2006/03/04 - 2006/03/04
5207位(同エリア6768件中)
ソフィさん
2006年3月4日(土)
私が初めてローマを踏んだ1962年、ローマ・テルミニ駅は、斬新さに輝いていた。
この駅は、戦争後早々と復興され、ヨーロッパ各駅に先立ち、1951年に華々しく完成した。
それまで見慣れた、各都市の19世紀型ターミナルの重々しい設計から、一度に脱皮したその姿は、来たらんとする「鉄道新時代」を象徴するに充分な姿だった。
ヴィットリオ・デ・シーカ監督の映画「終着駅」(1953年)には、若い涙をたっぷり流したものだった。
アメリカから、夫と子供を残してローマにやって来た婦人が、ここで恋に落ちたイタリア青年の懇請を振り切って去ってゆく姿。
その周辺流れる、終着駅に集う人々の、ペーソスと温かさを、淡々と描く人生模様。
この映画では、スクリーンの展開スピードが、実際の時計に合致していた。
それから50年あまりを経過した今でも、まだ瑞々しさを保っているのは、凄い。
その第一の理由は、設計コンセプトの明快さだろう。
入口から列車に到る客の動きを、最小化しようとした意図は、大いに評価さるべきと考える。
ひるがえって、わが国の同じ頭端駅上野や天王寺の複雑な動線を比べると、その素晴らしさが分かる。
もう一つは、ガラスと直線的なコンクリート材をふんだんに使った、明るく明快な構造にある。
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