2006/08/06 - 2006/08/15
261位(同エリア508件中)
huwaさん
8月7日(月)午後。
松代駅の北側に、古い街道の松代商店街があります。商店街といっても有線放送が流れていたりはしません。夕暮れ近くになると背後の森から蜩(ひぐらし)の声が響いてくる、とても静かな町です。
あちらこちらに「アート設置場所」と書かれた赤いのぼりが立てられています。それと黄色い作品看板がなかったら、どこに作品があるのかわからずに通り過ぎてしまいそうです。
看板があっても「入っていいのかな?」とためらってしまうような、普通の民家の中が展示会場になっていたりします。
写真のこの家は玄関の土間を広く開放してくれていました。
ここには「家の年輪プロジェクト」(池田緑)という作品が設置されています。入ってみますと…
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- JR特急
-
作品よりも先にお茶と枝豆に目を引かれてしまいました(笑)。
この家の人が旅行者のために用意してくれたものです。 -
作品はこれです。
1918年に建てられたというこの家の年輪が、この透明な管の中に刻まれているのだそうです。
ところで、つきあたりに並べられている由緒ありげなモノたちは何でしょう?
今度はそっちに引き寄せられてしまいました。 -
この家の蔵の中にしまわれてきた古い本を見せてくれています。
これらは果たして作品の一部なのでしょうか?
「くらだし ご自由にごらん下さい ていねいにね いろいろ かえますから 又 お出で下さい 当主」
と書かれた紙が添えられています。
どうやらアーティストの作品とは別に、この家の当主が展示しているもののようです。
でもちゃんと家の年輪を表現していますよね。明治・大正初期の本だなんて。 -
和綴じの本って好きなんです。
しげしげ眺めていたら、中から上品な老婦人が、「よく冷えてますよ、どうぞ」って冷たいお餅を差し出してくださいました。柏餅をかわいらしくしたような、中にあんこの入ったお餅です。
ご馳走になりながらお話も聞かせていただきました。 -
そしてたくさんの火鉢がありました。
ところでこのお家、表から庭まで開け放してあって、そこをいい風が通り抜けて、信じられないくらい快適なんです。
天井がとても高くて、それは冬に雪がたくさん積もるから、屋根を高く作ってあるせいなんですけど、夏を涼しく過ごす役にも立っているんですね。 -
ところどころに立っていた積雪標示板。
すごーい。
あんなところまで雪が積もるんだあ。
素直に感心しながら見上げました。 -
商店街のあちこちのシャッターをかわいくペイントしてしまう「シャッタープロジェクト」が展開されていました。
この家のシャッターもその作品の一つ。
木造の壁と金属のシャッターというあまり相性のよくないモノどうしを、ポップな和柄がくっつけて、幸せな結婚にしてしまった、という感じのファサードになっています。 -
これもシャッタープロジェクトの作品。
かわいい〜。。 -
こんなカマボコ型の倉庫が、この地方にはたくさんあります。
ほくほく線のトンネル工事の廃材の再利用なのだそうです。
豪雪の重みに堪え、雪下ろしをしなくていいという利点があるそうです。
そんな倉庫の殺風景なシャッターも、こんなにあでやかにお色直し。 -
写真ではわかりにくいですが、空中に透明な球が吊り下げられている作品です。
どこからぶら下がっているのか一見わからない球もあって、大きな水滴みたいなものが宙に浮いている情景にハッとさせられます。
でもそれがなぜ「法廷」(オノレ・ドゥオー)という題なのかは謎です…。 -
空き店舗の横手に作品の入り口が設けてあって、
-
こんな指示が書かれています。
え? この下の赤い縄のれんをくぐって中に入れって?
