1972/10/03 - 1972/10/03
58位(同エリア70件中)
ソフィさん
1961年10月3日(火)
18世紀、ナントはフランス国内一の貿易港として発展する。
その後港湾機能は下流のサン・ナゼールに移るが、産業都市として発展を続け、現在もフランス第7位(人口25万人、都市圏人口55万人)の都市である。
この町のシンボルである「シャトー(城)」は古く(最古の部分は13世紀)、ロアールにある多くの華麗なシャトー(居城)とは趣を異にし、無骨な装いで戦いの場の印象を残している。
ナントで忘れてはならないのは、今もこの町を元気にしている市電である。
その歴史は古く、街路鉄道が蒸気機関車だった時代、電気鉄道の開発に先立ってこの町に、世界で唯一の無煙市電(圧搾空気を動力とする鉄道)が走った。
蒸気市電は黒い煙を出すので、便利ではあるが文字通り煙たがられていた。
例えばシカゴの市電は便利だが真っ黒に街並みを汚し、有り難さ半分だった。
パリではもっぱら馬車市電が幅を利かし、町中馬糞だらけだったのだ。
その中で、ナントの無煙市電は、異彩を放つものだった。
その後電化され、一度は自動車優先のため撤去されるが、1980年代に始まるフランスの市電復活では、1985年全国に先立ち、復活最初の市電が走り出す。
この新しい市電の車両はいわゆるLRT(軽快電車)であるが、フランスでは自国に市電車両製造技術を復活させようと、50億円ほどの公共資金を投じて、フランス型LRTを開発した。
この車両は、ナントに並んで、グルノーブルにも投入される。
同じ頃日本でも同様の動きがあったが、開発に投じられた公共資金は3,000万円だったと記憶する。
このように市電では常にフランスの先頭を切るのが、この町の伝統のようだ。
復活なった市電は、その後も拡張を重ね、最近では国鉄路線との相互乗り入れなども検討されている。
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