年(昭和28)の火災で全焼しました。 -
正面の大注連縄は太さ3m、長さ8m、
重さ1500?。
でも、拝殿に隣接して建つ神楽殿の
大注連縄は長さ13m、重さ5000
?もあるのです。
しかも大駐車場に車を停めて、近道を
辿ってくると、この神楽殿の方に先に
到着してしまうため、もしかしたら、
これが出雲大社だと信じて参拝して
いる人もいるかもしれませんよ。 -
拝殿の向かって右側、たまたまこの時
人がほとんどいない空白の間がありました。
八足門の一部と東回廊です。 -
折しも、拝殿にてお払いを受ける家族が
ありました。
大社の巫女さんが、一段と神秘的に見え
るのは、完全にえこ贔屓してるからでしょう。
わかってますって(^_-)
衣装をとったらただの人だってことは… -
拝殿後部の石段上に建つ、桁行3間、梁間2間
の妻破風造りの檜皮葺きの建物は、「八足門」
(やつあしもん)と呼ばれています。
一般参拝者が拝観できるのはここまでです。
1667年(寛文7)建造の門。 -
流水文など流麗な装飾彫刻は、左甚五郎の作
とも伝えられています。 -
兎の姿が見えます。
-
色を塗ったら、東照宮の彫刻のように
なるのでしょうか?? -
松江の名工に小林如泥(じょでい・本名
安左衛門)と甚作なる人物がいたのですが、
このうちの一人、「甚作」の「甚」と左
甚五郎の「甚」とがいっしょになって、
左甚五郎説が生まれたのでしょうか?
でも、本当に左甚五郎が、この彫刻を彫った
としたら、おもしろいのですがねぇ(^-^) -
拝殿の向かって右、東側にあるのは
宮司が祭儀を観覧した観祭楼という
ものです。 -
これは、拝殿の後ろ、西回廊と、西十九社
の間にある杉の古木の胴回りに結ばれた
おみくじです。
いつの世にも人は、祈らずにはいられない
のですね。 -
-
西十九社です。
御本殿を取り巻く瑞垣の西に建ち、一棟に
19の扉がついている長い建物です。
旧暦十月の「神在月(かみありつき)」以
外は固く扉を閉ざします。
「神在月」には、全国から神議り(かみは
かり)のために参集される八百万(やおよ
ろず)の神々が、この社を宿舎とされるのです。 -
こちらは、本殿を取り巻く瑞垣です。
-
国宝、御本殿です。
単層、切妻造り、妻入り、檜皮葺き、1744
年(延享1)の造営。
伊勢神宮の神明作りと並ぶ古式建築様式で
「大社造り」と呼ばれています。
棟上に長さ7.9mの千木(ちぎ)、3本の
長さ5.4mの勝男木(かつおぎ)をいただ
いています。
なお、手前左側は、筑紫社です。 -
これは、瑞垣西側にある説明ですが、我々は
拝殿で参拝した後、ここで再び参拝するのが
正しいようです。
二拝四拍手一拝というのが、出雲大社の参拝
の仕方です。 -
ここに上の図の説明があります。
神はこの本殿の中で、西向きに鎮座されて
いる由。
拡大してご覧ください。 -
西側からみたシルエット状の本殿など。
-
これは、瑞垣西側の尽きた所にある「彰古館」
です。
1914年(大正3)建造。古文書や宝物を
収蔵展示していました。
現在は、だいこく・えびす像や大社信仰の資
料を展示しています。
時間の関係で、いつも見ることができません。
次回はぜひ・・・ -
彰古館から東側を眺めたものです。
大社の周囲を一回りしようと思います。 -
本殿の裏側(北側)、瑞垣越しの眺めです。
-
瑞垣北側の杉木立の中にある「素鵞社
(そがのやしろ)」です。
素戔嗚尊を祀っていますが、詳しくは
次に説明されています。 -
「素鵞社」の説明です。
拡大してご覧下さい。 -
その社の傍にあった「小賀玉木(おがたま
のき)」(木蓮科)です。
大きかったので、まず根本を写しました。 -
これは、その「おがたまのき」の上の
部分です。
ちょうど陽射しが枝の間にあって、な
んだか素敵に見えました。 -
瑞垣東側から見たシルエット状の本殿など。
ここに白い雲などがあると、「八雲立つ」
という感じになるのですが。 -
東十九社です。
東西に、この長い建物が瑞垣に沿って
建っています。 -
東十九社の屋根の部分です。
本当に古めかしく、神寂びた雰囲気が
漂っていました。 -
グルリと一周して、八足門東側辺りに
やってきました。
するとまた、おみくじに包まれた杉の木
と出会いました。
科学万能の時代の中でも、人はこうして
おみくじなど引いて、願いを込めている
んだなぁと、ここに限らず、寺社に参る
度に何かに思いを託そうとする人間の心
を感じとると、ホッとします。
神になんか祈らなくても、人間の力で何
でもできる!なんて思うようになったら、
