2007/04/13 - 2007/04/20
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rojinさん
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フランスとスペインの大西洋海岸の国境地帯に少数民族として有名なバスク人の住む地域があります。
(仏・バスク人が40万、スペイン・バスク人60万)
バスク語という独特の言語を持ち、また風俗習慣や文化も独自のものを有しているバスク人。
男性の高齢者はベレー帽をかぶる慣習があるので外見からも
判別出来る由。(写真)
ーーベレー帽 寡黙の奥に 笑顔ありーー
仏・バスクの中心都市はバイヨンヌBayonne.です。
今回の旅では、そのバイヨンヌやビアリッツ、そしてサンジャン・ド・リュズを訪ねました。
更に、現代の奇跡ともいわれるカトリックの巡礼地<ルールド>にも立ち寄りましたが、ここでも心温かいバスク人に出会うことが出来て思い出深いフランスの旅となった次第です。
最後は<赤き街>として知られるToulouseに泊まってから、飛行機でパリ経由大阪へ。
<* 立席も 有りか週末 TGV *>
<* バスク来て バスク文化に 浸りけり*>
<* バカンスは ゴルフにサーフィン ドライブか*>
<* ルルドにて 奇跡の泉 我も汲み*>
<* 山間の 巡礼聖地 暮れなずむ*>
<* 白銀の ピレネー遠き 車窓かな*>
<* 旧市街 赤きレンガに 赤き傘*>
(持参カメラはデジカメcoolpix S200 )
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 25万円 - 30万円
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス
- 航空会社
- エールフランス
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
(写真はボルドー駅にやってきたTGVです。)
旅の出発地はフランス南部の大都会・トウルーズToulouse.
そこから鉄道とバスを乗り継いでサルラーという中世の面影を残す街に2泊して、さらにサンテミリオンという有名なワイン産地に電車で移動して1泊。(ここまでの旅行記は別記 )
そして翌日、ボルドーまでローカル線に乗って行き、そこから新幹線TGVで、スペイン国境にある終点エンダヤHendayeまで移動することにしました。
予め切符はフランス・レイルパス(1等・5日分有効)を日本で購入済みなので心配なかったのですが、TGVの一等座席指定券を買う必要があるので、トウルーズに到着した翌朝、駅で買っておこうと、早起きして窓口へ行ったら、7時前なのに既に20人ちかくの人たちが並んでいました!
窓口で話すフランス語に自信がないので、事前にメモを用意。
13/04/2007 Bordeuax 10:25→TGV 8505 →hendaye
Une place en premiere classe en TGV,s.v.p.
J'ai mon France rail Pass.
これを窓口の係員女性に見せて、
「 Je voudrais aller a Hendaye. 」
( エンダヤへ行きたいのですが・・)
と言うと、” Oui. Hendaye. ”( はいエンダヤね )
「 C'est combien ? 」
( いくらですか?)
”ぺらぺら??”
