めぐりゆく季節、美ヶ原風景。

2006/07/16 - 2006/07/17

美ヶ原には春夏秋冬の風景がある。
何十年か前にスキーで訪れた思い出の地をカメラを持って
歩いた。
12月の雪景色の美ヶ原。
6月の全山染まるつつじの美ヶ原。
7月の梅雨のさなかの美ヶ原。
　　　自然の美を感じながら歩いた
　　　めぐり行く季節を紹介します。　
　　　
　　　秋の紅葉と盛夏の美ヶ原の風景は宿題になりそうだ。
　　　いつか、訪れることを願って。
　　

エリア 長野

• 交通手段: 高速・路線バス

梅雨の合間をぬうようにして、美ヶ原撮影の旅に行く。前夜からの雨は安曇野に着くころには曇り空になった。心がけが良かったか、どうかは？

水車小屋
ゆったりと流れる万水川と水車の美しい調和。黒沢明監督の「夢」のロケ地になったそうです。

大王わさび園の地図。
北アルプス連邦を背景にアカシヤとポプラの並木に囲まれて日本一の広大さを誇る大王わさび農場があります。３月下旬〜５月上旬にはわさびの白く可憐な花が咲きそろい、砂利を敷いたうねを流れる水に美しく映えます。東京ドームの１１倍という広大なわさび畑。のんびり遊歩道を散策し、湧き水とふれあい、名物のわさびソフトクリームを味わい、手作りワサビ漬け体験などもできます。ー資料よりー
　　　
わさび田は、帯のような覆いが畝の上にかけられていた。

「道祖神」って、
信州・安曇野は道祖神のメッカです。南は梓川村から北は大町まで、山地の小村落も含め総数９００体もの双体像・文字碑等様々な道祖神が散在しています。
その中で安曇野では双体道祖神が彫られるようになったのは享保年代(1716〜1735)からのようで、1700年代の物は穂高町等でも見ることが出来ます。
男神・女神か並んでいる双体道祖神が多いことで有名です。道祖神は村の守り神として、五穀豊穣・無病息災・子孫繁栄を祈願し、村の中心や辻、三叉路に立っています。またその男女像はちょっとエッチで微笑ましい。ー資料よりー

心和む「仲良し道祖神」に出会えた。
　道祖神は、道行く人を悪霊から庇護します。
　今日一日の旅の安全を願おう。

車小屋
ゆったりと流れる万水川と水車の美しい調和。黒沢明監督の「夢」のロケ地に。
映画の中のシーンを想像させます。

この空間は、空気も、水の流れも、緑の樹木も早朝の風景を凛とさせます。
日本の原画風景に出会えたようで嬉しかった。

　「癒し」の写真として壁紙にしました。

　 山の詩人尾崎喜八氏が讃える“美ヶ原高原”は、
八ヶ岳中信高原国定公園の一角で、山頂一帯が標高　2000ｍ・面積600haの台地となって広がる、日本一高く、広く名前のように美しい高原です
　四季折々の美しさに、素敵な詩の誕生が。
　　　　　　
音楽的な夜

日が暮れると高原は露がむすび、
　びっしょり濡れたほのぐらい草の果てまで、
　りんりんと、きょうきょうと
　震え輝く虫の音に満たされる。
　
　夜空をかぎる山々の黒い影絵も
　光をかなでる楽器の列をおもわせる。
　「乙女」や「蝎」や「射手」の星座が
　身をかがめ　弓を波うたせて弾き入っている

　　（尾崎喜八の詩の世界を訪ねて）

「尾崎喜八」を辿っていったら
尾崎喜八の詩集の
「高原詩抄」の中の「金峯山の思ひ出」があった。
紀行文の「花崗岩の国のイマージュ」と対を成すといわれる山の悦びを凝縮した詩の世界を。
人間味溢れる、この詩に親しみを感じて。

尾根へ出たら目が覚めたやうで、
　　筒ぬけの空にくらっとしたな。
　　もう其処では暑さと寒さとが縞になってゐたな。
　　
　　それからたうとうてっぺんだったな。
　　天の方が近かったな。
　　二人きりだったな。
なんだか人間をもう一皮脱ぎたいやうな気がしたな。
　　
　　それから五丈石の下へうづくまって
　　ハンケチの端で珈琲を濾したな。
　　思ひ出せば何もかもたのしいな。
　　
　　　　　　　尾崎喜八「金峯山の思ひ出」より

「尾崎喜八」の詩で、美ヶ原を楽しみました。
何ともいえぬ「尾崎喜八」の詩の世界は、素晴らしい風景を優しく包みます。

日本列島の上に、どっかりと居座った梅雨前線と
共に長野に北上。
7月の連休に、美ヶ原を歩く。無常にもこの予報はバッチリ大当たり。
雲間より市街が見渡せる。今日の天気は？

久々のレインウェアに身を固め、美ヶ原を歩きました。11人の我がパーティ。
なが梅雨に、高山植物も開花が遅い。
ちらほら見られる花々に救われて足が運びます。
ニッコウキスゲ、テガタチドリ、ヤマオダマキ、と
さびしい限りです。

