1997/09/13 - 1997/09/23
1451位(同エリア1794件中)
まみさん
1997年度のチュニジア旅行で、イスラム墓地を見つけました。
場所は、チュニス、モナスティール、マーディーアとケルーアンの4ヶ所です。
イスラム圏を旅行するのは、1994年のトルコ(カッパドキアとイスタンブール8日間)以来、2度目でしたが、イスラム墓地は初めて見ました。
惹かれるように写真を撮りました。
表紙の写真は、チュニスのイスラム墓地です。
「ハイライトその2:タイル」でご紹介したものと同じです。
タイル装飾のある墓棺は、これくらいしか見かけませんでした。ごく少数派のようです。
チュニスでは、観光案内所でもらった地図(フランス語)に、Cimetrie islamicとあって、気になっていました。なかなか広大です。
近くまで来たので、ちょっと足を伸ばしてみました。
道に沿って、壁が延々と続いています。
覗いてみたら……カメラを構えずにはいられませんでした。
花でたくさん飾られたキリスト教圏の墓地とは、まただいぶ印象が違います。
へえーっ、イスラム墓地ってこういうかんじなんだ!と、とても珍しくて、何枚も写真を撮ってしまいました。
最初は遠慮して壁の外から撮っていました。
それにも飽きたらず、入口を見つけたので中に入ってみました。
入口付近でうろうろしながらパチリとやっていたら、墓守のおじさんがやって来ました。
緩やかとはいえイスラム教のチュニジア。もしかしたらお墓の写真を撮るなんて不謹慎だったかしら、とドキッとしました。
それでなくても、実は市内で、白い壁にチュニジアン・ブルーが美しい官庁の建物(チュニジアの旗が立っていました@)を撮って、すれ違った通行人に、撮影禁止だよ、と注意されたりしたことがあるものですから……。
と思ったら、「だれのお墓に行きたいのか」と、案内してくれるつもりだったようです。
きょろきょろしていたので、迷っていると思われたのかもしれません。
だれか特定の人のお墓が目当てではなく、単にお墓そのものを見たいだけだ、ということを理解してもらうのに苦労しました。
墓地を見学する、という発想は、おじさんにとって考えられないことだったのかもしれませんね。
(あるいは単に、私のフランス語が下手くそだっただけ?)
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チュニスのイスラム墓地です。
塀の外から撮っています。 -
チュニスのイスラム墓地です。
これも塀の外から撮っています。 -
チュニスのイスラム墓地です。
塀の外からでは我慢できず、とうとう中に入ってしまいました。
でもまだ、入口付近です。
墓地を囲む壁の一端が、内側から見たものですが、左側に見えています。
このあと、墓守のおじさんが近付いてきました。 -
チュニスのイスラム墓地です。
墓守のおじさんには、酔狂な外国人だ、と思われたかもしれませんが、写真を撮ることはとがめられませんでした。
というわけで、もうこそこそせず、堂々と撮ります。
背景に見える高層ビルは、軍病院です。
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イスラム墓地について、後で少し調べました。
イスラム教徒の埋葬は土葬です。
遺体の頭は必ずメッカの方角に向けて安置するそうです。
墓石は、王族を除いて、ごく質素だそうです。
土葬した後、小石のみ、ということもあるようです。
そうなるともちろん、後に誰のお墓か、わからなくなってしまうケースもあります。
墓参りの習慣もあまりないとのこと。
写真でもわかると思いますが、花を飾る習慣もあまりないようです。
でも私が訪れたこのチュニスの墓地には、墓参りらしき人たちがいたことはいました。
かなり広いのに1グループ程度しかいなかったことについては、特に不思議に思いませんでした。
だって日本でも、正月やお盆などの特別な日以外は、ふつうの墓地はそんなに墓参りの人が何組もいたりしませんもの。
また、もしかしたら、いま、まさにお葬式の最中かしら、と思われたところもありました。
(もちろん、そちらにはカメラを向けていません。) -
チュニスのイスラム墓地です。
墓棺に狙いを定めて写真を撮りました。
墓標がアラビア文字なのは当たり前のことなのですが、それからしても、とても珍しく感じられてしまいます。
右手の棺桶のくぼみは、なんでしょうね。
お線香を置くところ……ではないと思いますが。 -
チュニスのイスラム墓地です。
アラビア文字の墓標がたくさんファインダーに入るように撮ってみました。 -
チュニスのイスラム墓地です。
さきほどまで、真ん中の木のそばで、葬式らしきものがひっそりと行われていました。
もう、誰もいません。 -
ここから2枚は、モナスティールのイスラム墓地です。
モナスティールは、スースから鉄道で行きました。
その日はモナスティールだけでなく、マーディアと2都市を日帰り、という、少し欲張りな予定を立てました。
モナスティールは、スース同様、だいぶ西欧化されたリゾートです。
でも、もともとフェニキア人によって作られた街が起源であり、中世チュニジアの黄金時代を築いたイスラム系のアグラブ朝時代には重要な軍事基地として栄えたという歴史の古い街です。
その城塞跡が残っていることと、それからチュニジア共和国初代大統領の壮麗な霊廟がある、というところが魅力で、行くことにしました。
マーディーアもモナスティールと同様の歴史を持っていますが、こちらはむしろ、漁港として栄えました。
いまでも小さなちょっと寂れた、でも代わりに旅情を誘いそうな漁村である、というところが魅力で、行くことにしました。
