2006/08/06 - 2006/08/15
238位(同エリア467件中)
huwaさん
8月10日(木)午後。
次なる目的地は「小白倉いけばな美術館」。
地図で見ると一段と山深いところにあるもよう。
「美しい日本のむら景観コンテスト」(そんなのあるんだ)で最高賞を受賞した集落なのだそうです。
作品も楽しみだけど、集落を見るのも楽しみです。
しかし友人は、山道とかトンネルとかを運転するのが大の苦手なドライバー。
「こんな曲がりくねった暗いトンネルやだ~怖いよ~」
って叫びっぱなし。
お願いだから運転する人が怖がらないで~! 乗ってる私も怖いから(笑)。
- 同行者
- 友人
- 交通手段
- JR特急
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-
集落の入り口で迎えてくれたのは、こんな深い青の紫陽花でした。
他の場所では紫陽花はすっかり枯れてしまっているのに。
ここは夏が遅い里なのでしょうね。 -
と思ったらコスモスも咲いています。
訂正。夏が遅くて秋が早いのですね。
このオレンジのコスモス、ここの日射しと空気の中で見ると、まるで花びらの内側から光が差しているみたいにきれいなんです。 -
「えっこのバス停も作品?」
いいえ、単なるバス停です。
廃材を組み合わせて細部まですごく丁寧に作られています。
作った人がとても楽しんで作っている気配が濃厚なあたり、見れば見るほどアーティスティック。 -
名水が湧くらしい。
-
それにしても、花咲ける妻有の中でも、
この小白倉はいちだんと花々の色があざやか!
どうするんでしょう? いけばな作家の先生たち。
人工的に活けた花が、これらの花々に太刀打ちできるんでしょうか!? -
-
いけばな美術館。
三軒あるうちの一軒目です。 -
わ。かっこいい〜。
屋外に置かれた生け花って、新鮮! -
この山里の緑や光を採り込んで…
納得です。
綺麗です! -
と、外の作品にウットリしたあとで、屋内に足を踏み入れて、ずっこけた。
「きみのなわ」って書いてあって、「きみのなわでかたちが生まれる 〈一本のなわを結んで下さい〉」だって。
君の縄?
君の名は?
それ駄洒落?
よくわかんないけどバラバラ置いてある縄、
一本結んでいいんですね。
結びますよ。
で、結んでどうするの? -
中に入ると、至るところから縄がぶら下がっていたり、縄で編んだいろんな形のものが置かれている中に、またこんな指示がありました。
「きみのなわ 忘脚の体感 〈きみのなわをまくらに3分間〉」
忘脚?
忘却?
ここで寝ていいんですね? じゃあ寝ますよ? -
というわけで、縄で作られたこの枕で寝てみましたら…
うっかりそのまま寝込みそうになりました。
だって涼しい風が吹いてきて、外からは蜩の声が響いてきて、なんかごちゃごちゃ(縄で)散らかっている古民家に寝ころぶと、一瞬にしてなごんじゃったんですもん。
(それにしても妻有に来てから毎日蜩の声を聞いてます…それだけでも幸せ) -
次なる指示はこれ。
「きみのなわ 忘客の証明 〈きみのなわおふだに〉」
ハイハイ。この作家の駄洒落パターンがわかってきたぞ。
「君の名はお札に」忘れないように書いてねってことと、「君の縄を札に」結んでねってことを掛けているんですね? -
というわけで札を書いて結びました。
ほんとにすごく畳と縄がいい感じに匂っていました。
こうやって札に書いたことで、匂いや音や空気感まで、今でも全部思い出せます。
ところでこの作品、こうやって訪れた人が次々縄を結び足して変形させていくアートだっていうことはわかったんですけど、ここって「いけばな美術館」ですよね?
これって生け花なんですか?
確かに縄も植物ですけど…腑に落ちるような落ちないような。 -
道ばたにあった作品。
えっこれって完成品?
ここにいろんな花とか挿さなくていいの?? -
二軒目のいけばな美術館。
おお。ここはなんだか洗練の極致〜! -
障子の白と黒が鮮やか…
-
これも生け花
-
石をひもでくくって、畳の上にゴロンと置いて、
「石も花」って書いてあります。 -
広い土間の梁に、燕の古巣がいくつも残っていました。
いけばな作家の誰かが、そこにも活けたくなっちゃったらしい。
こんな作品に仕上がっていました(笑)。 -
これは何でしょうか。
「きみのなわ」の一部でしょうか。 -
道ばたにまた変なもの発見。
これも生け花なんですか??
なにしろ石も花だそうだから、ね…。 -
このユーモラスな表情。
-
はまっちゃって一本一本全部撮影しちゃいました。
-
見ていると、最もプリミティヴなアートってこういうものだったのかな〜っていう気がしてきました。
木の上に石を置いて、木の実を拾ってきて目玉をくっつけて、楽しいからいろいろバリエーションを作っちゃう。
人ってそういうことして喜ぶ生き物なんですよねー。原始の昔から。 -
いけばな美術館の三軒目は、空き家ではなく普通に生活されている民家。
「どうぞ入って下さい」って声を掛けてもらわなかったら、ちょっと入りにくかったかも。
十畳の和室全部を満たすこの作品!
花だけでゴージャスに作られた作品に初めて遭遇(笑)。 -
大きすぎて全貌が撮影できません。
怪我をしながら丸二日かかって生けたそうです。
冬になると一階部分はすべて雪の下に埋まってしまうこの家に、花で灯りをともしましょう、という趣旨で作られた「八月の花明かり」(日向雄一郎)。 -
そしてこれも同じ作家によるかわいらしい作品。
ご近所から普段使いのお茶碗を借りてきて、そのへんに咲いている花を摘んできて、毎日活け替えているんだそうです。
まあ、お茶碗の柄がまた楽しい! -
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この集落に咲いている花々を、真正面から取り込んだ作品にやっと出会いました。
-
あとでこの写真を見た友達が、「お茶碗に咲いてると花がおいしそうに見える」と言いました(笑)。
-
「これで全部見たよね」と言いながら帰ろうとしたその時。
異様な色と形が目の端に見えました。
あれは何?
あんな自然の木はないよね!
じゃあ作品だあ!
よく見たら崖の下に作品看板があって、崖の上にこの作品があったんです。
見落とすところでした。
しかし、なんてグロテスクな姿…怪獣映画に出てきそう。 -
この展覧会のチラシの一部です。
小白倉の冬はこうなんだ…。
それにしても、現代いけばなは行くところまで行っちゃってることがよくわかりました。
縄も花、石も花(笑)。
生け花っていうインスタレーションが、小白倉という舞台に展開されたからこそこうなった。
そんな印象がくっきりと心に残りました。
さ。今夜からは温泉つきの宿だ〜!
妻有にいるからには温泉にも入らなければー!
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