2006/08/06 - 2006/08/15
220位(同エリア467件中)
huwaさん
8月8日(火)午前。
この日はバスに乗って、鉢という集落へ出かけることにしていました。そこの小学校が廃校になって、芸術祭の展示会場の一つになっているのです。
地元の人が普通に使うバスを利用します。
乗客はみごとにお年寄りばっかり!
信濃川を渡り、トンネルをくぐり抜け、どんどん山深い方へ入ってゆく間、外を歩いている人をほとんど見かけません。
過疎っていうのはこういうことなんだなあ、と実感します。
バスはやがて、バス停じゃなくても降りたいところで降ろしてもらえるという、フリー区間に入りました。乗客は私一人になっています。
「真田小学校に行きたいんですけど、どこで降りたらいいですか?」と運転手さんに尋ねてみたら、
「それならもうちょっと向こうだから」というお返事。
やがて何もない所で停車し、ドアが開き、
「この下にあるのが元の小学校だから」と運転手さん。
えっ? どこ? よく見たらはるか崖の下に小さな校舎が見えています。そこまで下りてゆくための細い階段もあります。
勢いよく下りかけてから、ハッと気づきました。
帰りのバスの時刻を調べておかなくちゃ。きっと二時間に一本ぐらいしかないんだから、乗り逃がしたら大変。…ところがバス停じゃないところで降りたので、時刻表がない! よく考えたら帰りのバスにどこから乗ったらいいのかもわからない!
運転手さんに聞いてから降りるべきだったのに、全然頭が回っていなかったのです。
あーあ。大失敗。
会場に着くなり、受付の人にバス停の位置を確かめてみたら、わかりませんという返事。
バスはきっと2~3時間は来ないから、あとで車に乗せていってあげるよ、とスタッフの一人が言ってくださいました。
ご親切に感謝! おかげで安心して作品を鑑賞することができました。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- JR特急
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-
校舎の中のここから先が、「里山ストアハウス」という企画の展示スペースになっています。
ヴィヴィアン・リースというカナダの作家が、2ヶ月間この鉢集落に住んで、人々と交流しながら、十数人の肖像画を描き上げました。 -
ここは家庭科室だったところです。
ちゃんとこの場所にふさわしい人の肖像画があって、人だけでなく野菜や花も生き生きと描かれていて、 -
家庭科室だけにお鍋があったり、
-
強力そうなストーブがあって、
布巾が干してあったり、
…この場所が使われていた頃の記憶を
大切にしている展示なんですね。 -
この絵のモデルは好子さんという人です。
この人の書いたとても素敵な詩も展示されていました。
「冬は孕みの季節(とき)/生まれ出(いず)る春のために/夢を 知識を 道具を/自らの内に満たす時」
という詩です。
冬が半端でなく厳しい土地で生きてきた人の
「冬は孕みの季節」という言葉には、ものすごく深みがあってしーんと胸に浸みました。
絵を描きながら作家がモデルたちと語り合い、
その人の人生をも描き込もうとしたことがよくわかります。 -
音楽室の展示。
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音楽室の窓際に飾られていた百合。
掃除用のバケツに生けられています。 -
そしてこれがリースの自画像。
集落の人々の肖像画を描き終わったら、自分自身の絵を描きたくなったのだそうです。
「人々の生活の中に入り込み、そこで歓迎されたというプロセスを通して、自分の中で何かが変わったと感じたから」だそうです。
どんな風に歓迎されたのか、想像できるようです。 -
アーティストのサインのように、
絵の足もとに置かれた絵の道具たち。 -
こんなお洒落なパレット型の画集が売られていたので一部購入。
土日にはここで集落の人が作った野菜も販売されるそうです。 -
懐かしい感じのするこんな階段を上って二階へ…。
-
ユニット00「教室の夢」
-
ああ、この作品はなんだか悲しい…。
赤と白。それに窓の外の緑。
その鮮やかな色彩の中で一番目立つのは白です。 -
白は空白の色、かつてここを満たしていたものの不在を示す色だから。
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教材室の展示。
ここにもともとあったものを並べ換えただけの展示なのでしょうが、アーティストがそれをするとアートになるから不思議です。 -
同じく教材室。
中央では水滴がポタンポタンと落ち続けています。 -
その下では植物が発芽して伸びています。
会期中にどれだけ伸びるものかしら?(笑)
このお皿たちも、ただ寄せ集めただけなんでしょうけどアートしてますねえ。
どこから集めてきたんでしょう? 家庭科室からかな? それともご近所からかな?
