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7/09(水)ウィーン観光第3日目<br /><br />【旅程抜粋】<br />市内観光:セセッション・造形美術アカデミー絵画館・ベルベデーレ、シュテファン寺院(再び)、ペーター教会<br />夜:シュテファン寺院でオルガン・コンサート<br /><br />この日は一日、美術館めぐりを中心とするウィーン市内観光に当てました。1991年に初めてウィーンを訪れ、2日間滞在したときも、ウィーン観光は、バスの市内観光ツアーに参加した以外の残りの時間は、ほとんど美術館めぐりに当てました。なので、ウィーンといえばここ!といえるようなメジャーな美術館、たとえば美術史美術館やベルベデーレ宮のオーストリア・ギャラリーはすでに訪れています。でも、あれから12年もたっているので、ベルベデーレのクリムトやエゴン・シーレたち分離派の画家の絵の実物を、再び見に行きたくなりました。ベルベデーレを本日のハイライトとしたため、この日はウィーン市内観光でも、リンクシュトラーセ(環状道路)の外が中心となりました。<br /><br />ほかにも、ウィーンカードの割引がきくうちに、自分のためにアクセサリーを買ったり、観光案内所で教会コンサートの情報をもらって、夜はシュテファン寺院のオルガン・コンサートに出かけました。<br />アクセサリーは、今回の旅行で3日目にしてすでに何個も買っています。やはりウィーンは、いえオーストリアは、デザインがお洒落です。それまで2年続けてドイツ旅行、その前はロシア旅行でしたが、それらの国では、アクセサリーのデザインはおおまかに言って、よく言えば大ぶりでスッキリと機能的、悪く言えばどこか無骨なかんじがしました。そのせいか、ウィーンのお洒落さに、すっかり参ってしまいました!<br /><br />結果的に、この日の観光は美術館と教会めぐりが中心だったため、撮影した写真は少なめです。時間を多く割いたところが、写真が多いというわけにはなりませんね。また、こうして旅行記としてまとめていると、聖シュテファン教会の写真はぜひ撮っておけばよかったな、と後悔しています。しかし、聖シュテファン教会前はあまり広くなくて、全貌が撮れるよいアングルがありませんでした。なによりも、すでに持っている本などにいくらでもこの教会の写真があるので、なんだか今更撮っても……という気になってしまいました。そうは言っても、今更、と思っても自分のカメラで撮りたくて撮ってきた写真はあるので、やっぱり積極的に写真を撮ればよかったですね。

2003年夏のオーストリア旅行15日間【ウィーンその3】セセッション・造形美術アカデミー絵画館・ベルベデーレ

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2003/07/09 - 2003/07/09

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まみ

まみさん

7/09(水)ウィーン観光第3日目

【旅程抜粋】
市内観光:セセッション・造形美術アカデミー絵画館・ベルベデーレ、シュテファン寺院(再び)、ペーター教会
夜:シュテファン寺院でオルガン・コンサート

この日は一日、美術館めぐりを中心とするウィーン市内観光に当てました。1991年に初めてウィーンを訪れ、2日間滞在したときも、ウィーン観光は、バスの市内観光ツアーに参加した以外の残りの時間は、ほとんど美術館めぐりに当てました。なので、ウィーンといえばここ!といえるようなメジャーな美術館、たとえば美術史美術館やベルベデーレ宮のオーストリア・ギャラリーはすでに訪れています。でも、あれから12年もたっているので、ベルベデーレのクリムトやエゴン・シーレたち分離派の画家の絵の実物を、再び見に行きたくなりました。ベルベデーレを本日のハイライトとしたため、この日はウィーン市内観光でも、リンクシュトラーセ(環状道路)の外が中心となりました。

ほかにも、ウィーンカードの割引がきくうちに、自分のためにアクセサリーを買ったり、観光案内所で教会コンサートの情報をもらって、夜はシュテファン寺院のオルガン・コンサートに出かけました。
アクセサリーは、今回の旅行で3日目にしてすでに何個も買っています。やはりウィーンは、いえオーストリアは、デザインがお洒落です。それまで2年続けてドイツ旅行、その前はロシア旅行でしたが、それらの国では、アクセサリーのデザインはおおまかに言って、よく言えば大ぶりでスッキリと機能的、悪く言えばどこか無骨なかんじがしました。そのせいか、ウィーンのお洒落さに、すっかり参ってしまいました!

