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 船が来て乗り込む。今度は本格的に海を突っ走る。かなり遠いらしい。雨は止んでいて、もやがかかっている。点々と立つ航路標識だけが目に付く。昔ベニスに敵が攻めてきた時、ベニスの船乗りたちはこの杭を全部抜いてしまって、敵は浅瀬に乗り上げてしまい、全滅したと本で読んだことがあった。なるほど。<br /><br /> 40分くらい過ぎただろうか、島に着いてみんな降り出したので、慌てて後に続く。<ブラーノ>の標識。家々の感じがベニス本土とかなり違う。ひっそりとした島に降り立った。一緒に降りた乗客たちの後からついて行く。小さなお店があった。・・・あるある、レースの製品!と、道は二手に分かれ、人々の流れも分かれてしまった。<br /><br /> 「どっちへ行くー?」どちらも同じ、カラフルに色塗られた家々が並んでいる。「左へ行きましょう」すぐメインストリートと思われる人通りの多い道に出た。両側にはずらりとレースのお店。でも、行きかうのは地元の人々。観光客の姿はまばら。時計を見るともう1時近い。気がつくと通りの店も次々にシェスタに入っている。3時まではショッピングもできない。「我々も食べてからにしましょう」目に入ったレストランに入った。<br /><br /> 案内されたのは一番奥のテーブル。壁にはずらりと油絵が飾ってある。でも、どれも強烈な色彩。メニューが来て、「ここのスペシャリテにしましょう、間違いないから」と、O氏。まずは白ワインで乾杯。愛嬌のいいウェイターが、彼を見ながら「カサノーバ、カサノーバ!」「??」「男一人に女性が4人、カサノーバね!」あっ、プレイボーイって言ってるのか!「みんなボクのワイフね」O氏がふざけて答える。<br /><br /> ナイフとフォークがどっさり並べられる。えっ、こんなに出るのかしら。・・・出るも出るも、パスタに始まって魚介類の料理がどんどんやってくる。それがどれも美味しくて、みんなにこにこ。生牡蠣も最高だった。小ぶりで少し黄色がかっていて、身は薄く、殻に張り付いているみたいだったけど、味はとてもよい。切ったレモンがどっさり乗ったお皿が料理が変るたび運ばれてくる。丁寧に絞ったりせず、フォークをぐさっと突き刺してグチュグチュッと回すのがこちらのやり方。<br /><br /> えびにスズキにウナギに・・。もうお腹一杯。デザートはもう入らないなーと思いながら、ついついお勧めのチョコレートケーキを選ぶ。洋酒が効いてて「おいし〜〜〜!」<br /><br /> 「どう、この食事代いくらになるか、当ててみない?」と、O氏。物価の安いこの国だから、3000円、3500円、と、みんな首をひねりながら答える。一番近い人の分はみんなでおごろうということになって、みんな真剣。「絶対安いと思うよ」とO氏。「こんだけあるんだから、高いと思うな」と、S女史。結局高かった。チップを入れて一人7000円くらい。もっとも日本だったら軽く1万円は越えただろう。一番近かったのはSさん。嬉しそうに「悪いわね〜」<br /><br /> 時間はもう3時。外に出ると嬉しいことにお天気も回復しつつある。元気一杯、レースのお店に繰り出す。ショーウィンドウが素敵な大きい店に入る。「チャオ」ぱっと目に付いたのがマスケラ、お祭り用の仮面。手描きで美しい模様がついている。「これ、マスケラですよね?」お店の女の子がにっこり、「そうです、マスケラ」ラ、の発音がちと違った。こもちゃんが一番素敵なのに飛びつく。「同じものはありませんか?」「ノー、みんなオリジナルなので・・」レースの扇もどっさり、ドイリーなんか、束にして積み上げてある。「これみんなハンドメイド?」「はい」「あっ、これもいいわね」もう嬉しくて動けない。<br /><br /> ようやく買い物も一区切りついて、他のメンバーを捜す。何軒か先の店にいた。入り口に豪華なレースのランジェリーが飾ってある。