ものすごくかがまないと入れないんですけど…。(ほとんどもぐって入るという感じです) -
中にはこんな「土のベッド」が三台用意されていました。ここで休んでくださいという指示なので、仰向けに寝転がってみます。ひんやりとしていて、微妙な傾斜がここちよく、天井の模様もなかなかきれいで、思いのほかほっとするひとときでした。
鈴木寅二啓之という人の「土間の寝室」という作品です。 -
とある空き家にぐるぐる巻きの竹がぎゅうぎゅうにつまっている「松代商店街−竹環プロジェクト」(武蔵野美術大学建築学科・土屋スタジオ)という作品です。
柱と梁は残してあるけど、一階と二階の間の天井や床は取り去られ、押し入れはぶち抜かれ、壊しているのか作っているのか、もうなんだかわからないけど、すごく迫力があって無理やり納得させられるような作品です。 -
内部は渦巻き状になっていて、中心には白い井戸のような円筒がほんのりと光を放っていて、その中から人の話し声が聞こえてきます。
何を話しているのかまではわからないけど、子どもを含む家族の会話、そこにラジオだかテレビだかの音声も混じっているような…。
テーマは「家をめぐる記憶」なのだろう、ということはわかるのですが、それに思いを馳せるよりも、この竹をたわめてこの形にするときに、怪我しそうだなあ、怪我人出なかったかなあ、ということばかりが気になりました(笑)。 -
商店街のあちこちにこんな水琴窟が設置されていて、休憩所になっています。
きらりんこん、というきれいな音に癒されながら、ちょっと足を休めたりできます。
でも、風鈴の音よりかすかな音なのに、すぐ真上に風鈴が釣られていて邪魔されている水琴窟もありました(笑)。 -
歩いていて目につくのは、どの家と家の間にも、必ずこうして花が植わっていること。
建物が間を空けて建てられているのは、冬に雪を屋根から下ろすための工夫なのそうですが、夏はそこが花を楽しむ空間になっているのです。
雪が溶けたら一斉に花を植え始める情景が想像されます。
そうやってみんなで夏を待望するんですね。 -
家と道の間にも、
ちょっとしたスペースがあれば、
こうして花が植えられています。 -
妻有の人たちは本当に花が好きだなあ、とは三年前にも思ったことですが…
それにしても、その花たちの咲き方が、野放図というか大らかというか、植物の伸びるがままに任されている、という感じ。
お洒落にデザインされたガーデニングというのとは全く趣が違うのです。 -
こうして妻有の人たちによって植えられている花のイキオイというものに感嘆してしまうと、草間彌生のこの作品の意味がわかってきます。
草間さんもこの地に来て、ここの夏を彩る花々の鮮やかさに感動し、誉めたたえたくなったに違いありません。
ほくほく線の線路越しに見た巨大な花のオブジェ「花咲ける妻有」です。 -
商店街を端から端まで見終わり、電車を待つ間、駅周辺をぶらついてのんびりします。
徒歩で妻有を旅するには、この「のんびり待つ」心構えがつねに必要。
電車もバスも本数がとっても少ないから(笑)。
…おかげですっかり体内時計がのんびりモードになってしまいました。
待つ間に鑑賞したのはこれ。
ヴァンサン・デュ=ボア「ライス・ルーム」。
スイスの作家の作品です。
田んぼのわきに巨大なお米を作って、この地の特産品であるお米を賛美しているのです。 -
なるほど、お米の袋で作られています。
それもこの地のブランド米「魚沼産コシヒカリ」の。 -
ライス・ルームというからには部屋なのです。
中に入って遊んでいいのです。が、中はこんな風に、誰かが合宿しているみたいな乱雑さ。…入るのがためらわれます。
とある家族連れがやって来て、「トリエンナーレは参加型イベントなんだから、入ってみましょう」と言って入っていきましたが、すぐに「暑!」と言って出てきてしまいました(笑)。 -
これは「土の音−まつだい」(渡辺泰幸)という作品。
すべて焼き物でできています。
音をテーマにしているからには音を出して遊んでいいのです。
どこかに叩くための道具があるはずだ、と思ったら… -
ありました。
-
それでこれを叩いてしばらく遊びました。
一個一個、地域の住民に作ってもらったものですね。
色も模様も全部違っていて、音も少しずつ違います。 -
夕暮れ時になりました。
電車が来たので宿のある十日町まで戻って、あとはビールで乾杯するだけ!
一人旅の時には豪華な夕食を一人で食べてもつまんないので、夕食なしの宿泊プランにして、こうして地元の居酒屋さんに通います。
新潟は枝豆がとってもおいしいんです。それに海もそんなに遠くないのでお魚も新鮮。
あとで地酒も飲んじゃいました。
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