結果的に、この日の観光は美術館と教会めぐりが中心だったため、撮影した写真は少なめです。時間を多く割いたところが、写真が多いというわけにはなりませんね。また、こうして旅行記としてまとめていると、聖シュテファン教会の写真はぜひ撮っておけばよかったな、と後悔しています。しかし、聖シュテファン教会前はあまり広くなくて、全貌が撮れるよいアングルがありませんでした。なによりも、すでに持っている本などにいくらでもこの教会の写真があるので、なんだか今更撮っても……という気になってしまいました。そうは言っても、今更、と思っても自分のカメラで撮りたくて撮ってきた写真はあるので、やっぱり積極的に写真を撮ればよかったですね。

同行者
一人旅
交通手段
鉄道

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  • ★Secession(セセッション)<br /><br />セセッションは、昨日行ったカールス教会に近かったのですが、昨日は行きそびれました。初めてウィーンを訪れた1991年当時には見学していますが、この建物の外観も気に入っているので、再訪することにしました。<br /><br />ここのハイライトは、ウィーン分離派の画家クリムトの「ベートーベン・フリーズ」です。1991年当時も、いいなぁと思った覚えがあります。1991年にこれを見に行こうと思ったきっかけは、日本でクリムト展を見て、知ったからです。来日した「ベートーベン・フリーズ」は、空間もできるだけ忠実に再現した複製でした。なので、本物が見たくなったのです。<br /><br />「ベートーベン・フリーズ」は地下にありました。12年前と同じです。その当時の感想は忘れましたが、いま改めて鑑賞してみて、埋め込まれた金箔や、ゴリラのような魔物の目やその他に使われた真珠の母貝 (mother of pearl) が、絵から飛び出しそうに浮き出して見えるのがとても気に入りました。金箔は、絵の平坦性を強調して、面白いと思いました。色絵の具の部分は平塗りでも、目の方で勝手にふちにそって丸味を帯びてるように錯覚して見てしまいます。そしてクリムトの絵の面白さは、平坦性と丸味を帯びたように見えるところが、一つの絵の一つのモチーフに同居しているところにもあると思いました。<br /><br />「ベートーベン・フリーズ」は期待どおりでしたが、あとは知らない現代画家の展示が少しあっただけでした。私にとって、悪くもないが、良いといえるほどではありませんでした。いや、見どころは、実質「ベートーベン・フリーズ」だけということになるので、5.50ユーロの入場料は高いと思いました(後から、ベルベデーレ宮に先に行けば、その入場券で入れたかもしれないと判明)。なので、少しでも元をとろうと、もう一度「ベートーベン・フリーズ」のところへ行き、説明のパンフレットを読みながら、時間をかけて丁寧に鑑賞し直しました。そのため見学時間は、約30分となりました。<br /><br />(写真は、セセッションの屋根の部分のアップです。月桂樹をモチーフにした透かし彫りですが、ギフトショップでこの部分のポストカードを見たときに改めてこの美しさと面白さに気付き、とても気に入りました。ところが、こんなにステキなデザインなのに、この建物が建てられた当初、ウィーンっ子には「金のキャベツ」とはやし立てられたそうです。)

    ★Secession(セセッション)

    セセッションは、昨日行ったカールス教会に近かったのですが、昨日は行きそびれました。初めてウィーンを訪れた1991年当時には見学していますが、この建物の外観も気に入っているので、再訪することにしました。

    ここのハイライトは、ウィーン分離派の画家クリムトの「ベートーベン・フリーズ」です。1991年当時も、いいなぁと思った覚えがあります。1991年にこれを見に行こうと思ったきっかけは、日本でクリムト展を見て、知ったからです。来日した「ベートーベン・フリーズ」は、空間もできるだけ忠実に再現した複製でした。なので、本物が見たくなったのです。

