1986/01/01 - 1986/01/13
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アーマさん
バスで、再び濃いミルク色の霧の中を走る。お日様が空高く白い月のように見えている。昼頃フェラーラ着。エステ家が支配していた町。赤みがかかったレンガのお城、その周囲にお堀、そして跳ね橋。レンガ造りのお城は北イタリア独特のものとか。
12時50分頃、バスに乗る。「お腹すいたー」あちこちから声。「お昼はラベンナの予定ですので、申し訳ありませんがあと1時間ほどご辛抱ください。」徳田さんが息せき切って、近くのバールでチョコレートを買ってきて、みんなに配った。それぞれが持参したおせんべいなどが回ってくる。「いかがですか?どうぞ・・」「ご馳走様!」ポリポリ、カリカリ。
やがてラベンナ。素朴な石造りの町という印象。バスを降りて、「うわ~、寒い!」と私。「あら、暖かいわねー」と、徳田さんとガイドさん。ここは今頃すごく寒いとか。今日はいい天気だけど、大気はひんやりと冷えている。
石畳の緩い坂道を歩く。時々車が通るけどひっそり静か。レストランは、建物の2階。体を温めたいから白ワインをカパカパ頂く。おいしい♪
ラベンナは5~8世紀に栄えたという古い町。サンタ・ポリナーレ・ヌオボ教会へ。「この前来た時、電灯がつかなかったんですが・・」ガイドさんの心配通り、中は薄暗い。それでも日光が差し込んだ壁面を見て息を呑んだ。内部は一面モザイク壁画。きらきらと光る。これがすべて小さな石で出来ているとは。
サンビターレ教会。こちらもモザイクが見事。ユスティニアヌス帝とその皇妃テオドラの姿。上ばかり見上げていたので、みんな疲れてきて、ガイドさんの説明の隙を見てベンチに座り込んで、見上げる。「あら・・、みなさん、お疲れのようで・・」
ダンテのお墓へ。管理人が鍵を開けて入れてくれて、中へ入る。コインを入れると3分間つくという灯りの下で、別世界のようなモザイク壁画を見る。天使、聖人、動物たち・・。永遠の安らぎのため、天井は夜をあらわす深いブルー、そこに星が散りばめられていた・・。
夕方4時を過ぎると、たちまち日が落ちて薄暗くなる。通りを歩いていたら、モザイク店があった。「あ、作ってる・・」鈴なりになってみんなでガラスのドア越しに覗き込んでいたら、中の男性がにっこり笑って手招き。それではと、入り込んで見学。いろいろな色の天然石が、小さく四角形にカットされて、箱に入れられてある。店内の作品は、どれも宗教画で、男性は下絵を見ながら、1個1個丁寧に埋めていく。
町の中心、ポポロ広場。大きなクリスマスツリーが中央に飾られ、そばにテレビ。子供たちが5,6人、群がってアニメを見ていた。夕方になってどっと人出が増えた感じ。商店街は日曜のためお休みなのに、この賑やかさ。みんなお洒落をして、のんびりとショーウィンドウを覗き込んだり、散歩を楽しんでいる。
ホテルに着いて、夕食までの時間、散歩に出てみた。ホテルの前の、車がひっきりなしにすごいスピードで走り抜けている道路を、やっとの思いで渡って、気がついた。この町には信号機がない・・。ポポロ広場に向かって歩いていく。ドライフルーツの量り売りをする露店などが出ていて、賑やか。
今夜の夕食のレストランは、ホテルの外。ぐんと冷えた大気の中を歩いていく。家族連れで賑わうレストランの、奥の一角に案内される。メニューは海鮮料理。こもちゃんは、席について料理の臭いをかいだだけで気分が悪くなって、「ホテルで休んでいるわ・・」私もそうすればよかったのだ、後で思えば。
大皿に乗ったエビなどを見ているだけで、食欲も無くなる。シャコは、中身がほとんどなくて空気だけ。手づかみでしゃぶるらしいのだけど・・?ムール貝も出た。どの料理もオリーブ油にまみれていて、さすがに飽きてきた。つついた程度でやめる。
夕食が終わって、再び冷え込んだ石畳の道を歩いてホテルに戻る。こもちゃんはずっと休んでいたらしい。私も早く寝よう。
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