ここには、一風変ったカーニバルの衣装などが置いてあった。仮面に羽根のついた中世風の帽子、マント、みんなできゃあきゃあ楽しんで試着させてもらったり、大騒ぎ。私もお洒落な黒のドレス・スーツを試着。ちょっとサイズが大きかったけど、思い切って、「買います」ベテランのO氏が値切ってくれた。後で徳田さんに話したら、「えーっ、あの店ではめったにまけてくれませんよー!ほんと〜?」<br /><br /> という調子で心ゆくまで楽しんで、外に出たらもう黄昏。帰りの船の時間までまだあるので、さっきから気になっていた、洒落たお店に足を向けた。ガラスの小物やアクセサリーの店だった。中にいる女の子、黒髪でチャーミングな、日本でもいそうなタイプ。「あれ、日本人だよ」「違うよ」みんなでガラス窓に張り付いてじっと注目しているのに、彼女は全く気にもしないで黙々と自分の仕事をしている。それにしても素敵な店。「入ろう!」<br /><br /> 「ヴォナ・セラ!」にっこり顔を上げた。「ジャパニーズ?」O氏が早速聞いている。「ノー」やっぱりね。でも、話し方の何て可愛らしいこと。壁にはお洒落なデザインの飾り鏡が、きらきらと光っている。Hさんがすてきなガラスのネックレスを買った。「これで失くしたネックレス、諦められるわ」<br /><br /> 時間ぎりぎり、大慌てで駆け出した。さっきの船着場・・。え、ここじゃないって?ずっとあっち?!バタバタバタ・・。「やーめた」「次の便にしよう」くるりと4人回れ右。町は相変わらず静か。車は1台も走っていない。車のない世界。「しかし、いい所だなあ」O氏もすっかり気に入っている様子。「まるで北欧の町と同じだよ」赤い家、クリーム色の家、カラフルな彩り。<br /><br /> あと1時間あるので、バルを捜し、ドアを開けて入ると地元のお客が2,3人。熱い紅茶でほっと一息。そして今度は早めに船着場へ向かった。<br /><br /> あたりはすっかり暗くなっている。航路標識に点々と灯が点って海の上に浮かんでいる。今度の船は大きかった。デッキに上がってベンチに座り、遠ざかる島の明かりを見つめる。風は冷たいけど快適。・・・やがて何も見えなくなって体も冷えてしまったので下の船室に入る。やっと座れたと思ったらみんな降り出したので、慌てて後に続いた。乗り換えらしい。降りたところは既にベニス本土。ネオンが賑やか。近くのバルで、また時間つぶし。<br /><br /> ここからサンマルコまではすぐだった。時計は7時過ぎ。夕食は7時半ロビー集合、O氏推薦のレストランへ希望者だけで行くことになっている。「お帰りなさい!」ロビーに徳田さんがいた。部屋に戻ってセーターを着替える。<br /><br /> レストランは細い小路にあった。いくつかのゴージャスな部屋を通り、案内されたのは一番奥。「お料理は、できたらみなさん同じだと、楽なんですけど」「いいですよ、お任せします」お昼がリッチだったので我々はあまり食欲はない。また生牡蠣が出た。1個食べて、「あ、お昼のが美味しい」「うん、ほんと、こっちのは大味ね」それで生牡蠣はパス。羨ましそうな他の人たち。「そんなに美味しかったんですか・・」<br /><br /> 隣のテーブルに素敵なカップルが座った。女性のドレスの素敵なこと。銀と青のスパンコールやビーズで飾られていて、きらめく人魚みたい。「わぁ、きれい・・」「ああいう美人に連れ添っている男性は、たいていたいしたことないやつだよ」「そうですか?」「そうだよ、見てごらん」ひげ面の男性がちらりとこちらを見たので、O氏、軽く手を上げたらにっこり。<br /><br /> 夕食代は均等に割って、一人¥7500。部屋に帰って、早速今日の戦利品を広げる。黒のドレスを着て、鏡の前を行ったり来たり。楽しかったなあ。<br /><br /> 明日からいよいよイタリアの中部地方へ入っていく。まだまだ旅は始まったばかり、たっぷり残っていて嬉しい。<br /><br /><br /><br /><br />