    「ベートーベン・フリーズ」は地下にありました。12年前と同じです。その当時の感想は忘れましたが、いま改めて鑑賞してみて、埋め込まれた金箔や、ゴリラのような魔物の目やその他に使われた真珠の母貝 (mother of pearl) が、絵から飛び出しそうに浮き出して見えるのがとても気に入りました。金箔は、絵の平坦性を強調して、面白いと思いました。色絵の具の部分は平塗りでも、目の方で勝手にふちにそって丸味を帯びてるように錯覚して見てしまいます。そしてクリムトの絵の面白さは、平坦性と丸味を帯びたように見えるところが、一つの絵の一つのモチーフに同居しているところにもあると思いました。

    「ベートーベン・フリーズ」は期待どおりでしたが、あとは知らない現代画家の展示が少しあっただけでした。私にとって、悪くもないが、良いといえるほどではありませんでした。いや、見どころは、実質「ベートーベン・フリーズ」だけということになるので、5.50ユーロの入場料は高いと思いました(後から、ベルベデーレ宮に先に行けば、その入場券で入れたかもしれないと判明)。なので、少しでも元をとろうと、もう一度「ベートーベン・フリーズ」のところへ行き、説明のパンフレットを読みながら、時間をかけて丁寧に鑑賞し直しました。そのため見学時間は、約30分となりました。

    (写真は、セセッションの屋根の部分のアップです。月桂樹をモチーフにした透かし彫りですが、ギフトショップでこの部分のポストカードを見たときに改めてこの美しさと面白さに気付き、とても気に入りました。ところが、こんなにステキなデザインなのに、この建物が建てられた当初、ウィーンっ子には「金のキャベツ」とはやし立てられたそうです。)

  • セセッションの2階の特別展の作品です。壁の一面に、これでした。まるで「手のひら」の模様の壁紙のようです。ギフトショップにこの特別展のパンフレットがあったので見本をめくってみましたら、この作品が載っていました。作品タイトルを見てみたら、英語で “Wall paper”とありました。壁紙でよかったんですね。作成した画家……というより、アーティストと言った方がよいでしょうか。Norbert Brunnerという人でした

    セセッションの2階の特別展の作品です。壁の一面に、これでした。まるで「手のひら」の模様の壁紙のようです。ギフトショップにこの特別展のパンフレットがあったので見本をめくってみましたら、この作品が載っていました。作品タイトルを見てみたら、英語で “Wall paper”とありました。壁紙でよかったんですね。作成した画家……というより、アーティストと言った方がよいでしょうか。Norbert Brunnerという人でした

  • これも、Norbert Brunner作。さきほどの壁紙と向かい合う壁に展示されていました。パンフレットでタイトルを確認しました。“Die Tur:Tor zu Welt, sperrengelweit offen, wartet auf Wind” だそうです。なかなか意味深そうなのでメモしてきました。意味は、“sperrengelweit” が辞書に見当たらなかった完全にはわかりませんが、「扉:世界への門、○○な風に開き、風を待つ」くらいでしょうか。扉とは、真ん中にある四角い囲みのことでしょう。下書きのような線に見えますが、この絵ではとても重要ということですね。

    これも、Norbert Brunner作。さきほどの壁紙と向かい合う壁に展示されていました。パンフレットでタイトルを確認しました。“Die Tur:Tor zu Welt, sperrengelweit offen, wartet auf Wind” だそうです。なかなか意味深そうなのでメモしてきました。意味は、“sperrengelweit” が辞書に見当たらなかった完全にはわかりませんが、「扉:世界への門、○○な風に開き、風を待つ」くらいでしょうか。扉とは、真ん中にある四角い囲みのことでしょう。下書きのような線に見えますが、この絵ではとても重要ということですね。

  • 再び、セセッションの写真です。帰り際、振り返ってみたら、壁の木の模様が気に入りましたので、お気に入りの金のキャベツ……ならぬ金の月桂樹の屋根と一緒に、もう一枚写真を撮りました。

    再び、セセッションの写真です。帰り際、振り返ってみたら、壁の木の模様が気に入りましたので、お気に入りの金のキャベツ……ならぬ金の月桂樹の屋根と一緒に、もう一枚写真を撮りました。