この世はおしまい…という気がします。 -
青銅の鳥居の左側には、もう一つの大国主命
の優しさを象徴する、あの「因幡の白兎」の
エピソードが銅像化されています。
大国主は、心のおおらかな優しい神というイ
メージが私たちの中に定着していますが、そ
れはこのエピソードによることが大きいのだ
と思います。
この出雲の地を譲り受けて、ここに静かに鎮
座されている神に合掌
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この旅行記へのコメント (15)
-
- Johnnieさん 2007/09/06 20:32:27
- 出雲行ってみたいです。
- 前日光さん、こんにちは。
先日は私の旅行記へ、コメントありがと
うございました。
出雲大社、いいですね。
先日訪れた諏訪退社も趣がありましたが、
出雲はさらに広くて見どころもたくさん
ありそうですね。
妻が日本神話が好きなので、一度行って
みたいと思っているのですが、何分東京
からは距離があるのでなかなか機会があ
りません。
出張とは羨ましい限りです(笑)。
またお邪魔させていただきます。
Johnnie
- 前日光さん からの返信 2007/09/07 00:08:02
- RE: 出雲行ってみたいです。
- Johnnieさん こんばんは!
コメント&投票(?)もありがとうございます。
出雲への思いを、ただ心の赴くままに述べてみました。
2003年の10月(なんと出雲では神在月!)に初めて
訪れた出雲、それ以来出雲の魅力に取り憑かれてしまいました。
関東からは遠く隔たった(だからこそ心惹かれてしまうのかも
しれません)彼の地のことを、毎日考えて暮らしています。
ほとんどビョーキの状態ですね。
もし出雲に行かれるとしたら、お奨めしたいのは、「寝台特急
サンライズ出雲」です。
東京駅発22:00、松江には翌日の朝9時頃に到着します。
飛行機だと1時間で着いてしまうので、距離感がつかめませんが、
寝台特急は、本当にはるばるやって来た〜という気分になります。
朝方、大山の美しい姿を望むこともできますよ。
出雲の、あの不思議な、なんともいえず神々の存在を信じたくなる
ような、あの空気にぜひ浸っていただきたいと思います。
この気持ちを共有できる方が1人でも増えるといいなと思う次第です(~o~)
-
- jilllucaさん 2007/08/13 08:36:32
- iいいですね〜出雲は。
- おはようございます。
僕も出雲大好きなんですよ。
初めて行ったのが確か中学生の時の一人旅でした。
出雲市駅から一畑電車で大社駅に移動する途中の車窓に感動しました。
まるで日本昔話のような風景で・・・「ここなら神様がいてもおかしくない」って呟いた記憶があります。
ここ数年は行けてないけど、改めて行ってみたいです。
ジルルカ
- 前日光さん からの返信 2007/08/13 16:18:16
- RE: iいいですね〜出雲は。
- ジルルカさん そうなんですよ〜
一畑電車からの風景は、実にいいものがありますよね。
JR大社線が廃止になってしまったので、今となっては
この私鉄に頑張ってもらうしかありません。
ジルルカさん、ぜひ出雲に行ってきてください。
実は、出雲の地名なども古風で、まともに読め
ないものばかりなのですが、それがまたよかっ
たりして、要するに「あばたもえくぼ」で、出雲
だったら何でも許せちゃうという感じなんです。
この後、もう少し続きがありますので、またいら
してください。
-
- 旅猫さん 2007/08/11 18:18:12
- 出雲大社。。。
- 前日光さん、こんにちは!
山陰の旅の1つ目は、これで完成ですよね?
表紙の下に、まだ「作成中」の文字が。
出雲大社は、これまで2度訪れましたが、1度目のときに参拝順序を間違ってしまい、どうもその時、神の怒りに触れてしまったようです。。。
縁結びの神様の怒りに触れるとは(^^;
いつの時代も、最後は神頼みですね(笑)
いざとなると、誰もがすがってしまうものですよね。
もう一度行って、八百万の神々に深くお詫びしてこようかな(^^)
旅猫
- 前日光さん からの返信 2007/08/11 21:24:32
- RE: 出雲大社。。。
- 旅猫さん お気に入り承認ありがとうございます。
旅猫さんの旅行記を拝見していると、芭蕉や西行
などに通じるあるべき旅の遺伝子が受け継がれて
いるように思われます。
ところで、出雲大社で参拝の順序を間違えたとの
ことですが、順序なんてあったんですか?