イタリア冬の旅? ベネチア2日目ブラーノ島

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1986/01/01 - 1986/01/13

4061位(同エリア4201件中)

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9

アーマ

アーマさん

 船が来て乗り込む。今度は本格的に海を突っ走る。かなり遠いらしい。雨は止んでいて、もやがかかっている。点々と立つ航路標識だけが目に付く。昔ベニスに敵が攻めてきた時、ベニスの船乗りたちはこの杭を全部抜いてしまって、敵は浅瀬に乗り上げてしまい、全滅したと本で読んだことがあった。なるほど。

 40分くらい過ぎただろうか、島に着いてみんな降り出したので、慌てて後に続く。<ブラーノ>の標識。家々の感じがベニス本土とかなり違う。ひっそりとした島に降り立った。一緒に降りた乗客たちの後からついて行く。小さなお店があった。・・・あるある、レースの製品!と、道は二手に分かれ、人々の流れも分かれてしまった。

 「どっちへ行くー?」どちらも同じ、カラフルに色塗られた家々が並んでいる。「左へ行きましょう」すぐメインストリートと思われる人通りの多い道に出た。両側にはずらりとレースのお店。でも、行きかうのは地元の人々。観光客の姿はまばら。時計を見るともう1時近い。気がつくと通りの店も次々にシェスタに入っている。3時まではショッピングもできない。「我々も食べてからにしましょう」目に入ったレストランに入った。

 案内されたのは一番奥のテーブル。壁にはずらりと油絵が飾ってある。でも、どれも強烈な色彩。メニューが来て、「ここのスペシャリテにしましょう、間違いないから」と、O氏。まずは白ワインで乾杯。愛嬌のいいウェイターが、彼を見ながら「カサノーバ、カサノーバ!」「??」「男一人に女性が4人、カサノーバね!」あっ、プレイボーイって言ってるのか!「みんなボクのワイフね」O氏がふざけて答える。

 ナイフとフォークがどっさり並べられる。えっ、こんなに出るのかしら。・・・出るも出るも、パスタに始まって魚介類の料理がどんどんやってくる。それがどれも美味しくて、みんなにこにこ。生牡蠣も最高だった。小ぶりで少し黄色がかっていて、身は薄く、殻に張り付いているみたいだったけど、味はとてもよい。切ったレモンがどっさり乗ったお皿が料理が変るたび運ばれてくる。丁寧に絞ったりせず、フォークをぐさっと突き刺してグチュグチュッと回すのがこちらのやり方。

 えびにスズキにウナギに・・。もうお腹一杯。デザートはもう入らないなーと思いながら、ついついお勧めのチョコレートケーキを選ぶ。洋酒が効いてて「おいし〜〜〜!」

 「どう、この食事代いくらになるか、当ててみない?」と、O氏。物価の安いこの国だから、3000円、3500円、と、みんな首をひねりながら答える。一番近い人の分はみんなでおごろうということになって、みんな真剣。「絶対安いと思うよ」とO氏。「こんだけあるんだから、高いと思うな」と、S女史。結局高かった。チップを入れて一人7000円くらい。もっとも日本だったら軽く1万円は越えただろう。一番近かったのはSさん。嬉しそうに「悪いわね〜」

 時間はもう3時。外に出ると嬉しいことにお天気も回復しつつある。元気一杯、レースのお店に繰り出す。ショーウィンドウが素敵な大きい店に入る。「チャオ」ぱっと目に付いたのがマスケラ、お祭り用の仮面。手描きで美しい模様がついている。「これ、マスケラですよね?」お店の女の子がにっこり、「そうです、マスケラ」ラ、の発音がちと違った。こもちゃんが一番素敵なのに飛びつく。「同じものはありませんか?」「ノー、みんなオリジナルなので・・」レースの扇もどっさり、ドイリーなんか、束にして積み上げてある。「これみんなハンドメイド?」「はい」「あっ、これもいいわね」もう嬉しくて動けない。

 ようやく買い物も一区切りついて、他のメンバーを捜す。何軒か先の店にいた。入り口に豪華なレースのランジェリーが飾ってある。ここには、一風変ったカーニバルの衣装などが置いてあった。仮面に羽根のついた中世風の帽子、マント、みんなできゃあきゃあ楽しんで試着させてもらったり、大騒ぎ。私もお洒落な黒のドレス・スーツを試着。ちょっとサイズが大きかったけど、思い切って、「買います」ベテランのO氏が値切ってくれた。後で徳田さんに話したら、「えーっ、あの店ではめったにまけてくれませんよー!ほんと〜?」

 という調子で心ゆくまで楽しんで、外に出たらもう黄昏。帰りの船の時間までまだあるので、さっきから気になっていた、洒落たお店に足を向けた。ガラスの小物やアクセサリーの店だった。中にいる女の子、黒髪でチャーミングな、日本でもいそうなタイプ。「あれ、日本人だよ」「違うよ」みんなでガラス窓に張り付いてじっと注目しているのに、彼女は全く気にもしないで黙々と自分の仕事をしている。それにしても素敵な店。「入ろう!」