  • ★Gemaeldegalerie der Akademie der bildenden Kuenste in Wien(造形美術アカデミー絵画館)<br /><br />セセッションの次はベルベデーレに行くつもりでしたが、この絵画館はセセッションの近く、ベルベデーレに行くためにトラム駅に向かう途上をちょっと寄り道しただけのところにあるし、もともと行きたいリストに入っていたので、逃すことはないと思い、入りました。こうやってコロコロ予定を変えられるのが一人旅のいいところです。同行者がいたら、嫌がられるかもしれません。<br /><br />ヒエロニムス・ボスの有名な「最後の審判」の三連祭壇画が、造形美術アカデミー絵画館のハイライトです。この美術館が私の行きたいリストに入ってたのも、もっぱらこの作品のためです。左手にアダムとイブの天国追放があり、真ん中から右手にかけて地獄絵となっています。天国に昇るか、地獄に堕ちるか。真ん中がありません。いかにもキリスト教らしい二元論です。そのようにきっちり白黒が決められ、あとは永遠にそれが続く、というよりは、仏教的な輪廻の考え方の方がホッとするのは、私が日本人だからでしょうか。あるいは、年齢を経て、白黒決められない灰色に対する許容範囲が広まったせいでしょうか。ヒエロニムス・ボスをはじめとする西洋画家が描く天国と地獄図を見ていると、信者を戒めるための絵といはいえ、全人類の罪をあがなって十字架にかかったはずのキリストが、こういう絵では情け容赦ない厳しい審査官にしか見えません。しかし、確かキリストを、最後の審判の審判官と捉える見方もあったはずです。<br /><br />この絵の扱いはこの絵画館の中でも特別で、実物よりも大きなパネルの複製写真を用意されていました。ボタンだったかマウスだったか忘れましたが、それで操作をすると、画面にポインターが当たった部分がハイライトされます。こういう絵は、見落としがちな隅にまで、それだけで一つの物語が書けてしまいそうなくらい、場面が細かく描かれているので、そういうところを注目するにはよいと思いました。この画面で少し遊んだあと、実物をもう一度、見に行ったりしました。<br /><br />また、この地獄絵は、私が記憶しているヒエロニムス・ボスのこの手の絵にしては、化け物が少ないように思いました。代わりに、肉体を切りつけたり、槍で刺されたり、肉の痛みを想起させる罰のシーンが多いです。生々しくて効果的かもしれないが。永遠に痛みを味わされるのかと思うと死にたくなります。いや、死者なんだから、逆に死にたくなくなるのかな。<br /><br />あとは比較的小粒な作品が並んでいましたが、一つ一つの絵の鑑賞に割くエネルギーが節約できて、かえって丁寧に鑑賞しやすかった気がします。ドイツやフランドル絵画が中心で、時代がバラけていて、小粒でもいい作品がそろっていたのではないかと思います。ルーベンスもありました。ルーベンスのふくよかな肢体の女性たちはおなじみですが、よく見ると、色彩とタッチのせいか、ふくよかはふくよかでも、ぷよぷよ、というよりは、鍛え上げられた筋肉質の肉体に見えなくもないなぁと思いました。鑑賞時間は約45分でした。<br /><br />(写真は、ややピンぼけ気味ですが、造形美術アカデミー絵画館の入口へ至る長い廊下の天井です。絵画館は、日本式に数えて2階に入口がありました。奥に「Galarie」という電光表示が見えます。また、天井を中心に施された装飾画ですが、こういう、植物を中心として、人や動物が絡められた模様を、「グロテスク様式」というそうです。ラファエロから始まり、その後にヨーロッパで流行しました。)

    ★Gemaeldegalerie der Akademie der bildenden Kuenste in Wien(造形美術アカデミー絵画館)

    セセッションの次はベルベデーレに行くつもりでしたが、この絵画館はセセッションの近く、ベルベデーレに行くためにトラム駅に向かう途上をちょっと寄り道しただけのところにあるし、もともと行きたいリストに入っていたので、逃すことはないと思い、入りました。こうやってコロコロ予定を変えられるのが一人旅のいいところです。同行者がいたら、嫌がられるかもしれません。

