2007/03/09 - 2007/03/18
8204位(同エリア16397件中)
スキピオさん
十九世紀初頭に生まれたパッサージュは、ファッショナブル・ゾーンの先駆けでした。
通りから通りに屋根付きの商店街を突き抜ける、いわゆるパッサージュ(通路)は、デパートができるまで(十九世紀半ば・・・最初のデパートは左岸の「ボン・マルシェ」)、消費文化の中心でした。
一時はデパ−トの進出ラッシュで、すたれそうになりましたが、ニ十世紀後半になると場所によってはむしろ、オシャレなスポットとして人気が回復しています。
近道に使うのもよし、ウィンド・ショッピングをするもよし、もちろん買い物や食事にもよし、パッサ−ジュはいつも快適空間を提供してくれます。
パリには20近くパッサージュがあると言われています。そのほとんどは右岸にあります。今回はそのうち八つだけ取り上げました。
みなきれいなパッサージュなので、誤解されるといけませんので、言っておきますが、パッサージュがすべてきれいとはかぎりません。流行に取り残され、復活できず、朽ちはじめている路地のようなのもあれば、文字どおり、単なる路地もあります。それもパリなのですが、今回は割愛します(写真は撮ってきましたが)。
さて、皆さんはどのパッサージュがお気に召しますか。入口の写真をご覧になればおわかりのように、普通のビルの入口にしか見えず、気付かないで通り過ぎてしまうことがよくあります。近くにお越しの時、チェックをお忘れなく。
【朝のプランス(プリンス)・パッサージュ】
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【ヴェロ=ドダ・パッサ−ジュの入口】1区
ヴェロさんとドダさんは肉屋さんでした。1826年、二人は塩漬けの食品をここに並べようと、思いつき、ギャラリーを作りました。照明はもちろん電気のない時代、ガス灯です。 -
【ヴェロ・ドダ・パッサ−ジュ】1区
入り口の手前の鋪道に「ギャルリ−・ヴェロ=ドダ」のマークがありました。
このパッサージュは、「パレ・ロワイヤル」のすぐ近くにあります。ここを通り抜けるとすぐ左に、僕の旅行記「レ・アルからモントルグイユ街」で紹介した丸い建物「商品取引所」があります。レ・アルの近くです。 -
【ヴェロ=ドダ・パッサ−ジュ】1区
中に入ると、幾何学模様の鋪道がまっすぐ、向こうの通りまで続いています。 -
【ヴェロ=ドダ・パッサ−ジュ】1区
店はみなブラウンで統一されています。
このギャラリーは特に人形の修復と弦楽器屋さんが有名だそうですが、レストランも入ったことありませんが、すてきです。 -
【ヴェロ=ドダ・パッサ−ジュ】1区
照明はもちろん、電気です。でも歴史を偲ばせる意匠の照明です。 -
【ヴェロ=ドダ・パッサージュ】1区
上を見上げると天井もしゃれています。
このパッサージュは1865年くらいまで、はやっていたそうですが、そのあと、時代に残されていき、今の姿になったのは、1980年に修復された結果です。 -
【ヴィヴィエンヌ・ギャルリー】2区
名前の由来は、かつて住んでいたヴィヴィアン家から来ているそうです。ルネッサンス期から代々国王の秘書や顧問など要職を占めていた家柄で、名門でした。
この入口は右手に「ヴィクトワ−ル広場」、背後に「パレ・ロワイヤル」、左手に「国立図書館」という位置にあります。
さあ、入ってみましょう。 -
【ヴィヴィエンヌ・ギャルリー】2区
中に入ると、本当にこれが商店街?とビックリするほど美しい空間が広がります。
散歩しましょう。 -
【ヴィヴィエンヌ・ギャルリー】2区
このパッサージュは単純な一本の道ではなく、交差点あり、別のパッサージュへの曲り角あり、とちょっとおもしろい。
1823年の開通だそうです。 -
【ヴィヴィエンヌ・ギャルリー】2区
このように段差があるのも特色です。 -
【ヴィヴィエンヌ・ギャルリー】2区
段差の下に来ると、床のデザインが変わります。 -
【ヴィヴィエンヌ・ギャルリー】2区
左は古本屋さんです。
僕たちはまっすぐ進みます。すると、左に「コルベ−ル・ギャルリ−」がありますが、ここを行くと入口の道に戻ります。 -
【ヴィヴィエンヌ・ギャルリー】2区
床の模様が美しい。 -
【ヴィヴィエンヌ・ギャルリー】2区
国立図書館側出口・・・パッサ−ジュから出ると正面にどっしりした建物、国立図書館があります。 -
【ショワズール・パッサージュ、「プチ・シャン通り」側入口】
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【ショワズ−ル・パッサージュの入口にある歴史説明文】
このパッサ−ジュで、アルフォンス・ルメ−ルが書店を構え、パルナッス派(高踏派)の詩人たちの作品を出版していた、と書かれています。
田舎に住んでいた、あのアルチュール・ランボーはこの書店から出版される詩集を貪るように読み、この書店に憧れの詩人たちに手紙を出していました。
また、オッフェンバックのこと(後出)、ついで、ルイ=フェルディナン・セリーヌがここで幼年時代を過ごしたとあります。
そうです。あの反ユダヤ主義者のセリーヌはここでの幼年時代の思い出(20世紀初頭)を小説『なしくずしの死』の中で、戯画化してつぶさに描いています。もっとも小説では「ベレジナ小路」と名をあらためていますが。 -
ショワズール・パッサージュは庶民的なパッサ−ジュ、日本にもよくある商店街だ。
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【ブッフ・パリジャン】
