1972/10/03 - 1972/10/03
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ソフィさん
1961年10月3日(火)
ナントは市電の復活で、ヨーロッパのトップを切った。
第二世代市電時代の、到来である。
第二世代の市電は、懐かしいチンチン電車の面影は消え失せ、スピーディでスマートだ。
しかし町の景観を作る大切な飾り道具である点に関しては、チンチン電車と変ることはない。
これらのニュータイプの市電は「LRT(ライト・ラピッド・トランシット=軽快電車)」と呼ばれ、都市交通に新たな時代をもたらせた。
これに対し地下鉄などは、「へヴィー・ラピッド・トランシット」と呼ばれる。
どこが違うのかを議論すれば長くなるが、その差は簡単に割り切れば、車の大きさだろう。
だが名前の問題はどうでも良いことで、事柄の本質ではない。
両方の性格をそなえる中間的なものも、多数存在する。
要はその町に合い、目的に合ったものを造ればよいのだ。
鉄道と言えば重々しい印象があるために、もっと身近であるとの印象を与える「LRT」なる新語が生まれたと推測する。
今では「LRT」という不慣れな名前をやめて、「トラム」と、昔の市電と同じ名前で呼ばれるようになった場合が多い。
「LRT」の初期段階では、「トラム」はチンチン電車という印象を残しているので、使われなかったのだ。
町を風のように走り抜ける「LRT」は、チンチン電車ではない。
ところで「LRT」と言えば、日本では線路や電車にばかり関心が向いているようだが、注目点はその目的あるいは設計理念であることを忘れてはならない。
「LRT」の目指すものは単なる交通手段のリニューアルにとどまらず、都市全体の若返りなのだ。
その背景には、市民高齢化(交通弱者の増加)、都心空洞化、町の空気の悪化などなど、最近発生した都市の多くの問題を解決しようとの思惑(意欲)が含まれている。
だからLRTの建設だけでなく、併行して都市改造計画や法律・制度にまで関わりながら計画することが望ましい。
その大成功例はストラスブール(フランス)だが、次の稿にゆずろう。
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