聞き取れないので、慌てて50euro紙幣を差し出したら、
”Non. La monnais. ”( 駄目、小銭を頂戴 )
そこでコインを適当に掴んで出すと、1ユーロと50セント
をつまんで取りました。
TGVの1等座席指定料金が1.5ユーロとあまりにも安いので
驚いてしまいました。
さて移動の当日ですが、ボルドーから乗り継いだTGVは超満席だったのです。 一等車にも大勢の立ち乗客がいましたが、その大部分はビアリッツという街とサンジャン・ドリュズという街で下車してしまい、終点のエンダヤまで残っていたのは極く少人数でした。
週末のバカンスにやってきた人達が多かったのでしょう。
車窓から、この辺の海沿いの街には別荘や貸しマンション・貸しドミトリーなどが目につきました。 -
( スケッチは終点のHendaye駅ホームに到着したTGVです )
ボルドーから終点のエンダヤ駅まで約2時間かかりました。
終点のエンダヤの先がスペイン国境なので、興味がわき、ゆっくり見て回りたかったのですが、駅前周辺は何の風情もない忙しない街のようなので、昼食用にサンドウィッチを近くのパン屋さんで買って、早々に本日の宿泊地Bayonneバイオンヌへ引き返すことにしました。 -
( 写真はエンダヤ駅ホームでみかけた駅員たち )
-
終点のエンダヤ駅からローカル電車に乗ってBayonneバイオンヌへ30分かけて戻り、駅から徒歩5分の場所にある二つ星ADOUR HOTELにチェックイン。(写真)
-
( 写真はホテルの主人。)
あとで、聞いたら本人はバスク人の血を半分
受け継いでいるそうです。
応対も穏やかで愛想の良いホテルオーナーですよ。 -
ホテルの1階食堂には牛の首(バスク人の象徴)が
壁に飾ってありました。
まるで生きているような眼差しですね。 -
翌朝、食堂へ降りていくと、宿の主人とその友人たちが談笑していたので、写真を撮らせてもらいました。みんな温和な態度でした。
やはり、みんなバスク人の血をひいている為でしょうか。 -
ホテルの部屋に荷物を置いて、早速、バスクの中心地であった旧市街の散策に出かけることにしました。
Bayonneは、かってバスク王国の首都で旧市街は世界遺産に登録されています。 大西洋に注ぐ大きなアドウール川を挟んで<プチ・バイオンヌ>と<グラン・バイオンヌ>という2地区に分かれています。
橋の岸辺に降りて早速一枚スケッチをしました。
橋の向こうに大きく聳え立つのが大聖堂で バスク博物館は左手の方向にありました。 -
旧市街です。
-
建物の色調がバスク独特の雰囲気を醸し出し
ているのが分かります。 -
旧市街の中央には小高い場所に城壁が残っていました。
-
街中で、地元の親子が遊んでいたので、フランス語で話しかけて、写真を撮らせてもらいました。
-
真っ先に足を運んだバスク博物館には、1階から3階まで絵画・彫刻・生活用具から墓標など、さまざまな展示品が飾ってありましたが、そのどれを見ても飽きない色調と魅力にあふれています。
-
なぜか日本人の感覚に合う不思議な空間でした。
-
バスク文化が息長く続いていることは、本当に素晴らしいことです。
フランス旅行の機会があったら、またバイオンヌまで足を伸ばして訪れてみたいですね。 -
迫力ある彫像ですね。
-
昔ながらの風情溢れる船。
-
こんな面白い動物もありましたよ。
-
すっかりバスク博物館に魅了されてしまいました。
-
翌日の4月14日(土)、駅前から朝一番のバスに乗ってバスク地方で人気のリゾート地Biarritzへ向かいました。
途中通過した周囲のバスク住宅地は、何故かとても日本
に似ています。 周囲を低い生垣で囲った2階建てか平屋建ての家々が連なる街の景観は、日本の郊外住宅地でよく見かける光景とそっくりなのです。
昨日は博物館でバスクの色調に日本的な懐かしさを感じましたが
今日は<生垣>に日本的風情を感じました。 -
ビアリッツへ向かう市バス運転手です。
海岸近くにやってくると、景色は一変して近代的なマンションやホテルなどビル群が立ち並ぶ都会的な通りに出ました。
フファッショナブルな店も軒を連ねています。
乗客がみんな降りたので、慌てて運転手に尋ねた。
「 Monsieur ! C'est ici le Centre Ville ? 」
( ここが街の中心ですか? )
ーー” Oui. ”
あわててバスを降りると、バスを降りた大通りの向こうは、すぐ海岸の砂浜で、大波が打ち寄せています。生憎天気は曇りで、まだ早朝なので薄暗かったです。 -
早朝からサーフィンをする女性も見かけました。
-
Biarritzの奇岩です。
海岸線に沿って歩いていくと、大きな岩礁が
見えてきました。奇岩もあり、その崖上には大きな教会が聳えているのが見えます。 -
海岸のビーチから少し離れた所にある岩場です。
-
和紙にスケッチしてみました。
-
こっちは海岸べりに聳える教会です。
-
ビアリッツの海岸を散策していると、向こうから一人の老紳士が歩いてきました。
バスクの鳥打帽子を被った典型的なバスク人のようです。
失礼ですが・・日本から来た者ですが、写真を撮らせて頂けませんか? と話しかけると、寡黙ながら笑顔で応諾してくれた。
「 Excuse-moi monsieur ! Je viens du Japon.