ショワズ−ル・パッサ−ジュは「ブッフ・パリジャン」劇場の入口にもなっている。
この劇場はかのオッフェンバックが創設した(1855年)オペレッタやオペラ・ブッファ専門の劇場、もちろん有名な「地獄のオルフェ(邦題は「天国と地獄)」はここで上演された(1858年)。日本の運動会で欠かせないあの曲はここが発祥地だった。 -
【ブッフ・パリジャン劇場】
ショワズール・パッサージュの西側の通りに面して、劇場の正門がある。 -
日本の商店街みたい、というのも結構的を得ているのかも知れない。日本の店がけっこうある。
入口にもすし屋がある。 -
【パノラマ・パッサージュ】2区
このパッサージュは1800年に開通した、もっとも古いパッサ−ジュだ。思えばナポレオンが皇帝になったのが1804年だから、それより前だ。
名前の由来は、ここにパノラマ館があったかららしい。 -
【パノラマ・パッサージュ】2区
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【パノラマ・パッサージュ】2区
パノラマ・パッサージュに「ヴァリエテ・ギャルリ−」があるのは、ここに「ヴァリエテ座」があるからです。
このヴァリエテ座は、ゾラの名作「ナナ」で女優ナナが出演していた劇場でした。
19世紀のゾラの時代には、このマークの下で、貴顕紳士たちがナナのような高等娼婦の帰りを待っていたのですね。 -
【パノラマ・パッサージュ】2区
出口にこんな彫刻がありました。 -
【パノラマ・パッサージュ】2区
サン・マルク通り側の出口 -
【プランス・パッサージュ】2区
モンマルトル大通り側の入口
このパッサージュは1860年にできた。名前はここにあったホテルの名前に由来するらしい。 -
【プランス・パッサージュ】2区
このパッサージュも一本道ではなく中で枝分かれしたり、広場があったり楽しい空間になっています。
この写真は、朝開いたばかり(8:30)の時ですので、買い物客はほとんどいません。
もっとも他のパッサージュもなるべく人のいない時を狙いますので、朝に行くことがしばしばです。 -
【プランス・パッサージュ】2区
突き当たりに左へ行く道があります。 -
【プランス・パッサージュ】2区
このパッサージュは子供用品の店が多いような気がしました。 -
【プランス・パッサージュ】2区
真ん中に簡単な広場がありました。買い物や散歩に疲れた時、最適です。 -
【プランス・パッサージュ】2区
「リシュリュー通り側入口」 -
【ジュフロワ・パッサージュ】9区
グランジュ・バトゥリエ−ル通り側、つまり北側の入口です。
さあ、入ってみましょう。 -
【ジュフロワ・パッサージュ】9区
一見袋小路のようですが、突き当たりの左側がカギのようになって南に行くことが出来ます。 -
【ジュフロワ・パッサージュ】9区
その突き当たりの右側の店は、有名な映画関係のショップです。映画評論から、古いポスターまで、映画のことならなんでもお任せ。
写真は小津安二郎の『東京物語』のポスター、しかもフランス語版です。ちなみにフランス語の題名は「東京への旅」となっています。左が原節子、右が今は亡き笠智衆です。 -
【ジュフロワ・パッサージュ】9区
ここを歩いていくと、左側に・・・ -
【ジュフロワ・パッサージュ】9区
人気がない時は、ぎょっとします。 -
【ジュフロワ・パッサージュ】9区
実はここはかの有名な「グレヴァン蝋人形館」があるのです。 -
【グレヴァン蝋人形館の入口】
パッサ−ジュの入口と並んでいます。 -
【ジュフロワ・パッサージュの入口】9区
モンマルトル大通り側の入口、この右側にグレバン蝋人形館があります。 -
【グランセール・パッサージュの入口】2区
グランセ−ルとは、「大鹿」のことで、この近くにあった宿屋の名前が由来だそうだ。
このパッサージュは大革命時にはすでにあった、もっとも古いもののひとつです。 -
【グランセール・パッサージュ】2区
このパッサージュはまっすぐな一本道、道に迷うことはありません。 -
【グランセール・パッサージュの天井】2区
天井のデザインがうつくしい。 -
【グランセール・パッサージュの出口】2区
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【ケール・パッサージュ】2区
ケールとは、エジプトの首都「カイロ」のことです。
ところでなぜエジプトか、と言いますと、ナポレオンのエジプト遠征から、付けらけたからです。ほかに、アブキール、ピラミッドなどがあります。 -
【ケール・パッサージュ】2区
美しいとは、お世辞にも言えないが、なんとなく楽しくなるパッサ−ジュだ。 -
【ケール・パッサージュ】2区
それもそのはず、このパッサージュはどちらかというと問屋さんの商店街といった感じがするからです。
特にマネキン人形が有名です。 -
【ケール・パッサージュ】2区
ですから、目のやり場に困るほど、次々と美女たちが我々を迎えてくれます。何しろ人形自体を売っているのですから、衣装を身につけていないのは当たり前ですね。 -
【ケール・パッサージュ】2区
もちろん、美女ばかりではありません。女性の方々、美男も定価90ユーロの値札をつけて待っています。この値段、男ひとりとしては、高いですか、安いですか。御用の向きは、ぜひ「ケール・パッサージュ」へお越し下さい。待っています。
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