    ヒエロニムス・ボスの有名な「最後の審判」の三連祭壇画が、造形美術アカデミー絵画館のハイライトです。この美術館が私の行きたいリストに入ってたのも、もっぱらこの作品のためです。左手にアダムとイブの天国追放があり、真ん中から右手にかけて地獄絵となっています。天国に昇るか、地獄に堕ちるか。真ん中がありません。いかにもキリスト教らしい二元論です。そのようにきっちり白黒が決められ、あとは永遠にそれが続く、というよりは、仏教的な輪廻の考え方の方がホッとするのは、私が日本人だからでしょうか。あるいは、年齢を経て、白黒決められない灰色に対する許容範囲が広まったせいでしょうか。ヒエロニムス・ボスをはじめとする西洋画家が描く天国と地獄図を見ていると、信者を戒めるための絵といはいえ、全人類の罪をあがなって十字架にかかったはずのキリストが、こういう絵では情け容赦ない厳しい審査官にしか見えません。しかし、確かキリストを、最後の審判の審判官と捉える見方もあったはずです。

    この絵の扱いはこの絵画館の中でも特別で、実物よりも大きなパネルの複製写真を用意されていました。ボタンだったかマウスだったか忘れましたが、それで操作をすると、画面にポインターが当たった部分がハイライトされます。こういう絵は、見落としがちな隅にまで、それだけで一つの物語が書けてしまいそうなくらい、場面が細かく描かれているので、そういうところを注目するにはよいと思いました。この画面で少し遊んだあと、実物をもう一度、見に行ったりしました。

    また、この地獄絵は、私が記憶しているヒエロニムス・ボスのこの手の絵にしては、化け物が少ないように思いました。代わりに、肉体を切りつけたり、槍で刺されたり、肉の痛みを想起させる罰のシーンが多いです。生々しくて効果的かもしれないが。永遠に痛みを味わされるのかと思うと死にたくなります。いや、死者なんだから、逆に死にたくなくなるのかな。

    あとは比較的小粒な作品が並んでいましたが、一つ一つの絵の鑑賞に割くエネルギーが節約できて、かえって丁寧に鑑賞しやすかった気がします。ドイツやフランドル絵画が中心で、時代がバラけていて、小粒でもいい作品がそろっていたのではないかと思います。ルーベンスもありました。ルーベンスのふくよかな肢体の女性たちはおなじみですが、よく見ると、色彩とタッチのせいか、ふくよかはふくよかでも、ぷよぷよ、というよりは、鍛え上げられた筋肉質の肉体に見えなくもないなぁと思いました。鑑賞時間は約45分でした。

    (写真は、ややピンぼけ気味ですが、造形美術アカデミー絵画館の入口へ至る長い廊下の天井です。絵画館は、日本式に数えて2階に入口がありました。奥に「Galarie」という電光表示が見えます。また、天井を中心に施された装飾画ですが、こういう、植物を中心として、人や動物が絡められた模様を、「グロテスク様式」というそうです。ラファエロから始まり、その後にヨーロッパで流行しました。)