 「ヴォナ・セラ!」にっこり顔を上げた。「ジャパニーズ?」O氏が早速聞いている。「ノー」やっぱりね。でも、話し方の何て可愛らしいこと。壁にはお洒落なデザインの飾り鏡が、きらきらと光っている。Hさんがすてきなガラスのネックレスを買った。「これで失くしたネックレス、諦められるわ」

 時間ぎりぎり、大慌てで駆け出した。さっきの船着場・・。え、ここじゃないって?ずっとあっち?!バタバタバタ・・。「やーめた」「次の便にしよう」くるりと4人回れ右。町は相変わらず静か。車は1台も走っていない。車のない世界。「しかし、いい所だなあ」O氏もすっかり気に入っている様子。「まるで北欧の町と同じだよ」赤い家、クリーム色の家、カラフルな彩り。

 あと1時間あるので、バルを捜し、ドアを開けて入ると地元のお客が2,3人。熱い紅茶でほっと一息。そして今度は早めに船着場へ向かった。

 あたりはすっかり暗くなっている。航路標識に点々と灯が点って海の上に浮かんでいる。今度の船は大きかった。デッキに上がってベンチに座り、遠ざかる島の明かりを見つめる。風は冷たいけど快適。・・・やがて何も見えなくなって体も冷えてしまったので下の船室に入る。やっと座れたと思ったらみんな降り出したので、慌てて後に続いた。乗り換えらしい。降りたところは既にベニス本土。ネオンが賑やか。近くのバルで、また時間つぶし。

 ここからサンマルコまではすぐだった。時計は7時過ぎ。夕食は7時半ロビー集合、O氏推薦のレストランへ希望者だけで行くことになっている。「お帰りなさい!」ロビーに徳田さんがいた。部屋に戻ってセーターを着替える。

 レストランは細い小路にあった。いくつかのゴージャスな部屋を通り、案内されたのは一番奥。「お料理は、できたらみなさん同じだと、楽なんですけど」「いいですよ、お任せします」お昼がリッチだったので我々はあまり食欲はない。また生牡蠣が出た。1個食べて、「あ、お昼のが美味しい」「うん、ほんと、こっちのは大味ね」それで生牡蠣はパス。羨ましそうな他の人たち。「そんなに美味しかったんですか・・」

 隣のテーブルに素敵なカップルが座った。女性のドレスの素敵なこと。銀と青のスパンコールやビーズで飾られていて、きらめく人魚みたい。「わぁ、きれい・・」「ああいう美人に連れ添っている男性は、たいていたいしたことないやつだよ」「そうですか?」「そうだよ、見てごらん」ひげ面の男性がちらりとこちらを見たので、O氏、軽く手を上げたらにっこり。

 夕食代は均等に割って、一人¥7500。部屋に帰って、早速今日の戦利品を広げる。黒のドレスを着て、鏡の前を行ったり来たり。楽しかったなあ。

 明日からいよいよイタリアの中部地方へ入っていく。まだまだ旅は始まったばかり、たっぷり残っていて嬉しい。




  • 船乗り場にいた猫<br /> フラッシュにも平気

    船乗り場にいた猫
     フラッシュにも平気

  • ブラーノ島<br /> カラフルな家々がきれい。

    ブラーノ島
     カラフルな家々がきれい。

  • ブラーノ島<br /> お昼を食べたレストラン。とっても美味しかった。

    ブラーノ島
     お昼を食べたレストラン。とっても美味しかった。

  • カーニバルの衣装を試着するこもちゃん

    カーニバルの衣装を試着するこもちゃん

  • ブラーノ島<br /> レース製品の店。見事なレースのランジェリー

    ブラーノ島
     レース製品の店。見事なレースのランジェリー

  • ブラーノ島のわんこ

    ブラーノ島のわんこ

  • ベネチア本土に戻る

    ベネチア本土に戻る

  • 夜のサンマルコ広場<br /> これは頂いた写真

    夜のサンマルコ広場
     これは頂いた写真

  • 夜のサンマルコ広場その2<br /> これも頂いた写真 雨に濡れた景色は幻想的でした

    夜のサンマルコ広場その2
     これも頂いた写真 雨に濡れた景色は幻想的でした

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