1972/10/20 - 1972/10/20
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ソフィさん
1961年10月20日(金)
パリ・サンラザール駅から郊外電車で北に向かい5分、セーヌ河を渡るところにアニエールがある。
この河畔は、19世紀後半産業革命の波がパリに押し寄せた頃、工場労働者などの週末の憩いの場だったところだ。
ハイキング、ヨット、水浴、そしてレストランやバーなどの娯楽施設が揃っていた。
当時は風光明媚で爽やかな光に満ちた郊外だったのだろうが、現在はパリの発展に呑み込まれて小さな工場なども交じり、昔の面影をやや留めているだけである。
往時ラファエリ、ゴッホ、ルノワールらの画家がスケッチにやって来て、この地を好んで描いた。
この土地を描いた画家の中で、特に有名なのは点描で美術史に名を残すジョルジュ・スーラ(Georges Seurat
1859-1891)である。
この地のセーヌ河畔を描いた「アニエールの水浴」は、点描開始時の代表作「グランド・ジャット島の日曜日の午後」(208×308cm)に先立って製作された。
二つの作品はセーヌ河を隔てた両岸を描いており、「アニエールの水浴」は彼の点描を始める直前の作品として注目される。
いずれも大作だが、両作品とも市民たちが川べりで憩う姿が描かれており、当時の風俗を見る点でも貴重なもので興味深い。
週末にくつろぐ労働者たちが、楽しそうに遊んでいる光景を生き生きと描写しており、時代のときめきを感じさせる私の好きな絵の一つである。
ある評論家の感想を抜粋する。
『川の中で手を口に当てた少年が誰かを呼んでいるのか、声を出しているのがわかります。
また、少し離れて背中を向けている少年は、魚でも獲っているのでしょうか、パチャパチャ・・・という水音がかすかに聞こえます。
そして、遠景の鉄橋からは遠い列車の音が感じられますし、ボート遊びの人たちの笑い声も、かすかながら聞こえてきます。
本当に控えめではあるのですが、「アニエールの水浴」には音があって、そして確実に、生きている人たちの呼吸が感じられるのです』
『一見、印象派に似た作品の多いスーラでしたが、注意深く配置された人物や構成を見ると、実は、一瞬の印象を描く画家ではなく、理論的、理性的な科学者のような目を持った画家だったのがわかります』
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