それぞれの街の感想と観光エピソードはモナスティールやマーディーアの旅行記に譲るとして、ここでは墓地に限定します。
この写真は、モナスティールのリバト(城塞)から墓地を見下ろしています。少し高い視点なので、墓地全体が見えています。
右手にあるお椀の形をした屋根の建物は、管理棟でしょうか。
これも白い壁にチュニジアン・ブルーの青い扉です。
その奥には、リゾートホテルが見えています。
また、左手の奥には、ハビブ・ブルギバ霊廟が見えています。
ハビブ・ブルギバ霊廟の全体の写真とブルギバのエピソードは、「まみ流チュニジアの概観」をご参照くださいませ。 -
モナスティールのイスラム墓地です。
今度はリバト(城塞)を背景にしたアングルです。
こうやって見ると、チュニスの墓地よりだいぶ簡素です。
これでは、どちらに頭かよくわかりません。 -
ここから3枚は、マーディーアで見つけたイスラム墓地です。
一日でモナスティールとマーディーアの両方を日帰りしようっていうのですから、マーディーアではあまりゆっくり観光する時間はとれませんでした。
メディナ(旧市街)を突っ切るように歩き、海岸散策しかできませんでした。
マーディーアに着いたとたん、雨に降られて、カフェで少し雨宿りをしなければならなかったせいもあります。
墓地は、海岸沿いにありました。
雨上がりの夕方のせいか、もともとそうなのか、だいぶ閑散としていました。
墓地が見えましたが、ご覧のとおり、規模の小さいものでした。 -
マーディーアの地中海沿いのイスラム墓地です。
ちょこっと墓石が並んでいるだけの、規模の小さい墓地かと思っていたら、歩くにつれ、結構規模の大きい墓地だったことが判明しました。
墓板が、なんだか面白いです。
遠目からだと、聖徳太子など、歴史上の公家や武将が肖像画で手に持っている細い板(笏)、あれを白くしたように見えます。 -
マーディーアのイスラム墓地です。
遠くに灯台が見えています。
マーディーアの海はどこよりも青く美しい、とチュニジアの人々に愛されているそうです。
その美しさの一端は、少し窺えますかしら。
といっても、そんなに自慢の海と知らずに行ったので、この写真もそうと意識してを撮った覚えはないです。
むしろ海の美しさよりも、全体の雰囲気を感じながら散策しました。 -
最後に、ケルアーンのイスラム墓地です。
ケルーアンには、スースからルアージュ(乗合タクシー)で行きました。
チュニジアの都市移動は、飛行機、鉄道、バスのほかに、このルアージュも便利です。
タクシーとはいっても、現地の人にも重宝されている、庶民の足です。
定額制で、現地の人も乗るので、ボラれる心配はありません。
車両ごとにルートは決まっていて、私営ミニバスみたいなかんじですね。出発時間は決まっていなくて5人集まれば発車しますが、5人集まらないといつまでも出発しない、というところは違いますが。
ルアージュは、ケルーアンの旧市街の入口のすぐそばにも停まるので便利です。
(ケルーアン市内に入ってから途中下車した人もいた気がします。)
この墓地は、ルアージュを下りてすぐ、市壁に囲まれた旧市街の入口の手前にありました。
ここの墓棺は、まるで石膏か白い粘土で作られたよう。
どこか不思議な雰囲気がありました。 -
ケルーアンのイスラム墓地です。
静謐でそうでありながら、一方で虚無を強調する現代アートのようです。
左手にメディナ(旧市街)を囲む市壁が見えています。
ギザギサ加減が、とってもイスラムチック。
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この旅行記へのコメント (2)
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- glabraさん 2007/01/17 21:13:10
- お墓の写真
- まみさん、こんばんは。
お墓の写真の旅行記ですか?昔にトルコを旅行した時、一緒にいたトルコ人が墓マニアでした。みんなを待たせて墓を見つけると写真を撮る。ふと、そのトルコ人の顔を思い出しました。
場所は変わってカザフスタンで見たのは顔写真入りのお墓。他の旧ソ連諸国の墓は知りませんが、偶像崇拝を嫌うイスラム教徒が顔写真入りの墓を作っていいのかと思いました。それとも彼らはカザフ人ではなくロシア人だったのかな。
続きは今度にします。また、お邪魔します。
glabra
- まみさん からの返信 2007/01/18 08:53:50
- RE: お墓の写真
- glabraさん、こんにちは。書き込みありがとうございます。
トルコ人の墓マニアさんですか。
いや、お墓に興味を抱く方の気持ちは分かります@
イスラム圏のお墓はそれまで見たのと違っていたのでびっくりして、写真を撮りまくりましたが。。今年はルーマニアでもお墓の写真を結構撮りました。
有名なサプンツアの愉快なお墓ではなく、ふつうの、でもとても古い墓地です。
カザフスタン。未知の国です@
イスラム教もいろいろ宗派があるようなので難しいですね。
偶像禁止もどこまでなのか。写真となると現在の話なので、戒律がその分、時代に合わせて緩やかになっているかもしれませんね。
あるいはソ連時代は宗教は相当冷遇されたようですが、イスラム教も影響を受けなかったのかな。
自分の顔をお墓に描く習慣といえば、古代のヘレニズム時代のお墓や、それからポーランドの一部、17世紀くらいの貴族の風習として、お墓そのものではなく、その墓石や絵の部分をミュージーアムで見たことがあります。
人生、避けて通れないところだけに、実に奥深いですね。
また遊びに来てくださいませ@
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