美しの塔、雨の中の風景もなかなか良いものです。
鐘を鳴らして、前に進みます。
蓮華ツツジの咲く頃は、きっと絵になったのでしょう。

高原ホテル山本小屋の一代目の創立者の肖像のレリーフが美しの塔にはめ込まれています。

標高2000ｍ、日本一の展望と言われる美ヶ原を世に。
今につながる美ヶ原。

塩クレ場付近の風景。
雨の中にたたずむ牛。
どこまでも続く広い放牧場は、雨。
この雨の中、
　人間さまは、もの好きだなぁー。モゥー。

雨もまた良し、美ヶ原。
一時間のハイキングに、次回に夢をつないで。

あれから半月、美ヶ原の高山植物は咲き、
本格的な夏色風景になっていることでしょう。

美ケ原高原ホテル山本小屋は、標高2,000メートルの一軒宿です｡
周囲は牧場と高山植物のお花畑に囲まれ、富士山、八ヶ岳連峰・アルプス連峰を一望します。
登山・ハイキングはもちろんのこと、絵画・写真・天文・吟行といった分野を目的としたご旅行にも最適のお宿です。
設備としては、決して立派とか綺麗とは言えませんが（もともと美ケ原高原開発者が山小屋として開設したものだからです）
ー　山本小屋、パンフよりー

こんなにご馳走が。
歩き足りない美ヶ原の一日、ビールで乾杯。
宴が進みます。

テガタチドリが雨の中、ひっそりと咲いていました。

霧が流れて、一瞬、美ヶ原の原画（風景）見せてくれます。
ほんの一瞬。

季節は冬に。
　夏と秋の美ヶ原は私の宿題です。
　
　梅雨明けの暑い最中です。
　暑中お見舞い申し上げます。　

雪景色と青空。
この美しい、美ヶ原に冬の彩を。
光り輝く樹々。

青空に映える雪景色。

　美ヶ原　雪景色。

王ヶ頭ホテル前より朝のドラマを撮影。

１　凍てつく雪の大地は太陽の光りとの競演の中に
　　一日が始る。輝く光芒に踊る雪の妖精。


?〜?の写真は「大地輝くとき」としての
組み写真です。
物語にしました。

2　凍てつく寂光の中に、肩を寄せ合う樹々。

　３　雲間に輝く白銀の舞台。

　4　美ヶ原の大地に静かな時が流れてゆく。
　　大地のドラマが終わる頃、白銀の世界は
　　真紅に染まり幕が下りた。
　　
　　厳冬期の美しい風景に魅了される。

　初夏の美ヶ原、厳冬期の美ヶ原と
　　徒然なるままに、写真とメッセージで。

この旅行記へのコメント （5）

• kioさん 2006/09/06 22:36:21

  懐かしい美ヶ原・・・

  kyokosa-n お久しゅうございます。
  
  自分は両親の実家が信州の松本で、子供の頃から夏休み、冬休みに
  なる都度に松本で数週間を過ごして居たものでした。
  そして朝な夕なに窓から見える美ヶ原の独特な山並みを
  観て過ごしていたものです。　
  美ヶ原高原には二度出掛けて居ます。
  子供心に高山植物の美しさに惹かれた記憶があります。
  
  黒沢映画のオムニバス映画＜夢＞は自分も観ています。
  水車小屋が映画の一場面で出てきたのも記憶にあります。
  とても絵画的で夢のように美しい情景だったという印象が残っています。
  あれは美ヶ原ロケだったのですか、、
  
  
  

  kyokosa-nさん からの返信 2006/09/14 06:18:34

  RE: 懐かしい美ヶ原・・・

  美ヶ原紀行を見ていただきまして有難うございます。
  今年は2度訪ねるチャンスがありました。天候の良し悪しでも見る印象はかわりますが、自然の中を歩くだけでも、その時をいっぱい楽しんでいます。
  歩ける喜びを感じながら。
  今。四谷のシグマラボで「天空への道」と言うテーマでネパールの写真の個展をしています。20日までです。お近くでしたら、お遊びにお出かけ下さい。
  7日からでしたので。お返事が遅くなりました。
  いつか秋の美ヶ原を歩いてみたい衝動にかられます。
  　　　　　　　　　　　　　　　kyokosa-nより

• Bounderさん 2006/08/04 21:17:54

  この場所、良いですよね。

  一昨年、家族旅行で黒部に行った帰りに、ここでわさびアイスクリームを食べた気がします（あやふやです）。
  川の流れが、とうとうと流れると言ったら当らずとも遠からずでしょうか。
  私もここの写真を何枚も撮って、部屋に暫く飾っていました。
  実は、私は信州生まれですが、こどもの頃はあまり出歩いていなし、今は遠くですから、北信にはあまり縁が無いんですよ。
  お盆は、信州の真っ青な空を拝みに帰ります。
  先々週ですか、霧ヶ峰の写真良いですね。
  
  

• いっちゃんさん 2006/07/29 18:45:35

  暑中見舞い・素晴しい企画

  kyokosa-nさん　ご無沙汰しています
  
  暑中お見舞い申し上げます。
  旅行記、美ヶ原の企画良いですね！
  安曇野から美ヶ原に・・・。
  私は、５月に上田平から別所温泉に泊まり美ヶ原に入りました。
  また、花も少なくミズバショウが若干咲いていただけですが、この時期は雨でなければ好かったでしょうね・・・。
  冬の美ヶ原は暑中見舞いにぴったり!!!
  夏・秋を楽しみにしています。
  
  いっちゃん
  

  kyokosa-nさん からの返信 2006/07/31 20:25:27

  RE: 暑中見舞い・素晴しい企画

  暑中お見舞いを申し上げます。
  いつも、お訪ねを戴きありがｔぷございます。
  7月の美ヶ原、高山植物真っ盛りなんて、期待して行きましたが。
  異常気象ですよね。長い熱い夏になるのではないでしょうか。
  秋の美ヶ原、盛夏の美ヶ原、一度は訪ねてみたいです。
  有難うございました。kyoko