たとえ間違えたとしましても、大国主は寛容ですから
大丈夫ですよ。
そのうち、大国主のようにモテテモテテ仕方なくなり
ますから(笑)
これからもよろしくお願いいたします。
- 旅猫さん からの返信 2007/08/13 08:58:32
- RE: 出雲大社。。。
- >ところで、出雲大社で参拝の順序を間違えたとの
>ことですが、順序なんてあったんですか?
神事は、すべて右回り、左側通行なのだそうです。
出雲大社では、拝殿で参拝後、本殿に向かって右回りで一周し、
再び拝殿の前へ戻ってくるそうです。
旅猫は、左回りをしてしまい。。。
- 前日光さん からの返信 2007/08/13 14:19:29
- RE: 出雲大社。。。
- たいへん勉強になりました。
そうですか、神事はすべて右回りなのですね?
これから意識したいと思います。
今日も暑いですが、風が強い分、一昨日よりはマシかなと
思われます。
どうも盛夏というのはシャッターを押す気力も失われそうです。
旅猫さんの、涼風を呼ぶような旅行記を期待しています。
-
- morino296さん 2007/08/11 15:59:05
- 出雲大社
- 奥日光さん
お邪魔します。
夏期講習もあり、なかなか時間がない中、
旅行記の解説がしっかり書いてあり、さすがですね。
いろいろ良くご存知で、とても勉強になります。
神社もお祭りも、全国に数多くありますので、
調べるととても楽しいと思います。
私は、1980年の夏に、山陰へ旅した時に、
出雲、松江を訪ねました。
懐かしく拝見しております。
続きも、楽しみにしていますよ。
有難うございました。
morino296
- 前日光さん からの返信 2007/08/11 21:01:06
- RE: 出雲大社
- こんばんは ご訪問&コメントありがとうございます。
1980年といいますと、今から27年前ですね。
その頃の出雲の様子はどんなだったのでしょうかねぇ?
そうとう素朴でしたか?
今もかなり長閑ですからねぇ。。
何が好きって、その長閑さとか、やっぱり空気かな?
かなり主観的なものなんですよね。
神話が好きなので、出雲の空気には何かがある!という
思いこみで捉えてしまうのでしょう。
また和菓子がおいしい!お酒がおいしい!魚がおいしい!
というのももちろん好きな理由なんですが。
次は、松江を中心としたものです。
気長にお待ちくださいね。
-
- 義臣さん 2007/08/10 19:21:46
- なつかしの出雲
- なつかしの出雲、。。
私はたった一度だけですが。
結婚うん十年のお礼、それとも文句を言いに、
落着いた町でもう一度行きたい所です。
鳥居は正面で写したのが正解に見えます。
義臣
- 前日光さん からの返信 2007/08/11 16:42:41
- RE: なつかしの出雲
- 義臣さん こんにちは!
それにしても今日のこの暑さ!!
実は出雲も、大社に行った日はとても暑かったのですが、
きょうほどではありませんでした。
義臣さんはいつ頃の出雲に行かれたのでしょうか?
もっと昔の、もっと静かな出雲に行ってみたかったです。
「いずものおおやしろ」という言い方が、とても好きです。
-
- yopooさん 2007/08/10 18:19:28
- 出雲
- 前日光さん,こんにちは.
お気に入りへのご登録ありがとうございます!
出雲へは大学の卒業の年に
友人と旅行したのを思い出しました.
もう一度訪れたいと思いつつ,
なかなか行く機会に恵まれません..
こうして拝見できて良かったです.
今後もよろしくお願いします!
- 前日光さん からの返信 2007/08/11 16:36:19
- RE: 出雲
- yopooさん こんにちは
今日はすごい暑さですね。
私もやっとお盆休みが取れました。
でも、お盆ってけっこう忙しいんですよね。
まぁ、今までよりは朝がゆっくりでいいので、ホッとしています。
出雲編は、この後もう少しありますので、また遊びにきてくださいね。
- yopooさん からの返信 2007/08/11 16:51:41
- RE: 出雲
- 前日光さん,こんにちは.
このところ本当に暑いですね(^^;)
溶けてしまいそうです..
楽しみにしておりますので
よろしくお願いします.
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