Pourrais-je vous prendre en photo ? 」
ーー足を止め、笑顔で頷いてくれた。
パチリ。「 Merci beaucoup! Au revoir! 」
今回の旅で撮った傑作です。 -
Biarritzの海岸通りは洒落た店が立ち並んでいて、都会人むけのリゾート地という感じですね。
-
たくさんのヨットを並べた置き場もありました。
ここBiarritzは都会人の贅沢なリゾート地だ、と感じました。
そういえば、泊まっている二つ星のホテルの
部屋の中に、ゴルフ道具が置いてあったり、トイレの蓋
にはパターの絵が描かれてました。
また、部屋に置かれてあったパンフレットには、
この地方の分譲マンションや貸し別荘、貸しドミトリー
の広告もあって、どうやらバスク地方、特に、この辺の海岸
一帯は都会人のバカンス地帯になっている様でした。 -
Bayonne駅の窓口
予定では、4月15日(日)は電車で山間部にある
バスクの街<St-Jean-Pied de Port>へ日帰り
観光に行く積もりだったのですが、
Bayonne駅の窓口に先客が数人いて、30分以上待たされてしまい、漸く切符を買おうとしたら、
電車はすでに出発したあとで駄目!
日曜日には1本しかない。困ってしまいました。
そこで予定を変更して海岸にあるバスクの街
<St-Jean de Luz>に行ってみることにしました。 -
St-jean de Luz駅のホームです。
Bayonneから特急で20分、ここは歴史上有名な場所
で、太陽王と言われたルイ14世がスペイン皇女と
政略結婚をした際、ここの教会で結婚式を挙げた
ということです。
駅前を降りると、朝から旅行者らしい姿が多く目立ち、
海岸までの旧市街は小さな区域ですが、庶民的雰囲気に満ちた気分のいい賑やかな観光地でした。
バスクの老人はみんなベレー帽を被って黙々と歩いています。
一人の老人に、観光案内所の場所を尋ねると、にこにこ笑顔で丁寧に教えてくれました。
「 Bonjour Monsieur!
L'office de Tourisme, c'est ou ? 」
また、デジカメを取り出して、
「 Puis-je vous prendre en photo ? 」
( 写真を撮らせてくれませんか?)
