標高1547mの山頂からのオホーツク海の眺めが特に美しい。
知床のウトロ方面から能取岬へと美しい海岸線と下界の景色が広が...
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振り返れば、野付半島が根元方向から細く伸びている様子が分かる。
「嗚呼、地図ノ通リデハナイカ」と思わず叫びたくなる。
麓から眺めても美しい山だが、山頂からもそれに劣らない素晴らしい光景が眺められる。
通常、標高670mの清岳荘の広い駐車場(任意で協力金¥100円)に車を停めて登る。
公共交通機関では至極不便な場所で、一部のWebサイトにある斜里バスの江南線は現在(2015年9月)は無く、代わりに登山口まで行くスクールバス(土日祝運休)が出ている。
朝と夕、2、3本しかなく、学校行事によりその日によって時間が変動するため、利用する場合は必ず清里町役場(教育委員会)に時刻と乗り場を確認すること。
一般も利用できて、料金は一律¥200円である。
ただし、登山口から清岳荘までは8、9kmの林道を歩くことになる。
そのほか、イーハトーブか大田サイクル(現在は貸出をやっているか不明)でレンタサイクルという手もある。
清岳荘からは本格的な登山道となる。
途中、下二股で旧道と新道に分かれるが、登りは沢登りの旧道、下りは尾根道の新道がセオリーである。
旧道はひたすら渡渉を繰り返すが、ヘマをしなければ登山靴の丈の半分を濡らす程度である。
上二股の辺りまで沢登りなので、道に迷いそうになったら、引き返すか、沢の方へ足を向ければ登山道がある。
もっとも、目印の赤い紐を目印にして、渡渉の際には着地点と赤い紐を見定めてから行けば間違いはない。
途中、羽衣の滝、万丈の滝など、幾つもの素晴らしい滝を目にする。
幌尻岳と異なり、深く水につかることはない。
初めは面倒くさい渡渉も、いつのまにか景色に魅了され、おそらく多くの登山者が沢登りとはこんな楽しいものかと感じることであろう。
ただし、滑りやすい岩肌にはくれぐれも注意が必要である。
急で登りにくい場所にロープがあったが、そのほかは木や岩をつかんで手や上体もうまく使って登るとよい。
ふと足元を見ると、初秋を告げる可憐なダイモンジソウが登山者を出迎えてくれていた。
馬の背に着くと、いよいよ根釧台地側が見える。
国後島の羅臼山など、北方領土も眺められる。
太平洋側とオホーツク海側の境界でもあるので、時としてここからは風が強い場合があるが、今回は幸いにもほぼ無風であった。
そしてここから最後の急登が始まる。
さすがに清里町駅前から走ってここまでくるとスタミナが厳しくなるが、頂上で食料と水を補給すればほとんど回復する。
馬の背は9合目を過ぎているが、ぜひ、まだ8合目手前の気分で登るとふんばりが利いて良い。
山頂では絶景の眺めである。
前回はガスであまりよく見えなかったが、今回はオホーツク海、根室海峡、そして西側は屈斜路湖や摩周湖、阿寒の山々などを見渡すことができた。
携帯電話はDocomoの場合、電波表示が2つ立ち、通話品質には全く影響がなかった。
帰りは新道コースである。
上二股から少し行くと竜神の池への分岐があるが、1、2分下って池に着いた後、更に進む(上り)と再び新道に合流するので、心に余裕があればぜひ寄るとよい。
なお、これから続く縦走のような熊見峠までの道の方が、登りも2、3回あってよっぽど大変である。
初代清岳荘の土台が残る下二股で旧道と合流すると、再び渡渉が始まるが、もう少しがんばれば、清岳荘へと到着する。
こうしてお昼前に下山してしまえば、一安心である。
正午過ぎての登山開始は清岳荘で相談してほしいとの看板が立っていた。
天候のためか、熊のためか理由はわからない。
なお、天候は前述のようにオホーツク海側と太平洋側の気候境界であるため、難しい山である。
熊は初めて登った時は、他の山より厳しい注意のある看板に腰がひけたが、登山道が動物園臭のした羅臼岳ほどでは無い。
少なくとも他にパーティーなど多くの登山者がいれば安心できるが、熊鈴は必須である。
ただし、沢の音で結構かき消されてしまうので、しっかりした鈴を持参した方がよい。
清岳荘からの下りの林道は、車で通りすぎてしまうには勿体ない爽快な道のりである。
樹林(たまに白樺やカラマツ)の中を行く緑のシャワーを味わえる。
ダートではあるが、よく整地されていて、マウンテンバイクで下ったこともあるが、緑の中を風を切って高速で飛ばすと山行の疲れなど一挙に吹き飛んでしまう。
登山口も近くなった頃、智恵柵林道との分岐点に男鹿の滝の看板が出ていた。
しかし、竜神の池の時のように気安く進んではいけない。
男鹿の滝とは斜里岳南麓にある斜里岳にしみ込んだ水が一挙に湧き出る滝で、ここから相当な距離を擁している。
下山後は、清里町駅方面に出るなら、ホテル緑清荘の日帰り温泉、札弦駅方面に出るなら、道の駅パパスランドの湯で汗を流すことをおすすめする。
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投稿日:2015/09/17