  • ★Oesterreichische Galerie Belvedere (ベルべデーレ宮のオーストリア・ギャラリー)<br /><br />美術好きの私にとって、上宮の19・20世紀絵画館のクリムトやエゴン・シーレなどのウィーン世紀末美術は見逃せません。上宮は1991年当時にも行っているので、再訪となります。そのクリムトとエゴン・シーレを真っ先に見つけることができて満足しました。しかし、1991年当時は、クリムトや印象派の作品は、最上階の2階(日本式に勘定すると3階)にあったはずです。展示場所が変わっています。そのため、ああ、なつかしい、という既視感は得られませんでした。もっとも、ぎしぎしいう板張りの床は相変わらずでした。これは記憶どおりでした。<br /><br />下宮の中世・バロック美術の方は、はじめは省くつもりでした。その分の時間を、応用美術博物館に当てたかったのです。しかし、応用美術館に着くまでに閉館時間が迫ってしまってゆっくり鑑賞できそうになかったこと、それから、ベルベデーレの入口で買えたのは上宮・下宮共通チケットだけなので(上宮だけのチケットは売っていませんでした)、下宮の入場料はすでに含まれています。というわけで、時間と金がもったいなくなったため、残りの時間は「手近な」下宮ですませることにしました。<br /><br />でも、私はもともと中世美術は好きだったので、中世の聖人や祭壇画などの鑑賞は楽しむことができました。バロック絵画は、天井画の下絵みたいなのがあったりしてそれほど面白いとは思えませんでしたが、続く部屋の内装が、上宮よりずっと豪華でした。大理石の部屋 (Marmorsaal) は修復中で天井は見えなかったり、グロステクルームは思っていたのと違いましたが(このときは、「グロテスク様式」というのを勘違いしていたので、この語感のとおり、グロい部屋が見られるかと、怖いもの見たさの好奇心をふくらませていたのです。)、大理石のギャラリー(Marmorgalerie)あたりから目を奪われだしました。極めつけは、金のキャビネットの部屋(Goldkabinett)でした。シノワズリ(ヨーロッパの中国趣味)風のキャビネットや壺がいっぱいで、悪趣味なくらい金キラな部屋でした。しかし、こういう豪華さは私のミーハー心を痛く満足させてくれるので、すっかり気に入ってしまいました。わざわざ余分に時間と金をかけて応用美術館に行くために下宮の見学を省かなくて、よかったと思いました。<br /><br />鑑賞時間は、上宮から下宮へ向かう庭園散歩もあわせて、約3時間でした。上宮を鑑賞している間は天気もよいかわりに、室内には扇風機もクーラーもないので、蒸し暑かったです。同じ夏でも日本の夏と違ってヨーロッパの夏は、室内に冷房装置が一切ないのであれば、外の方が風がある分、気持ちよく過ごせます。鑑賞中、汗をじわじわかきました。目元に汗がたまり、痛がゆくて(痛い+かゆい)、つらかったです。外では汗ふきタオルが手放せないのは当然だと思っていましたが、美術館の中でも必要だとは思いませんでした。<br /><br />下宮へ移動するときは、だんだん天気も曇りになりました。鑑賞中に雨が降り始めたようです。中世・バロック美術の展示室は、元・馬屋か植物園か、といった別館になっていたので、豪華な部屋のある建物へ移動するときに、少しだけ雨に降られました。<br /><br />(写真は、上宮から下宮へ移動する最中のベルベデーレ宮の庭園です。このあたりの高い位置からウィーン旧市街方面の見晴らしは、なかなかすばらしいです。さすが、ベルベデーレ(美しく見える)宮です。もっともこの写真は、そのウィーンの景色に背を向けて、庭を飾るスフィンクスの一つと上宮に焦点を当てて撮ってみました。)<br /><br />夜:Orgelkonzert am Stephansdom(シュテファン寺院でオルガン・コンサート)【写真なし】<br /><br />最初、オルガン奏者がどこにいるか、わかりませんでした。入口の頭上のオルガンロフトのオルガンではなく、主廊脇のオルガンを使っていました。奏者が見えず、弾いている様子がわからないのは残念だな、と思いましたが、よく考えたらどこのオルガンを使っても奏者が見える方が珍しいんでした。<br /><br />オルガンは、迫力がありました。特に低音が、振動まで伝わってくるようです。演目は、近世の宗教音楽っぽい、いかにも教会に合うものから、不協和音多発の現代音楽っぽいものまでバラエティに富んでいました。教会で教会らしい音楽を聴くのはムードがたっぷりで、いいです。ヘンデルのオラトリオあたりだったか、とても有名な曲もあり、聞きほれました。ぞくぞくとしびれるようでした。ただし、最後の現代音楽の方は、途中から眠くなってしまいました。

    ★Oesterreichische Galerie Belvedere (ベルべデーレ宮のオーストリア・ギャラリー)

    美術好きの私にとって、上宮の19・20世紀絵画館のクリムトやエゴン・シーレなどのウィーン世紀末美術は見逃せません。上宮は1991年当時にも行っているので、再訪となります。そのクリムトとエゴン・シーレを真っ先に見つけることができて満足しました。しかし、1991年当時は、クリムトや印象派の作品は、最上階の2階(日本式に勘定すると3階)にあったはずです。展示場所が変わっています。そのため、ああ、なつかしい、という既視感は得られませんでした。もっとも、ぎしぎしいう板張りの床は相変わらずでした。これは記憶どおりでした。