と頼むと、笑顔で素直に応じてくれましたよ。 -
観光案内所前から出るミニ・トレインです。
観光案内所で地図をもらい、街の散策に出発することにしました。 -
リュズは小さな港をもつ村で、今や観光地として有名だそうです。
-
観光船も港に係留されていました。
-
家族連れの旅行者でしょう。
-
リュズの街は日曜日とあって観光客で賑わっていました。
-
海辺では4月だというのに子供達が水着で遊んでいましたよ。
-
この建物が、フランス王朝とスペイン王朝の間で政略結婚が行われ、ここで儀式が行われたという歴史的建造物のリュズ教会です。
-
バスク風情豊かな建物が、あちこちに残されています。
サンドイッチをベンチに座って食べながら
スケッチをしたものです。
ここで、フランス・バスク地方の感想を纏めてみると・・・・
① 鄙びた村や古都の街という先入観がありましたが、実際には
都会人のリゾート地になっていました。
② 中心都市のバイオンヌは、実に魅力溢れた所ですよー。
③ バスク人達はとても温和で素朴な人情に溢れていました。 -
3連泊したバイオンヌを後にして、次に向かった先は、
現代の奇跡・巡礼聖地と呼ばれる<Lourdes>ルールドです。
ここには全世界からカトリック信者が年間数百万人も巡礼に訪れるといいいますから驚きだすね。特に身体障害者向けの介護施設が完備しているので、車椅子の信者が多いと聞いていましたが、なんと!ルールド駅では線路を車椅子でも通れるようにバリアフリーになっていたんです。
( 写真はルールド駅のホーム ) -
ルールド駅の正面広場です。
-
Lourdesでは駅前にあるホテルBest Western Beausejourに泊まりましたが、ここは料金もリーズナブルで部屋は快適。(写真)
チェックインを済ませてから、すぐに巡礼の大聖堂へ足を運びました。
途中の多くの店では、奇跡の泉から水を汲むためのポットが売られていましたので、小生も一番軽い小さなポットを買おうと店に入りました。 -
偶然、そこにバスク人と思われる主人がいて(写真)、親切に応対してくれたので、写真を撮らせて欲しいと頼むと、快諾。
小生がニュージランド製のオールブラックスの帽子を
かぶっているのを見て、
−−” D'ou venez-vous ? ”
( どこから来たの ?)
と話かけてきた。
「 Je viens du Japon. 」(日本から)
と返事すると、
ーー” Tokyo ?..” (東京?)
「 Non、Osaka. 」( いや、大阪 )
こんな他愛ない会話から、彼のバスク人らしい
暖かい人情が伝わってきます。 -
ここが奇跡の洞窟です。
小生も奇跡の泉から水を汲もうと列に並びました。
前には車椅子の信者らしき家族もいました。
ー< ルルドきて 奇跡の泉 われも汲み >ー
果たして奇跡が我が身にも起きるのだろうか? -
聖母マリアの石像が洞窟の中に見えました。(写真)
-
この大聖堂の裏手から<十字架の道>と名付けられた散策道を30分ぐらいかけて登っていくとキリストの十字架を背負った12使徒が金色の彫像として展示されていました。
-
ここルールドは年間数百万人の訪問者があるという巡礼地ですが、周囲を山々に囲まれた静かな街です。
-
このスケッチはホテルの部屋で描いたものですが、
夕陽の逆光の中に、教会や大きな城が浮かびあがった景色です。 -
夜の<ローソク行列>が今日は無いのですが、再度、大聖堂まで足を運んだら、黄昏時に路上でバスク風情の夫婦に出会うことが出来ました。巡礼地を訪れる身障者を介護する仕事に従事している様子です。
写真を撮らせて貰ったら、
ーー” Japonais ? ”( 日本人かい? )
と話しかけてきました。
穏やかな表情のバスク人の雰囲気を漂わせています。 -
ここルールドからは雪を被ったピレネー山脈が望めます。
そこで一句。
ー< 山間の 巡礼聖地 暮れなずむ >ー -
翌日、いよいよ旅も終幕です。 ルールドからトウールーズへと向かう列車の車窓から眺めたピレネー山脈が実に印象的だったので、席に座ったままスケッチしていたら、そこへ検札に回ってきた車掌さんが褒めてくれました。
” ウマイ!”
「 Merci,monsieur ! 」
( 有難うさん !)
ーー< 白銀の ピレネー遠き 車窓かな >ーー
気分良くして終点のトウールーズ駅に到着です。
旅の最初に泊まった駅舎内のホテルにチェックインしてから、
トウールーズの駅周辺をゆっくり散策して最後の夜を過しました。
ここの旧市街は、駅からガロンヌ川までの間に広がっており、2時間ほどかけて歩きまわりましたが、古い建物の外壁が赤色で覆われており、<赤い街>と呼ばれるのが納得できました。
カフェには赤いパラソルの下で休息している観光客もみかけましたね・。そこで一句・・<旧市街 赤きレンガに、赤き傘>
おわり
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