ヒグマ春夫「水の記憶・反復と再生 プロジェクト」の一部でした。 -
廊下の掲示板に、兵庫の小学校の子供たちからの手紙が掲示されていました。
中越地震で傷ついたこの地に、同じく大きな震災を経験した地からの、励ましのメッセージ。
こんな交流があったんですね。 -
体育館に残されていた、最後の六ヶ月の行事表。
-
ここは鐙坂というところにある、一軒の空き家です。
親切なスタッフに送ってもらう途中、一緒にここへ立ち寄りました。
三年前にも展示会場になっていたこの家。
作品も良かったけれど、古民家の風情が気に入って、長居してすみずみまで見て歩いた思い出があります。 -
今年はどんな作品が展示されているのかな?
二階に上る急な階段。
何か貼り紙してあります。 -
ボランティアの大学生が書いたのかしら?
「子どもに触らせないで!」という意味のことを、とっても優しく婉曲表現で書いていますね。でもそれを英語に訳すのは難しかったみたい(笑)。
ところでこわれやすい作品って、どんなんでしょう? -
二階はこうなっていました。
えっ、これ何? -
これはなんと土なのです。
天然の土を紙の上に、ただ四角く置いて、
ずらーっと並べているのです。
確かに壊れやすい…
触っちゃいけない作品でした。 -
作家はこのように、土を各地で採取して回っている人のようです。
-
それにしても土ってこんなに色とりどりなんだあ!
新潟県全域から750種類集めてきて展示してあるんだそうです。
画材屋さんか化粧品屋さんを思わせるカラフルさですね〜。
栗田宏一「ソイル・ライブラリープロジェクト/新潟」でした。 -
家の外に出て、周辺を撮影。
なんか味のある蔵があって。 -
植えたんだか勝手に種が飛んできたんだかわからない感じで花が咲いていて。
-
真っ赤なトマトが熟れていました。
おいしそう!
午後の部の(4)に続きます。
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この旅行記へのコメント (2)
-
- comevaさん 2010/08/25 00:31:54
- 小豆島のアートにもありました。
- huwaさん こんばんは。
どこかで見た事あるなと思ったら、小豆島で同じようなのがありました。
アーテイストもやはり同じでした。
又お邪魔します。
C
- huwaさん からの返信 2010/08/25 01:24:42
- そうそう^^あるでしょう?
- comevaさん^^ようこそおいでくださいました!
そうなんです。
「瀬戸内国際芸術祭」のガイドブックで
「あ^^あるある〜」と私も発見して喜んでいたのです。
秋には私も小豆島へ見に行く予定です。
それから
comevaさんの旅行記のこの作品↓と
http://4travel.jp/traveler/comeva/pict/19774714/
私の旅行記のこの作品↓は
http://4travel.jp/traveler/huwa_huwa_tanpopo/pict/11219877/
同じ作家の作品ですよ〜^^
これと↓
http://4travel.jp/traveler/comeva/pict/19870140/
これも↓
http://4travel.jp/traveler/huwa_huwa_tanpopo/pict/11219823/
そうですよねっ?
他にもいろいろありますよ^^
同じ作家の作品でも似ていたり 似ていなかったり
面白いですね!
今日はご訪問くださり ありがとうございました!
huwaより
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