    下宮の中世・バロック美術の方は、はじめは省くつもりでした。その分の時間を、応用美術博物館に当てたかったのです。しかし、応用美術館に着くまでに閉館時間が迫ってしまってゆっくり鑑賞できそうになかったこと、それから、ベルベデーレの入口で買えたのは上宮・下宮共通チケットだけなので(上宮だけのチケットは売っていませんでした)、下宮の入場料はすでに含まれています。というわけで、時間と金がもったいなくなったため、残りの時間は「手近な」下宮ですませることにしました。

    でも、私はもともと中世美術は好きだったので、中世の聖人や祭壇画などの鑑賞は楽しむことができました。バロック絵画は、天井画の下絵みたいなのがあったりしてそれほど面白いとは思えませんでしたが、続く部屋の内装が、上宮よりずっと豪華でした。大理石の部屋 (Marmorsaal) は修復中で天井は見えなかったり、グロステクルームは思っていたのと違いましたが(このときは、「グロテスク様式」というのを勘違いしていたので、この語感のとおり、グロい部屋が見られるかと、怖いもの見たさの好奇心をふくらませていたのです。)、大理石のギャラリー(Marmorgalerie)あたりから目を奪われだしました。極めつけは、金のキャビネットの部屋(Goldkabinett)でした。シノワズリ(ヨーロッパの中国趣味)風のキャビネットや壺がいっぱいで、悪趣味なくらい金キラな部屋でした。しかし、こういう豪華さは私のミーハー心を痛く満足させてくれるので、すっかり気に入ってしまいました。わざわざ余分に時間と金をかけて応用美術館に行くために下宮の見学を省かなくて、よかったと思いました。

    鑑賞時間は、上宮から下宮へ向かう庭園散歩もあわせて、約3時間でした。上宮を鑑賞している間は天気もよいかわりに、室内には扇風機もクーラーもないので、蒸し暑かったです。同じ夏でも日本の夏と違ってヨーロッパの夏は、室内に冷房装置が一切ないのであれば、外の方が風がある分、気持ちよく過ごせます。鑑賞中、汗をじわじわかきました。目元に汗がたまり、痛がゆくて(痛い+かゆい)、つらかったです。外では汗ふきタオルが手放せないのは当然だと思っていましたが、美術館の中でも必要だとは思いませんでした。

    下宮へ移動するときは、だんだん天気も曇りになりました。鑑賞中に雨が降り始めたようです。中世・バロック美術の展示室は、元・馬屋か植物園か、といった別館になっていたので、豪華な部屋のある建物へ移動するときに、少しだけ雨に降られました。

    (写真は、上宮から下宮へ移動する最中のベルベデーレ宮の庭園です。このあたりの高い位置からウィーン旧市街方面の見晴らしは、なかなかすばらしいです。さすが、ベルベデーレ(美しく見える)宮です。もっともこの写真は、そのウィーンの景色に背を向けて、庭を飾るスフィンクスの一つと上宮に焦点を当てて撮ってみました。)

    夜:Orgelkonzert am Stephansdom(シュテファン寺院でオルガン・コンサート)【写真なし】

    最初、オルガン奏者がどこにいるか、わかりませんでした。入口の頭上のオルガンロフトのオルガンではなく、主廊脇のオルガンを使っていました。奏者が見えず、弾いている様子がわからないのは残念だな、と思いましたが、よく考えたらどこのオルガンを使っても奏者が見える方が珍しいんでした。

    オルガンは、迫力がありました。特に低音が、振動まで伝わってくるようです。演目は、近世の宗教音楽っぽい、いかにも教会に合うものから、不協和音多発の現代音楽っぽいものまでバラエティに富んでいました。教会で教会らしい音楽を聴くのはムードがたっぷりで、いいです。ヘンデルのオラトリオあたりだったか、とても有名な曲もあり、聞きほれました。ぞくぞくとしびれるようでした。ただし、最後の現代音楽の方は、途中から眠くなってしまいました。

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